[完結] 偽装不倫

野々 さくら

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16話 川口佐和子(1)

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13話14話15話のあらすじ
『偽装不倫の代償』
以前よりSNS上で誹謗中傷を受けていた佐和子。そのアカウントを確認すると、佐和子とバーのマスターとがイルミネーションが彩る中、手を繋ぎ歩いている姿を盗撮されていた。顔は加工アプリで分からないようにしてあるが、コメントには「写真をばら撒かれたくなければ連絡先を教えろ」と書いてあった。アカウント主だけでなく、数人もコメントしておりその姿を笑って見ていた。
佐和子は不倫を否定し、写真を消して欲しいとコメントに打ち込む。しかしアカウント主は「佐和子の夫が銀行勤めの事」と「佐和子の名前」まで突き止めており、銀行に写真をばら撒く、5分以内に連絡先を教えないと加工なしの写真を投稿する。嫌なら連絡先を教えろと迫る。
他にも個人情報を知られている、加工なしの写真を投稿されると怯えた佐和子はあろう事か電話番号を教えてしまう。
それにより佐和子の事をネット上で晒すとアカウント内は盛り上がり、佐和子は自身の軽率な行動に気付くがもう遅かった。しかし幸いな事に「バーに二度と行かない」と約束したら晒さないと提案された佐和子は、その条件を飲む。その後、次はメッセージアプリでSNSのアカウント主と思われる人物から連絡がくる。そこには佐和子の正式なフルネーム、常に見ている、隠れて連絡を取っても分かると書かれており、加工していない佐和子とマスターが写っている写真を送られる。
佐和子は自分だけではなく、夫やマスターにも迷惑がかかると思い、マスターとの連絡を断つ。マスターは自分の言動から佐和子に拒否されたと勘違い。謝り友達として関わりたいと連絡してくるが、佐和子はマスターをブロックし別れを悲しみ泣く。
一週間が経ち、夫は佐和子に最近様子がおかしいと話す。佐和子は食事をせず一週間で5キロ痩せてしまっていた。夫は心配しているが、佐和子は「今まで気付かなかったくせに今更気付かないで」と八つ当たりをしてしまい、自己嫌悪から家を飛び出す。
バーに行き着いた佐和子だったが、もうバーには行かない約束。居場所を失った佐和子はただ空を見上げて涙を流す。そんな時にマスターが現れ、佐和子はやっと今自分に起きている事を話そうとする。
しかし、空が一瞬光った事により佐和子は「違う!」と叫びマスターから離れて行く。
マスターは佐和子の異変を調べる為にSNSを検索。そこでやっと、佐和子が悪質な嫌がらせに遭っていたと知る。


登場人物
川口佐和子
専業主婦の33歳。構ってくれない夫に不満を持っている。夫の気を引く為に偽装不倫を企てる。
おしゃべりで陽気な性格。酒に弱いくせに、酒癖は悪く飲むとマスターに絡む癖がある。
かなり鈍感な性格。
実は料理や掃除は上手い。
危機管理能力に乏しく、いつもマスターに危ないと怒られている。今回は誹謗中傷する相手に脅されたとはいえ、電話番号を教えてしまうという致命的な事をしてしまう。

川口圭介
佐和子と同じ33歳。銀行勤務で支店長代理の役席。気が弱く優しい性格。佐和子が愛を求め、それに上手く応えられない。
佐和子以上に鈍感。佐和子のあからさまな態度にも気付いていない。
酔って絡んでくる佐和子に優しく笑って対応している。
佐和子曰く、自分に関心はないらしいが佐和子が具合悪くなるとしっかり向き合ってくれた。

マスター(川越大輔)35歳
佐和子行きつけのバーのマスター。当て付け不倫ではなく、偽装不倫をしたら良いと提案する。
なかなかの美形であり、見つめられると落ちてしまう女性が多い。それ故に、大輔の事が好きな女性客が数人いる。本人はその事を自覚しており、佐和子を気にかけている事を知られないように気をつけている。
佐和子に意味深な態度を取っている。


関係
圭介と佐和子
同じ地方出身で同じ高校の同級生。遠距離恋愛9年で結婚。遠恋に耐えられなかった佐和子が圭介に着いていくから結婚したいと言った経緯があった。佐和子いわく、圭介はあまり喜んでいなかったらしい。
実は最近、佐和子は圭介の不倫を疑っていた。
29歳から31歳までは転勤先が2人の地元であり、車で出掛けたりして仲良く過ごしていた。佐和子も独身の時に働いていたスーパーで働き、家族や友達と会い圭介に愛を求めるばかりではなかった。31歳で東京勤務になり、佐和子はまた一人になった。


佐和子とマスター
実は佐和子のバーでの飲み代を半額にしており、通常バーではかかる席料も取っていない。客贔屓だと言われない為に二人だけの秘密にしている。
佐和子の事をかなり気にかけており、佐和子の話を聞き、手を繋いできたり抱きしめたり、二人の距離が縮まっている。また一緒に出かける約束をしている。
佐和子がマスターと連絡を取らないとアカウント主と約束している為、一方的に連絡を断つ。マスターは自身の言動のせいだと思い謝るが、佐和子は違うと否定。話し合いをしようとするが、佐和子がある勘違いをして逃げてしまう。


───────────────────────


16話 川口佐和子(1)


30歳の結婚記念日に私は言った。


「そろそろ子供が欲しい」と……。


圭介は笑って頷いてくれた。圭介は優しい人、私の言う事を何でも聞いてくれる。付き合って欲しいと言えば付き合ってくれ、結婚したいと言えば結婚してくれ、子供が欲しいと言えば……本当に子供を作ろうとしてくれた。

妊活を初めて半年、子供は出来なかった……。毎月来る月のものに落ち込みつつ、授かり物だから仕方がないと自分に言い続けた。

でも、そうしている間に友達は次々と妊娠や出産をしていき、二人目という子までいた。友達に思い切って子供が出来ないと相談した。そうしたらタイミングを合わせないとなかなか授からないと教えてもらい、知識のない私に妊活の本をくれた。そこにはタイミング、30歳の妊娠の確率、妊娠しやすい食べ物や体作りまで書いてあった。……そして一年夫婦生活をしても子供を授からない場合は病院に行く事も検討した方が良いとの事だった。

タイミングを合わせた妊活を始めた。圭介は「この日」と言うとどれだけ疲れていても協力してくれた。途中で寝てしまう事があっても最後まで……。もしこの状態で身籠っても一人で育てる事になるだろう。本当に子供を望んで良いのか分からなくなっていた……。


妊活を初めて一年、タイミングを合わせて半年。子供はまだ来てくれず私達は31になった。そろそろ病院について圭介に話そうとした時に圭介は暗い表情で仕事から帰って来た。その瞬間に悟った、転勤の辞令が出たのだと……。

圭介は、私は地元に残って良い、単身赴任にすると言ってくれた。だけど私が嫌だった、だから無理矢理一緒に着いて行った。

東京支店で支店長代理として働き始めた圭介は明らかに疲れていて、帰って来る時間も遅くなった。大丈夫なのか聞いても、「なんとかやっているよ」と言うだけで何も話してくれない。分かるよ……、仕事柄家族にでも話せない事あるよね?でも私が聞きたいのは仕事の事じゃない、圭介の体の事。毎日疲れて帰って来る事を聞いているの、どうして分かってくれないの?

当然ながら子供を作る余裕なんてなくなり、圭介は毎日必死に働いてくれていた。私は支える事しか出来ない……、それだけしか……。淋しいなんて言ってはいけない、子供が欲しいなんて言ってはいけない。ただ待つしかなかった……。


こうしている間に32歳の結婚記念日を迎えた。圭介は「いつもごめんな」「今日は必ず早く帰って来る」「近所の美味しい洋食屋で食事をし、駅前のイルミネーションを見に行こう」と約束してくれた。私は朝から浮かれた。どんな服を着ようか?どんな化粧をしようか?どうしたら可愛いと言われるか?鏡の前に立ち、少ない服を体の前に合わせていた。

でも、そんな時に圭介から連絡があった。「ごめん、どうしても帰れない」と……。いつもは仕方がないと思っていた、仕事だから……。でも去年もそうだったよね?転勤の辞令が出た頃で大変だと分かっていたから何も言わなかった。来年こそはゆっくりお祝いしようと言ってくれたのに……。


私はアパートで一人で居ていられず一人で外に飛び出した。部屋着のままコートを着て、髪もボサボサのまま、ノーメイクのまま、ただ目的地もなく街を歩き回った……。


最後に行き着いた先は駅で、綺麗なイルミネーションの前だった。圭介と一緒に見ると約束していたのに。私は一人、イルミネーションを座って見ていた。


そこに声をかけて来る人達がいた。一緒に飲まないかって。

もう、全てがどうでも良かった……。私はただ黙って着いて行った。それが大輔さんとの出会いだった。





一 現在 一


「……すみません、妻が体調を崩しまして……。いや、しかし十日まともに食べていなくて……。……とにかく今日一日だけでも休ませて下さい!」

圭介は相手がまだ話しているが無理矢理電話を切る。普段の彼の行動からはあり得ない言動だ。


「はぁー。」

額に手をやり、大きく溜息を吐く。


「……圭介……。」

「佐和子、寝てないとだめじゃないか!」

圭介は寝室から起きて来た佐和子を寝室に連れて行く。


「だって、起きたら圭介いなくて……。私……、私……。」

「大丈夫、側に居るから。ご飯は食べた?」


「……いらない。」

「ほら、少しでも食べて。病院に行こう。」


「いや!行かない!やだ!やだ!」

「……分かったから。少しでも食べて。」

「うん。」

圭介は佐和子にお粥を食べさせる。



大輔に最後会った日から三日。佐和子の精神はより不安定になっていた。また写真を撮られたと思い込んでいた為、いつ写真をばら撒かれてもおかしくないと怯えていたからだ。


「……何があったの?そろそろ話してくれない?」

佐和子は布団を被り震える。圭介に知られるのが一番怖いのだ。

「……分かった、もう聞かないから。」

圭介は黙って佐和子の側にいる。


……そして三日前の出来事を思い出す。







三日前、家を飛び出した佐和子を圭介が追いかけると雪で出来た真新しい足跡があった。

その足跡を追って探していくと駅前に辿り着いたのだ。しかし周辺は多数の足跡があり、佐和子の足跡が分からなくなってしまい周辺を探していた。すると……。


佐和子が細い道から飛び出して来たのだ。見た事のない、男性物のコートとマフラーを巻いて。

佐和子は圭介に気付くと走って逃げようとしたが、大きいコートに動きにくいのか、走り疲れていたのか足が遅い圭介でも追いつき佐和子を抱きしめた。

すると佐和子はひたすら謝り続け、圭介は何があったのか話して欲しいと頼んだ。しかし佐和子は何も言わず泣くだけだった。

圭介は周辺を見渡し、誰も居ないと思い佐和子の手を引き家に連れて帰った。

それから三日、佐和子は謝るだけで何も話さない。そして圭介が少しでも離れると「見捨てないで」と泣くのだ。絶対離れないと話し、佐和子の側にいて食事を食べさせる。圭介はそれしか出来なかった。



そして昨夜、佐和子が眠っているのを確認した圭介は、あの日佐和子が出て来た細道の先に何があるのかを調べる為にあの場所に向かった。あの日佐和子が着ていたコートとマフラーを携えて。

細道の先は意外と広く、入り組んでいた。一見するとこの先は何もないように思え、圭介は迷う前に引き返そうと考えた時に一つのバーを見つけた。

おしゃれな外観に、佐和子には縁のない場所だろうと思いつつ、入店を決意する。佐和子同様、圭介にも縁のない場所。場違いだと思いつつ、ドアを開ける。

内装もおしゃれだった。完全に気後れしているが、足を踏み入れる。そこで圭介は一人の男性と対面する事となった。


『あ、お客様申し訳ありません。本日は臨時休業でして……。』

男性は丁寧に頭を下げ、入店出来ない事を謝罪する。


『……え?あれ?すみません!』

圭介は謝り出て行く。営業中と勘違いしてしまったと思いながら……。

しかし、看板にはopenと出ており灯りも付いている。そして鍵も開いていた。本当に臨時休業中なのか?……まるで誰かを……。

圭介は振り返りバーを見る。そして慌ててその場を離れる。携えていたコートとマフラーが入った袋を強く握りしめながら。


圭介の心臓が激しく鼓動を打つ。

長身の男性だった。自分とは違い、背が高く美形。色気や品位を男性の圭介でも感じ取るぐらいに……。


このコートのサイズは自分より大きかった。コートとマフラーのブランドを調べたら、自分には買えない程の高級品だった。


佐和子はまさかあのバーの経営者と……。


そう思った圭介は、慌ててアパートに戻りコートとマフラーの入った袋を押し入れの中にしまった。まるで、見たくない物に蓋をするかのように……。


以上が圭介のこの三日の出来事だった。佐和子に聞きたい事が山ほどあるが圭介は我慢し、佐和子を看病し、今日は仕事まで休んだ。







ピロロロロ、ピロロロロ……。

昼12時、圭介の電話が鳴る。普通電話ではない、メッセージアプリの無料電話の方だ。

圭介は佐和子を起こさないように慌てて離れる。


「もしもし。」

「あ、うん。ごめんね、急に……。」

「……ありがとう、大丈夫だから。」


圭介は安堵の表情を浮かべ笑って話している。


……その姿を目が覚めた佐和子は黙って見ている。目から一粒の涙を流しながら……。









夕方、一人の女性が駅から出て来る。

その女性は茶髪の巻いた髪、バッチリな化粧、香水の甘い香り、ブラウンのロングコート、革の靴を履いた20代後半と思われる今時のファッションに身を包んだ美人な女性だ。

駅の大通から細い道に入って行き、入り組んだ道を慣れた足取りで歩いて行くと一つのバーに着く。

ここは隠れ家的に存在するバーであり、常連客や紹介などで来店する客が多い静かなバーだ。看板には「バー アモネス」と書いてあり、標識には「close」となっているが、女性は構わず入店して行く。


「ああ、いらっしゃい。」

この店のマスターは女性を向かい入れ鍵を掛ける。


「大輔さん、本当に私だけで入店して良いの?」

「……うん、えみちゃんに話があったんだ。」


店が閉じているのに女性が入店出来たのは「バー アネモネ」のマスター、大輔に呼び出されていたからだ。

この「えみ」と呼ばれている女性は以前、佐和子と大輔がデートから帰る時に電車で会った女性だ。この女性はバーの常連、大輔に以前より気があった。


「嬉しい!何?何?まずカクテルちょうだい、いつもの!」


しかし、大輔は黙って水を出す。その表情は悲壮に満ちていた。


「……どうしたの?」


「……えみちゃん……、出来れば君の言葉で聞きたいんだ。『人として、してはいけない事』をしたよね?」


その言葉に、えみと呼ばれる女性は大輔から慌てて目を逸らし俯く。

大輔はその姿に、えみが一連の非人道な事をしていたと思い知る。


そう、佐和子をSNS上で晒して誹謗中傷していたのはこの、「えみ」と呼ばれる女性だった……。






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