[完結] 偽装不倫

野々 さくら

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13話 偽装不倫の代償(1)

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8話 偽装のデート
佐和子はバーのマスターよりデートをしようと誘われる。悩む佐和子だったが、圭介の不倫疑惑から当て付けにマスターとのデートに行く。
しかし待ち合わせ場所に電車で行こうとした佐和子は突然座り込み動けなくなる。そこにマスターが現れ、佐和子にコートをかけ手を握る。
しばらくし落ち着いた佐和子は、マスターに連れられ百貨店に着く。しかし百貨店に初めて来た佐和子は高級な物とそれに見合った金額に驚き買えずに困る。マスターはプレゼントすると言うが、それを断る佐和子。
二人は佐和子が行きたがっていたショッピングモールに行く。マスターの勧めで、化粧品のカウンセリングに行き、販売員に自分に合う化粧を教えてもらう。そこで販売員にひょんな事から、『偽装不倫』について話す。すると、「人の心を試すのはほどほどにした方が良い」「下手したら相手を失うかもしれない」「マスターとは距離を取るべき」「ご主人を大事にして」と言われる。
その後もマスターに服のコーディネートをしてもらったり昼食を食べたり、イルミネーションを見ながら帰る。駅で別れた二人は別々に帰る。
しかし佐和子は帰り際、また一人で座り込んでしまう。マスターは佐和子を遠くから見ており、朝と同じ状況になった佐和子を送ると決める。
佐和子は20歳の時、東京の大学に通う現在の夫に会う為東京に通っていた。20歳の冬、家に帰る為に東京駅に行こうとするが、電車の乗り換えが出来ず帰れなくなってしまった事があった。それがトラウマになり一人で電車に乗れないと話す。佐和子は誰にも、夫にも話せなかった心の内をマスターに話せ、二人はより距離を縮めていく。
マスターと別れた佐和子は、その夜夫と向き合うと決める。以前より疑っていた夫の不倫について話し合うと夫と約束をする。
夫がお風呂から上がってくるのを待っていた佐和子は今抱えている問題の一つ、「盗撮写真をSNS上で勝手に投稿され誹謗中傷されている」事についても向き合うと決める。佐和子は以前から消して欲しいと頼んでいたが、受け入れられず悩んでいた。今日こそ消されていないかと確認すると、新たな投稿がされていた。
その内容は『不倫現場激写!写真ばら撒かれたくなければ連絡先教えろ、おばさん!』と投稿され一緒に載っている写真には、佐和子と大輔が夜のイルミネーションに包まれた街を手を繋ぎながら歩く姿が写っていた。


登場人物
川口佐和子
専業主婦の33歳。構ってくれない夫に不満を持っている。夫の気を引く為に偽装不倫を企てる。
おしゃべりで陽気な性格。酒に弱いくせに、酒癖は悪く飲むとマスターに絡む癖がある。
かなり鈍感な性格。
実は料理や掃除は上手い。

川口圭介
佐和子と同じ33歳。銀行勤務で支店長代理の役席。気が弱く優しい性格。佐和子が愛を求め、それに上手く応えられない。
佐和子以上に鈍感。佐和子のあからさまな態度にも気付いていない。
酔って絡んでくる佐和子に優しく笑って対応している。

マスター(川越大輔)35歳
佐和子行きつけのバーのマスター。当て付け不倫ではなく、偽装不倫をしたら良いと提案する。
なかなかの美形であり、見つめられると落ちてしまう女性が多い。
佐和子に意味深な態度を取っている。


関係
圭介と佐和子
同じ地方出身で同じ高校の同級生。遠距離恋愛9年で結婚。遠恋に耐えられなかった佐和子が圭介に着いていくから結婚したいと言った経緯があった。佐和子いわく、圭介はあまり喜んでいなかったらしい。
実は最近、佐和子は圭介の不倫を疑っていた。


佐和子とマスター
実は佐和子のバーでの飲み代を半額にしており、通常バーではかかる席料も取っていない。客贔屓だと言われない為に二人だけの秘密にしている。
佐和子の事をかなり気にかけており、佐和子の話を聞き、手を繋いできたり抱きしめたり、二人の距離が縮まっている。また一緒に出かける約束をしている。


――――――――――――――――――――――――

13話 偽装不倫の代償(1)
※今回は主人公がある事件に巻き込まれていく描写があります。キツイ展開なので、軽く読んで無理なら止めて下さい。15話で解決していきます。




転勤族の妻、それは想像以上に大変だった。27の時に圭介の転勤をキッカケに結婚……、押しかけ女房になった私はそう痛感した。

2年が経ち29になった時、やっと希望が通り私達の地元で働けるようになった。今後の転勤先は車で一時間ぐらいの距離にして欲しいと圭介は上司に頼んでくれていた。確約は出来ないが、出来るだけ調整すると返事をもらったらしい。


私は地元に戻って来た事により実家が近くなり、お父さん、お母さん、お兄ちゃん、お嫁さん、可愛い甥っ子にすぐ会えるようになった。うちはみんなで酒屋を営んでおり、お嫁さんは同居までしてくれて親にも私にも良くしてくれる、お兄ちゃんには勿体ない人。私は気兼ねなく遊びに行く事を許されていた。

そして私は独身の時から働いていたスーパーでまた雇ってもらい働く事が出来た。久しぶりの仕事も、馴染みの人との会話も全てが楽しかった。友達ともよく会い、毎日がすごく充実していた。圭介の仕事が落ち着いてくると、二人で初めて地元を歩き回った。私達は付き合ったと同時に遠恋になっており、圭介が地元に帰って来たのは11年ぶり。実は地元を一緒に歩くのは初めてだった。車で色々な場所に連れて行ってくれた。……私が行きたいと言った場所だけだったけど、それでも嬉しかった。


30歳の結婚記念日、転勤から一年、私はずっと考えていた希望を圭介に話した。圭介は笑って頷いてくれた。思い切って話して良かった。世間体の結婚でも良い、夫婦にはなれなくても家族になれたらそれで……。

私は毎日願っていた。転勤になりませんようにと……。それは無理だと分かっていたけど、せめて隣の県までにして欲しい、ひたすら願った。せめて週末だけでも一緒にいられるように……。


しかし、その願いは叶わなかった……。転勤の辞令が出た。東京支店で支店長代理として働くようにと……。初めて役席がつく、そう栄転だった。

でも私は喜べなかった。仕事が楽しい、家族との時間が楽しい、友達との時間が楽しい、圭介と育った町を一緒に出かけるのが楽しい。それなのに……。


しかも今度の転勤先は東京?またあんな都会に行くの?人や建物が多い街、私には合わなかった。私は田舎が良い、車でのびのびと出かけるのが好き。人が多いのは嫌、建物が多いのは嫌、……電車じゃないと移動出来ない都会は嫌。怖い、嫌だ。


圭介は言ってくれた。単身赴任にしよう。佐和子は地元に残った方が良いと。……嫌だった、また3ヶ月に一度しか会えない事が。それを甘んじて受け入れる圭介はもっと嫌だった……。私と会えなくて寂しくないの?何も感じないの?あわよくば他の女性と……なんて考えているんじゃないの?


私は仕事、家族、友達、また全てを捨てて圭介に着いて行った。圭介と離れるのが耐えられないのと、……不倫を心配してしまったからだ。圭介は自覚はないようだけど実はモテる。高校の時、圭介と同じクラスの子は圭介に告白していたみたいだし、大学生の時もそれっぽいメールもらっていた事も知っている。頭が良く高学歴、優しく穏やであの笑顔。一定数にモテるのは簡単に想像出来た……。


こうして私も上京した。圭介は東京支店で働き初めてから明らかに忙しそうにしていた。帰りは9時が当たり前になり、食事中やお風呂後にすぐ眠ってしまったり、土日も疲れているのか寝ている時間と休日出勤が増えた。

……以前からの約束は当然守ってもらえず、次の結婚記念日まで待って欲しいと頼まれた。……分かっている、仕事が一番。でもね、こうしている間にあなたも私も年齢を重ねるの……。言いたかった言葉を飲み込み我慢した。

私も、地元に居た時みたいに何かに夢中になった方が良いと思った。働きたいけど、また迷惑かける事はしたくない。だったら無料の催しに行き毎日を充実させよう。そう思い調べたら多くあった。都会は運賃も低く気軽に出かけられる。電車は怖いけど、バスは大丈夫。そう思い乗り込んだ。……しかし、バスでも同じだった。数分毎にバスは来て間違えると全然違う場所に行ってしまう。それを目の当たりにすると足は震え、結局すぐに降りて歩いてアパートに帰った。私は一人でこの街を出る事は出来ない。地元に居る時みたいに自由に車を走らせて好きな場所に行けない……。私は何を楽しみに生きていけば良いの?







一 現在 一


佐和子はSNSで、自分とバーのマスターの大輔と手を繋ぎながら歩いている写真を見つける。


「……何……これ……。」

佐和子は震える。自分と大輔とが手を繋ぎながらイルミネーションで彩る街を歩いている写真。不倫だと言われても否定出来ないぐらい親密な距離で写っていた。

幸いな事に顔は加工アプリか何かでぼやかされているが、服や背景はしっかり写っている。……おそらく、この写真の投稿主は顔までしっかり写っている写真を持っている……。それをばら撒く。圭介が何かのきっかけに見てしまってもおかしくなかった。

佐和子は慌ててコメントを送ろうとすると、別のコメントが目に入る。


『ババアのくせに痛すぎw』

『不倫?こうゆうの許せないんだよねー!夫に教えてやりなよ?連絡先知らないの?』

『っていうか大輔さんと全然釣り合ってないしw』


佐和子に対する誹謗中傷が書かれている。しかし佐和子はそんな事よりもコメントを送る。


『違います。一緒に歩いていただけ。不倫じゃありません。』

佐和子は否定する。しかし……。


『本人降臨!不倫だろう?連絡先教えろ!』

アカウント主からすぐ返事が返ってくる。全く信じてもらえないようだ。攻撃的な態度に、やはり大輔のファンだと分かる。


『連絡先は教えられません。お願いします。写真消して下さい。』

『お前の夫に見せつけてやる。夫、銀行員だろ!周辺の銀行に行ってもいいんだけどw』


その返信に佐和子の背筋は凍りつく。圭介の事を知っているのだと……。その他にも何か知っているのかもしれない。その思いに返事するかのように相手からのコメントが来る。

『お前の名前がサワコだと知っている。もっと言ってやろうか?』


バクン、バクン、バクン……。佐和子の心臓が激しく鼓動を打つ。アカウント主は佐和子の名前を知っている。

佐和子はSNSの名前やユーザーネーム登録時、自分の名前や、もじった物ではなく、好きなペンギンキャラクターの名前をもじったものにしていた。だから、そこからの特定ではない。

だから本当に佐和子の名前まで知られていると思われる。そして「サワコ」と片仮名で書いてある事から、名前を見たのではない、聞いたのだろう……。


佐和子はどのように返事をするべきか悩む。違うとごまかすべきか?認めてお金を払うから消して欲しいと頼むべきか?相手の要求通りに連絡先を教えるべきか……。


「佐和子、お先。」

圭介がお風呂から上がって来る。

「……あ。」

佐和子は咄嗟にスマホを隠す。


「……どうしたの?」

「なんでも……。」

佐和子は圭介と目が合わせられない。


「大丈夫?顔色良くないけど……。」

圭介が佐和子の頬を触ろうとする。


「大丈夫だから!」

佐和子は圭介の手を払い退ける。

「ごめん……。」

圭介は何も悪くないのに謝る。


「……何でもないの!今日は寝て!」

「え?でも話し合うと言っていただろう?」


「いいから!」

佐和子は着替えを持って行き、お風呂場に行く。

話をしたいと言っていた佐和子が、一方的に話をしたくないと拒否をする。圭介からしたら身勝手な話だろう。しかし彼は怒らず、佐和子の言う通りにしている。


佐和子は脱衣所にスマホを持って行き、先程のやり取りを見て経緯を考える。この写真は盗撮、自分も大輔も気付いていない。近くに盗撮していそうな人は居なかったか?

……分からない、イルミネーションを撮る人は多く居た。スマホをこちらに向けられていても、イルミネーションを撮る人だと疑いもしなかった……。

どうしてこのアカウント主は自分を既婚者だと知っているのだろう?佐和子は相手を知らないのに相手は佐和子を知っている。また佐和子の心臓が激しく鼓動を打つ。


「わ!いたの!」

「きゃあ!」

互いに驚く。それはそうだ。圭介は佐和子がお風呂に入っていると思っていた。脱衣所でスマホを見て険しい表情をしていたら誰でも驚く。


「……本当に大丈夫?」

「いいから、あっち行って。」

「ごめん。」


圭介は脱衣所から離れる。佐和子はお風呂に行く為に服を脱ぐからあっちに行ってという意味だったが、言い方が強い。一方圭介は、寝る前の歯磨きに来ただけだったのにこの言われよう。一言ぐらい、「お前が早く風呂に行かないから」と言い返しても良いのに圭介は絶対言わない。


佐和子は体を洗いお湯に浸かる。やはり自分が一人で考えても分からず、もう一人の盗撮の被害者の大輔に相談すると決める。大輔も、「おばさん」と呼ばれる自分と不倫なんて騒がれ迷惑だろう。いつもは長湯だが、今日はすぐ上がりパジャマを着てスキンケアもせずにスマホを触る。……せっかく、シミ用の化粧品を買ったのに……。


メッセージアプリを開く。最後のメッセージは佐和子の「圭介と話し合ってみる」で止まっている。既読になっているが返事がない。また一方的にメッセージを送って良いか悩むが、急を要する事項の為メッセージを打ち込もうとする。内容を確認する為にもう一度盗撮の投稿画面を見る。そこに新規のコメントが来ていた……。


『やっぱりサワコか!夫が銀行員で専業主婦!夫に構ってもらえないからってバーのマスターにグチることしかできない欲求不満のかわいそうな女!大輔さんは優しいからお前に構うだけ、勘違いするな色ボケ不倫女!』


「……分かってるよ、そんな事……、自分が一番……。」

佐和子は思わずそのコメントに呟く。そしてコメントはまたすぐつく。


『大輔さんに相談する気?そんな事してみろ、明日街中の銀行に写真をばら撒いてやるからな!』


「……え!」

佐和子は口元を抑える。佐和子の考えなどお見通し……という事らしい。


『早く連絡先教えろよ!早く!早く!』

『加工していない写真投稿したら?そしたら分かるんじゃない?』

『あと5分で投稿してやるよ!どうする?』


コメントが連続でされる。佐和子は追い詰められ電話番号を教えてしまう。

そしてすぐに返事が来る。その内容は……。



『バカだろお前!電話番号教えるなんて救いようのないバカw』

『不倫妻の電話番号w』

『ねえ?真面目にこの情報出した方が良いんじゃない?また被害者が出ない為にも!』

コメントが飛び交う。アカウント主ではない第三者が面白がり見ていたのだ。


佐和子は自分の行動の軽率さを思い知る。慌てて先程のコメントを消すが、スクリーンショットは撮られているだろう。もう遅かった。


「……どうしよう……、あ……、あ……。」

佐和子は血の気が引く。もうだめだ、圭介に知られるとかの問題では済まない。圭介にも大輔にも仕事上の迷惑をかける。自分の軽率な行動のせいで……。

佐和子は寝室に行き、眠っている圭介を見る。事の全てを話し謝るべきか……?大輔に話すべきか?でも……。


そうしている間にまたコメントが来る。


『まあまあ、こんなバカ晒しても草も生えないしー!それより二度と大輔さんに会わないように約束させよ!』

『いいね!こいつが来ると盛り下がるし、ウザイんだよねー!バーに行った時もこいつ居ると大輔さんと話す時間減るし、マジで消えて欲しいw』

『大輔さん、何でこんなおばさんの出入り許可してるんだろー?バーの雰囲気壊すぐらいダサいし、アネモネのブランドぶっ壊し!』


『分かったおばさん?お前はバーの風格を壊していたんだよ!あそこは品のあるバーでお前のようなダサいババアが来る場所じゃないんだよ!二度とバーにも大輔さんにも近づくな!約束守れば、晒すのも夫の勤め先に行くのも止めてやるよ?』

アカウント主が最後に釘を刺してくる。


『分かりました。もう二度と行きません。だからこの写真も消して下さい。前の写真も。お願いします。なんでもしますから。』

佐和子は震える手でその文章を打ち込む。その目には涙が溢れている。


『ウケるー!夫いるくせにいい気になってるからだよ、お・ば・さ・ん!まあ、二度バーに行かないならいっか!消してやるよ!』

『ちょっと待って!許して良いの?これは許せないよ、注意喚起の意味で写真出した方が良いよ!』

『そうそう、甘いよー!少しは思い知った方が良いんじゃない?』

『うわ、やっばーw』


「やめて……、やだ……。」

佐和子は両手で頭を抱える。そこにまたコメントが来る。


『まあまあ、今後の事はおばさんの態度次第という事にしようw金輪際バーに来るな!分かった?』


『分かりました。』

佐和子はコメントを打ち込む。



ピコン。次はメッセージアプリが通知を知らせる。そこには……。


『川口佐和子、私はお前をいつも見ている。大輔さんと連絡を取ってもすぐ分かる。その時はこの写真をばら撒く。分かったな?』


バクン、バクン、バクン……。佐和子の心臓はまた激しく鼓動を打つ。


『何故、苗字知っているのですか?メッセージアプリのまで?どうして?』

震える指で返信する。


『全て調べてあるから。隠れて連絡すればそれもすぐ分かる。分かった?愚かなおばさん?』


次に送られて来たのはメッセージではない。圭介と佐和子が手を繋いで歩いている写真だった。ただ、SNSと違うのは加工アプリでのボカシはなく二人の顔がしっかり写っている事だった。


「……あ!」

佐和子は目を見開く。……想像していたより顔は鮮明に写っており、自分の頬を赤らめているのもしっかり写っていた。こんな写真、圭介に見られたら離婚になる……。明らかだった。

『分かりました。』


こうして佐和子の恐怖の時間は終わる。布団を被り眠ろうとするが、とても眠る心境になれなかった。





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