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サソリの毒
スコーピオンズ編・完
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目が覚めた時、俺は布団に寝かされていた。全身を走るあまりの痛みに、俺は軽く吐き気を催しながら身を起こす。すると、額から何かがずり落ちた。どうやらそれは、濡れた手ぬぐいのようだ。
身体を見下ろすと、包帯でグルグル巻きにされていた。腕も、腹も、足も、余すところなく真っ白な包帯まみれだ。
ここは、何処だろうか。あたりを見回すと、向こうの部屋では、椅子に座ったまま、こっくりこっくりと船をこぐテツマキさんが見えた。その向かいでは、机に突っ伏したイコマ先生が寝息を立てている。
いつの間に二人が知り合ったのだろうか。俺は疑問に思いながらも、現在地を特定した。テツマキさんのアパートだ。
「パラサイト、現在時刻は」
(朝の6時です)
聞けば、確かにカーテンと窓の向こうでは小鳥が鳴き、朝の気配が明るく室内を照らし始めていた。
俺は苦労して腕を上げ、床に手をついて立ち上がろうとする。が、力を込めればズキリと痛み、思い切り床に倒れてしまう。
その音を聞き、鼻ちょうちんを膨らませていたテツマキさんが目を覚ました。彼女は首を振り、目をこすって椅子の上で伸びをする。そして俺を見、驚いたような笑みを浮かべた。
「……おはよう、クラップロイド」
「……おはようございます、テツマキさん」
俺は苦笑し、間抜けな姿勢で挨拶を返した。
◆
「アイツはまだ寝てるが、許してやってくれ。お前の事を三日も寝ずに看病してたんだ」
林檎の皮をむきながら、テツマキさんは顎でイコマ先生をさす。俺は疑問を感じ、先生とテツマキさんを見比べる。
「……テツマキさんとイコマ先生って、知り合いなんすか」
「ああ? あー……港でお前を回収しようとしていたら、ちょうどアイツと鉢合わせしてな。二人がかりで私の家に運んできたんだ」
「……よく、軍にも警察にも見つかりませんでしたね」
「その辺はまあ、二人で協力したんだ」
「息ピッタリだったんすね」
続く会話がありがたい。今もジンジンと痛みがぶりかえし、こうして話してないと歯を食いしばりそうになる。
テツマキさんは皮を深くむきすぎた林檎を見て溜め息を吐き、小さくカットしてゆく。
「……まあ、なんというか、アイツと私は同級生だったんだ」
「え?」
「高校の同級生だったんだよ。驚いた、お互いにな」
「そうだったんすか……」
「そうだ。まあ、仲もそこそこ良かったんだが、進む道が違ってな。自然と疎遠になったところに、コレだ」
テツマキさんはとても小さくなってしまった林檎を皿に並べ、満足げに鼻を鳴らす。そして俺に林檎を差し出した。
「ほら、林檎がむけたぞ。食え」
「……小さくないっすか」
「文句を言うな。食べさせて欲しいのか?」
「いや……いただきます」
俺は包帯まみれの手で林檎を掴み、口に運ぼうとする。が、思ったより掴むのが難しく、林檎はつるつると滑ってしまう。指に力がこもらないのだ。
「……あー……」
「ふむ、仕方のない奴だ」
テツマキさんは組んだ腕を解き、俺の手から林檎を取り上げ、ひときれつまんで俺の口へ運ぶ。俺は気恥ずかしくなり、顔を逸らす。
「いや、それは……」
「何だ。あーん、と言ってほしかったか?」
「赤ちゃんでもないのに……」
「同じだ。ククク、街を救ったクラップロイド様も、こうなれば無力だな」
悪い笑顔を浮かべ、テツマキさんはぐいぐい俺の頬に林檎を押し付けて来る。俺はとうとう諦め、口を開いて林檎を受け入れる。
意識的か無意識にやったのか、一口で食べられるサイズの林檎は食べやすく、すぐに飲み込んでしまう。すると、今まで意識もしなかったのに、猛烈な空腹を感じた。
「……うまいっす」
「そうだろう。私がむいた林檎だ」
「関係あるんすかね……」
(録画しています)
なんだか多方向から責められている。俺は顔が赤くなるのを感じながら、また差し出された林檎を食べる。
あっという間に林檎が無くなり、俺は満ち足りて息を吐く。テツマキさんは空になった皿を見て満足げに頷き、それを下げた。
そして、少し迷うように視線をさまよわせ、話し出す。
「……今回の件は、最高とまではいかないが……我々のベストを尽くした。特にお前は、期待以上の働きをしてくれた。民間での犠牲者は最小限に抑えられた」
「……」
「嬉しそうな顔をしろ。これでも褒めているんだ、堂本。お前はよくやった。スコーピオンズの武器は押収され、あの組織は解体された。とりのがした残党は闇に消えたが、もう大規模なテロを起こす力はないだろう」
「……そうでしょうか」
「どういう意味だ?」
自爆する直前のコラプターの叫びが耳に蘇る。あの声は、ハッタリや嘘ではなく、本気の叫びだった。
「……コラプターが言っていました。クラリス・コーポレーションは、真っ黒だって。まだ、終わっていないって」
「……」
テツマキさんは真剣な目で俺を見詰めている。が、やがて彼女は首を横に振った。
「……犯罪者の負け惜しみか、お前に疑心を植え付けたかったのか……何にせよ、お前はもう気にするな。これから先は、私達の仕事だ」
「……」
「とにかく、よくやってくれた。お前はヒーローだよ、クラップロイド」
くしゃくしゃと頭を撫でられる。俺は胸の奥に小さな引っ掛かりを感じながらも、それ以上の言葉を諦め、枕に頭を預けて布団に横たわる。
テツマキさんは布団の上から俺の腹をぽんぽん叩き、皿を持って台所へと歩いて行く。しばらくすると、猛烈な眠気に襲われ、俺は再度眠りに落ちた。
◆
「い、ててて……」
「堂本くん、大丈夫? やっぱりまだ寝てた方がいいんじゃ……」
「大丈夫だ、全く。お前は昔から心配しすぎなんだ」
数日後。歩ける程度に回復した俺は、壁に手をついて歩き、リハビリしながら、騒々しい声に囲まれていた。
心配そうに俺を手助けしようとするのはイコマ先生だ。俺がふらつくたびに、すぐさま俺の身体を支えようと手を伸ばす。
対して、手出しせずに俺を見守っているのはテツマキさんだ。彼女は室内のトレーニング器具で筋肉を鍛えながら、隣の俺を横目で見る。
「ユキちゃんは楽観的すぎるよ、堂本くんだってまだ全然治ってないのに!」
「ちゃん付けはやめろ。全く……おい堂本、治ってないのか?」
「いえ、平気っす……明日には、多分全部治ってますんで……!」
「ほれみろ、若い奴は怪我をしてもすぐに治るものだ。心配性にもほどがあるんだよお前は」
テツマキさんの言葉に、イコマ先生はむーっと頬を膨らませ、俺にこそこそと耳打ちしてくる。
「……ユキちゃんが怖くて本当の事が言えないんだったら、先生には打ち明けても大丈夫だからね」
「おい、聞こえてるぞイコマ」
……数年来の友情を取り戻すのは結構だが、俺をダシにしないでほしい。俺は曖昧に笑みを浮かべ、リハビリを続ける。
(脚の治癒はほぼ完了しています。腹筋、腰はあと少しかかりますので、それまでは膝に負担をかけつつ過ごしてください。また、内臓の損傷も完治)
「フー、だいぶマシになってきた……」
(パワードスーツを装着すれば、筋力補助機能でかなり楽になりますよ)
「……まさか、自分の力でやるさ……」
まあ、この身体もパラサイトにかなり改造されたのだが。俺はもう一度歩き出し、アパートの一室をゆっくりと回る。
その間も、イコマ先生は甲斐甲斐しく俺の身の回りの世話を焼き続け、苛立ったテツマキさんが注意し、また口論に発展していた。何かとぶつかり合ってはいるが、二人とも全く嫌そうではないので、やっぱり仲が良いのだと思う。
結局、その日の終わりには、俺は一通りの日常生活をこなせるまでに回復していた。
◆
星明りがカーテンの隙間から差し込む。
一日が終わり、俺は明日にはテツマキさんの家から退出する事になった。体の治りが常人よりかなり早く、先生には疑われてしまったが。
(((大丈夫? 病院行った方がいいでしょ? 痛いところあるんじゃないの?)))
(((いいかイコマ、男子たるもの多少の痛みは我慢して……)))
(((ユキちゃんは女でしょ!?)))
(((心構えの話だ!! あとちゃん付けするな!!)))
昼間には喧々諤々の論争を繰り広げていたイコマ先生とテツマキさんも、今は俺の隣にそれぞれ布団を敷いて眠りこけている。この二人にも多大な負担を強いてしまった。俺は自分を情けなく思いながら、布団を頭から被って眠りにつこうとし……
頭の上に、何かが落ちて来た。俺は驚き、体を起こして『それ』を見る。どうやらそれは巻物のようで、床に落ちて転がっている。
咄嗟に天井を見上げても、そこには誰も居ない。ただ、窓から吹き込む夜風がカーテンを揺らすのみ。
「……?」
なんだか嫌な予感がする。俺は巻物を手に取り、開いて中身を確認する。するとそこには、見覚えのある白と黒の模様が描かれていた。
(これはQRコードです。ジャンプ先のURLを精査した結果、危険性は無いと判断)
「QRコードの巻物……覚えがあるなぁ……」
一人の暗殺者を脳裏に描きながら、俺はしぶしぶそのQRコードを読み込む。俺の視界に文字が浮かぶ。
『外』
外。表に出ろという事だろうか。俺は溜息を吐き、体を起こす。
そして、先生たちを起こさないよう、囁いた。
「……パラサイト、スニーキングモードでスーツアップだ」
(了解、スーツアップ)
途端、俺の全身をダークブルーのアーマーが覆った。
◆
アパートの階段を降り、道路を歩く。空には満点の星々が輝いており、その真ん中では月が力強く輝いている。
良い夜だ。アーマーなしで歩けたならもっと良い夜だっただろう。俺は歩みを止め、人の気配のしない周囲を見回す。
『……居るんだろ、出て来いよ』
俺の声が、静かな夜に響く。暫くは何の応答も無かったが、やがてどこからともなくクスクス笑いが聞こえて来た。
そして、民家の屋根の上から、そいつが飛び降りて来た。顔の上半分を覆う狐面。エセ着物。丈の短い女袴。スコーピオンズの暗殺者、クズハだ。
俺は拳を構え、適切な距離を保とうとする。クズハは扇で口元を隠し、俺を見詰めている。
『……お礼参りってところか? 悪いが、俺はまっこうから戦わずに警察に通報もできるぜ』
「……フン、それまでにおぬしを殺して逃げる事もできよう。じゃが、ここへおぬしを呼んだ意味を履き違えるな。警告に来たのじゃ、堂本……クラップロイドの方が良かったかのう?」
当然、知られているか。俺はヘルメットの内側で唇を舐めて湿らせ、じりっと後退する。クズハは目を細めて笑い、扇をたたむと、俺を指す。
「くくく、そう構えるな。こたびの戦いは見事であった。わらわも少し、おぬしを見くびっておったわ」
『……随分買ってもらってるもんだな』
「じゃが、少々目立ち過ぎじゃ。おぬしはさながら、狼の巣に迷い込んだ幼い羊よ。これからさまざまな悪意がおぬしを襲うぞ」
『……何故警告する。俺に』
俺の言葉に、クズハはにまぁっと口の端を裂き、鋭い歯をのぞかせる。
「なに、今回はわらわもおぬしに獲物を奪われた形でのう。もう少しコラプターを泳がせて、悪の組織を一網打尽にするつもりじゃったが……おぬしのお陰で、それがおじゃんじゃ」
『……あー、つまり?』
「馬鹿たれ、全部言わせるつもりか。……しょうがないのう、これじゃから」
どうしても察せない俺に、クズハはあきれ顔で懐から何かを取り出す。それは、何かの……手帳だ。英語で何事か書かれており、鷲の紋章が刻まれている。
「わらわはスパイじゃ。SAC、しーくれっと・えーじぇんと・かんぱにーの人間なのじゃ」
『しーくれっと……』
(SAC、シークレット・エージェント・カンパニー。世界を股にかけるスパイ組織です。その全貌を知る者は組織の人間ですら居ないと言われており、存在すら都市伝説のような確証のないものです)
『……俺にばらす意味は?』
「なに、エモノを取られた分、これから先の任務でこき使ってやろうとのう」
クズハはもう一度扇を開き、口元を隠してにやけ声で言う。俺は情報の津波に微妙に混乱しつつ、整理するために言葉にしてゆく。
『つまり、お前はスパイで……スコーピオンズを潰すつもりで組織に潜入してて、それを俺に邪魔されたってのか?』
「スコーピオンズ以外もな。たとえば今回、タンカーで武器を輸出する相手も特定したかったのじゃが……」
『……』
これではまるっきり俺が馬鹿のようだ。世界を守ろうとして、目先のものだけを終わらせて、その先にある根深い問題を解決できていない。
『……えっと、すみませんでした……』
「良い。謝罪は要らぬ。おぬしのような馬鹿も世界には必要じゃ。わらわのやり方は、目的までの犠牲を良しとしておった。確かに、おぬしのやり方も無下には扱えん」
『……』
「じゃがのう……わらわも、手柄を奪われてのう……分かるじゃろう、クラップロイド?」
によによと笑い、クズハは俺を責めて来る。俺は深いため息を吐き、しぶしぶ頷いた。
『……学業優先で頼むよ、俺にも生活がある』
「無論、わらわにも世を忍ぶ仮の姿はあるのじゃ。じゃが、緊急となればおぬしの都合を考えず呼び出すゆえ、協力するんじゃぞ?」
『おい、俺の将来はどうなるんだ……』
「およ、ひーろー殿が将来の心配かえ? くく、くらうどふぁんでぃんぐでもしたらどうじゃ?」
『……』
「ともかく、協力を惜しまん事じゃ。正体はバラされたくなかろう?」
一方的な話だが、ヒーローとして頑張ると言い切った以上、これを断る訳にも行かない。世界の安定は、シマヨシさんも望んでいた事だろう。
『……分かった。手を貸す』
「ほう、殊勝な事じゃ」
『ただし、条件がある』
「……?」
俺の言葉に、クズハは首を傾げる。俺は唾を飲み、これから言う言葉に意識を集中させる。
『……アンタの名前を教えてくれ。それで対等だ』
「む、くく。クズハじゃと言っとる……」
『本当の名前をな。アンタは俺の正体を知ってる。なら、俺はアンタの正体を教えてもらう。それで最低限、対等だ』
「……」
クズハは目を細め、品定めするかの如く俺を見詰めて来る。が、やがて諦めたように口を開いた。
「……ネイ・シェン。わらわの名じゃ」
『ネイ・シェン? 日本人じゃないのか?』
「生まれは中国なのじゃ。フン、この事を漏らせばおぬしを殺すぞ」
『どうも……アンタも、俺の正体を言いふらしたら、覚悟してもらうぜ』
自分で言っておいて何をどう覚悟させるのかは分からないが、とりあえずこれでお互いに対等だ。これを拒まれれば協力する気は無かった。
「では、また連絡させてもらうぞ。その時までせいぜい死なん事じゃな」
言い、クズハもといネイ・シェンは跳躍。民家の上へと猫のように着地すると、疾風じみて駆け出し、あっという間に見えなくなった。
『……忍者みたいだな、アイツ』
(SACは秘匿された組織です。現代の忍者集団と言っても過言ではないでしょう)
『はぁ~……なんか厄介事の種を抱え込んだ気がするぜ……』
(仕方がありません。これも試練です、立派なヒーローを目指して頑張りましょう)
『険しい道のりだこって……』
俺は頭を掻きながら、ロイドモードを解除する。そして上を見上げ、満天の星を見た。
白んでゆく空は、まだ黒い部分を残している。輝く星は、少しずつその役目を終え、青く塗りつぶされて行く。
良い夜だ。俺は夜風を感じながら、もう一度だけ、溜め息を吐いた。
◆
昼間の商店街である。完全回復した俺は、残り数日となった休みでしっかりと日常に慣れる必要があった。
信じがたい事だが、スコーピオンズと俺との戦いは一週間足らずで繰り広げられ、終わっていた。覚えている戦いが壮絶すぎて、アレが数か月にわたる戦いに感じてしまう。
「あ、このキャベツください」
「はいよ、今ならこのクラップロイドのキーホルダーも買えるけど」
「いや、いらないっす……」
苦笑しながら、八百屋の主人に金を渡す。と、その時、遠方で爆音が轟いた。
驚き、釣り銭も忘れて道路へ飛び出す。すると、道路の向こう、土煙をまとった巨大な機械じみたバケモノが駆動しているのが見えた。人々は悲鳴を上げ、散り散りに逃げまどっている。
バケモノはそのまま隣接するビルへと拳を突き出し、とてつもない威力で崩壊せしめる。人々の悲鳴が響き渡り、パトカーのサイレンが近寄って来る。
(ご主人様)
「ったく、休む暇もないってか……パラサイト、スーツアップ!!」
(了解、スーツアップ)
俺は走り出し、叫ぶ。直後、疾風の如く走る俺の全身が、銀のアーマーで覆われた。
バケモノが振り向く。俺は跳躍し、拳を引き絞った。
『……食らえッ!』
叫びが轟き、拳が直撃する。バケモノは吼えながら拳を押し返す。俺は反動を利用して宙がえりし、着地する。
逃げまどっていた市民たちが俺を見、安堵と喜びの声を上げる。俺は拳を構え、宣言した。
『俺は、クラップロイドだ』
身体を見下ろすと、包帯でグルグル巻きにされていた。腕も、腹も、足も、余すところなく真っ白な包帯まみれだ。
ここは、何処だろうか。あたりを見回すと、向こうの部屋では、椅子に座ったまま、こっくりこっくりと船をこぐテツマキさんが見えた。その向かいでは、机に突っ伏したイコマ先生が寝息を立てている。
いつの間に二人が知り合ったのだろうか。俺は疑問に思いながらも、現在地を特定した。テツマキさんのアパートだ。
「パラサイト、現在時刻は」
(朝の6時です)
聞けば、確かにカーテンと窓の向こうでは小鳥が鳴き、朝の気配が明るく室内を照らし始めていた。
俺は苦労して腕を上げ、床に手をついて立ち上がろうとする。が、力を込めればズキリと痛み、思い切り床に倒れてしまう。
その音を聞き、鼻ちょうちんを膨らませていたテツマキさんが目を覚ました。彼女は首を振り、目をこすって椅子の上で伸びをする。そして俺を見、驚いたような笑みを浮かべた。
「……おはよう、クラップロイド」
「……おはようございます、テツマキさん」
俺は苦笑し、間抜けな姿勢で挨拶を返した。
◆
「アイツはまだ寝てるが、許してやってくれ。お前の事を三日も寝ずに看病してたんだ」
林檎の皮をむきながら、テツマキさんは顎でイコマ先生をさす。俺は疑問を感じ、先生とテツマキさんを見比べる。
「……テツマキさんとイコマ先生って、知り合いなんすか」
「ああ? あー……港でお前を回収しようとしていたら、ちょうどアイツと鉢合わせしてな。二人がかりで私の家に運んできたんだ」
「……よく、軍にも警察にも見つかりませんでしたね」
「その辺はまあ、二人で協力したんだ」
「息ピッタリだったんすね」
続く会話がありがたい。今もジンジンと痛みがぶりかえし、こうして話してないと歯を食いしばりそうになる。
テツマキさんは皮を深くむきすぎた林檎を見て溜め息を吐き、小さくカットしてゆく。
「……まあ、なんというか、アイツと私は同級生だったんだ」
「え?」
「高校の同級生だったんだよ。驚いた、お互いにな」
「そうだったんすか……」
「そうだ。まあ、仲もそこそこ良かったんだが、進む道が違ってな。自然と疎遠になったところに、コレだ」
テツマキさんはとても小さくなってしまった林檎を皿に並べ、満足げに鼻を鳴らす。そして俺に林檎を差し出した。
「ほら、林檎がむけたぞ。食え」
「……小さくないっすか」
「文句を言うな。食べさせて欲しいのか?」
「いや……いただきます」
俺は包帯まみれの手で林檎を掴み、口に運ぼうとする。が、思ったより掴むのが難しく、林檎はつるつると滑ってしまう。指に力がこもらないのだ。
「……あー……」
「ふむ、仕方のない奴だ」
テツマキさんは組んだ腕を解き、俺の手から林檎を取り上げ、ひときれつまんで俺の口へ運ぶ。俺は気恥ずかしくなり、顔を逸らす。
「いや、それは……」
「何だ。あーん、と言ってほしかったか?」
「赤ちゃんでもないのに……」
「同じだ。ククク、街を救ったクラップロイド様も、こうなれば無力だな」
悪い笑顔を浮かべ、テツマキさんはぐいぐい俺の頬に林檎を押し付けて来る。俺はとうとう諦め、口を開いて林檎を受け入れる。
意識的か無意識にやったのか、一口で食べられるサイズの林檎は食べやすく、すぐに飲み込んでしまう。すると、今まで意識もしなかったのに、猛烈な空腹を感じた。
「……うまいっす」
「そうだろう。私がむいた林檎だ」
「関係あるんすかね……」
(録画しています)
なんだか多方向から責められている。俺は顔が赤くなるのを感じながら、また差し出された林檎を食べる。
あっという間に林檎が無くなり、俺は満ち足りて息を吐く。テツマキさんは空になった皿を見て満足げに頷き、それを下げた。
そして、少し迷うように視線をさまよわせ、話し出す。
「……今回の件は、最高とまではいかないが……我々のベストを尽くした。特にお前は、期待以上の働きをしてくれた。民間での犠牲者は最小限に抑えられた」
「……」
「嬉しそうな顔をしろ。これでも褒めているんだ、堂本。お前はよくやった。スコーピオンズの武器は押収され、あの組織は解体された。とりのがした残党は闇に消えたが、もう大規模なテロを起こす力はないだろう」
「……そうでしょうか」
「どういう意味だ?」
自爆する直前のコラプターの叫びが耳に蘇る。あの声は、ハッタリや嘘ではなく、本気の叫びだった。
「……コラプターが言っていました。クラリス・コーポレーションは、真っ黒だって。まだ、終わっていないって」
「……」
テツマキさんは真剣な目で俺を見詰めている。が、やがて彼女は首を横に振った。
「……犯罪者の負け惜しみか、お前に疑心を植え付けたかったのか……何にせよ、お前はもう気にするな。これから先は、私達の仕事だ」
「……」
「とにかく、よくやってくれた。お前はヒーローだよ、クラップロイド」
くしゃくしゃと頭を撫でられる。俺は胸の奥に小さな引っ掛かりを感じながらも、それ以上の言葉を諦め、枕に頭を預けて布団に横たわる。
テツマキさんは布団の上から俺の腹をぽんぽん叩き、皿を持って台所へと歩いて行く。しばらくすると、猛烈な眠気に襲われ、俺は再度眠りに落ちた。
◆
「い、ててて……」
「堂本くん、大丈夫? やっぱりまだ寝てた方がいいんじゃ……」
「大丈夫だ、全く。お前は昔から心配しすぎなんだ」
数日後。歩ける程度に回復した俺は、壁に手をついて歩き、リハビリしながら、騒々しい声に囲まれていた。
心配そうに俺を手助けしようとするのはイコマ先生だ。俺がふらつくたびに、すぐさま俺の身体を支えようと手を伸ばす。
対して、手出しせずに俺を見守っているのはテツマキさんだ。彼女は室内のトレーニング器具で筋肉を鍛えながら、隣の俺を横目で見る。
「ユキちゃんは楽観的すぎるよ、堂本くんだってまだ全然治ってないのに!」
「ちゃん付けはやめろ。全く……おい堂本、治ってないのか?」
「いえ、平気っす……明日には、多分全部治ってますんで……!」
「ほれみろ、若い奴は怪我をしてもすぐに治るものだ。心配性にもほどがあるんだよお前は」
テツマキさんの言葉に、イコマ先生はむーっと頬を膨らませ、俺にこそこそと耳打ちしてくる。
「……ユキちゃんが怖くて本当の事が言えないんだったら、先生には打ち明けても大丈夫だからね」
「おい、聞こえてるぞイコマ」
……数年来の友情を取り戻すのは結構だが、俺をダシにしないでほしい。俺は曖昧に笑みを浮かべ、リハビリを続ける。
(脚の治癒はほぼ完了しています。腹筋、腰はあと少しかかりますので、それまでは膝に負担をかけつつ過ごしてください。また、内臓の損傷も完治)
「フー、だいぶマシになってきた……」
(パワードスーツを装着すれば、筋力補助機能でかなり楽になりますよ)
「……まさか、自分の力でやるさ……」
まあ、この身体もパラサイトにかなり改造されたのだが。俺はもう一度歩き出し、アパートの一室をゆっくりと回る。
その間も、イコマ先生は甲斐甲斐しく俺の身の回りの世話を焼き続け、苛立ったテツマキさんが注意し、また口論に発展していた。何かとぶつかり合ってはいるが、二人とも全く嫌そうではないので、やっぱり仲が良いのだと思う。
結局、その日の終わりには、俺は一通りの日常生活をこなせるまでに回復していた。
◆
星明りがカーテンの隙間から差し込む。
一日が終わり、俺は明日にはテツマキさんの家から退出する事になった。体の治りが常人よりかなり早く、先生には疑われてしまったが。
(((大丈夫? 病院行った方がいいでしょ? 痛いところあるんじゃないの?)))
(((いいかイコマ、男子たるもの多少の痛みは我慢して……)))
(((ユキちゃんは女でしょ!?)))
(((心構えの話だ!! あとちゃん付けするな!!)))
昼間には喧々諤々の論争を繰り広げていたイコマ先生とテツマキさんも、今は俺の隣にそれぞれ布団を敷いて眠りこけている。この二人にも多大な負担を強いてしまった。俺は自分を情けなく思いながら、布団を頭から被って眠りにつこうとし……
頭の上に、何かが落ちて来た。俺は驚き、体を起こして『それ』を見る。どうやらそれは巻物のようで、床に落ちて転がっている。
咄嗟に天井を見上げても、そこには誰も居ない。ただ、窓から吹き込む夜風がカーテンを揺らすのみ。
「……?」
なんだか嫌な予感がする。俺は巻物を手に取り、開いて中身を確認する。するとそこには、見覚えのある白と黒の模様が描かれていた。
(これはQRコードです。ジャンプ先のURLを精査した結果、危険性は無いと判断)
「QRコードの巻物……覚えがあるなぁ……」
一人の暗殺者を脳裏に描きながら、俺はしぶしぶそのQRコードを読み込む。俺の視界に文字が浮かぶ。
『外』
外。表に出ろという事だろうか。俺は溜息を吐き、体を起こす。
そして、先生たちを起こさないよう、囁いた。
「……パラサイト、スニーキングモードでスーツアップだ」
(了解、スーツアップ)
途端、俺の全身をダークブルーのアーマーが覆った。
◆
アパートの階段を降り、道路を歩く。空には満点の星々が輝いており、その真ん中では月が力強く輝いている。
良い夜だ。アーマーなしで歩けたならもっと良い夜だっただろう。俺は歩みを止め、人の気配のしない周囲を見回す。
『……居るんだろ、出て来いよ』
俺の声が、静かな夜に響く。暫くは何の応答も無かったが、やがてどこからともなくクスクス笑いが聞こえて来た。
そして、民家の屋根の上から、そいつが飛び降りて来た。顔の上半分を覆う狐面。エセ着物。丈の短い女袴。スコーピオンズの暗殺者、クズハだ。
俺は拳を構え、適切な距離を保とうとする。クズハは扇で口元を隠し、俺を見詰めている。
『……お礼参りってところか? 悪いが、俺はまっこうから戦わずに警察に通報もできるぜ』
「……フン、それまでにおぬしを殺して逃げる事もできよう。じゃが、ここへおぬしを呼んだ意味を履き違えるな。警告に来たのじゃ、堂本……クラップロイドの方が良かったかのう?」
当然、知られているか。俺はヘルメットの内側で唇を舐めて湿らせ、じりっと後退する。クズハは目を細めて笑い、扇をたたむと、俺を指す。
「くくく、そう構えるな。こたびの戦いは見事であった。わらわも少し、おぬしを見くびっておったわ」
『……随分買ってもらってるもんだな』
「じゃが、少々目立ち過ぎじゃ。おぬしはさながら、狼の巣に迷い込んだ幼い羊よ。これからさまざまな悪意がおぬしを襲うぞ」
『……何故警告する。俺に』
俺の言葉に、クズハはにまぁっと口の端を裂き、鋭い歯をのぞかせる。
「なに、今回はわらわもおぬしに獲物を奪われた形でのう。もう少しコラプターを泳がせて、悪の組織を一網打尽にするつもりじゃったが……おぬしのお陰で、それがおじゃんじゃ」
『……あー、つまり?』
「馬鹿たれ、全部言わせるつもりか。……しょうがないのう、これじゃから」
どうしても察せない俺に、クズハはあきれ顔で懐から何かを取り出す。それは、何かの……手帳だ。英語で何事か書かれており、鷲の紋章が刻まれている。
「わらわはスパイじゃ。SAC、しーくれっと・えーじぇんと・かんぱにーの人間なのじゃ」
『しーくれっと……』
(SAC、シークレット・エージェント・カンパニー。世界を股にかけるスパイ組織です。その全貌を知る者は組織の人間ですら居ないと言われており、存在すら都市伝説のような確証のないものです)
『……俺にばらす意味は?』
「なに、エモノを取られた分、これから先の任務でこき使ってやろうとのう」
クズハはもう一度扇を開き、口元を隠してにやけ声で言う。俺は情報の津波に微妙に混乱しつつ、整理するために言葉にしてゆく。
『つまり、お前はスパイで……スコーピオンズを潰すつもりで組織に潜入してて、それを俺に邪魔されたってのか?』
「スコーピオンズ以外もな。たとえば今回、タンカーで武器を輸出する相手も特定したかったのじゃが……」
『……』
これではまるっきり俺が馬鹿のようだ。世界を守ろうとして、目先のものだけを終わらせて、その先にある根深い問題を解決できていない。
『……えっと、すみませんでした……』
「良い。謝罪は要らぬ。おぬしのような馬鹿も世界には必要じゃ。わらわのやり方は、目的までの犠牲を良しとしておった。確かに、おぬしのやり方も無下には扱えん」
『……』
「じゃがのう……わらわも、手柄を奪われてのう……分かるじゃろう、クラップロイド?」
によによと笑い、クズハは俺を責めて来る。俺は深いため息を吐き、しぶしぶ頷いた。
『……学業優先で頼むよ、俺にも生活がある』
「無論、わらわにも世を忍ぶ仮の姿はあるのじゃ。じゃが、緊急となればおぬしの都合を考えず呼び出すゆえ、協力するんじゃぞ?」
『おい、俺の将来はどうなるんだ……』
「およ、ひーろー殿が将来の心配かえ? くく、くらうどふぁんでぃんぐでもしたらどうじゃ?」
『……』
「ともかく、協力を惜しまん事じゃ。正体はバラされたくなかろう?」
一方的な話だが、ヒーローとして頑張ると言い切った以上、これを断る訳にも行かない。世界の安定は、シマヨシさんも望んでいた事だろう。
『……分かった。手を貸す』
「ほう、殊勝な事じゃ」
『ただし、条件がある』
「……?」
俺の言葉に、クズハは首を傾げる。俺は唾を飲み、これから言う言葉に意識を集中させる。
『……アンタの名前を教えてくれ。それで対等だ』
「む、くく。クズハじゃと言っとる……」
『本当の名前をな。アンタは俺の正体を知ってる。なら、俺はアンタの正体を教えてもらう。それで最低限、対等だ』
「……」
クズハは目を細め、品定めするかの如く俺を見詰めて来る。が、やがて諦めたように口を開いた。
「……ネイ・シェン。わらわの名じゃ」
『ネイ・シェン? 日本人じゃないのか?』
「生まれは中国なのじゃ。フン、この事を漏らせばおぬしを殺すぞ」
『どうも……アンタも、俺の正体を言いふらしたら、覚悟してもらうぜ』
自分で言っておいて何をどう覚悟させるのかは分からないが、とりあえずこれでお互いに対等だ。これを拒まれれば協力する気は無かった。
「では、また連絡させてもらうぞ。その時までせいぜい死なん事じゃな」
言い、クズハもといネイ・シェンは跳躍。民家の上へと猫のように着地すると、疾風じみて駆け出し、あっという間に見えなくなった。
『……忍者みたいだな、アイツ』
(SACは秘匿された組織です。現代の忍者集団と言っても過言ではないでしょう)
『はぁ~……なんか厄介事の種を抱え込んだ気がするぜ……』
(仕方がありません。これも試練です、立派なヒーローを目指して頑張りましょう)
『険しい道のりだこって……』
俺は頭を掻きながら、ロイドモードを解除する。そして上を見上げ、満天の星を見た。
白んでゆく空は、まだ黒い部分を残している。輝く星は、少しずつその役目を終え、青く塗りつぶされて行く。
良い夜だ。俺は夜風を感じながら、もう一度だけ、溜め息を吐いた。
◆
昼間の商店街である。完全回復した俺は、残り数日となった休みでしっかりと日常に慣れる必要があった。
信じがたい事だが、スコーピオンズと俺との戦いは一週間足らずで繰り広げられ、終わっていた。覚えている戦いが壮絶すぎて、アレが数か月にわたる戦いに感じてしまう。
「あ、このキャベツください」
「はいよ、今ならこのクラップロイドのキーホルダーも買えるけど」
「いや、いらないっす……」
苦笑しながら、八百屋の主人に金を渡す。と、その時、遠方で爆音が轟いた。
驚き、釣り銭も忘れて道路へ飛び出す。すると、道路の向こう、土煙をまとった巨大な機械じみたバケモノが駆動しているのが見えた。人々は悲鳴を上げ、散り散りに逃げまどっている。
バケモノはそのまま隣接するビルへと拳を突き出し、とてつもない威力で崩壊せしめる。人々の悲鳴が響き渡り、パトカーのサイレンが近寄って来る。
(ご主人様)
「ったく、休む暇もないってか……パラサイト、スーツアップ!!」
(了解、スーツアップ)
俺は走り出し、叫ぶ。直後、疾風の如く走る俺の全身が、銀のアーマーで覆われた。
バケモノが振り向く。俺は跳躍し、拳を引き絞った。
『……食らえッ!』
叫びが轟き、拳が直撃する。バケモノは吼えながら拳を押し返す。俺は反動を利用して宙がえりし、着地する。
逃げまどっていた市民たちが俺を見、安堵と喜びの声を上げる。俺は拳を構え、宣言した。
『俺は、クラップロイドだ』
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