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サソリの毒
クラップロイド・覚悟
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半壊したライオットシールドを手に持ち、機動隊の一人が膝をつく。
彼の周囲はまさに地獄のような様相を呈していた。人々が銃弾に倒れ、テロリストも警官も軍人も関係なく、続々と死んでゆく。
だが、もう少し、もう少しのハズだ。テロリストの供給は止まり、残った犯罪者たちも少しずつ無力化させている。しかし……しかし、そのもう少しが、あまりにも遠い。
「ははーっ、シールド持ち! 100ポイントだァーーっ!!」
叫びながら、テロリストの一名が銃口を機動隊の男性へ向ける。彼は防護ヘルメットの中、目を瞑って死を覚悟する。
が、そのテロリストは前のめりに倒れ込んだ。その後ろから、煙を上げ、バチバチと電撃を発するグローブを手にはめた女性が現れる。
「な、き、貴様、テツマキ……!?」
「大丈夫ですか、先輩」
その女性、テツマキは倒れたテロリストの武器を荒っぽく破壊し、ロープでグルグル巻きにしながら機動隊男性を見る。対する男性は驚き、言葉を探し、口を開く。
「……貴様、停職中では……」
「まさか。停職中にフェスティバルを楽しもうと思ったら、こんな連中に出くわしたんです」
白々しく言い放ち、テツマキは顔を上げて海の向こうを睨む。男性もよろよろと立ち上がり、テツマキの視線を追うが、そこには黒々とした水平線が揺らぐのみだ。
「……頼んだぞ、クラップロイド」
「何?」
ぼそりと呟かれたその呟きを聞き取れず、男性が聞き返す。しかしその時には、テツマキは別のテロリストへ向かって駆け出していた。
◆
タンカーが波を打ち砕き、進んで行く。定期的に揺れる船は、甲板の俺達以外に物音を立てるヤツは居ない。
俺は拳を構え、じりじりと円を描くように移動する。コラプターは笑みを浮かべ、一切何の構えも示さず、気楽に円を歩いている。
「なあ、感心してるんだぜ俺は。お前はよくあの敗北から立ち上がって、俺達を追っかけて来たよ。正直甘く見てたぜ、お前は完膚なきまでに叩き潰したつもりだったんだがな」
コラプターは相変わらず、何の感情も読み取れない薄ら笑いを浮かべ、俺を見詰めて来る。だが俺はもはやその口車に付き合わず、仕掛ける最高のタイミングを計る。
「ホントはな、悪かったと思ってるんだ。あの研究員……撃ち殺しちまってよ、お前もショックだったよな?」
『……!!』
思わず全身に力がこもる。シマヨシさんの死に顔が俺の脳裏に浮かび、憎しみが煮えたぎる。俺は必死に深呼吸し、熱くなる思考を中和しようと努める。
「アイツは立派だったと思うよ、俺もな。最期まで人としての良心を失わず、お前の可能性を信じて死んでいったんだ。並大抵の人間に出来る事じゃない」
『黙れ……』
「ああ、でも、結局同じか。戦争で世界があるべき姿を取り戻せば、可能性なんざゴミ屑に等しいもんな」
『っ』
プツリ。俺はそこで我慢できなくなり、甲板を蹴ってコラプターへ跳びかかった。
が、拳が俺の腹部を捉え、ショック・グローブの一撃で弾き飛ばされる。俺は甲板を転がり、手をついて起き上がる。
コラプターは磁場発生装置を構え、銃口を明後日の方向へ向けた。そちらには……巨大なコンテナが置かれている。
「それじゃ、硬さの実験といくか?」
コラプターはニヤリと笑い、トリガーを引く。途端、コンテナはまるで破城槌の如き勢いで俺を目掛けて突っ込んできた。
咄嗟のガードの上からとてつもない威力を叩き付けられ、俺は呻きながら吹き飛び、壁にめり込む。そこへ更にコンテナが殺到する。
俺は片脚をバネの如く引き、思い切り解放してコンテナを蹴り飛ばす。鋼鉄の塊が跳ね返され、宙にはねるクジラじみて引っ繰り返ってゆく。
その隙に俺は駆け、コラプターへ迫る。彼は素早く銃口を俺へ向け、トリガーを引く。
俺は発生した斥力に弾き飛ばされ、コンテナを突き破って中の武器を破壊し、転がり出る。
重篤なダメージに喘ぎ、俺は甲板に手をつく。息をつく暇もなく、コンテナの中で武器が連鎖的に爆発し、俺はもろに爆風を受けて壁へ叩き付けられる。
『お、おぐ……』
(アラート。アラート。深刻なダメージ)
パラサイトが体のダメージに警報を鳴らす中、俺は見えない力に引っ張られ、爆発の煙の中へと引き寄せられる。
そして、待ち構えていたコラプターに腹部を殴りつけられ、甲板に叩き付けられる。俺が吐血すると、コラプターは笑みを浮かべ、ヘルメットを掴んできた。
圧倒的な力に、ヘルメットが軋み始める。コラプターは俺を片手で持ち上げ、吊り下げる。俺はヤツの手で覆われた視界の中、コラプターの身体の節々が輝いているのを見た。何かの機械じみたものを装備しているのだ。
「素敵な機械だろ? これはな、リム・ギアってんだ。クラリス・コーポレーションの、筋力補助装置だよ」
ヘルメットが更に軋む。俺はもがき、コラプターの膂力に対抗しようとする。しかし、奴は俺の頭を掴んだまま、離さない。凄まじいパワーだ。
コラプターは恍惚とし、顔を近付けて来る。そして、囁くように喋り出す。
「人生は負債だ」
狂人の理屈。壊れた信念。彼はそれでも、燃えるような意志を瞳に宿す。
「世界は負債にまみれてる。だがな、クラップロイド、お前にはまだ分からないかもしれねえが、戦争はそれを救えるんだ」
俺はヘルメット越し、コラプターの目を見る。彼は己を信じ、疑っていない。
「世界のどこかじゃ、飢餓で人が死んで行く。人生に意味を見出せなくなったヤツが、天井と首を縄でつなぐ。絶望する命に、死ぬ意味を与えてやる事が悪い事なのか?」
『……』
「俺はな、クラップロイド。世界を救いたいんだ。人の尊厳を守って、命の意味を見出したい。何が、悪い?」
『……お前は、間違ってる!!』
俺は思い切り身をよじり、俺を掴む奴の腕をパンチする。肘に当たったパンチは筋力補助装置の一角を破壊し、コラプターが手を放して後退る。
コラプターはそれでもひるまず、轟くような笑い声を発し、俺を睨み付ける。
「何が間違ってる!? 少なくとも俺は確実な方法を取ってる! 命を救える、確実な方法をな!」
『違う! 命の意味は、生きてこそ見出せる!!』
俺はシマヨシさんの笑顔を想う。彼は末期のガンで、死を宣告され、それでも俺を見つけ、人の良心を示し、誇り高く生きた。それを……それを、否定させはしない!
『世界は絶望だけじゃない! 死にゆく人も、次に託す想いを持ってる! それを、機械処理みたいに片付けさせはしない!』
「言葉は立派だ、クラップロイド! だがそれがお前に可能なのか!? 世界を壊すのは絶望じゃねえ! いつだって、お前みたいな馬鹿が持ってる希望だ!!」
『なら! 恐怖も、痛みも、俺が背負う! 人々が世界に絶望するなら、俺は希望を与えてみせる! 皆が信じるヒーローに、なってみせる!!』
「お前が!! 何になるだとォ!?」
とうとうコラプターは薄笑いの仮面を剥ぎ取り、激昂して俺に銃口を向ける。そして、トリガーを引く。
磁力が発生し、俺はすさまじい勢いで引き寄せられる。俺はその勢いを利用し、コラプターの頬を殴りつける。
「ぐっ、テメェ……!!」
コラプターは目を剥き、ショック・グローブで殴り返してくる。しかし俺は吹き飛ばされそうになるのをこらえ、身体を捻って拳を返す。
コラプターは吐血し、銃口をこちらへ向けようとする。俺はその銃身を殴りつけ、逸らさせて更に距離を詰める。
至近距離の殴り合いが始まる。俺は全身の傷が限界に達しそうになるのを感じながら、それでも両足でしっかりと立ち、コラプターを殴り続ける。コラプターも不死身じみた執念を燃やし、俺の急所を殴りつける。
「ヒーロー! 希望! 理想が世界で実現するのか!? お前は甘いんだ、クラップロイド! 世界を救えるのはお前じゃねえ!」
『なら……!! 理想を殺して、絶望のうちに生きるのが正解なのか! 光もなくして、生きる意味もなくして、死ぬ意味ばかり求める人間が、どんな人生を送れるってんだ!!』
「お前は!! 若すぎる!! 世界はもう手遅れなんだよ!! 周囲を見渡してみろ!! 同種の命に責任も持たず、人の死を携帯端末で撮影し、不幸をあざ笑い、軽々しく空虚な人生の幕を閉じる! そんな命に、どれほどの重みがある!?」
俺達は必死だった。お互いにお互いが倒れる瞬間を待ち望み、徐々に弱くなる拳の力で打ち合う。
「ヒーローになるだと!? この世界に、もう光は届かねえぞ!!」
『光が届かないのは、お前だけだ! 俺は……!!』
俺は、ヒーローなんて居ないと思っていた。世界は理不尽を押し付けてくるもので、俺達はそれに黙って耐えるしかないのだと。
でも、色々な人に出会えた。お人よしの研究者。心配性の教師。鉄の意志を持つ警官。義に厚い漁師。彼らは皆、暖かい人間性の持ち主だった。俺はようやく、世界に目を向ける気になっていた。
きっと、世界はもっと良い場所なのだ。だから、俺はそれを守ってみせる。
『俺は!! クラップロイドだ!!』
思い切り踏み込み、右ストレートでコラプターの頬を殴り抜く。渾身の一撃は、彼をロケットのように吹き飛ばした。
「ぐああぁ!?」
コラプターは甲板を転がり、コンテナに背中を打ち付けて吐血する。彼の全身を覆っていたリム・ギアが火花を散らし、光を失って機能停止する。
勝負あった。俺は荒く息を吐きながら、膝と手をつき、倒れそうになるのをこらえる。
だが、休む暇はなかった。船が急激に揺れ、航路を変更し始めたのだ。
『何……』
「は……はははは、ははははは……!!」
笑い声のした方を見ると、コラプターは倒れ伏し、血塗れになりながら、俺を見て笑っていた。
『何をした、コラプター!』
「俺が、負けたから、船は進路を変えたのさ……! タンカーは、このまま、クラリス・コーポレーションのアワナミ・コンビナートへ突っ込むぜ……!」
『馬鹿な……』
俺は咄嗟に船首の方を見、水平線の向こうに目を凝らす。……確かに、タンカーが向かう先には、夜光きらめくコンビナート地帯が存在している。
『ここへきて、こんな破れかぶれの策を……もう諦めろ! こんな事をしても、お前らは終わりだ!』
「は、はは、はははは。俺達を、止めたつもりか? 甘いな、甘い……俺達が何故ここまでの武器を手に入れられたか、考えた事はないのか?」
血塗れで歯をむき出して笑い、コラプターは血の咳を出す。俺は言葉の意味が理解できず、固まってしまう。
「……クラリス・コーポレーションは、真っ黒だぜ……お前に、果たして止められるかなァ?」
『……どういう意味だ……』
「ははは……アディオス、クラップロイド……地獄で、会おうぜ」
言いながら、コラプターは自分の身体に装着したリム・ギアの核に何かのコマンドを入力する。直後、オレンジ色の爆発がコラプターを中心に巻き起こり、甲板を衝撃が突き抜けた。
『ぐおおっ!?』
吹き飛ばされ、背中を打ち付けて膝をつく。コラプターがそれまで居たところには、炎と、磁場発生装置の残骸が転がっているのみ。自爆したのだ。なんという狂気的な信念。
(ご主人様、この速力で行くと、あと5分後にはタンカーがコンビナートに直撃します。被害半径は相当なものに及ぶと想定され、被害者数も計り知れません)
『……クソ、どうにかするしかないだろ!』
毒づきながら、俺は携帯を取り出し、テツマキさんにつなぐ。幸いすぐに繋がった。
『もしもし? クラップロイドか!? どうなった!?』
『もしもし、テツマキさん! アワナミのコンビナートに避難を呼びかけて下さい、タンカーが突っ込みます!』
『なんだと、なぜ、馬鹿な……奴らめ、気でも狂ったのか!?』
『とにかくお願いします! 俺はこの船を止める方法がないか、探します!』
携帯を切り、俺はどんどん加速してゆくタンカーの揺れに耐える。
(船に与えられたコマンドは最上級の優位性を持っており、一般コマンドでは止められないようにされています。ですが、手動の緊急ロックが船底にあります)
船底へ続くルートが俺の視界に示される。俺はそれに従い、甲板から階段を駆け下り始める。
暗い廊下を走り、封鎖された扉を蹴り破り、壁を突破する。俺は途切れそうになる意識を繋ぎ、必死に身体を動かし、走り続ける。
コンビナートには未だに働いている人も居るだろう。近くに住んでいる人も危ない。これを止めなければ。
やがて、ようやく俺はそれを見つけた。手動の緊急ロックレバーだ。……火花を散らし、完全に破壊されている。
『うそだ……うそだ、うそだ!』
俺は駆けより、レバーをパラサイトに解析させる。しかし、非情な現実が表示される。修復不可。タンカーは、止まらない。
『……馬鹿な……』
(ご主人様、タンカーは止まりません。逃げて下さい。せめて、あなただけでも)
『俺、だけでもだと!? 馬鹿言うなよパラサイト、俺は……!』
(ご主人様。かつてあなたは言いましたね。人の命は、平等であると。しかし、申し訳ありません。私はどうしても、そう思えません)
突然のパラサイトの言葉に、俺は困惑してしまう。パラサイトは続ける。
(あなたは一人の人間です。あなたは、シマヨシさんに、テツマキさんに、イコマさんに愛されていました。それを、私は見てしまった。あなたが愛されて、幸せそうな顔をしているのを見てしまったのです)
『……なにを……』
(その人の苦しみを、死に顔を、見たくありません。私は、退避を提案します)
『……』
唖然としてしまう。これが機械の物言いだろうか。いや、……コイツは、前からこうだったかもしれない。
『……ありがとう、パラサイト』
(……)
『だから、俺は戦える。絶対に死なないって、誓ってから戦える』
(どう、するのです)
『タンカーを陸から受け止める』
俺は自分の言葉に苦笑いしながら、今度は甲板へと駆けのぼり始める。パラサイトは暫く言葉を失ったかのように黙っていたが、やがて喋り出す。
(……その作戦は、確かに成功率は5%ほど見込めます。しかし、ご主人様の身体への負担が計り知れません。ガス欠も間近です)
『5%。高い方だな』
(ご主人様、どうか真面目に考えて下さい。少なくとも、撤退すれば一人の犠牲は減らせます)
『だけど、その一人が頑張れば、大勢を救えるかもしれないんだ。やらない手はないだろ』
俺は甲板に飛び出し、船首へと駆けのぼる。風が吹き抜ける向こうでは、ライト輝くコンビナートが既に間近に迫っていた。
『……流石に怖いな』
(ご主人様)
膝が笑う。今更ながら、俺は途方もない事をしようとしていると悟った。何トンあるかも分からないタンカーの全速力を、陸から受け止めるのだ。
俺は震えながら、無理にヘルメットの内側で笑みを作り、声を絞り出す。
『頼む、パラサイト。頑張れって言ってくれ。それだけで、俺は頑張れる』
(……言いたくありません)
『つれない奴だな……』
(……ですが、ご主人様なら、できます。それが5%でも、0,5%でも、必ずあなたならやり遂げるでしょう。私のご主人様ですので)
『……お前、どこでそんな言葉を覚えた?』
(「クラップロイド」としてのキメ台詞に使う事を許可しますよ)
口の減らない同居人だ。俺は小さく笑うと、膝に力を溜め、思い切り船首を蹴って陸へ跳んだ。
そしてコンビナートへ着地、すぐさま振り向いて巨大な鉄塊を待ち受ける。それはとてつもなく巨大で、俺の視界を覆ってしまっていた。俺は一瞬、呆気にとられた。
◆
それを見たテツマキは、声を失った。超巨大タンカーが、コンビナートへと突っ込んで行く。
絶望の具現じみたその光景には、もはやどんな希望も届かない。ただ、一人を除いて。
「……クラップロイド」
彼女は、祈るようにその名を呟く。
◆
イコマもまた、それを見る。港の向こう、コンビナートに山じみた鉄塊が突っ込むその瞬間を。
彼女は手を組み、ただひとり、生徒の無事を祈る。
「……お願い、堂本くん……!」
悲痛な祈りが、波打ち際に響く。
◆
波をかき分け、山のようなタンカーが迫る。その一瞬、静寂が世界を支配する。
直後、激突。俺はタンカーを掴み、抱え、殴り、足を踏ん張り、引きずられ、火花を散らし、足の裏に熱を感じながら滑って行く。コンビナートが背に迫る。
悲鳴が聞こえる。幻聴か、それとも本物か。俺は全身に喝を入れ、もう一度タンカーを止めるために全身を使う。
足の筋肉がブチブチと音を立てる。腕の筋肉が裂け、出血する。歯を食いしばりすぎて歯茎から血が漏れ出す。俺は全身の痛みを、それを上回る覚悟で打ち消し、繰り返しタンカーを殴りつける。
タンカーが軋み、勢いを落とす。だが、まだ足りない。俺は目をきつく瞑り、覚悟を持続させる記憶を引き出す。
(((……信じているぞ)))
(((だから、覚えておいて。私はキミをいつだって心配してるし、絶対生きて帰って来てほしい、って事)))
(((……負けるな。キミは、ヒーローだ……)))
(ご主人様!! 負けないで!!!)
『お、お、おおおおおおおおおお!!!』
絶対に止めてみせる。絶対に。俺は腕を上げ、拳を繰り出す。拳が砕ける。もう片方の拳を繰り出し、それも砕ける。それでも、俺は、身体を使い、受け止める。
希望が必要なのだ。ヒーローが必要なのだ。それなら、俺はなってみせる。ここで負ける訳にはいかない。こめかみで血管が弾ける音がする。タンカーが軋み、勢いを緩める。
俺は一歩を譲らず、山のような鋼鉄に真向から立ち向かう。タンカーが揺らぐ。俺は逆に、一歩踏み出す。タンカーは重い。
咳き込むと、血反吐が出た。俺はふらつき、倒れてはならないと思いながら、横に倒れた。その時、俺は、タンカーが止まっていたのだとようやく知った。
鉄塊は静かにたたずんでいる。俺は倒れたまま、それを見上げる。終わった、のか。
意識を手放す直前、俺が聞いたのは、近寄って来るオートバイの音だった。
彼の周囲はまさに地獄のような様相を呈していた。人々が銃弾に倒れ、テロリストも警官も軍人も関係なく、続々と死んでゆく。
だが、もう少し、もう少しのハズだ。テロリストの供給は止まり、残った犯罪者たちも少しずつ無力化させている。しかし……しかし、そのもう少しが、あまりにも遠い。
「ははーっ、シールド持ち! 100ポイントだァーーっ!!」
叫びながら、テロリストの一名が銃口を機動隊の男性へ向ける。彼は防護ヘルメットの中、目を瞑って死を覚悟する。
が、そのテロリストは前のめりに倒れ込んだ。その後ろから、煙を上げ、バチバチと電撃を発するグローブを手にはめた女性が現れる。
「な、き、貴様、テツマキ……!?」
「大丈夫ですか、先輩」
その女性、テツマキは倒れたテロリストの武器を荒っぽく破壊し、ロープでグルグル巻きにしながら機動隊男性を見る。対する男性は驚き、言葉を探し、口を開く。
「……貴様、停職中では……」
「まさか。停職中にフェスティバルを楽しもうと思ったら、こんな連中に出くわしたんです」
白々しく言い放ち、テツマキは顔を上げて海の向こうを睨む。男性もよろよろと立ち上がり、テツマキの視線を追うが、そこには黒々とした水平線が揺らぐのみだ。
「……頼んだぞ、クラップロイド」
「何?」
ぼそりと呟かれたその呟きを聞き取れず、男性が聞き返す。しかしその時には、テツマキは別のテロリストへ向かって駆け出していた。
◆
タンカーが波を打ち砕き、進んで行く。定期的に揺れる船は、甲板の俺達以外に物音を立てるヤツは居ない。
俺は拳を構え、じりじりと円を描くように移動する。コラプターは笑みを浮かべ、一切何の構えも示さず、気楽に円を歩いている。
「なあ、感心してるんだぜ俺は。お前はよくあの敗北から立ち上がって、俺達を追っかけて来たよ。正直甘く見てたぜ、お前は完膚なきまでに叩き潰したつもりだったんだがな」
コラプターは相変わらず、何の感情も読み取れない薄ら笑いを浮かべ、俺を見詰めて来る。だが俺はもはやその口車に付き合わず、仕掛ける最高のタイミングを計る。
「ホントはな、悪かったと思ってるんだ。あの研究員……撃ち殺しちまってよ、お前もショックだったよな?」
『……!!』
思わず全身に力がこもる。シマヨシさんの死に顔が俺の脳裏に浮かび、憎しみが煮えたぎる。俺は必死に深呼吸し、熱くなる思考を中和しようと努める。
「アイツは立派だったと思うよ、俺もな。最期まで人としての良心を失わず、お前の可能性を信じて死んでいったんだ。並大抵の人間に出来る事じゃない」
『黙れ……』
「ああ、でも、結局同じか。戦争で世界があるべき姿を取り戻せば、可能性なんざゴミ屑に等しいもんな」
『っ』
プツリ。俺はそこで我慢できなくなり、甲板を蹴ってコラプターへ跳びかかった。
が、拳が俺の腹部を捉え、ショック・グローブの一撃で弾き飛ばされる。俺は甲板を転がり、手をついて起き上がる。
コラプターは磁場発生装置を構え、銃口を明後日の方向へ向けた。そちらには……巨大なコンテナが置かれている。
「それじゃ、硬さの実験といくか?」
コラプターはニヤリと笑い、トリガーを引く。途端、コンテナはまるで破城槌の如き勢いで俺を目掛けて突っ込んできた。
咄嗟のガードの上からとてつもない威力を叩き付けられ、俺は呻きながら吹き飛び、壁にめり込む。そこへ更にコンテナが殺到する。
俺は片脚をバネの如く引き、思い切り解放してコンテナを蹴り飛ばす。鋼鉄の塊が跳ね返され、宙にはねるクジラじみて引っ繰り返ってゆく。
その隙に俺は駆け、コラプターへ迫る。彼は素早く銃口を俺へ向け、トリガーを引く。
俺は発生した斥力に弾き飛ばされ、コンテナを突き破って中の武器を破壊し、転がり出る。
重篤なダメージに喘ぎ、俺は甲板に手をつく。息をつく暇もなく、コンテナの中で武器が連鎖的に爆発し、俺はもろに爆風を受けて壁へ叩き付けられる。
『お、おぐ……』
(アラート。アラート。深刻なダメージ)
パラサイトが体のダメージに警報を鳴らす中、俺は見えない力に引っ張られ、爆発の煙の中へと引き寄せられる。
そして、待ち構えていたコラプターに腹部を殴りつけられ、甲板に叩き付けられる。俺が吐血すると、コラプターは笑みを浮かべ、ヘルメットを掴んできた。
圧倒的な力に、ヘルメットが軋み始める。コラプターは俺を片手で持ち上げ、吊り下げる。俺はヤツの手で覆われた視界の中、コラプターの身体の節々が輝いているのを見た。何かの機械じみたものを装備しているのだ。
「素敵な機械だろ? これはな、リム・ギアってんだ。クラリス・コーポレーションの、筋力補助装置だよ」
ヘルメットが更に軋む。俺はもがき、コラプターの膂力に対抗しようとする。しかし、奴は俺の頭を掴んだまま、離さない。凄まじいパワーだ。
コラプターは恍惚とし、顔を近付けて来る。そして、囁くように喋り出す。
「人生は負債だ」
狂人の理屈。壊れた信念。彼はそれでも、燃えるような意志を瞳に宿す。
「世界は負債にまみれてる。だがな、クラップロイド、お前にはまだ分からないかもしれねえが、戦争はそれを救えるんだ」
俺はヘルメット越し、コラプターの目を見る。彼は己を信じ、疑っていない。
「世界のどこかじゃ、飢餓で人が死んで行く。人生に意味を見出せなくなったヤツが、天井と首を縄でつなぐ。絶望する命に、死ぬ意味を与えてやる事が悪い事なのか?」
『……』
「俺はな、クラップロイド。世界を救いたいんだ。人の尊厳を守って、命の意味を見出したい。何が、悪い?」
『……お前は、間違ってる!!』
俺は思い切り身をよじり、俺を掴む奴の腕をパンチする。肘に当たったパンチは筋力補助装置の一角を破壊し、コラプターが手を放して後退る。
コラプターはそれでもひるまず、轟くような笑い声を発し、俺を睨み付ける。
「何が間違ってる!? 少なくとも俺は確実な方法を取ってる! 命を救える、確実な方法をな!」
『違う! 命の意味は、生きてこそ見出せる!!』
俺はシマヨシさんの笑顔を想う。彼は末期のガンで、死を宣告され、それでも俺を見つけ、人の良心を示し、誇り高く生きた。それを……それを、否定させはしない!
『世界は絶望だけじゃない! 死にゆく人も、次に託す想いを持ってる! それを、機械処理みたいに片付けさせはしない!』
「言葉は立派だ、クラップロイド! だがそれがお前に可能なのか!? 世界を壊すのは絶望じゃねえ! いつだって、お前みたいな馬鹿が持ってる希望だ!!」
『なら! 恐怖も、痛みも、俺が背負う! 人々が世界に絶望するなら、俺は希望を与えてみせる! 皆が信じるヒーローに、なってみせる!!』
「お前が!! 何になるだとォ!?」
とうとうコラプターは薄笑いの仮面を剥ぎ取り、激昂して俺に銃口を向ける。そして、トリガーを引く。
磁力が発生し、俺はすさまじい勢いで引き寄せられる。俺はその勢いを利用し、コラプターの頬を殴りつける。
「ぐっ、テメェ……!!」
コラプターは目を剥き、ショック・グローブで殴り返してくる。しかし俺は吹き飛ばされそうになるのをこらえ、身体を捻って拳を返す。
コラプターは吐血し、銃口をこちらへ向けようとする。俺はその銃身を殴りつけ、逸らさせて更に距離を詰める。
至近距離の殴り合いが始まる。俺は全身の傷が限界に達しそうになるのを感じながら、それでも両足でしっかりと立ち、コラプターを殴り続ける。コラプターも不死身じみた執念を燃やし、俺の急所を殴りつける。
「ヒーロー! 希望! 理想が世界で実現するのか!? お前は甘いんだ、クラップロイド! 世界を救えるのはお前じゃねえ!」
『なら……!! 理想を殺して、絶望のうちに生きるのが正解なのか! 光もなくして、生きる意味もなくして、死ぬ意味ばかり求める人間が、どんな人生を送れるってんだ!!』
「お前は!! 若すぎる!! 世界はもう手遅れなんだよ!! 周囲を見渡してみろ!! 同種の命に責任も持たず、人の死を携帯端末で撮影し、不幸をあざ笑い、軽々しく空虚な人生の幕を閉じる! そんな命に、どれほどの重みがある!?」
俺達は必死だった。お互いにお互いが倒れる瞬間を待ち望み、徐々に弱くなる拳の力で打ち合う。
「ヒーローになるだと!? この世界に、もう光は届かねえぞ!!」
『光が届かないのは、お前だけだ! 俺は……!!』
俺は、ヒーローなんて居ないと思っていた。世界は理不尽を押し付けてくるもので、俺達はそれに黙って耐えるしかないのだと。
でも、色々な人に出会えた。お人よしの研究者。心配性の教師。鉄の意志を持つ警官。義に厚い漁師。彼らは皆、暖かい人間性の持ち主だった。俺はようやく、世界に目を向ける気になっていた。
きっと、世界はもっと良い場所なのだ。だから、俺はそれを守ってみせる。
『俺は!! クラップロイドだ!!』
思い切り踏み込み、右ストレートでコラプターの頬を殴り抜く。渾身の一撃は、彼をロケットのように吹き飛ばした。
「ぐああぁ!?」
コラプターは甲板を転がり、コンテナに背中を打ち付けて吐血する。彼の全身を覆っていたリム・ギアが火花を散らし、光を失って機能停止する。
勝負あった。俺は荒く息を吐きながら、膝と手をつき、倒れそうになるのをこらえる。
だが、休む暇はなかった。船が急激に揺れ、航路を変更し始めたのだ。
『何……』
「は……はははは、ははははは……!!」
笑い声のした方を見ると、コラプターは倒れ伏し、血塗れになりながら、俺を見て笑っていた。
『何をした、コラプター!』
「俺が、負けたから、船は進路を変えたのさ……! タンカーは、このまま、クラリス・コーポレーションのアワナミ・コンビナートへ突っ込むぜ……!」
『馬鹿な……』
俺は咄嗟に船首の方を見、水平線の向こうに目を凝らす。……確かに、タンカーが向かう先には、夜光きらめくコンビナート地帯が存在している。
『ここへきて、こんな破れかぶれの策を……もう諦めろ! こんな事をしても、お前らは終わりだ!』
「は、はは、はははは。俺達を、止めたつもりか? 甘いな、甘い……俺達が何故ここまでの武器を手に入れられたか、考えた事はないのか?」
血塗れで歯をむき出して笑い、コラプターは血の咳を出す。俺は言葉の意味が理解できず、固まってしまう。
「……クラリス・コーポレーションは、真っ黒だぜ……お前に、果たして止められるかなァ?」
『……どういう意味だ……』
「ははは……アディオス、クラップロイド……地獄で、会おうぜ」
言いながら、コラプターは自分の身体に装着したリム・ギアの核に何かのコマンドを入力する。直後、オレンジ色の爆発がコラプターを中心に巻き起こり、甲板を衝撃が突き抜けた。
『ぐおおっ!?』
吹き飛ばされ、背中を打ち付けて膝をつく。コラプターがそれまで居たところには、炎と、磁場発生装置の残骸が転がっているのみ。自爆したのだ。なんという狂気的な信念。
(ご主人様、この速力で行くと、あと5分後にはタンカーがコンビナートに直撃します。被害半径は相当なものに及ぶと想定され、被害者数も計り知れません)
『……クソ、どうにかするしかないだろ!』
毒づきながら、俺は携帯を取り出し、テツマキさんにつなぐ。幸いすぐに繋がった。
『もしもし? クラップロイドか!? どうなった!?』
『もしもし、テツマキさん! アワナミのコンビナートに避難を呼びかけて下さい、タンカーが突っ込みます!』
『なんだと、なぜ、馬鹿な……奴らめ、気でも狂ったのか!?』
『とにかくお願いします! 俺はこの船を止める方法がないか、探します!』
携帯を切り、俺はどんどん加速してゆくタンカーの揺れに耐える。
(船に与えられたコマンドは最上級の優位性を持っており、一般コマンドでは止められないようにされています。ですが、手動の緊急ロックが船底にあります)
船底へ続くルートが俺の視界に示される。俺はそれに従い、甲板から階段を駆け下り始める。
暗い廊下を走り、封鎖された扉を蹴り破り、壁を突破する。俺は途切れそうになる意識を繋ぎ、必死に身体を動かし、走り続ける。
コンビナートには未だに働いている人も居るだろう。近くに住んでいる人も危ない。これを止めなければ。
やがて、ようやく俺はそれを見つけた。手動の緊急ロックレバーだ。……火花を散らし、完全に破壊されている。
『うそだ……うそだ、うそだ!』
俺は駆けより、レバーをパラサイトに解析させる。しかし、非情な現実が表示される。修復不可。タンカーは、止まらない。
『……馬鹿な……』
(ご主人様、タンカーは止まりません。逃げて下さい。せめて、あなただけでも)
『俺、だけでもだと!? 馬鹿言うなよパラサイト、俺は……!』
(ご主人様。かつてあなたは言いましたね。人の命は、平等であると。しかし、申し訳ありません。私はどうしても、そう思えません)
突然のパラサイトの言葉に、俺は困惑してしまう。パラサイトは続ける。
(あなたは一人の人間です。あなたは、シマヨシさんに、テツマキさんに、イコマさんに愛されていました。それを、私は見てしまった。あなたが愛されて、幸せそうな顔をしているのを見てしまったのです)
『……なにを……』
(その人の苦しみを、死に顔を、見たくありません。私は、退避を提案します)
『……』
唖然としてしまう。これが機械の物言いだろうか。いや、……コイツは、前からこうだったかもしれない。
『……ありがとう、パラサイト』
(……)
『だから、俺は戦える。絶対に死なないって、誓ってから戦える』
(どう、するのです)
『タンカーを陸から受け止める』
俺は自分の言葉に苦笑いしながら、今度は甲板へと駆けのぼり始める。パラサイトは暫く言葉を失ったかのように黙っていたが、やがて喋り出す。
(……その作戦は、確かに成功率は5%ほど見込めます。しかし、ご主人様の身体への負担が計り知れません。ガス欠も間近です)
『5%。高い方だな』
(ご主人様、どうか真面目に考えて下さい。少なくとも、撤退すれば一人の犠牲は減らせます)
『だけど、その一人が頑張れば、大勢を救えるかもしれないんだ。やらない手はないだろ』
俺は甲板に飛び出し、船首へと駆けのぼる。風が吹き抜ける向こうでは、ライト輝くコンビナートが既に間近に迫っていた。
『……流石に怖いな』
(ご主人様)
膝が笑う。今更ながら、俺は途方もない事をしようとしていると悟った。何トンあるかも分からないタンカーの全速力を、陸から受け止めるのだ。
俺は震えながら、無理にヘルメットの内側で笑みを作り、声を絞り出す。
『頼む、パラサイト。頑張れって言ってくれ。それだけで、俺は頑張れる』
(……言いたくありません)
『つれない奴だな……』
(……ですが、ご主人様なら、できます。それが5%でも、0,5%でも、必ずあなたならやり遂げるでしょう。私のご主人様ですので)
『……お前、どこでそんな言葉を覚えた?』
(「クラップロイド」としてのキメ台詞に使う事を許可しますよ)
口の減らない同居人だ。俺は小さく笑うと、膝に力を溜め、思い切り船首を蹴って陸へ跳んだ。
そしてコンビナートへ着地、すぐさま振り向いて巨大な鉄塊を待ち受ける。それはとてつもなく巨大で、俺の視界を覆ってしまっていた。俺は一瞬、呆気にとられた。
◆
それを見たテツマキは、声を失った。超巨大タンカーが、コンビナートへと突っ込んで行く。
絶望の具現じみたその光景には、もはやどんな希望も届かない。ただ、一人を除いて。
「……クラップロイド」
彼女は、祈るようにその名を呟く。
◆
イコマもまた、それを見る。港の向こう、コンビナートに山じみた鉄塊が突っ込むその瞬間を。
彼女は手を組み、ただひとり、生徒の無事を祈る。
「……お願い、堂本くん……!」
悲痛な祈りが、波打ち際に響く。
◆
波をかき分け、山のようなタンカーが迫る。その一瞬、静寂が世界を支配する。
直後、激突。俺はタンカーを掴み、抱え、殴り、足を踏ん張り、引きずられ、火花を散らし、足の裏に熱を感じながら滑って行く。コンビナートが背に迫る。
悲鳴が聞こえる。幻聴か、それとも本物か。俺は全身に喝を入れ、もう一度タンカーを止めるために全身を使う。
足の筋肉がブチブチと音を立てる。腕の筋肉が裂け、出血する。歯を食いしばりすぎて歯茎から血が漏れ出す。俺は全身の痛みを、それを上回る覚悟で打ち消し、繰り返しタンカーを殴りつける。
タンカーが軋み、勢いを落とす。だが、まだ足りない。俺は目をきつく瞑り、覚悟を持続させる記憶を引き出す。
(((……信じているぞ)))
(((だから、覚えておいて。私はキミをいつだって心配してるし、絶対生きて帰って来てほしい、って事)))
(((……負けるな。キミは、ヒーローだ……)))
(ご主人様!! 負けないで!!!)
『お、お、おおおおおおおおおお!!!』
絶対に止めてみせる。絶対に。俺は腕を上げ、拳を繰り出す。拳が砕ける。もう片方の拳を繰り出し、それも砕ける。それでも、俺は、身体を使い、受け止める。
希望が必要なのだ。ヒーローが必要なのだ。それなら、俺はなってみせる。ここで負ける訳にはいかない。こめかみで血管が弾ける音がする。タンカーが軋み、勢いを緩める。
俺は一歩を譲らず、山のような鋼鉄に真向から立ち向かう。タンカーが揺らぐ。俺は逆に、一歩踏み出す。タンカーは重い。
咳き込むと、血反吐が出た。俺はふらつき、倒れてはならないと思いながら、横に倒れた。その時、俺は、タンカーが止まっていたのだとようやく知った。
鉄塊は静かにたたずんでいる。俺は倒れたまま、それを見上げる。終わった、のか。
意識を手放す直前、俺が聞いたのは、近寄って来るオートバイの音だった。
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