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第2章 鳥や動物たちの時代
08話 人間に都合の良いSDGsという運動
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季節は、もう冬の様相を呈してきた。今日は文化の日である。だからというわけではないのだが、日本の文化について考えてみた。何もそう大げさなことではないのだが、この前紳吉おじいさんが語っていた日本庭園のことを思い出したのだ。祝日だからたっぷり時間を使える。疲れたらチュヴィンに乗って遊びに行けばよい。学校の先生にSDGsの授業を受けて、そこから日本文化を振り返ろうとしたのだが。日本文化が連綿と引き継がれていたらSDGsの目標など楽に達成されていたのではないのだろうか。しかし経済成長は望めなかったかもしれないが。
改めて和寿はパソコンに向かってSDGsのことを調べ始めた。チュヴィンはパソコンの画面を隣で見ていた。SDGsの達成度はランキングになっている。ランキングの対象になる国は世界の166ヶ国。ベスト3は北欧の国が占める。福祉の整った安心して暮らせる国で知られるフィンランド、スウェーデン、デンマークがランクインしている。続いてヨーロッパの国々が主にベスト20に入る。日本は21位だ。主要な国ではアメリカが39位、タイが43位、ロシアが49位、ブラジルが50位、中国が63位、インドが112位だ。ワースト10は主にアフリカの国々が占める。
日本が深刻に達成できていないのは17ある目標の内
05番目のジェンダーの平等、
12番目の作る責任使う責任、
13番目の気候変動に具体的な策を、
14番目の海の豊かさを守ろう、
15番目の陸の豊かさも守ろう、
の五つがあげられている。日々テレビのニュースでたびたび問題点があげられているものばかりだ。
05番目のジェンダーの平等では、国の政治を司る女性議員が少ないことが言われ続けている。日本はいつから性差別が行われたのだろう。日本神話では少なくとも性差別は行われていない。天照大御神は女神である。海外の神はたいてい男神だというのに。
12番目の作る責任使う責任では、ゴミの問題があげられている。近年では食品ロスの問題が言われ続けている。日本発信の”もったいない”文化は何処へ行ってしまったのだろう。
以下は高度経済成長の問題で日本文化が直接関わるものでは無い。
13番目の気候変動に具体的な策をでは、ゲリラ豪雨などで、その町に降る雨の量のひと月分が一日で降ってしまうことなどで、毎年大きな自然災害が起きている。これは、炭酸ガス、つまり温室効果ガスの排出の問題だろう。炭酸ガスの微量の組成変化が、大きな気候の変化を生み出すらしい。
14番目の海の豊かさを守ろうでは、海へ流出する廃プラスチックの問題をようやく人々が考えるようになったということだ。レジ袋からエコバックへの変換や。プラスチックのストローから紙ストローへの返還などが行われている。
15番目の陸の豊かさも守ろうでは絶滅危惧種の生物が目白押し。
いっこうに改善の見込みがない。トキの絶滅は象徴的でだった。
これ以上個人の力あるいは民間の力だけでは歯が立たない。政治主導を考えてみてもいいんじゃないかと思う時期がきているのではないかとも思われる。でもそれを考える政治家がいないこともないが、有権者が選ばない。まだ国民は、時期尚早と考えているようだ。経済を無視してクリーンな政治を目指せば本末転倒だ。経済は無視はできない。それこそ持続可能性がなくなる。やはりギアチェンジはゆっくりせざるを得ないのだろう。そもそもSDGs自体が正しい目標なのかという意見も無視できない。そんな中でもがんばっているのは日本の自動車メーカーだ。革新の技術でエコな車の開発を目指している。日本がまだ21位とヨーロッパの先進国には追い付けないのは仕方ないことだろう。日本はまだ先進国の新参者であるのだから。まだ社会の成熟が必要なのだ。色々な改革をしていかなくてはならないだろう。その意味では21位は妥当だろう。かといって歩みを止めてはならないのだが。
和寿とチュヴィンは何とかギリギリのところで結論を得た。というか人が鳥や動物たちに多くを譲歩してもらったのだが。チュヴィン達は15の陸の豊かさを守ろうという問題で納得のいく結論を得られなかった。しかし、チュヴィン達に今の日本の現状を考慮に入れてもらったのだ。チュヴィン達は仕方なく受け入れるしかなかった。
しかしもっと現状が悪く成ればここぞという機会に行動をするのも人間で、愚かなことだがわたしたちは、その時まで待ってと言うしかない。過去何回もそれで問題解決をしてきた。しかしその過程で陰に隠れて取り返しのつかない罪を犯すこともある。しかしそこから新たな希望に着手するのも人間なのだ。これはチュヴィンのおかげだけど、最後の最後には核戦争は避けられた。人間のペースにはついて行けないというのもチュヴィンたちの本音だろうけど、人は厄介な生き物だと納得してもらうしかない。
「チュヴィンごめんよ。こんな厄介な動物がいる事が一番の罪さ。しかし罪滅ぼしをしているのも人間ということも分かってほしいのさ。そんなことは空論だと言ってしまえることも分かっているよ。だから、ごめんというしかない。SDGsの運動は人間がこの星に生きて行くための条件を提示しているのだけれど、僕たちにとってこの運動は罪滅ぼしの運動と言えるのさ。人間自身の問題として、あるいは自然に対しての罪滅ぼしの運動さ」
と和寿は言った
「ああ分かりましたよ。我々だって人間なしには生きて行けないのかもしれませんしね」
「しかし絶滅だけは避けたいものです」
チュヴィンが言った。
「怒ったかい」
和寿が言った。
改めて和寿はパソコンに向かってSDGsのことを調べ始めた。チュヴィンはパソコンの画面を隣で見ていた。SDGsの達成度はランキングになっている。ランキングの対象になる国は世界の166ヶ国。ベスト3は北欧の国が占める。福祉の整った安心して暮らせる国で知られるフィンランド、スウェーデン、デンマークがランクインしている。続いてヨーロッパの国々が主にベスト20に入る。日本は21位だ。主要な国ではアメリカが39位、タイが43位、ロシアが49位、ブラジルが50位、中国が63位、インドが112位だ。ワースト10は主にアフリカの国々が占める。
日本が深刻に達成できていないのは17ある目標の内
05番目のジェンダーの平等、
12番目の作る責任使う責任、
13番目の気候変動に具体的な策を、
14番目の海の豊かさを守ろう、
15番目の陸の豊かさも守ろう、
の五つがあげられている。日々テレビのニュースでたびたび問題点があげられているものばかりだ。
05番目のジェンダーの平等では、国の政治を司る女性議員が少ないことが言われ続けている。日本はいつから性差別が行われたのだろう。日本神話では少なくとも性差別は行われていない。天照大御神は女神である。海外の神はたいてい男神だというのに。
12番目の作る責任使う責任では、ゴミの問題があげられている。近年では食品ロスの問題が言われ続けている。日本発信の”もったいない”文化は何処へ行ってしまったのだろう。
以下は高度経済成長の問題で日本文化が直接関わるものでは無い。
13番目の気候変動に具体的な策をでは、ゲリラ豪雨などで、その町に降る雨の量のひと月分が一日で降ってしまうことなどで、毎年大きな自然災害が起きている。これは、炭酸ガス、つまり温室効果ガスの排出の問題だろう。炭酸ガスの微量の組成変化が、大きな気候の変化を生み出すらしい。
14番目の海の豊かさを守ろうでは、海へ流出する廃プラスチックの問題をようやく人々が考えるようになったということだ。レジ袋からエコバックへの変換や。プラスチックのストローから紙ストローへの返還などが行われている。
15番目の陸の豊かさも守ろうでは絶滅危惧種の生物が目白押し。
いっこうに改善の見込みがない。トキの絶滅は象徴的でだった。
これ以上個人の力あるいは民間の力だけでは歯が立たない。政治主導を考えてみてもいいんじゃないかと思う時期がきているのではないかとも思われる。でもそれを考える政治家がいないこともないが、有権者が選ばない。まだ国民は、時期尚早と考えているようだ。経済を無視してクリーンな政治を目指せば本末転倒だ。経済は無視はできない。それこそ持続可能性がなくなる。やはりギアチェンジはゆっくりせざるを得ないのだろう。そもそもSDGs自体が正しい目標なのかという意見も無視できない。そんな中でもがんばっているのは日本の自動車メーカーだ。革新の技術でエコな車の開発を目指している。日本がまだ21位とヨーロッパの先進国には追い付けないのは仕方ないことだろう。日本はまだ先進国の新参者であるのだから。まだ社会の成熟が必要なのだ。色々な改革をしていかなくてはならないだろう。その意味では21位は妥当だろう。かといって歩みを止めてはならないのだが。
和寿とチュヴィンは何とかギリギリのところで結論を得た。というか人が鳥や動物たちに多くを譲歩してもらったのだが。チュヴィン達は15の陸の豊かさを守ろうという問題で納得のいく結論を得られなかった。しかし、チュヴィン達に今の日本の現状を考慮に入れてもらったのだ。チュヴィン達は仕方なく受け入れるしかなかった。
しかしもっと現状が悪く成ればここぞという機会に行動をするのも人間で、愚かなことだがわたしたちは、その時まで待ってと言うしかない。過去何回もそれで問題解決をしてきた。しかしその過程で陰に隠れて取り返しのつかない罪を犯すこともある。しかしそこから新たな希望に着手するのも人間なのだ。これはチュヴィンのおかげだけど、最後の最後には核戦争は避けられた。人間のペースにはついて行けないというのもチュヴィンたちの本音だろうけど、人は厄介な生き物だと納得してもらうしかない。
「チュヴィンごめんよ。こんな厄介な動物がいる事が一番の罪さ。しかし罪滅ぼしをしているのも人間ということも分かってほしいのさ。そんなことは空論だと言ってしまえることも分かっているよ。だから、ごめんというしかない。SDGsの運動は人間がこの星に生きて行くための条件を提示しているのだけれど、僕たちにとってこの運動は罪滅ぼしの運動と言えるのさ。人間自身の問題として、あるいは自然に対しての罪滅ぼしの運動さ」
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