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第02章 散歩会新メンバー、日呂志おじさん、たえ子ちゃん
04話 日呂志おじさん
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陽が沈みかけの夕方、雨宮家の玄関のチャイムが鳴る。美都子母さんが帰ってきた。
美都子母さんは玄関に大人の靴が一足脱いであるのを見て、怪しんだ。
「さとし、誰か来ているの!」
「おじさんって言ってるよ」
おじさんは玄関に出ていった。
「あら、兄さん。ご無沙汰ね」
さとしはやっと落ち着いた。どうやら本物の叔父さんのようだ。日呂志おじさんは母さんに言った。
「しばらく厄介になれないかな」
「仕事、上手く行ってないの?」
「ちょっとね」
「相変わらずお気楽でいいわね」
「まあそういうなよ。留守番するからさ」
「そりゃあ家は留守がちで不用心だから助かるけど」
「じゃあいいのかい」
「分かったわ」
母さんはしょうがないわねといった調子で日呂志おじさんの居候を決めた。日呂志おじさんは、夜おそく帰ってきた高志父さんとも酒をくみ交わしたようだけれど、さとしはその時間には、もうとっくに寝ていた。早朝の犬の散歩会があるからだ。すっかり犬のペースで生活している。
あくる日の朝さとしがロロとユキの散歩会から帰って来ると、いつものように朝食の準備ができていたが、日呂志おじさんも食卓についていた。きょうからさとしはこの日呂志おじさんと鼻を突き合わせての生活が始まる。
「さとし君!、犬の散歩、感心感心。それからおじさんにはそんな気を使わなくてもいいからね。おじさんは夜中に仕事するんで、今から寝るんだ。朝食が済んだら失礼させてもらうよ。それから眠っているから完全にと言うわけにはいかないけれど、できる範囲で留守中の犬の世話をしてあげるよ。願ったりかなったりだろ」
と言った。両親に聞くと、日呂志おじさんは売れない小説家らしい。夜みんなが寝静まってからの方が仕事がはかどるという。そんなものかとさとしは思った。
とにもかくにも、この日呂志おじさんが、雨宮家の平日の昼間の留守を寝ながら預かることになった。
つづく
美都子母さんは玄関に大人の靴が一足脱いであるのを見て、怪しんだ。
「さとし、誰か来ているの!」
「おじさんって言ってるよ」
おじさんは玄関に出ていった。
「あら、兄さん。ご無沙汰ね」
さとしはやっと落ち着いた。どうやら本物の叔父さんのようだ。日呂志おじさんは母さんに言った。
「しばらく厄介になれないかな」
「仕事、上手く行ってないの?」
「ちょっとね」
「相変わらずお気楽でいいわね」
「まあそういうなよ。留守番するからさ」
「そりゃあ家は留守がちで不用心だから助かるけど」
「じゃあいいのかい」
「分かったわ」
母さんはしょうがないわねといった調子で日呂志おじさんの居候を決めた。日呂志おじさんは、夜おそく帰ってきた高志父さんとも酒をくみ交わしたようだけれど、さとしはその時間には、もうとっくに寝ていた。早朝の犬の散歩会があるからだ。すっかり犬のペースで生活している。
あくる日の朝さとしがロロとユキの散歩会から帰って来ると、いつものように朝食の準備ができていたが、日呂志おじさんも食卓についていた。きょうからさとしはこの日呂志おじさんと鼻を突き合わせての生活が始まる。
「さとし君!、犬の散歩、感心感心。それからおじさんにはそんな気を使わなくてもいいからね。おじさんは夜中に仕事するんで、今から寝るんだ。朝食が済んだら失礼させてもらうよ。それから眠っているから完全にと言うわけにはいかないけれど、できる範囲で留守中の犬の世話をしてあげるよ。願ったりかなったりだろ」
と言った。両親に聞くと、日呂志おじさんは売れない小説家らしい。夜みんなが寝静まってからの方が仕事がはかどるという。そんなものかとさとしは思った。
とにもかくにも、この日呂志おじさんが、雨宮家の平日の昼間の留守を寝ながら預かることになった。
つづく
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◾️第3章完結!現在第4章執筆中です。
◾️この小説は小説家になろう、カクヨムでも連載しています。
◾️作者以外による小説の無断転載を禁止しています。
◾️挿絵はなんでも書いちゃうヨギリ酔客様からご寄贈いただいたものです。
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