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第01章 さとし
05話 おばあちゃんのコースター、お守りとなる
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おばあちゃんの家に着くと、マルは足をふいてもらいドロを落とすと、家に上がった。さとしは、早速シャワーを浴びてあせを流した。シャワーがすむと、おばあちゃんが冷えたオレンジジュースを出してくれた。さとしは思い出したかのように、カバンから昨日おばあちゃんにもらったたんじょう日プレゼントのコースターを取り出して、コップの下にしいた。
「さっそく使ってくれたんだね。ばあちゃんうれしいよ」
その日は、夕方におばあちゃんといっしょにマルを散歩させて、帰って来ると夕ご飯を食べた。そしてマルにもご飯をあげて、それからねる前までマルといっしょに遊んだ。マルは良く言うことを聞いてくれる犬だった。
「さあ、そろそろねむりましょう。今日はなれない生活でつかれたでしょう。あなたは一人っ子で、何も気がねすることもないし自由だから」
「つかれてないよ。今日は楽しかった」
それからは明くる日も明くる日も、マルのために、散歩と、ご飯と、遊び、のくり返し。こんな生活が一週間続いた。そしてさとしが家に帰らなくてはならない時が来た。最後の朝の散歩をすませると、おばあちゃんはマルとの生活の感想をさとしに聞いた。
「大変だったろう。こんな生活がずっと続くのよ。でもきちんと友達として付き合ったなら、犬は無二の親友になってくれるのよ。犬はうら切らないわ。大変な時もはげましてくれるのよ。さとしにきちんと犬がかえるのかしら。それができるなら来年の夏、さとしに犬を買ってあげる。それまでは、あのコースターのマルの顔を思い出して、自分に本当に犬がかえるか? 良く考えてみて。ばあちゃんとの約束よ。わすれないで」
「ぼく、犬が大好きだよ。きっといい友達になれると思うんだ。」
さとしは家に帰っていった。さとしの犬を手に入れるという希望は、コースターのマルに引きつがれた。そしてさとしは、マルがししゅうしてある、おばあちゃんのコースターを、いつもお守りのようにして、はだ身はなさず持っていた。
つづく
「さっそく使ってくれたんだね。ばあちゃんうれしいよ」
その日は、夕方におばあちゃんといっしょにマルを散歩させて、帰って来ると夕ご飯を食べた。そしてマルにもご飯をあげて、それからねる前までマルといっしょに遊んだ。マルは良く言うことを聞いてくれる犬だった。
「さあ、そろそろねむりましょう。今日はなれない生活でつかれたでしょう。あなたは一人っ子で、何も気がねすることもないし自由だから」
「つかれてないよ。今日は楽しかった」
それからは明くる日も明くる日も、マルのために、散歩と、ご飯と、遊び、のくり返し。こんな生活が一週間続いた。そしてさとしが家に帰らなくてはならない時が来た。最後の朝の散歩をすませると、おばあちゃんはマルとの生活の感想をさとしに聞いた。
「大変だったろう。こんな生活がずっと続くのよ。でもきちんと友達として付き合ったなら、犬は無二の親友になってくれるのよ。犬はうら切らないわ。大変な時もはげましてくれるのよ。さとしにきちんと犬がかえるのかしら。それができるなら来年の夏、さとしに犬を買ってあげる。それまでは、あのコースターのマルの顔を思い出して、自分に本当に犬がかえるか? 良く考えてみて。ばあちゃんとの約束よ。わすれないで」
「ぼく、犬が大好きだよ。きっといい友達になれると思うんだ。」
さとしは家に帰っていった。さとしの犬を手に入れるという希望は、コースターのマルに引きつがれた。そしてさとしは、マルがししゅうしてある、おばあちゃんのコースターを、いつもお守りのようにして、はだ身はなさず持っていた。
つづく
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