ショートショート怪談 変わった怪談の世界にようこそ2

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道しるべ

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車で山にドライブに行った帰り道、私は迷ってしまった。

「おかしいな、行きはすんなり行けたのに...。」

走っても走っても同じような道。

おまけに電波は圏外と最悪だ。

とりあえず走り続けること一時間。

二手に分かれる道が現れた。

その二手の道、それぞれに道しるべが立っている。

右、アノ道。

左、レイノ道。

「なんだ、これ...。」

一瞬目が点になったが「誰かの悪ふざけか。」と思い、なんとなく左に進むことにした。

しばらく道に沿って進む。

普通の道だ。

そう思ったのも束の間、レイノ道と書かれたお札が木や地面、いたるところに貼り付けられている。

「おいおいおい!なんだこれ!。」

私はパニックになりながらも懸命に走り続けた。

進んだ先にまた二手の道と二つの看板が見えた。

右、焼身自殺。

左、首吊り自殺。

私は車を止めて固まった。

思考が追いつかない。

「これは現実なのか、夢じゃないのか?。」

戻るのも怖い。

進むのも怖い。

そんな気持ちの中、僅かだが私の中に好奇心が芽生えるのを感じた。

「この先を見てみたい。」

私はそんな小さな好奇心に負け、右の道。

焼身自殺と書かれた道に進んだ。

ライトに照らされた木々。

永遠に続くのではないかと思える道。

その先にそいつらはいた。

焼けた死体が道にゴロゴロ転がっているのだ。

避けるスペースはない。

グシャグシャと焼身死体を轢きながら進む。

「はぁ、はぁ。」

もう私の精神は崩壊寸前だ。

道の先にお馴染みの二手の道。

二つの看板。

右、地獄。

左、異界。

私は猛スピードで右の道に進んだ。

赤黒い門が見え、その先には今まで見たことがない残酷な世界が広がって---。













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