奇妙で歪な怖い話全集

kazukazu04

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ラブレター

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下駄箱にこんな手紙が入っていた。

「あなたのことが好きです。

話したことはないけれど、優しそうな雰囲気、明るい笑顔をいつも遠くで見ていました。

あなたの声が好きです。

あなたの容姿が好きです。

あなたの笑顔が好きです。

付き合って下さい。

今日の放課後、体育館裏で待ってます。

返事聞かせて下さい。」

それは激しく情熱的な手紙だった。

正直、情熱的過ぎて引いてしまうくらいだったが、そこは男子高校生。

好きと言われれば気にもなってしまう。

からかわれているのではと思いもしたが、どんな子か気になり放課後に行ってみることにした。

放課後になり、速攻で体育館裏に向かう。

体育館裏、そこはひと気がなくひっそりとしている。

「早く来すぎたかな...。」

「あの!。」

後ろから声をかけられた。

振り向くとそこには女子生徒が一人。

見たことない子...。

いや、何か違和感を感じる。

そう、その顔はよく知っている顔だった。

自分自身の顔だ。

顔は自分。背は同じくらい。

しかし髪が長いのと、胸が膨らんでいる。

まるで自分自身を女にしたような感じだ。

私は一目散に逃げ出した。

「返事聞かせてよ!!。」

自分の女バージョンが叫んでいる。

私はラブレターを破り捨て、校舎を後にした。










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