不思議で歪な怖い話

kazukazu04

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帽子

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私の彼女はいつも帽子を被っている。

「なんでいつも被ってるの?」って聞いても笑ってはぐらかされるだけ。

彼女の被っている帽子は黒の帽子。

ロゴなどはなく、無地のやつ。

よくジョギングしている人が被ってるような帽子だ。

彼女は絶対にどんなときでも帽子を取らない。

寝るときも、お風呂に入るときも。

髪を乾かすときなんて帽子ごと乾かしてる。

私はイタズラ心が働いて、彼女が寝ているときに帽子を取ることにした。

深夜2時。

彼女はスヤスヤ寝ている。

「今がチャンス」

私は勢いよく帽子を取った。

彼女が

「あーーー!!!」

絶叫した。

目を見開き、口を大きく開けて。

突然の彼女の叫びに、私は驚いた。

「ど、どうしたの?!」

返事がない。

目を見開き、口を開けたまま動かない。

呼吸がない。

彼女は死んでいた。

彼女の突然の死に私は何が何だか分からなかった。

警察、救急車など来たがどうやって応対したか覚えていない。

あの時何が起こったのか。

確信はないがある仮説が思い立った。

あの帽子。

あの帽子は彼女の一部で、命だったんじゃないかって...。




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