不思議で歪な怖い話

kazukazu04

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三本の道

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目の前に3台の自転車、三本のレーンが敷かれている。

私は一番右の自転車に乗り、レーンに沿って道を進んだ

しばらく進むと道に何か転がっている。

白くて小さい物。

それは歯だった。

歯が大量にレーン場に転がっている。

ガタガタガタ。

私は自転車で歯を踏みつけながら、先に進んだ。

シャー。

進んでいるうちに後ろから音が。

左のレーン、真ん中のレーンからも人が来たようだ。

左のレーンからはニワトリのお面をつけた髪の長い人。

服は上下とも真っ黒だ。

女性だろうか?

真ん中のレーンからは黒いゴミ袋を被った人。

目の部分だけ穴を開けて被っているようだ。

服は上下とも白。

なんとも異様なヤツらだ。

気にせず先に進む。

目の前にまた何かある。

大量の包丁だ。

包丁の持つ部分が下にめり込んでいて、刃が剥き出しになっている。

「危ない!」

私は自転車でジャンプして避けた。

「ギャアー!!!」

後ろから悲鳴が。

左のレーン、ニワトリお面の女が悲鳴をあげていた。

どうやらワイヤーがレーン場に仕掛けられていて、腕が持っていかれたらしい。

ニワトリお面の女は頭でサドルを支えながら必死に自転車を漕いでいる。

命懸けのレースだ。

真ん中のレーンを見ると黒いゴミ袋を被っていた人の頭が無くなっている。

一体真ん中のレーンには何が仕掛けられていたのか。

それにしても頭無しで自転車を漕ぐ執念には感心だ。

「ウィーン!!!」

私のレーンの前にはチェンソーが音を立てながら待ち構えている。

「私もいよいよ五体満足では進めないか...」

私は自転車を漕ぐスピードを早めて、チェンソーに飛び込む。

「ゔぁ~~!!」

私の身体は微塵切りになって弾け飛んだ。

残ったのは足だけ。

足の片方でサドルを支え、もう片方で必死に漕ぐ。

先はまだまだ長い。













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