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掟の大会編
第58話黒い聖女と白い聖女
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黒い聖女ユースティアは考えていた。
どうしたらゼロのハーレムを崩壊させられるか。
いかにして自分だけを見て貰える様にして貰うか。
その為にはこの大会でいい所を見せなければならない。
それもとびきりインパクトのある奴を…
「おや、余と同じ気を感じる…。これは…聖女じゃな?」
「あなたも聖女なのですか?」
そこにいたのはユースティアとは対極の白いドレスを着た聖女だった。
―
一方その頃、メアと令はゼロと離れ戦っていた。
相手は白いローブの女、彼女も賢者の一人だった。
「さすが賢者、手強いわね」
「婿殿に近付けさせる訳にはいかん」
「あなた達に興味は無いの。ゼロの賢者のところまで行きたいだけよ」
魔術と剣術の応酬が女の賢者を襲う。
しかし女賢者はそれを強大なバリアで防いでいた。
「効かないって言ってるでしょ」
「「きゃあああああああああ!!!」」
女賢者の手から衝撃波が放たれる。
その衝撃波をモロに喰らったメアと令は場外ギリギリまで吹き飛ばされた。
「これで終わりよ」
「お主がな」
女賢者の後ろにいたのは黒い聖女事ユースティアだった。
女賢者はバリアを張るが、ユースティアの魔術衝撃波はそれを貫通した。
トドメを刺す為に場外近くに来ていた女賢者は場外に吹き飛ばされた。
「「ありがとう、ユースティ―」」
「お主らにも消えて貰うがのう」
「「!?」」
「ハーレムなんぞ余はごめんじゃ。ゼロは余だけ愛しておればよい」
「本性を現したわね黒聖女。旦那様には近付けさせないわよ!」
「婿殿の見込み違いだったようだな。貴様を斬る!」
「やれるものならやってみせい」
「言ったわね!バーンボール!」
「はあああああああ、夢想一閃!」
メアと令の渾身の一撃が決まる。
しかしユースティアには傷一つついていなかった。
さすが歴代最強の魔力量を持つ伝説の聖女だ。
「お主らの全力、そんなものかえ?」
「さすがはユースティア様ですわ」
ぱちぱちとユースティアに拍手が送られる。
その拍手の主は他国の白い聖女だった。
「私もその様に強くなれますでしょうか?」
白い聖女がユースティアに近付きながら語る。
「お主には素質がある。ほれコツを教えてやろう。ちこう寄れ」
「は、はい」
白い聖女が近付いたその時、黒い聖女ユースティアは彼女の手を強く掴んだ。
そして彼女がそれに気付く前に場外へ放り投げた。
「なっ、なにをするんですかユースティア様!」
白い聖女は場外に落ちるギリギリの所でリングを掴んでいた。
しかし腕力の無い彼女ではいつ落ちても不思議じゃない状況である。
「聖女であるお主にはそうそうに消えて貰いたくってのう」
「そ、そんな、先程までお仲間を攻撃していて…私と組んで下さったのではなかったのですか!?」
「余がお主の様な小物と手を組むはずが無かろう。それにお主を倒せばゼロの覚えもよくなるしの」
「あ、あなたの性根の醜さはよーく分かりましたわ黒聖女。どうせ私も助けて下さらないんでしょう?」
「いや、これは余興じゃ。同じ聖女のよしみで助けてしんぜよう」
ユースティアは白い聖女に手を差し出すと聖女はそれを掴んだ。
その時の白い聖女の顔は希望に満ちていた。
しかしそれを見ているユースティアの表情は愉悦で歪んでいた。
「ああ、愉快愉快!なんとも初々しい奴よのう!」
「え!?」
ユースティアが手を離し、場外へ落ちていく白い聖女。
その時の彼女の表情は何も信じられない人間不信の気持ちで酷く歪んでいた。
「その顔が見たかったんじゃ」
―
「さーて、説明して貰おうかしらね黒聖女様」
メアがユースティアに詰め寄る
「演技だと言うのは途中から気付いていたが、さすがにやりすぎだろう」
令もやれやれといった感じで呆れている。
「おかげで厄介な聖女を倒せたんじゃ、むしろ感謝して貰わねばのう」
黒い聖女とは腹まで真っ黒なのかと悪い意味で納得したメアと令であった。
どうしたらゼロのハーレムを崩壊させられるか。
いかにして自分だけを見て貰える様にして貰うか。
その為にはこの大会でいい所を見せなければならない。
それもとびきりインパクトのある奴を…
「おや、余と同じ気を感じる…。これは…聖女じゃな?」
「あなたも聖女なのですか?」
そこにいたのはユースティアとは対極の白いドレスを着た聖女だった。
―
一方その頃、メアと令はゼロと離れ戦っていた。
相手は白いローブの女、彼女も賢者の一人だった。
「さすが賢者、手強いわね」
「婿殿に近付けさせる訳にはいかん」
「あなた達に興味は無いの。ゼロの賢者のところまで行きたいだけよ」
魔術と剣術の応酬が女の賢者を襲う。
しかし女賢者はそれを強大なバリアで防いでいた。
「効かないって言ってるでしょ」
「「きゃあああああああああ!!!」」
女賢者の手から衝撃波が放たれる。
その衝撃波をモロに喰らったメアと令は場外ギリギリまで吹き飛ばされた。
「これで終わりよ」
「お主がな」
女賢者の後ろにいたのは黒い聖女事ユースティアだった。
女賢者はバリアを張るが、ユースティアの魔術衝撃波はそれを貫通した。
トドメを刺す為に場外近くに来ていた女賢者は場外に吹き飛ばされた。
「「ありがとう、ユースティ―」」
「お主らにも消えて貰うがのう」
「「!?」」
「ハーレムなんぞ余はごめんじゃ。ゼロは余だけ愛しておればよい」
「本性を現したわね黒聖女。旦那様には近付けさせないわよ!」
「婿殿の見込み違いだったようだな。貴様を斬る!」
「やれるものならやってみせい」
「言ったわね!バーンボール!」
「はあああああああ、夢想一閃!」
メアと令の渾身の一撃が決まる。
しかしユースティアには傷一つついていなかった。
さすが歴代最強の魔力量を持つ伝説の聖女だ。
「お主らの全力、そんなものかえ?」
「さすがはユースティア様ですわ」
ぱちぱちとユースティアに拍手が送られる。
その拍手の主は他国の白い聖女だった。
「私もその様に強くなれますでしょうか?」
白い聖女がユースティアに近付きながら語る。
「お主には素質がある。ほれコツを教えてやろう。ちこう寄れ」
「は、はい」
白い聖女が近付いたその時、黒い聖女ユースティアは彼女の手を強く掴んだ。
そして彼女がそれに気付く前に場外へ放り投げた。
「なっ、なにをするんですかユースティア様!」
白い聖女は場外に落ちるギリギリの所でリングを掴んでいた。
しかし腕力の無い彼女ではいつ落ちても不思議じゃない状況である。
「聖女であるお主にはそうそうに消えて貰いたくってのう」
「そ、そんな、先程までお仲間を攻撃していて…私と組んで下さったのではなかったのですか!?」
「余がお主の様な小物と手を組むはずが無かろう。それにお主を倒せばゼロの覚えもよくなるしの」
「あ、あなたの性根の醜さはよーく分かりましたわ黒聖女。どうせ私も助けて下さらないんでしょう?」
「いや、これは余興じゃ。同じ聖女のよしみで助けてしんぜよう」
ユースティアは白い聖女に手を差し出すと聖女はそれを掴んだ。
その時の白い聖女の顔は希望に満ちていた。
しかしそれを見ているユースティアの表情は愉悦で歪んでいた。
「ああ、愉快愉快!なんとも初々しい奴よのう!」
「え!?」
ユースティアが手を離し、場外へ落ちていく白い聖女。
その時の彼女の表情は何も信じられない人間不信の気持ちで酷く歪んでいた。
「その顔が見たかったんじゃ」
―
「さーて、説明して貰おうかしらね黒聖女様」
メアがユースティアに詰め寄る
「演技だと言うのは途中から気付いていたが、さすがにやりすぎだろう」
令もやれやれといった感じで呆れている。
「おかげで厄介な聖女を倒せたんじゃ、むしろ感謝して貰わねばのう」
黒い聖女とは腹まで真っ黒なのかと悪い意味で納得したメアと令であった。
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