57 / 60
掟の大会編
第57話傭兵王女と力の賢者
しおりを挟む
俺は若い賢者を倒し周囲を見渡した。
すると大柄な白いローブを着た男が現れた。
こいつも賢者だと言うのか?
「俺の名はゲーティス、力の賢者と呼ばれている。お前がゼロか?」
「そうだけど…俺と戦う気か?」
「そのひょろい筋肉では俺に敵いそうには無いが仕方ない、戦ってやろう」
「仕方ないならあたいの相手をして貰おうか」
その声の主は傭兵王女のミーナだった。
―
ミーナは力の賢者の前に立ち塞がった。
力が有り余ってるとか強い敵と戦いたいとかそういう訳でもあるが、
一番の本心はゼロの役に立ちたいという気持ちからだった。
MPがないからタンク役にもなれないし、せっかくの力のチートの能力も、
せいぜいバビロニア国内のゴロツキを痛めつける程度だ。
最強の大賢者がいる国に外部から攻撃を受ける事はなかったからだ。
ミーナは力を持て余していた上にゼロの役に立てない事に不満を感じていた。
雇い主以前に恋人同然の好意を持ってる相手だ、なんとか役に立ってみたい。
そう願っていた。
そしてそのチャンスが目の前に訪れたのだ。
「ゼロ、あんたは下がってな。このデカブツはあたいが相手する」
「今度は女か。面倒だ、束になってかかってこ―」
「うらっ!」
ミーナは手持ちの大剣をバットの様に軽々と何度も何度も敵に叩きつける。
周囲の取り巻きは場外に吹き飛ばされ、力の賢者もガードに専念していた。
「これでも女だから弱いって?舐めんじゃないよ!」
「さっきの言葉は取り消そう。久々にやりがいのある相手にありつけた」
今度は力の賢者がその巨大な拳で素早く且つ強力なラッシュをミーナに振るう。
一方ミーナも大剣の腹でその拳を受け止めている。
要はさっきの逆だ。
そして力の賢者の拳はついにミーナの大剣を打ち砕いた。
「くっ!」
「終わりだな、女!」
力の賢者の拳がミーナに襲い掛かる。
しかしその拳をミーナは片手で軽く受け止めた。
「言い忘れたけどあたいは異世界人なんだ。力のチート持ち」
「俺の拳を止めただと!?」
「それにあんたの拳、魔術で強化してるんだろ?それでこれならあんたに勝ち目はないね」
力の賢者はフードを取り、その怒りの形相を現した。
「黙れ、メス豚ァ!!!」
「あんたじゃ相手にならないね」
ミーナは力の賢者の攻撃を軽くかわすと、みぞおちにワンパンを決めた。
「くはっ!?」
地面に膝を付き倒れ込む力の賢者。
「よいしょっと」
ミーナは力の賢者を持ち上げると場外にぶん投げた。
「(どうだいゼロ、少しは役に立てたかい?)」
ミーナはゼロに誇らしくガッツポーズをした。
すると大柄な白いローブを着た男が現れた。
こいつも賢者だと言うのか?
「俺の名はゲーティス、力の賢者と呼ばれている。お前がゼロか?」
「そうだけど…俺と戦う気か?」
「そのひょろい筋肉では俺に敵いそうには無いが仕方ない、戦ってやろう」
「仕方ないならあたいの相手をして貰おうか」
その声の主は傭兵王女のミーナだった。
―
ミーナは力の賢者の前に立ち塞がった。
力が有り余ってるとか強い敵と戦いたいとかそういう訳でもあるが、
一番の本心はゼロの役に立ちたいという気持ちからだった。
MPがないからタンク役にもなれないし、せっかくの力のチートの能力も、
せいぜいバビロニア国内のゴロツキを痛めつける程度だ。
最強の大賢者がいる国に外部から攻撃を受ける事はなかったからだ。
ミーナは力を持て余していた上にゼロの役に立てない事に不満を感じていた。
雇い主以前に恋人同然の好意を持ってる相手だ、なんとか役に立ってみたい。
そう願っていた。
そしてそのチャンスが目の前に訪れたのだ。
「ゼロ、あんたは下がってな。このデカブツはあたいが相手する」
「今度は女か。面倒だ、束になってかかってこ―」
「うらっ!」
ミーナは手持ちの大剣をバットの様に軽々と何度も何度も敵に叩きつける。
周囲の取り巻きは場外に吹き飛ばされ、力の賢者もガードに専念していた。
「これでも女だから弱いって?舐めんじゃないよ!」
「さっきの言葉は取り消そう。久々にやりがいのある相手にありつけた」
今度は力の賢者がその巨大な拳で素早く且つ強力なラッシュをミーナに振るう。
一方ミーナも大剣の腹でその拳を受け止めている。
要はさっきの逆だ。
そして力の賢者の拳はついにミーナの大剣を打ち砕いた。
「くっ!」
「終わりだな、女!」
力の賢者の拳がミーナに襲い掛かる。
しかしその拳をミーナは片手で軽く受け止めた。
「言い忘れたけどあたいは異世界人なんだ。力のチート持ち」
「俺の拳を止めただと!?」
「それにあんたの拳、魔術で強化してるんだろ?それでこれならあんたに勝ち目はないね」
力の賢者はフードを取り、その怒りの形相を現した。
「黙れ、メス豚ァ!!!」
「あんたじゃ相手にならないね」
ミーナは力の賢者の攻撃を軽くかわすと、みぞおちにワンパンを決めた。
「くはっ!?」
地面に膝を付き倒れ込む力の賢者。
「よいしょっと」
ミーナは力の賢者を持ち上げると場外にぶん投げた。
「(どうだいゼロ、少しは役に立てたかい?)」
ミーナはゼロに誇らしくガッツポーズをした。
0
よければ感想頂けると幸いです
お気に入りに追加
57
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
亡霊剣士の肉体強奪リベンジ!~倒した敵の身体を乗っ取って、最強へと到る物語。
円城寺正市
ファンタジー
勇者が行方不明になって数年。
魔物が勢力圏を拡大し、滅亡の危機に瀕する国、ソルブルグ王国。
洞窟の中で目覚めた主人公は、自分が亡霊になっていることに気が付いた。
身動きもとれず、記憶も無い。
ある日、身動きできない彼の前に、ゴブリンの群れに追いかけられてエルフの少女が転がり込んできた。
亡霊を見つけたエルフの少女ミーシャは、死体に乗り移る方法を教え、身体を得た彼は、圧倒的な剣技を披露して、ゴブリンの群れを撃退した。
そして、「旅の目的は言えない」というミーシャに同行することになった亡霊は、次々に倒した敵の身体に乗り換えながら、復讐すべき相手へと辿り着く。
※この作品は「小説家になろう」からの転載です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
母娘丼W
Zu-Y
恋愛
外資系木工メーカー、ドライアド・ジャパンに新入社員として入社した新卒の俺、ジョージは、入居した社宅の両隣に挨拶に行き、運命的な出会いを果たす。
左隣りには、金髪碧眼のジェニファーさんとアリスちゃん母娘、右隣には銀髪紅眼のニコルさんとプリシラちゃん母娘が住んでいた。
社宅ではぼさぼさ頭にすっぴんのスウェット姿で、休日は寝だめの日と豪語する残念ママのジェニファーさんとニコルさんは、会社ではスタイリッシュにびしっと決めてきびきび仕事をこなす会社の二枚看板エースだったのだ。
残業続きのママを支える健気で素直な天使のアリスちゃんとプリシラちゃんとの、ほのぼのとした交流から始まって、両母娘との親密度は鰻登りにどんどんと増して行く。
休日は残念ママ、平日は会社の二枚看板エースのジェニファーさんとニコルさんを秘かに狙いつつも、しっかり者の娘たちアリスちゃんとプリシラちゃんに懐かれ、慕われて、ついにはフィアンセ認定されてしまう。こんな楽しく充実した日々を過していた。
しかし子供はあっという間に育つもの。ママたちを狙っていたはずなのに、JS、JC、JKと、日々成長しながら、急激に子供から女性へと変貌して行く天使たちにも、いつしか心は奪われていた。
両母娘といい関係を築いていた日常を乱す奴らも現れる。
大学卒業直前に、俺よりハイスペックな男を見付けたと言って、あっさりと俺を振って去って行った元カノや、ママたちとの復縁を狙っている天使たちの父親が、ウザ絡みをして来て、日々の平穏な生活をかき乱す始末。
ママたちのどちらかを口説き落とすのか?天使たちのどちらかとくっつくのか?まさか、まさかの元カノと元サヤ…いやいや、それだけは絶対にないな。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~
ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。
玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。
「きゅう、痩せたか?それに元気もない」
ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。
だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。
「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」
この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる