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デート編
第50話大賢者とデート~御門令編~
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「時間がない、色々付き合って貰うぞ婿殿」
「え?」
「まずは剣の稽古からだ」
「ちょっと待て、これはデートなんだぞ?」
「なんでも付き合うと言ったのは婿殿の方だぞ」
「確かにそう言ったが…」
「心配するな。そういう余興もちゃんと準備してある」
「分かったよ、今日はとことん御門先輩に付き合う事にするよ」
「それなんだが、今後は名前で呼んでくれないか?遠慮はいらん」
「じゃあ…令…さん?先輩?」
「さんも先輩も不要だ。妻になるのだからな」
「わかったよ、令」
「……」
令はうつむいたまま頬を赤く染めていた。
なんだかんだで異性に名前で呼ばれるのが恥ずかしいんだろうな。
令との距離が近付いた気がしてこっちまでなんか恥ずかしくなった。
キュルルル
「あ」
「婿殿の腹の虫で気付いたよ、もうお昼の時間か」
「すまない、適当なレストランにでも転移して食事を…」
「いや、それには及ばん」
じゃじゃーんと効果音がなりそうな位の豪華な五段重ねのお重が現れた。
「昨日寝ずに作ったのだ。食べて貰わねば困る…」
「令の手作り弁当!いや愛妻弁当か!楽しみだな!」
「あ、愛妻!?」
愛妻という言葉に反応してまたもやうつむいてしまう令。
こういうたまに見せる所が可愛いんだよなぁ。
等と観察しつつ俺は令の作った弁当を食べた。
「う、うまい!」
「ほ、本当か?」
料亭顔負けの味とはこの事を言うのだろう。
俺は続いて次々と弁当を貪り食った。
「ふふふ、そんなに焦らなくとも弁当は無くならないぞ婿殿」
夢中で弁当を食べる俺に微笑する令。
弁当を褒められてまんざらでもない様子だ。
そして俺は令の食べ方にも着目する。
俺とは違った上品な箸使いに思わず見惚れてしまいそうだ。
この時俺は令もやっぱりお嬢様なんだなぁと再認識した。
この後は令の日本舞踊や居合切り等の余興を楽しみつつ、
ついに夜になった。
「じゃ、じゃあ私はその…これで…」
「令、俺の家に来てくれないか?」
「へ?いやその、いきなり何を言っているんだ!?先輩をからかうもんじゃない―」
俺は令が言い切る前に彼女の手を取った。
俺が本気だと分かった令は俺の手を強く握った。
―大賢者ゼロの邸宅
「その、こういうのはどうすればいいかよく分からなくて…お前がリードしてくれないか?」
「俺も実は慣れてなくて…そうだメ」
「メ、なんだ?」
『メアに聞こう』という言葉を発する前に俺は言葉を喉に引っ込めた。
いくら好感度をロックしてるからって別の女の名前を出すのは失礼すぎる。
しかも内容が内容だけにさすがの俺にも理解できた。
「ここはまずキスからじゃないか?」
「接吻か…分かった」
令は俺にぶつかる位至近距離に来ると俺に口づけをした。
俺もそれに応えキスを続けた。
「ふう…で、次は?」
「衣服を脱ぐ必要があるな…ちょっと待ってろ」
俺が少し待っていると令が寝室に入って来る。
令は裸でも下着姿でもなく水着姿…競泳水着を着ていた。
「これでも恥ずかしいんだ、許してくれ」
「許す事なんてないさ。むしろ興奮する」
「そういう物か?」
「そういう物さ」
令は俺と一緒にベッドに入ると身体を寄せて来た。
互いの肌と肌が触れ合い互いの体温を感じる。
俺はメアの時の様にがっつく事は無く、静かにその身を令に任せた。
―
朝起きると俺はまず布団の中を確認する。
よし、誰もいないな。
俺が一呼吸すると馴染み深い良い匂いが流れて来た。
味噌汁の匂いだ。
「食材は朝一で錬金術師のマリーに出して貰った。悪い事をした」
そういうと競泳水着にエプロンと靴下だけの恰好で令が出て来た。
その刺激的な姿を見て俺は再び興奮してしまった。
「令!」
「きゃっ!」
俺は令をベッドに連れ込むと思いっ切り抱き着いた。
例によりそれ以降の記憶はあやふやではっきりしていない。
こうして俺達のデートは幕を閉じた。
「え?」
「まずは剣の稽古からだ」
「ちょっと待て、これはデートなんだぞ?」
「なんでも付き合うと言ったのは婿殿の方だぞ」
「確かにそう言ったが…」
「心配するな。そういう余興もちゃんと準備してある」
「分かったよ、今日はとことん御門先輩に付き合う事にするよ」
「それなんだが、今後は名前で呼んでくれないか?遠慮はいらん」
「じゃあ…令…さん?先輩?」
「さんも先輩も不要だ。妻になるのだからな」
「わかったよ、令」
「……」
令はうつむいたまま頬を赤く染めていた。
なんだかんだで異性に名前で呼ばれるのが恥ずかしいんだろうな。
令との距離が近付いた気がしてこっちまでなんか恥ずかしくなった。
キュルルル
「あ」
「婿殿の腹の虫で気付いたよ、もうお昼の時間か」
「すまない、適当なレストランにでも転移して食事を…」
「いや、それには及ばん」
じゃじゃーんと効果音がなりそうな位の豪華な五段重ねのお重が現れた。
「昨日寝ずに作ったのだ。食べて貰わねば困る…」
「令の手作り弁当!いや愛妻弁当か!楽しみだな!」
「あ、愛妻!?」
愛妻という言葉に反応してまたもやうつむいてしまう令。
こういうたまに見せる所が可愛いんだよなぁ。
等と観察しつつ俺は令の作った弁当を食べた。
「う、うまい!」
「ほ、本当か?」
料亭顔負けの味とはこの事を言うのだろう。
俺は続いて次々と弁当を貪り食った。
「ふふふ、そんなに焦らなくとも弁当は無くならないぞ婿殿」
夢中で弁当を食べる俺に微笑する令。
弁当を褒められてまんざらでもない様子だ。
そして俺は令の食べ方にも着目する。
俺とは違った上品な箸使いに思わず見惚れてしまいそうだ。
この時俺は令もやっぱりお嬢様なんだなぁと再認識した。
この後は令の日本舞踊や居合切り等の余興を楽しみつつ、
ついに夜になった。
「じゃ、じゃあ私はその…これで…」
「令、俺の家に来てくれないか?」
「へ?いやその、いきなり何を言っているんだ!?先輩をからかうもんじゃない―」
俺は令が言い切る前に彼女の手を取った。
俺が本気だと分かった令は俺の手を強く握った。
―大賢者ゼロの邸宅
「その、こういうのはどうすればいいかよく分からなくて…お前がリードしてくれないか?」
「俺も実は慣れてなくて…そうだメ」
「メ、なんだ?」
『メアに聞こう』という言葉を発する前に俺は言葉を喉に引っ込めた。
いくら好感度をロックしてるからって別の女の名前を出すのは失礼すぎる。
しかも内容が内容だけにさすがの俺にも理解できた。
「ここはまずキスからじゃないか?」
「接吻か…分かった」
令は俺にぶつかる位至近距離に来ると俺に口づけをした。
俺もそれに応えキスを続けた。
「ふう…で、次は?」
「衣服を脱ぐ必要があるな…ちょっと待ってろ」
俺が少し待っていると令が寝室に入って来る。
令は裸でも下着姿でもなく水着姿…競泳水着を着ていた。
「これでも恥ずかしいんだ、許してくれ」
「許す事なんてないさ。むしろ興奮する」
「そういう物か?」
「そういう物さ」
令は俺と一緒にベッドに入ると身体を寄せて来た。
互いの肌と肌が触れ合い互いの体温を感じる。
俺はメアの時の様にがっつく事は無く、静かにその身を令に任せた。
―
朝起きると俺はまず布団の中を確認する。
よし、誰もいないな。
俺が一呼吸すると馴染み深い良い匂いが流れて来た。
味噌汁の匂いだ。
「食材は朝一で錬金術師のマリーに出して貰った。悪い事をした」
そういうと競泳水着にエプロンと靴下だけの恰好で令が出て来た。
その刺激的な姿を見て俺は再び興奮してしまった。
「令!」
「きゃっ!」
俺は令をベッドに連れ込むと思いっ切り抱き着いた。
例によりそれ以降の記憶はあやふやではっきりしていない。
こうして俺達のデートは幕を閉じた。
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