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大賢者、勧誘する編
第23話大賢者と回復術師な悪役令嬢
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「うーん、攻撃は十分だけど回復役が欲しいな」
俺は仲間リストを見て呟いた。
チートだったり自力で優秀だったりする異世界人を味方に引き入れ、
この大陸を支配しハーレムの王となる計画だ。
その為にあらゆるジャンルの仲間を集めておきたい。
俺は誰か適役がいないか皆に相談した。
するとメアが手を挙げる。
「候補がいない訳じゃないわよ、嫌な奴だけど」
「へぇ~どんな奴なんだい?」
「昔から平民や低級貴族を馬鹿にするのが趣味な悪趣味な奴よ」
「どうしてそんな奴と知り合いなんだい?」
「あの子とは幼馴染でね、小さい頃から尻拭いをさせられてきたのよ」
「(性格が悪い貴族の令嬢、悪役令嬢と言う奴か)」
「でも最近人が変わったように優しい性格になって、回復の魔術が凄いって噂よ」
「(その上転生人ときたか。これは都合がいいぞ)」
「紹介するのは構わないけど、気を付けないとだめよ」
「どうしてだ?」
「だって彼女、平民への扱いが酷いから」
―舞踏会会場
俺は魔法大国ユースティアもとい魔科学国家バビロニアの国王としてパーティーを開いた。
例の悪役令嬢に転生した子も当然招待してある。
俺は目当ての娘を見つけると、メアと一緒に近付いた。
「久しぶりねクロフォード、そしてセシリアも」
「やあメア、久しいね。となりにいるのが大賢者の?」
「はい、ゼロと申します。一応この国の国王もやってまして」
「どうかしたのセシリア?いつもなら平民の国王が~て皮肉る所なのに」
「いえそんな滅相もありません、メア様」
「え?メア”様”?」
中身は別人だからこうなるのも仕方がない。
俺はクロフォードさんに一言断ると、セシリアを連れ出し二人きりになった。
メアは俺がまたハーレムを増やすのかと若干苛ついていた様だ。
「単刀直入に言う、君は異世界転生してきたね?しかもチートスキル持ち」
「ど、どうしてそれを!?」
「乙女ゲーの悪役令嬢が破滅フラグを回避する為に別人の様に変わるのはよくある事だからね」
「まあ確かに小説サイトとかではあるあるですけど…てまさかあなたも転生者!?」
「そうだよ。君と同じ世界や時代かは分からないけどね。一応地球生まれで西暦2000年から来た」
「私も地球人で、同じく2000年位からきました。まだ小ギャルとかたま〇っちとか流行ってます?」
俺達は他愛のない現代の話で盛り上がった。
それをメアは嫉妬の視線で見つめている。
悪寒を感じた俺はさっそく本題に入る事にした。
「君の回復術師としての力、俺の国に貸して欲しいんだ」
「え!?」
「無論VIP待遇だ。悪い様にはしない。それに君にとっても都合が良いんじゃないか?」
「確かに…乙女ゲーの所に留まって奮闘するよりも離れた方が得策ですね…」
「じゃあ、明日来てくれるかな?」
「いいともー!」
新たにチートな元悪役令嬢の回復術師が仲間に加わった。
安堵していたその時である。
ギャアアアアアアアアアアアス!!!
巨大な咆哮と共に巨大な3つ首のドラゴンが現れた。
口から吐く熱光線により城は瓦解していく。
「メア、君はこっちに!セシリア、君は怪我した人達の回復を頼む」
「わかりました!」
セシリアは了承すると俺の側を離れた。
一方で俺の近くに近付いて来たメアは俺の耳をひっぱる。
「いててててて!なにすんだよ!」
「ずいぶんあの子と話が盛り上がっていた様じゃない?旦那様ァ?」
「今はそんな事言ってる場合じゃないだろ!手を貸せ!」
「この後一緒に踊ってくれるなら構わないわよ?」
「わかった!わかったよ!デートでもなんでもやってやる!」
「やった!」
メアはぎゅっと俺の手を繋ぐ。
俺は城のテラスに出てドラゴンに向け手をかざした。
「開け、光の門!サイ・デッカー!!」
突如現れた光の門から十字の光線が放たれる。
ドラゴンは最後の断末魔を上げ、その場に倒れた。
俺は周囲を見てセシリアを探す。
セシリアは怪我人の手当てをしている。
どうやら無事の様だ。
「よかった…」
思わず呟くとまた耳が引っ張られる。
「ダンス中足をふまないでよね、だ・ん・な様!」
この後小一時間程ダンスの訓練が続き、ショッピングに付き合い、食事もした。
メアって怒らすと怖いんだな…としみじみ思う俺だった。
俺は仲間リストを見て呟いた。
チートだったり自力で優秀だったりする異世界人を味方に引き入れ、
この大陸を支配しハーレムの王となる計画だ。
その為にあらゆるジャンルの仲間を集めておきたい。
俺は誰か適役がいないか皆に相談した。
するとメアが手を挙げる。
「候補がいない訳じゃないわよ、嫌な奴だけど」
「へぇ~どんな奴なんだい?」
「昔から平民や低級貴族を馬鹿にするのが趣味な悪趣味な奴よ」
「どうしてそんな奴と知り合いなんだい?」
「あの子とは幼馴染でね、小さい頃から尻拭いをさせられてきたのよ」
「(性格が悪い貴族の令嬢、悪役令嬢と言う奴か)」
「でも最近人が変わったように優しい性格になって、回復の魔術が凄いって噂よ」
「(その上転生人ときたか。これは都合がいいぞ)」
「紹介するのは構わないけど、気を付けないとだめよ」
「どうしてだ?」
「だって彼女、平民への扱いが酷いから」
―舞踏会会場
俺は魔法大国ユースティアもとい魔科学国家バビロニアの国王としてパーティーを開いた。
例の悪役令嬢に転生した子も当然招待してある。
俺は目当ての娘を見つけると、メアと一緒に近付いた。
「久しぶりねクロフォード、そしてセシリアも」
「やあメア、久しいね。となりにいるのが大賢者の?」
「はい、ゼロと申します。一応この国の国王もやってまして」
「どうかしたのセシリア?いつもなら平民の国王が~て皮肉る所なのに」
「いえそんな滅相もありません、メア様」
「え?メア”様”?」
中身は別人だからこうなるのも仕方がない。
俺はクロフォードさんに一言断ると、セシリアを連れ出し二人きりになった。
メアは俺がまたハーレムを増やすのかと若干苛ついていた様だ。
「単刀直入に言う、君は異世界転生してきたね?しかもチートスキル持ち」
「ど、どうしてそれを!?」
「乙女ゲーの悪役令嬢が破滅フラグを回避する為に別人の様に変わるのはよくある事だからね」
「まあ確かに小説サイトとかではあるあるですけど…てまさかあなたも転生者!?」
「そうだよ。君と同じ世界や時代かは分からないけどね。一応地球生まれで西暦2000年から来た」
「私も地球人で、同じく2000年位からきました。まだ小ギャルとかたま〇っちとか流行ってます?」
俺達は他愛のない現代の話で盛り上がった。
それをメアは嫉妬の視線で見つめている。
悪寒を感じた俺はさっそく本題に入る事にした。
「君の回復術師としての力、俺の国に貸して欲しいんだ」
「え!?」
「無論VIP待遇だ。悪い様にはしない。それに君にとっても都合が良いんじゃないか?」
「確かに…乙女ゲーの所に留まって奮闘するよりも離れた方が得策ですね…」
「じゃあ、明日来てくれるかな?」
「いいともー!」
新たにチートな元悪役令嬢の回復術師が仲間に加わった。
安堵していたその時である。
ギャアアアアアアアアアアアス!!!
巨大な咆哮と共に巨大な3つ首のドラゴンが現れた。
口から吐く熱光線により城は瓦解していく。
「メア、君はこっちに!セシリア、君は怪我した人達の回復を頼む」
「わかりました!」
セシリアは了承すると俺の側を離れた。
一方で俺の近くに近付いて来たメアは俺の耳をひっぱる。
「いててててて!なにすんだよ!」
「ずいぶんあの子と話が盛り上がっていた様じゃない?旦那様ァ?」
「今はそんな事言ってる場合じゃないだろ!手を貸せ!」
「この後一緒に踊ってくれるなら構わないわよ?」
「わかった!わかったよ!デートでもなんでもやってやる!」
「やった!」
メアはぎゅっと俺の手を繋ぐ。
俺は城のテラスに出てドラゴンに向け手をかざした。
「開け、光の門!サイ・デッカー!!」
突如現れた光の門から十字の光線が放たれる。
ドラゴンは最後の断末魔を上げ、その場に倒れた。
俺は周囲を見てセシリアを探す。
セシリアは怪我人の手当てをしている。
どうやら無事の様だ。
「よかった…」
思わず呟くとまた耳が引っ張られる。
「ダンス中足をふまないでよね、だ・ん・な様!」
この後小一時間程ダンスの訓練が続き、ショッピングに付き合い、食事もした。
メアって怒らすと怖いんだな…としみじみ思う俺だった。
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