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第十章 復活されし魔神
第百四十五話 東と西の鉄壁
しおりを挟む魔神獣が羽を羽ばたかせ、浮遊城の近くまで飛来してきていた。
「くるぞ、炎のブレスだ」
キュラが第一声をあげた。
急に炎のブレスを魔神獣は口からはいてきた。
それは見事に光の盾にあたり、爆発し、貫通するのを妨げた。
セイクがにやりと笑った。
「フ、その程度。大丈夫。だが、物理攻撃は気をつけて。術や魔法ならこの光の盾は防げるが、外からの物理攻撃だけは防げない」
その言葉を聞いて、口に手をやり、青ざめる者がいた。
「ということは、体当たりされてきたら、防げないどんかー」
急いでボンは城の壁の陰に隠れようとした。
それをみて、セイクはまたにこりと笑った。
「フフ、まぁそういうことになるな、その時は我が斬首してくれようぞ」
セイクがそういった矢先だった。
魔神獣を見やり、ヒョウが口を濁した。
「ち、厄介な敵だ、ワイバーンより数段早いぞ、スピードが」
「こんなところでやられてたまるか、邀撃してやる」
いうと、ファイは飛び上がり、魔闘気を拡充させた!
「フレアブレード! 連撃!」
「ウィンドドラゴン!」
「ら、らぁ、らぁ、らいやあぁぁ!」
なんと同時にウィードも攻撃を仕掛けた。
ファイは目標を絞って、動きまで予測して技を放っていたが、相手のスピードが凄まじく想像以上で、
全くといっていいほど、かすりもしなかった。
ウィードの風の竜撃も同じだった。
ファイが怪訝な面持ちをして、表情を一変させた。
「だめだ、紙一重でかわされる。スピードが速すぎる」
「あれは、ドラゴンの形をしているが、魔神の魔獣。ポテンシャルが桁外れだ」
キュラが苦渋に満ちた顔つきでいった。
そのときだった。
「きたぞ、二匹体当たりしてくる!」
「奴さんめ気が付いたんだ」
「フォライーの悪知恵か。魔獣の知能とは思えんな」
なんと、二匹の魔獣が東側と西側の城壁に体もろともぶつかって舞い降りてきた。
「GAUUOOOONNN!」
「畜生、東側の城内に入ったぞ!」
見事に光の盾をかいくぐり、侵入してきた。
たしかに、魔法や術なら防げたが、本体の侵入は拒めなかったのだ。
「もう一体は、西側の城壁から」
「くそ、挟み撃ちか、魔獣のおつむでは上出来だな」
「二手にわかれて、迎え撃つぞ」
緊迫感がひしめく。
キュラが駆けながら急いでいった。
「浮遊城を動かしている、駆動力の破壊をされないように、城壁側で抑え込むぞ。よいな」
「はい」
みな、キュラの言葉に一様に返事をした。
そして、キュラがまた話し出した。
魔神獣と、駆動力のカギになっている聖魔剣の石板まではかなりの距離があった。
だが、一歩踏み込まれていくと、壊されかねない。
生と死が隣り合わせだった。
このまま駆動力を壊され、城が転落しても、確実に死ぬのは見えていた。
懸念しながら、キュラは再三言った。
「ファイ、ヒョウ、エリュー、オネイロスは西側へ。残りは東側だ」
「は」「はい」「わかりました」
「僕たち三人もわかれて戦おう。キレオは西側にいってくれ」
「は、わかりました」
二手にわかれて動き出した。
「きたぞ、城内に二体とも入り、突進してきている、奴らめ、駆動力を恐らく知っている。一刻を争う、いくぞ」
キュラは、そういうと殲滅に向かった。
セイクは余裕の面持ちで、にこりと笑っていた。
☆☆
おはようございます。
毎日連載していきます。
応援よろしくお願いします。
何回も見てくださっている読者さまには感謝です
ほんとにありがとうごうざいます。
よろしければ、ブックマークなどしていただけるとうれしいです。
ファイにまだまだ戦ってもらいます。
当分ずっと終わりません。
物語は魔王倒しても続くと思います。
またおあいしましょう。
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