上 下
48 / 200
第十章 復活されし魔神

第百四十五話 東と西の鉄壁

しおりを挟む


魔神獣が羽を羽ばたかせ、浮遊城の近くまで飛来してきていた。


「くるぞ、炎のブレスだ」


 キュラが第一声をあげた。


 急に炎のブレスを魔神獣は口からはいてきた。


 それは見事に光の盾にあたり、爆発し、貫通するのを妨げた。


 セイクがにやりと笑った。


「フ、その程度。大丈夫。だが、物理攻撃は気をつけて。術や魔法ならこの光の盾は防げるが、外からの物理攻撃だけは防げない」


 その言葉を聞いて、口に手をやり、青ざめる者がいた。


「ということは、体当たりされてきたら、防げないどんかー」


 急いでボンは城の壁の陰に隠れようとした。


 それをみて、セイクはまたにこりと笑った。


「フフ、まぁそういうことになるな、その時は我が斬首してくれようぞ」


 セイクがそういった矢先だった。


 魔神獣を見やり、ヒョウが口を濁した。


「ち、厄介な敵だ、ワイバーンより数段早いぞ、スピードが」


「こんなところでやられてたまるか、邀撃してやる」


 いうと、ファイは飛び上がり、魔闘気を拡充させた!


「フレアブレード! 連撃!」


「ウィンドドラゴン!」


「ら、らぁ、らぁ、らいやあぁぁ!」


 なんと同時にウィードも攻撃を仕掛けた。


 ファイは目標を絞って、動きまで予測して技を放っていたが、相手のスピードが凄まじく想像以上で、

全くといっていいほど、かすりもしなかった。


 ウィードの風の竜撃も同じだった。


 ファイが怪訝な面持ちをして、表情を一変させた。


「だめだ、紙一重でかわされる。スピードが速すぎる」


「あれは、ドラゴンの形をしているが、魔神の魔獣。ポテンシャルが桁外れだ」


 キュラが苦渋に満ちた顔つきでいった。


 そのときだった。


「きたぞ、二匹体当たりしてくる!」


「奴さんめ気が付いたんだ」


「フォライーの悪知恵か。魔獣の知能とは思えんな」


 なんと、二匹の魔獣が東側と西側の城壁に体もろともぶつかって舞い降りてきた。


「GAUUOOOONNN!」


「畜生、東側の城内に入ったぞ!」


 見事に光の盾をかいくぐり、侵入してきた。


 たしかに、魔法や術なら防げたが、本体の侵入は拒めなかったのだ。


「もう一体は、西側の城壁から」


「くそ、挟み撃ちか、魔獣のおつむでは上出来だな」


「二手にわかれて、迎え撃つぞ」


 緊迫感がひしめく。


 キュラが駆けながら急いでいった。


「浮遊城を動かしている、駆動力の破壊をされないように、城壁側で抑え込むぞ。よいな」


「はい」


 みな、キュラの言葉に一様に返事をした。


 そして、キュラがまた話し出した。


 魔神獣と、駆動力のカギになっている聖魔剣の石板まではかなりの距離があった。


 だが、一歩踏み込まれていくと、壊されかねない。


 生と死が隣り合わせだった。


 このまま駆動力を壊され、城が転落しても、確実に死ぬのは見えていた。


 懸念しながら、キュラは再三言った。


「ファイ、ヒョウ、エリュー、オネイロスは西側へ。残りは東側だ」


「は」「はい」「わかりました」


「僕たち三人もわかれて戦おう。キレオは西側にいってくれ」


「は、わかりました」


 二手にわかれて動き出した。


「きたぞ、城内に二体とも入り、突進してきている、奴らめ、駆動力を恐らく知っている。一刻を争う、いくぞ」


 キュラは、そういうと殲滅に向かった。


 セイクは余裕の面持ちで、にこりと笑っていた。















☆☆


おはようございます。
毎日連載していきます。
応援よろしくお願いします。
何回も見てくださっている読者さまには感謝です
ほんとにありがとうごうざいます。
よろしければ、ブックマークなどしていただけるとうれしいです。
ファイにまだまだ戦ってもらいます。
当分ずっと終わりません。
物語は魔王倒しても続くと思います。

またおあいしましょう。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

【完結】彼女以外、みんな思い出す。

❄️冬は つとめて
ファンタジー
R15をつける事にしました。 幼い頃からの婚約者、この国の第二王子に婚約破棄を告げられ。あらぬ冤罪を突きつけられたリフィル。この場所に誰も助けてくれるものはいない。

完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。 自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。 28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。 安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。 いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して! この世界は無い物ばかり。 現代知識を使い生産チートを目指します。 ※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。

30年待たされた異世界転移

明之 想
ファンタジー
 気づけば異世界にいた10歳のぼく。 「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」  こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。  右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。  でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。  あの日見た夢の続きを信じて。  ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!  くじけそうになっても努力を続け。  そうして、30年が経過。  ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。  しかも、20歳も若返った姿で。  異世界と日本の2つの世界で、  20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。

異世界ハーレム漫遊記

けんもも
ファンタジー
ある日、突然異世界に紛れ込んだ主人公。 異世界の知識が何もないまま、最初に出会った、兎族の美少女と旅をし、成長しながら、異世界転移物のお約束、主人公のチート能力によって、これまたお約束の、ハーレム状態になりながら、転生した異世界の謎を解明していきます。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

異世界のんびり冒険日記

リリィ903
ファンタジー
牧野伸晃(マキノ ノブアキ)は30歳童貞のサラリーマン。 精神を病んでしまい、会社を休職して病院に通いながら日々を過ごしていた。 とある晴れた日、気分転換にと外に出て自宅近くのコンビニに寄った帰りに雷に撃たれて… ================================ 初投稿です! 最近、異世界転生モノにはまってるので自分で書いてみようと思いました。 皆さん、どうか暖かく見守ってくださいm(._.)m 感想もお待ちしております!

女神様から同情された結果こうなった

回復師
ファンタジー
 どうやら女神の大ミスで学園ごと異世界に召喚されたらしい。本来は勇者になる人物を一人召喚するはずだったのを女神がミスったのだ。しかも召喚した場所がオークの巣の近く、年頃の少女が目の前にいきなり大量に現れ色めき立つオーク達。俺は妹を守る為に、女神様から貰ったスキルで生き残るべく思考した。

処理中です...