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第九章 神玉の冒涜

第百十六話-5 バラロサの猛攻

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「小僧、ニミュエをどうする気だ? 答えによっちゃあ、ただじゃ済まさないぞ」
 ファイの剣幕が変わっていた。

 犯人は唾を吐き、睨み返してきた。
「どうもこうも、売り飛ばすだけだ。俺は機械士団バラロサの一員だ。ここらを仕切ってるんだぜ、あんたらの方が命危ないんじゃねーの」

「バラロサ?」「機械士団?」
 ヒョウとウィードに動揺が一瞬うかんだ。

 ファイも何かを察知していた。

「ほらよ、建屋の窓をみてみろよ、あんたら、死ぬぜ、銃の山だ」
 犯人がそういうと、建屋一面の窓から、銃が飛び出ていた。

 機械士団バラロサの人数は多い。ざっと見て三十人程度は見受けられた。

 だが、ファイたちも一筋縄ではいかない面子だった。

 ヒョウがニヤリと笑った。
「フン、笑止。銃などで仕留められるものなら仕留めてみろ」

「いったな、よし、撃てぇ!」

BANG!

 勝負は一瞬だった。銃撃音が辺りに響き渡った。

「展開、ウィンドストーム!」
 その瞬間、地面にぶつけていたウィンドブリッドを視点として、ウィードの術が展開した。突風が巻き起こって、無数の銃弾を力無きにし、地面に叩きつけた。

「な、なんだこの風は?」

「銃も風圧を受ければ、当たる前に全て力を失い地に落ちるな。僕たちを甘く見過ぎだ」

 一瞬だった。ファイが犯人の懐に入り込んでいた。
 魔剣を首に突き付けた。
「おい、小僧、ニミュエを解放しろ、さもなくば、お前の喉首を斬る」

「ひぃ、わかったよ、わかった。これが鳥かごの鍵だ。俺たちはお金がほしかっただけなんだ。殺す気はなかったさ」
 そういい、犯人は、ファイに鍵を渡した。

「ニミュエ、大丈夫か、怖い想いしたな」
「ファイ―」
 ニミュエがファイの頬っぺたに抱き着いた。

 涙を浮かべていた。
「こわかったよー、ありがと、皆も助けてくれて」

「それにしても、あんたたち、何もんだ?」
 犯人は手を挙げ、悔しそうに言った。

「俺たちはな、炎と氷と風の旅の剣士だ」

「炎と氷? 風? 旅の剣士? すまなかった、もうしないから命だけは勘弁してくれ」

「解放すれば、お前に用はない。それに、俺たちはお前の命を奪う気もはなっからないぜ」
 ファイはいうと、剣を首から下げて助けた。

 すると、犯人は急いでその場から離れた。

「俺は、バラロサの師団長ニスカだ。くそ、覚えてろよ」

「減らず口が過ぎるやろうだ」

「はは、ああいう子供も、困りますね」
 ヒョウとウィードがたまったもんじゃないと、いった面持ちでいった。

 ファイも困った顔をし、言葉を紡いだ。
「よし、どうにか、一件落着だ、みんな、飯屋メルフェンにいこうぜ」

「ご飯、ご飯♪ もう待ちきれなーい、お腹すいたーぁッ」
 ニミュエに明るさが戻っていた。




 そして、ファイたちは飯屋メルフェンに向かった。







☆☆
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