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第九章 神玉の冒涜

第百十六話-3 強奪の機械士

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「つーかまえた!」

「きゃあぁ、ファイ―」
 なんと、後ろの方にいたニミュエをすばしこそうな少年が持っていた鳥かごの中にいれ、鍵をかけて、走り去った。
 一同に動揺が走った。

「なんだ、あいつは、ニミュエ!」
 ファイが逃げた少年の方に走り出した。


「へへん、こいつはきっと羽があるから、妖精だ、高く売れるぜ」

「ファイ―、助けてー」
 ニミュエが泣きながらファイに助けをこうた。必死に出ようと、鳥かごの網を手で引っ張ったり、開けようとした。だが、びくともしない。

 ファイの目の色がかわった。
「なんて、脚が速いんだ、もうあんなに遠くに! ヒョウ、手伝ってくれ!」

「わかった」「僕も一緒に」
「おい、ファイ!」
 レイティスが前のめりになりながら、自身も走ろうとした。

 そのとき、アザレが少年が背負っていたカバンにある不思議なものをみた。
「(あの紋様? まさか、機械士団バラロサの? あの子供バラロサの一派か?)」 
 アザレの憶測が正しければ、何かの組織のものには間違いなかった。

 しかし、記憶違いかもしれない。見間違えという可能性もある。アザレは口を濁した。

 ファイとヒョウ、ウィードが前を走りながら中途までいったところで、ファイが後ろを振り返りキュラにいった。
「キュラ様、皆は先にメルフェンにいっててくれ、そこで落ち合おう」

「俺も行く」
「待て、魔剣士三人がかりなら、ほぼ大丈夫だろう。レイティス、オネイロスは姫様の護衛だ」

「は、キュラ様、わかりました」
 レイティスは身を乗り出していたが、キュラの言葉を受け、追うのをやめた。

「大丈夫だ、あれしきの、小僧くらい、ファイならすぐに捕まえる」

 キュラはさほど、心配はしてなかった。魔族でない以上、切り抜ける力が三人にはあったからだ。










☆☆
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