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第四十八話 カメラは宮廷画家? 英雄は未来でアルプス越えをするのを知る
しおりを挟む「かすみちゃん、スザンヌさんも入って入って」
みなのポーズが決まった。
「はい、チーズ」
店員さんがいうと同時にカメラのシャッター音がなり、写真が撮られた。
ポラロイドカメラのため、即座に写真が出てきた。
「ナポレオン、これが写真だよ。こういう風に、様子を形に残せるんだ」
楓は出てきた写真を持ち、ナポレオンにみせた。隣にいたスザンヌも顔を突っ込んできた。二人とも唖然としてい
た。確かに写真機がない時代であれば、そうなるだろう。
かすみと香織も中腰になり、写真を見遣った。
「写真、凄いな。宮廷画家が描く絵より、速くて正確でいいな」
「宮廷画家ね、僕はそっちの絵のほうがいいな。リアリティがあって、豪華で」
なにやら、また楓が語りだした。
「あの、サンベルナール峠を越す、アルプス越えのときのナポレオン絵画、最高だよ」
「あ、あたし、それ知ってます。白い馬に跨って、天を仰ぐポーズをしてるんですよね。ナポレオン君が」
楓が興奮気味にいうのを聞いて、かすみが言葉に乗った。
隣で全く嘘みたいなことを言う奴だなといった面持ちの男がいた。
ナポレオンは首を傾げていた。
「俺が、アルプス越えを? はは、信じられないな」
「実話だよ。ただ、白馬かどうかは、よくわからないけどね。僕は白馬に跨ってると仮説したいな。その方がかっこ
いいし」
「白馬に跨る、堂本麗一ですか。キャー素敵ですね」
恐らく、白馬ではなかったのを楓も知っているような口ぶりだったが、それに乗じてかすみが笑顔で返した。
「ナポレオン、王子様ね。この世界だと人気アイドルに顔が似てるから、どこ行っても、もてるわよ」
ふふふ、と香織が一部始終を聞いて笑いながらいった。
確かに、本人ではないかと、店内でも注目されていた。ナポレオンにいく視線がまだやまない。
「やっぱり、英雄は違うね。その絵をみて、現実に惚れた姫様が後にでてくるよ。皮肉な境遇の妃さんが」
「(?)この前きいた、オーストリアの女か。興味ないな。俺は、軍人を目指してるんだ。役者でもなんでもない」
ナポレオンは一瞬、頓狂な顔をしたが、すぐに否定し、返事を返した。
ナポレオンにとっちゃ、信じれなくて、馬鹿馬鹿しいといったことだろう。
☆☆
おはようございます。
連載再開です。
更新滞っていてすみません。作者の時間の都合です。
何回も見てくださっている読者さまには感謝です。
ほんとにありがとうごうざいます。
応援よろしくお願いします。
またおあいしましょう。
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