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第十話 地方貴族が最高司令官に? エジソンが電話を作るのを知る。。
しおりを挟むメールを打ってから、数分が経った。
楓のスマホがビビビと振動して、着信音が鳴った。着信音はオーケストラの第九のメロディだった。意外と渋いようだ。
楓が机の上のスマホを急いでとり、メールをみる。ナポレオンも釣られて画面を一緒に覗き込んだ。
楓は女の子からのメールがよっぽど嬉しいのか、いつもとテンションが違っていた。
「わかったって。いいよって。今、メールが来たよ」
「おい、いいよって、どうやって連絡したのだ?」
ナポレオンの問いに顔を見合わせた。
ナポレオンは興味深そうな面持ちで、スマホを覗き込んでいる。
楓は、はっとした面持ちで言葉を紡いだ。当然、二百五十年前は電気もあるはずがない。
「あ、そうか、ナポレオンの時代にはスマホも携帯電話もなかったんだね。後にね、エジソンっていう発明家が色々、携帯電話の元みたいなのも作るんだけど、これはね、要するに遠く離れている人と話が出来る機械だよ。メールっていうのは、こういう風にね、画面に字を打って送信すると、返事をくれたりするんだよ」
楓が実際にスマホで字を打ってデモンストレーションをやってみせた。
感心の色はなくならない。
「ほほう、凄いもんだな。さすが、250年後だ」
言うと、ナポレオンは笑顔で頷いた。呼吸を途切れさせることなく、続けて楓は言う。
「でもね、貴方はずば抜けて凄い人だよ。普通の人が絶対にできないこと、やってのけてるよ。軍事戦術や、作戦や、血みどろの戦いでその場にいて、指揮して連戦連勝してるし」
「そうなのか? 俺がそういうことをするのか。軍事戦術まで。待て、作戦を立てるということは、俺は将校になっ
ているのか?」
ナポレオンは、訳がわからないといった面持ちで返事を返した。
「そうだよ。将校から更に出世して、格上げで、最高司令官にまでなってるよ」
楓は笑顔でそういった。
ナポレオンは口をぽかんと、開けていた。信じれなくて、唖然となっていた。
確かに他の誰でも、皇帝になる、将校になる、絶対というほど信じれないだろう。
「最高司令官? はは、不思議な話だな。嘘みたいに思えて仕方ない」
その時だった。楓が顔を上げ、部屋にかけてあった時計をみた。
もう昼の一時を回っていた。待ち合わせは間に合うのか。
「もう、一時半だね。デートの約束は二時だから、もうナポレオン家から出ようか?」
「そうだな。いこうか」
そういい、楓とナポレオンは部屋を後にした。部屋を出て、階段を降り、二人は、玄関の方に歩いていく。楓が、先ず、靴を履こうとしたときだった。はっとして、あることに楓は気がついた。
☆☆
またアップします。
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みなさまの声援が作者の力の源です。
またおあいしましょう。
読者様も良き一日をお過ごしください。
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