9 / 63
第九話 軍服はコスプレ? 英雄は筋肉質、メールできるのを知る
しおりを挟む「ははは、バカを言うな。まぁ、お前なら、誠実そうだし、兄としては構わないけどな」
ナポレオンは楓の言葉に笑みを漏らした。
確かに妹を嫁にくれといわれれば、面食らうだろう。
まんざら、嘘でもないようだが、続けて楓が言葉を紡いだ。
「どんな人でした? きっと、凄いレディだったんでしょ?」
「ん、まぁな、優しい子かな。これは成長しているな。美人になるんだな、ポーリーヌ。まだ、子供だぞ」
「そうか、ナポレオンのいた時は、まだ革命以前のときだから、皆、子供なんだね」
わぁとした面持ちで楓は興味そうにいう。
ナポレオンは不思議そうな顔をした。それもそのはず、ナポレオンがいた時から、更に未来の出来事なのだから。
ナポレオンは一呼吸置いて、口を開いた。
「革命? さっきから、なんのことだ? 理解できん」
「あなたが、丁度、二十歳の時、1789年に、市民が暴徒なり、バスティーユの牢獄を襲ったのがきっかけで、始まるんだよ。王党派と対立して共和制を打ち立てる、大革命、フランス革命というのが」
「フランス革命?」
楓の言葉にナポレオンは首を傾げた。
楓は説法を説くように手を動かしながら続けていった。
「あなたは、バラス議員の引き立てで、その後、司令官にもなるんだよ」
「俺が、司令官に?」
ナポレオンは全くわけがわからんといった面持ちで全く信じれないようだった。
自分が将来司令官になるといわれたら、確かに誰しも信じれないだろう。
そのときだった。楓はナポレオンが余りに困惑してる姿をみてか、話題を変えようと、気を使い優しいトーンで語りだした。
「ナポレオン、堅い話はよして、せっかく日本にきたんだし、今日は日曜日だよ、休みの日だから、外を案内する
よ」
「そうだな、未来の街をみるのも、勉強だな」
ナポレオンがそういった矢先、楓は上から下まで目線を遣り、ナポレオンのカッコを一瞥した。
とても現代人が着る服ではなかったのだ。
「でも、その格好じゃ、目立つし、コスプレだね、僕の服、貸すよ」
そういい、部屋のクローゼットから、楓はカッコいい服を引っ張り出した。
そして、それを手渡した。
「コスプレ?」
ナポレオンは困惑気味だったが、楓から服を受け取り、納得してか、服を脱ぎ始めた。
ナポレオンが、上半身、裸になった。歳の割りには、筋肉質でいい身体つきだ。
「楓、これはこう着るのか?」
「そうだよ、シャツの上に着るんだよ」
「この妙な柄のズボンみたいなのはサンキュロットか?」
「サンキュロット? ああ、貴族が履く半ズボンだね。違うよ、それはトランクスといって下着だよ」
「そうか、ズボンの下か」
ナポレオンは躊躇いながら着る。その様子は女の子が生唾ものくらいの絵になる感じだった。
そして、下も脱ぎ、トランクスを履いて、どんどん現代の服を着ていく。
「背丈も体格も少し似ていたから、上手く合ったね。うん、かっこいいね、決まってるよ」
楓は服が合いほっとしたのか、笑顔で答える。
ナポレオンが、着た服を色々引っ張ったり、見遣ったりしている。
「未来は、こういうかっこをするのか? 馴れんな」
「今日は、ガールフレンドとデートだったんだ。一緒にいくようにメールで説明しとくよ」
そういい、楓は机の上においてあったスマホを手に取り、メールアプリを起動させ、文字を打ち送信した。どうやら彼女宛のようだ
☆☆
今日またアップします。
応援よろしくお願いします。
何回も見てくださっている読者さまには感謝です
ほんとにありがとうございます。
これからも応援してくださいね。
どうなっていくのでしょう。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
【1】胃の中の君彦【完結】
ホズミロザスケ
ライト文芸
喜志芸術大学・文芸学科一回生の神楽小路君彦は、教室に忘れた筆箱を渡されたのをきっかけに、同じ学科の同級生、佐野真綾に出会う。
ある日、人と関わることを嫌う神楽小路に、佐野は一緒に課題制作をしようと持ちかける。最初は断るも、しつこく誘ってくる佐野に折れた神楽小路は彼女と一緒に食堂のメニュー調査を始める。
佐野や同級生との交流を通じ、閉鎖的だった神楽小路の日常は少しずつ変わっていく。
「いずれ、キミに繋がる物語」シリーズ一作目。
※完結済。全三十六話。(トラブルがあり、完結後に編集し直しましたため、他サイトより話数は少なくなってますが、内容量は同じです)
※当作品は「カクヨム」「小説家になろう」にも同時掲載しております。(過去に「エブリスタ」「貸し本棚」にも掲載)

ご飯を食べて異世界に行こう
compo
ライト文芸
会社が潰れた…
僅かばかりの退職金を貰ったけど、独身寮を追い出される事になった僕は、貯金と失業手当を片手に新たな旅に出る事にしよう。
僕には生まれつき、物理的にあり得ない異能を身につけている。
異能を持って、旅する先は…。
「異世界」じゃないよ。
日本だよ。日本には変わりないよ。
月は夜をかき抱く ―Alkaid―
深山瀬怜
ライト文芸
地球に七つの隕石が降り注いでから半世紀。隕石の影響で生まれた特殊能力の持ち主たち《ブルーム》と、特殊能力を持たない無能力者《ノーマ》たちは衝突を繰り返しながらも日常生活を送っていた。喫茶〈アルカイド〉は表向きは喫茶店だが、能力者絡みの事件を解決する調停者《トラブルシューター》の仕事もしていた。
アルカイドに新人バイトとしてやってきた瀧口星音は、そこでさまざまな事情を抱えた人たちに出会う。
マキノのカフェ開業奮闘記 ~Café Le Repos~
Repos
ライト文芸
カフェ開業を夢見たマキノが、田舎の古民家を改装して開業する物語。
おいしいご飯がたくさん出てきます。
いろんな人に出会って、気づきがあったり、迷ったり、泣いたり。
助けられたり、恋をしたり。
愛とやさしさののあふれるお話です。
なろうにも投降中
黄金の檻の高貴な囚人
せりもも
歴史・時代
短編集。ナポレオンの息子、ライヒシュタット公フランツを囲む人々の、群像劇。
ナポレオンと、敗戦国オーストリアの皇女マリー・ルイーゼの間に生まれた、少年。彼は、父ナポレオンが没落すると、母の実家であるハプスブルク宮廷に引き取られた。やがて、母とも引き離され、一人、ウィーンに幽閉される。
仇敵ナポレオンの息子(だが彼は、オーストリア皇帝の孫だった)に戸惑う、周囲の人々。父への敵意から、懸命に自我を守ろうとする、幼いフランツ。しかしオーストリアには、敵ばかりではなかった……。
ナポレオンの絶頂期から、ウィーン3月革命までを描く。
※カクヨムさんで完結している「ナポレオン2世 ライヒシュタット公」のスピンオフ短編集です
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885142129
※星海社さんの座談会(2023.冬)で取り上げて頂いた作品は、こちらではありません。本編に含まれるミステリのひとつを抽出してまとめたもので、公開はしていません
https://sai-zen-sen.jp/works/extras/sfa037/01/01.html
※断りのない画像は、全て、wikiからのパブリック・ドメイン作品です
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる