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第九話 軍服はコスプレ? 英雄は筋肉質、メールできるのを知る
しおりを挟む「ははは、バカを言うな。まぁ、お前なら、誠実そうだし、兄としては構わないけどな」
ナポレオンは楓の言葉に笑みを漏らした。
確かに妹を嫁にくれといわれれば、面食らうだろう。
まんざら、嘘でもないようだが、続けて楓が言葉を紡いだ。
「どんな人でした? きっと、凄いレディだったんでしょ?」
「ん、まぁな、優しい子かな。これは成長しているな。美人になるんだな、ポーリーヌ。まだ、子供だぞ」
「そうか、ナポレオンのいた時は、まだ革命以前のときだから、皆、子供なんだね」
わぁとした面持ちで楓は興味そうにいう。
ナポレオンは不思議そうな顔をした。それもそのはず、ナポレオンがいた時から、更に未来の出来事なのだから。
ナポレオンは一呼吸置いて、口を開いた。
「革命? さっきから、なんのことだ? 理解できん」
「あなたが、丁度、二十歳の時、1789年に、市民が暴徒なり、バスティーユの牢獄を襲ったのがきっかけで、始まるんだよ。王党派と対立して共和制を打ち立てる、大革命、フランス革命というのが」
「フランス革命?」
楓の言葉にナポレオンは首を傾げた。
楓は説法を説くように手を動かしながら続けていった。
「あなたは、バラス議員の引き立てで、その後、司令官にもなるんだよ」
「俺が、司令官に?」
ナポレオンは全くわけがわからんといった面持ちで全く信じれないようだった。
自分が将来司令官になるといわれたら、確かに誰しも信じれないだろう。
そのときだった。楓はナポレオンが余りに困惑してる姿をみてか、話題を変えようと、気を使い優しいトーンで語りだした。
「ナポレオン、堅い話はよして、せっかく日本にきたんだし、今日は日曜日だよ、休みの日だから、外を案内する
よ」
「そうだな、未来の街をみるのも、勉強だな」
ナポレオンがそういった矢先、楓は上から下まで目線を遣り、ナポレオンのカッコを一瞥した。
とても現代人が着る服ではなかったのだ。
「でも、その格好じゃ、目立つし、コスプレだね、僕の服、貸すよ」
そういい、部屋のクローゼットから、楓はカッコいい服を引っ張り出した。
そして、それを手渡した。
「コスプレ?」
ナポレオンは困惑気味だったが、楓から服を受け取り、納得してか、服を脱ぎ始めた。
ナポレオンが、上半身、裸になった。歳の割りには、筋肉質でいい身体つきだ。
「楓、これはこう着るのか?」
「そうだよ、シャツの上に着るんだよ」
「この妙な柄のズボンみたいなのはサンキュロットか?」
「サンキュロット? ああ、貴族が履く半ズボンだね。違うよ、それはトランクスといって下着だよ」
「そうか、ズボンの下か」
ナポレオンは躊躇いながら着る。その様子は女の子が生唾ものくらいの絵になる感じだった。
そして、下も脱ぎ、トランクスを履いて、どんどん現代の服を着ていく。
「背丈も体格も少し似ていたから、上手く合ったね。うん、かっこいいね、決まってるよ」
楓は服が合いほっとしたのか、笑顔で答える。
ナポレオンが、着た服を色々引っ張ったり、見遣ったりしている。
「未来は、こういうかっこをするのか? 馴れんな」
「今日は、ガールフレンドとデートだったんだ。一緒にいくようにメールで説明しとくよ」
そういい、楓は机の上においてあったスマホを手に取り、メールアプリを起動させ、文字を打ち送信した。どうやら彼女宛のようだ
☆☆
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これからも応援してくださいね。
どうなっていくのでしょう。
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