彼と恋に堕ちる

りよ

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5・シューヤ怒る

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せせらぎ湾岸地区にも春がやってきた。
町は桜色、新緑のパステルカラー、そして……。

「ルイ、これかわいくない?」
タケルさんは手にTシャツを持っていた。
「あ、かわいいですね」

俺たちは今、二人でせせらぎ湾岸地区のファッションビルの中にいた。
そして仲良く洋服なんか見ちゃったりなんかしてるワケである。
えっと簡単に言ってしまうとデートだったりするわけだ。

「あ、これも結構格好いいですよ。ハトメ付きで格好いい感じ」
「ああ、そうだね」
近付いてきてすぐ側で言うタケルさんに、ドキリとしてしまう。
近くで見ても凛々しいイケメンだと思う。意思の強そうな眉や瞳がなんだかキラキラ輝いて見える。
俺は頬が熱くなるのを意識して視線をそらした。
「あ」
そしてふと向かいのショップの服が目に入ってしまった。
俺はフラフラとその店に入る。


そこには黒系の服ばかりが置いてあった。
シャツ一つ取っても変形という、パンクなのかゴスなのか、まあそんな感じの洋服屋だった。
どれもシューヤが着たら似合いそうだな。
俺はついそんな風に思った。

「今日は何かお探しですか?」
「え?
店員に声をかけられてしまった。
「いや、違います。なんとなく見てるだけです」

俺は店員から逃げるように通路を移動した。
店員はもちろんこの店の服を着ていたが、それにしてもすごい格好だった。
貴方は中世の貴族ですか? そんな感じのフリフリの豪華さだった。
いや、でも貴族さんはズボンがセパレートになった、膝の見えるような服は着ないだろうけど。
とにかくそんな派手派手しい服がいっぱいある。

でもあの店員より、シューヤのがやっぱ格好良いよな。だいたいシューヤのバカは黙っていれば綺麗で上品に見えるもんな。吸血鬼コスプレとか似合いそう。あと仮面舞踏会とかも似合いそう。

「ルイ?」
タケルさんに声をかけられて我に返った。
「何か欲しい服があった?」
「あ、いや」
俺は手にとっていた服を見た。
黒いシャツ。でも胸元に何重にもフリルがついている。
目の前のタケルさんを見る。
太陽が似合う、さわやかで健康的なタケルさんには似合わなそうだなと思った。


俺はタケルさんと喫茶店に入った。
そこでグレープフルーツティーを飲みながら、タケルさんを見つめた。
「あの、今日は本当に誘ってくれてありがとうござました」
タケルさんはテーブルで、手を組みながらやさしく微笑む。

「こちらこそ、休日のデートに応じてもらえて嬉しいよ」
その真っ直ぐな言葉と瞳に頬が熱くなる。
俺はつい俯いてストローをクルクルかき混ぜながら、ずっと思っていた事を聞く。
「あの、何で俺なんかを誘ってくれるんですか?」
「え?」
タケルさんが驚いたように声を出す。
「その、俺はタケルさんのような大人が、友人としても付き合うのは不釣合いなようなガキンチョで、いや、たぶん年が同じだったとしてもエリート公務員と工場勤務の青年、みたいな組み合わせで、とても不釣合いなんじゃないかと思って……」

俺はチラっとタケルさんの顔を窺い見た。
するとタケルさんは、組んだ手の上に顎を乗せて、穏やかな顔で言う。
「不釣合いだなんて事はないよ。いくつだろうが、年が離れていようが、どんな職業でも、人を好きになるのに理由もないし、不釣合いだなんて事もない」

サラリと好きだと言われてしまった。
俺は熱くなる頬を冷ましたくなった。いっそこの紅茶で顔を洗ってしまいたい。

「君はね、ルイ」
呼ばれて顔をあげた。もう一瞬呼ばれるのが遅ければ紅茶で顔をぬらしている所だった。

「初めて会った時に、シューヤに捕まってしまっていたのに、とても元気だっただろう?」
「そうでした?」
「ああ、悲観して泣き叫んでも良いのに、そうなっていなかった。しかも俺の質問への受け答えもしっかりしていてね、前向きないい子だなって思ったんだ」
そ、そうだっただろうか?
そう思ってるとタケルさんが、困ったように何故か頭をかいた。

「いや、違うな……なんだろう。理由をつければそんな感じなんだけど、たぶん好きに理由はないんだよ。ただ君に会ってから君の事ばかり考えて、事ある度に君の顔が浮んで、会いたいと思った。好きに理由をつけたら、君のそのストローを銜える仕草とか、簡単に言えば顔とか、何でもいいんだよね。だからそういう理由とかなくて、ただ君の事が好きなんだと思う」

俺はタケルさんの顔を見つめて、ぽーっとしてしまっていた。
言われた言葉が恥ずかしい。恥ずかしいけど嬉しい。
なんだか胸がムズムズしてしまった。

「ごめんね、困らせて」
そう言ってちょっとだけ笑ったタケルさんは、格好良いけど、ちょっとシャイな感じでかわいく思えた。



俺たちはビルを出て移動していた。
で、どこに向かったかと言うと秘密基地だった。
でも今回は戦隊のみなさんに会いにきたのではない。
なんと基地内にある道場に来ていた。そして俺はそこで胴衣姿のタケルさんに空手を見せてもらった。
いや、もう正直メロメロって位、タケルさんは格好良かった。
長い足がすらりと上がり、パシっと動く。
こんな姿見せられて、恋に落ちないヤツなんかいないだろうって感じ。
だ、だめだ。こんな格好良い姿見せられたら、つい付き合います! って言っちゃいそうだよ。
てかこれもタケルさんの作戦なのか? すげーアピールだ、これじゃ秒殺されてしまう!

俺は念仏でも唱えて、そんな気持ちを誤魔化そうとした。
何妙法蓮華経――ってその後は何だよ? ぐわー思いつかない。えーい、シューヤのバカ! シューヤの変態! シューヤがシュークリームをシューマッハより早く瞬殺で食した!
って何俺は早口言葉作ってんだ!?

そこまで考えて、さっきのタケルさんの言葉が浮んだ。

『君の事ばかり考えて、事ある度に君の顔が浮んで、会いたいと思った』

なんか最近の俺は事あるごとに、シューヤの事を考えてばかりだ。
まさか……な。
そんなハズはないと首を振る。
シューヤの事を考えるのは、きっとあいつが人間じゃないからだ。
だから珍しくて気になるんだ。動物園のパンダやオカピと一緒だ。見飽きたら忘れてしまうに決まっている!



空手の型を見せてもらった後で、俺たちは建物の中の休憩室に行った。
白い壁の広い空間。喫茶店のようなそこに、人はほとんどいなかった。

「タケルさんて空手強いんですか?」
俺は買ってもらったジュースを飲みながら聞く。
相変わらずここの建物の中のテーブルは変な形をしているが、今度はうん○型ではなかったので気にならない。

「ああ、学生時代は何度か日本一を取ったりしたよ」
「わ、さすがタケルさん! それで正義の味方に就職しちゃうなんて、めちゃめちゃ格好良いですね!」
「ルイに格好良いなんて言われると、照れちゃうな」
タケルさんの、はにかんだような顔がかわいかった。



俺たちは基地の外に出ると、海沿いの道をゆっくりと歩いた。
右手に見える海、そして暮れ出した広い空。
せせらぎ湾岸地区は死の国と繋がってさえいなければすごく平和な町だ。

「今日は俺に付き合ってくれてありがとう」

横を歩くタケルさんを見つめた。眩しい位に格好良い。
でもこの良い感じの雰囲気に変に緊張してしまう。
「ルイ……」

俺の名を呼んでタケルさんが立ち止まった。
彼の右手が俺の頬に触れる。

「君の事は絶対に守るからね」
真摯な瞳にドキンと心臓が鳴った。

「それは無理だよ!」

聞こえた声に俺たちは振り返った。
そこには黒いカタマリがあった。

「ってシューヤ!?」
シューヤは今まで見た事もない位、険悪な瞳を向けていた。
その瞳があまりに暗く邪悪で、死の国というあいつの故郷を初めて怖いと感じた。

「俺がルイを必死に探しまくっていたっていうのに……」
シューヤがこちらに近付いてくる。
今まで感じた事がない黒い殺気を感じさせながら、意地悪そうに目を吊り上げてシューヤは言う。

「ルイは俺の事も忘れて、赤神タケルとなんか、いちゃついてたんだな」
「い、いちゃついてないよ」
小声になってしまった。これじゃ説得力ない。

「今も俺が止めないとキスでもしてたんじゃないのか?」
「し、しないよ!」
俺は叫んだ。けどタケルさんは否定しない。それどころか。

「お前が邪魔しにこなかったら、してただろうな」
そう言い放った。

「ええ!? ここでなんで火に油注ぐようなこと言うかな!?」

俺が予想した通りシューヤの顔が更に邪悪に変わった。
「え?」
しかもシューヤの頬に黒い模様が浮き上がった。
「な、なんだよ、それ!?」
驚いて言うとタケルさんが俺の前に立ち、守る姿勢を取りながら言った。

「あれこそ死の王子の証拠だよ。負の感情が激しくなると浮き出るんだ」
俺はそんなシューヤの顔を初めて見て、ビビっていた。

「ルイ、早くそいつの後ろから出てこい」

シューヤの目は、今まで見た事がない位邪悪だった。
怒りで理性がぶっ飛んでいるように見える。
俺はそんなシューヤがいつもと違って怖くて、更にタケルさんの背中にしがみつくように隠れた。

「「ルーーイ!!」」

激しくシューヤが怒鳴った。俺はビクっと体を縮ませた。
「お前はこの俺より、そんなヤツを選ぶのか!?」
「そ、そういうわけじゃないけど。でもだって今日のお前怖いし……」
シューヤが更に目を細めた。そして。

ビシュ!!

シューヤのおなじみの薔薇のムチが飛び出した。
そしてあっという間にタケルさんの体をグルグル巻きにして、更に街灯にくくりつけた。
「タケルさん!」
叫んだ俺の体にも薔薇のムチは巻きつけられた。
「わ!」
タケルさんの隣の街灯に俺も縛り付けられた。

「くくくくく……」
シューヤが笑いながら俺に近付いてくる。
俺の顎を指でつかむと、シューヤはタケルさんを振り返った。

「お前はそこで指でも銜えて見てろ! ああ、手は縛られていて銜えることも出来ないか」
クスクスと笑いながら、シューヤは俺に向き直った。

「今日のルイは悪い子だからな、お仕置きしないと……」
「シュー」
途中で唇を塞がれた。
「んんっ」

舌を入れた濃厚なキスをされた。息が苦しい。
シューヤの手が俺のズボンのベルトに伸ばされた。
「!?」
俺はビクリと震えた。
「な、何すんだよ!」
身動きが取れない俺は叫ぶことしか出来ない。

「何って、見せ付けてやるんだよ。あいつにさ」
シューヤは俺の頬をペロリと舐めた後でベルトを外した。
「え?」
シューヤは俺の股間に触れようとした。

「シューヤ!!」
力いっぱい叫んだ。こんな事されるなんて嫌だ。しかもタケルさんの目の前で。

「やめろよシューヤ! そんなことしたら俺はお前を嫌いになるぞ!」

ピクリとシューヤが反応した。
「嫌いになる?」
その瞳が先ほどより冷静になったように見えた。

「ああ、これ以上なんかしたらお前を嫌いになる! これでもお前の事ちょっとは良いヤツだと思ってたんだ」
「良いヤツ?」
「ああ、そうだよ。ヘンだけどそんな嫌じゃないなーって思ってたんだ。でもこれ以上ヘンな事されたら嫌いになるからやめろよ」
「……」
じっと見つめられた。
見つめ返していると、シューヤの顔にあった模様がうっすらと消えていく。

「俺の事、けっこう好きなのか?」
「……」
ええい、ここは話を合わせるべきだ。
「ああ、意外と好きだったかな?」
シューヤの顔がぱーっと明るくなった。

「そうか、やはりそうだったのか。お前は俺の事が好きなんだな!」

薔薇のムチが解かれた。シューヤが俺に抱きついてこようとする。
先ほど見ていたタケルさんの空手技を、俺は見よう見マネで繰り出した。
何故か上手いことクリティカルヒット!

「いて、何すんだよ! ルイ!」
「それはこっちのセリフだ、このバカ! セクハラみたいなマネしやがって、この腐れ外道!」
「な、なんだと!?」

俺は言い合いしながら、タケルさんの所まで走った。
タケルさんのムチも、さっき俺を自由にした時に、一緒にとかれてた。

「ルイ、騙したのか!?」
「お前が酷い事するからだろ! 早く国に帰れよ!」
「ああ、帰るとも。お前を連れてな!」
俺は振り返ってアカンベーする。

「一人で 帰れ!」
「ルイ!俺の事が好きなんじゃないのかよ!?」
「セクハラされて好きなワケないだろ、バカ!」
シューヤがガクンと膝をついた。

「なんて酷い、嘘を……」
おいおい、なんだその反応は。これじゃ俺のが悪人みたいじゃないか?

シューヤは眉間に皺を寄せて苦しそうに言う。
「人間にここまでコケにされて、貶められて、心を蹂躙されるなんて……ルイはなんて邪悪で邪道で残虐なんだ?」
「シューヤ、言いすぎだろ!」

シューヤは蹲って、子供のようにすねながら黒い渦を作りだした。
「この次こそ、お前を連れて帰るからな、待ってろよ、ルイ」
シューヤはそう言うと、いつものように渦に巻かれて国に帰っていった。



暫く呆然とした後で、俺はタケルさんの事を思い出した。
「あ、大丈夫でしたか?」
「ああ、それにしても君を守るって言ったのに、君に助けられてしまったね」
情けなさそうにタケルさんは苦笑する。
俺はそれを首を振って否定した。

「いや、そんなことないですよ。さっきタケルさんに空手見せてもらったのが役にたったんで。だからなんていうか、間接的にタケルさんに守ってもらったようなもんで」
タケルさんは眩しく微笑んだ。

「やっぱり君はいい子だね」
不覚にもドキンとしてしまった。


タケルさんとシューヤ。
悪と正義。
そのどちらにもドキリとしてしまう俺って……。

「とんだデートになってしまったね。家まで送るよ」
「あ、はい」

俺はその日、タケルさんに送ってもらって家に帰った。
そして数日後、俺に恋人が出来る事になるのだが、その話はまた後日しよう。
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