異世界では総受けになりました。

西胡瓜

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第二章 本部編

72 異変

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 久しぶりに穏やかでのんびりとした時間を過ごした気がする。どこかで気を張っていたのだろう。異世界に来てからここまで落ち着いて過ごせて話し相手ができたのは初めてかもしれない。クロムもまごうことなきイケメンではあるのだが、失礼ながらオーラがジメジメしていて落ち着く。

「はぁー、やっぱりクロムと話すのは落ち着くなー……っ」

 俺は本心からその言葉を口にしてた直後、身体に異変が起きた。それは今までのような魔力が枯渇してきた時の症状とは違っている。そもそも魔力が無くなるには早すぎる。
 いつもは苦しいだけの辛さなのだが、今回は苦しさとともに身体が火照り疼いた。自分の秘部が濡れるのがわかる。

———欲しい。

 その欲望だけが俺の中で渦巻く。そんな俺の状況など知らないクロムは会話を続ける。

「そんなこと言われるなんて初めてだから嬉し——サタロー?」

 俺はクロムの声を聞きながらも座っていることもままならずクロムにもたれかかる。細身だが、鍛え上げられた身体は俺が寄りかかったぐらいではびくともしなかった。驚いたクロムは俺の方へ顔を向ける。

「はぁ、はぁ……あつ、い」

「大丈夫かい!?……あつっ!」

 俺を支えるために触れた身体がクロムにも伝わるほどに熱かったようだ。きっと彼は風邪でも引いたのかと思っているかもしれないが違うのだ。風邪の症状では決してない身体の疼きがあった。

 何故こんなことになったのか考えようと頭を回転させるが、熱さで目が回りそうで、考えることさえ苦痛である。今はただこの疼きをどうにかして欲しいとしか考えられない。

「はぁ、はぁ——助けてっ……クロ、ム」

「どうして、急に……っ! もしかして」

 クロムはこの症状の原因がわかったかのような発言をする。気になりはするが今はそんなことどうでもよかった。

「クロムっ……早く……ほしっ」
 
「っ!!……サタローそれは」

 俺は疼く身体を無理やり動かして、クロムと対面する形を取ると、胸にしがみつき涙目になりながら懇願する。
 そんな俺の言動にいつもの真顔の顔から頬を赤らめて驚いているようだった。

「はぁ、はぁ……ねぇ、はやくぅ」

 クロムの体は日陰にいたせいか、ひんやりと冷たくて俺の熱った身体を幾分が冷ましてくれるようで気持ちがいい。
 俺はクロムに抱きつき、首元に顔を埋める。

「クロム……はぁ、つめたくてぇ……きもちー」

「んっ!……サタローくすぐったいっ」

 優しさなのかそれとも俺が言えた義理ではないがヘタレなのかクロムはなかなか先へ進んでくれない。アルやギルはわからないがレオなら間違いなく喜んでその先の行為をしてくれるだろう。
 
 身体の火照りのせいで普段なら絶対にしない言動をしていることは頭ではわかっているのだが、欲望が抑えられない。
 何もしてこないクロムに痺れを切らした俺はクロムの首元から顔を離すと、彼の下半身に手を伸ばした。

「!? サ、サタロー! 君何をしようと」

 俺はふわふわする頭でクロムの着ている着物のをはだけさす。そしてそのまま彼の下着に手をかけ下にずらすと……

「はぁ、はぁ、……あれ? ははっ……ちょっと勃ってる」

「———っ?!」

 クロムのモノは少し反応を示していた。俺は乗り気ではないと思っていた彼が、ちゃんと興奮していたことに安堵しニヤリ顔を上げ笑う。彼の顔を茹だこの様に真っ赤にし言葉を詰まらせている。
 今までの人生を通しても俺がここまで人を追い詰めたことがあっただろうか……絶対にない。

 俺は数日前にアルに教え込まれた? フェラをクロムにやることになるとは、俺はもちろんのこと教えたアルも予想していなかっただろう。

 俺は躊躇うことなくクロムの性器に触れる。クロムは俺の思いがけない行動に慌てふためいている。
こう言うのもたまにはいいだろう。そんな気分にさせるのは、身体の火照りのせいなのかはたまたクロムのヘタレな性格だからなのかはわからない。

「サタローストップ! 君さっきのモンスターの樹液に触れなかったかい!」

 クロムは俺の手首を掴見ながら、今まで聞いたことのない焦った声でそう言った。
 
「あー、そんなことあったかも……ね」

 行為を邪魔されたことにイラつきを覚え、ムスッとした表情でぶっきらぼうにそう答えた。

「あれは遅効性の媚薬だ! それも強力な。君はそれでおかしくなってるんだ。だからストップ! 時間が経てば落ち着くはずだから」

 クロムが言っていることはぼーっとする頭でもなんとなくわかる。原因としたらそれぐらいしかないのできっとその通りなのだろう。

「はぁ、やだぁ。クロムのほしい……ね? おねがい」

「サ、サタロー」

 正気の俺だったら絶対死んでもしないような甘い声がペラペラと口から発せられる。固まっているクロムを無視し、足元にしゃがみ込み彼の性器にもう一度触れ、上下に擦る。

「っ! サタローっ、んっ……やめっ」

 すると彼の半立ちだった性器が完全に勃ち上がる。それを確認すると俺は自身の口を彼の性器に近づけそのまま口に含んだ。

「んっ……くちゅ」

「サ、サタロっ……はぁはぁ、くそっ、きもちいっ」

 気持ちいいと不意に漏らしたクロムの言葉に俺は嬉しくなる。彼を支配しているようで高揚感が増す。俺は止めることなく性器を口に含みフェラをする。

「イクっ!」

 クロムの声が聞こえたと同時に、俺の頭に彼の手が触れ、そのまま押さえ付け離れられないようにする。その勢いでクロムの性器が俺の喉に深く入り込む。

「ぐっ……あ"ぁ、ごほぉ」

 苦しい。クロムから出た精液が強制的に俺の食道を通り抜けていくのがわかる。鼻で息を吸おうとするが、いきなりの行為にパニックになりうまく息が吸えず、俺は涙目になりながら浅い呼吸を繰り返し、意識が飛ぶのを堪えた。

 そうして耐えていると自身の口から性器が抜ける。

——ひゅ……ごほっ、ごほっ、

 足りていなかった酸素を急いで取り込む。

「はぁ、はぁ、ごめん、サタロー……」

「だ、だいじょ……ぶ」

 謝罪の声が聞こえ俺はクロムの方へ顔を向ける。するとさっきまで顔を赤らめておどおどしていた彼ではなかった。いつもの正気の抜けた真顔の男でもない。ギラついた獲物でも見るような瞳が俺を捉えていた。

「誘ったのはサタローだから覚悟してね」

「えっ……」


 

 

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