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第二章 本部編
43 一緒
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肉料理を黙々と食べているとふともう一つパスカルに聞かなくてはいけないことを思い出す。食堂なんかで話す内容ではないのだがまだ人は少ないので大丈夫だろう。
「なぁパスカル、レオに聞いたんだけどさ……俺がその、しゃ、せ、いすると魔力も一緒に出るって本当なのか」
あのリングのせいでその後の行為では精液が出せず正直いって苦しかった。最終的には外されたが結局出せなかった分が出てきてしまっていたし、意味なかった気がする。
そのあと俺は気絶しちゃったけど、気絶間際にレオから次は女の子みたいにイケるようにしてあげるとか言ってた気がする。
あの言葉の意味はよくわからないが、レオとやるのは当分遠慮したい。
「そんなわけないだろ。言っただろう魔力操作に長けた者でないと他人に魔力を送ることはできないと、魔法も使えないサタローにそんなことできるわけないだ……ろ? どうした?」
パスカルの言葉を聞き俺の怒りは頂点に達していた。
「あのライオンまじ許さん……」
「大丈夫か?」
流石のパスカルも俺の異変に気づき心配そうに声をかけるが、大丈夫な訳あるか!
俺は今日アイツに散々いじめられ、身も心もボロボロになっている。男としてのプライドをズタボロにされたのだ。どうにかやり返してやらないと割に合わない。残った肉をフォークで刺し豪快に食べる。
「ねぇ、レオの弱点ってなに?」
「弱点?なんだろうな……まさか仕返しでも考えているならやめておけ、返り討ちに会うだけだぞ」
「……うっ、まぁ仕返しはそのうちということで」
パスカルの言葉で我が身可愛さであっさり仕返しするのをやめる。我ながら情けないがよく考えれば相手は連隊長、挑む方が無謀。一時の感情に流されて痛い目に遭うところだった、危ない危ない。
「ここ、いいか?」
「はい、いいです……ってギル!」
誰かが相席してもいいか聞いてきたと思ったら相手はギルだった。二日前にあった時よりもずいぶん顔色が良くなっている気がする。
「なんだ、もう大丈夫なのか?」
「あぁ、ぐっすり寝たからもう平気だ」
「なんかあったのか?」
「ギルのやつ疲労で魔力不足になって今日の訓練中にぶっ倒れたんだよ。全く前の教訓から全く学んでいない」
え、まさかレオが言ったことが現実になるとは……驚いた俺は隣に座ったギルの方に目をやる。頬を少し赤らめて恥ずかしそうにしている。部下の前で体調管理ができてなくてぶっ倒れたなんて確かに恥ずかしい話である。
ギルって真面目でしっかりしてそうに見えて不器用だよな。
倒れて医務室で寝ていたからスッキリした顔しているのか。倒れたのは心配だけど睡眠不足がそれで解消されたのは良かった。
「そんなことよりも、なんでサタローは首にタオルなんか巻いてるんだ?」
「え゛! いや、その……汗かいちゃって、いやー最近暑くなってきたよなー」
「……まぁ、たしかにそうだな」
怪しんだ目で俺を見てくるが、今回もどうやら俺の完璧な演技によって難を逃れたようだ。
真面目なギルに俺も魔力不足で倒れちゃったよ一緒だねーなんて言ったら、真面目なギルは自分のせいだと落ち込んでしまうに違いないので今日のことは黙っておこう。
◇◇◇
夕飯を食べ終わり、お腹いっぱいになった俺は、疲れた体を休めるため自室に戻りベッドにダイブした。
「あー、疲れた」
さてさて、明日は何をしようかと考える。
今日が久々に充実した? 日になったが明日からまた特にすることがない暇な1日が始まる。
そういえば、ソフィさんがレオと何かあったら話を聞きたいと言っていたがあの二人のことだからきっと、エロ話でもしろとか言ってくるに違いない。
悪いが今回のことは誰かに話すつもりはない、というか恥ずかしすぎて口に出すのも遠慮したい。
とにかく身体のキスマークが消えるまではリズに会わないのが吉だろう。
レオには文句を言ってやりたいが、会うとまたロクでもないことするに違いないので会わない方がいいだろう。
つまり俺は現在出会ってはいけない人が、リズとソフィさん、レオ、エドガー王子、レイモンド隊長と5人もいるわけだ。なんだこの国は猛獣の住処かなんかだろうか、いや変態の巣窟だな。
疲れ切った俺はここで睡魔に襲われいつの間にか眠ってしまっていた。
「なぁパスカル、レオに聞いたんだけどさ……俺がその、しゃ、せ、いすると魔力も一緒に出るって本当なのか」
あのリングのせいでその後の行為では精液が出せず正直いって苦しかった。最終的には外されたが結局出せなかった分が出てきてしまっていたし、意味なかった気がする。
そのあと俺は気絶しちゃったけど、気絶間際にレオから次は女の子みたいにイケるようにしてあげるとか言ってた気がする。
あの言葉の意味はよくわからないが、レオとやるのは当分遠慮したい。
「そんなわけないだろ。言っただろう魔力操作に長けた者でないと他人に魔力を送ることはできないと、魔法も使えないサタローにそんなことできるわけないだ……ろ? どうした?」
パスカルの言葉を聞き俺の怒りは頂点に達していた。
「あのライオンまじ許さん……」
「大丈夫か?」
流石のパスカルも俺の異変に気づき心配そうに声をかけるが、大丈夫な訳あるか!
俺は今日アイツに散々いじめられ、身も心もボロボロになっている。男としてのプライドをズタボロにされたのだ。どうにかやり返してやらないと割に合わない。残った肉をフォークで刺し豪快に食べる。
「ねぇ、レオの弱点ってなに?」
「弱点?なんだろうな……まさか仕返しでも考えているならやめておけ、返り討ちに会うだけだぞ」
「……うっ、まぁ仕返しはそのうちということで」
パスカルの言葉で我が身可愛さであっさり仕返しするのをやめる。我ながら情けないがよく考えれば相手は連隊長、挑む方が無謀。一時の感情に流されて痛い目に遭うところだった、危ない危ない。
「ここ、いいか?」
「はい、いいです……ってギル!」
誰かが相席してもいいか聞いてきたと思ったら相手はギルだった。二日前にあった時よりもずいぶん顔色が良くなっている気がする。
「なんだ、もう大丈夫なのか?」
「あぁ、ぐっすり寝たからもう平気だ」
「なんかあったのか?」
「ギルのやつ疲労で魔力不足になって今日の訓練中にぶっ倒れたんだよ。全く前の教訓から全く学んでいない」
え、まさかレオが言ったことが現実になるとは……驚いた俺は隣に座ったギルの方に目をやる。頬を少し赤らめて恥ずかしそうにしている。部下の前で体調管理ができてなくてぶっ倒れたなんて確かに恥ずかしい話である。
ギルって真面目でしっかりしてそうに見えて不器用だよな。
倒れて医務室で寝ていたからスッキリした顔しているのか。倒れたのは心配だけど睡眠不足がそれで解消されたのは良かった。
「そんなことよりも、なんでサタローは首にタオルなんか巻いてるんだ?」
「え゛! いや、その……汗かいちゃって、いやー最近暑くなってきたよなー」
「……まぁ、たしかにそうだな」
怪しんだ目で俺を見てくるが、今回もどうやら俺の完璧な演技によって難を逃れたようだ。
真面目なギルに俺も魔力不足で倒れちゃったよ一緒だねーなんて言ったら、真面目なギルは自分のせいだと落ち込んでしまうに違いないので今日のことは黙っておこう。
◇◇◇
夕飯を食べ終わり、お腹いっぱいになった俺は、疲れた体を休めるため自室に戻りベッドにダイブした。
「あー、疲れた」
さてさて、明日は何をしようかと考える。
今日が久々に充実した? 日になったが明日からまた特にすることがない暇な1日が始まる。
そういえば、ソフィさんがレオと何かあったら話を聞きたいと言っていたがあの二人のことだからきっと、エロ話でもしろとか言ってくるに違いない。
悪いが今回のことは誰かに話すつもりはない、というか恥ずかしすぎて口に出すのも遠慮したい。
とにかく身体のキスマークが消えるまではリズに会わないのが吉だろう。
レオには文句を言ってやりたいが、会うとまたロクでもないことするに違いないので会わない方がいいだろう。
つまり俺は現在出会ってはいけない人が、リズとソフィさん、レオ、エドガー王子、レイモンド隊長と5人もいるわけだ。なんだこの国は猛獣の住処かなんかだろうか、いや変態の巣窟だな。
疲れ切った俺はここで睡魔に襲われいつの間にか眠ってしまっていた。
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