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第二章 本部編

40 二回目

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 俺の制止の声でやっと動きを止め手を俺から離した。レオの支えがなくなった俺は情けなくずるずるとベットに崩れ落ちる。
 やっと快楽地獄から解放されてホッとする。気持ち良過ぎるのも辛いものだと知ることができたが、それにしても執念深く無言でネチネチと攻めてきて少し怖かった。
 おずおずと目線を上に向けずっと見れていなかったレオの顔を見る。

「──!?」

 さっきまでにこにこ笑ったり、頬を膨らませて不機嫌になったりと表情をコロコロと変化させていたのに今は本当になんの感情も読み取ることのできない無表情だった。意地を張っていた俺のこんな醜態を見て爆笑でもされる覚悟だったので拍子抜けしてしまう。俺と目がバッチリとあったのになんの反応もしない。子どものように張り合いをしていたさっきまでの空間がまるで嘘だったかのように静寂に包まれた。
 レオは口を開く気配がなく、いたたまれない気持ちになった俺は口を開く。

「え、レオ……さん?」

「──随分と気持ちよさそうだったけど、乳首でなんかで感じないんじゃなかったの?」

「うっ……それは」

 やっと喋り出したと思ったら痛いところをついてくる。相変わらずの無表情で目を細めて俺が感じたことを認める言葉を待っているようだ。

「ほらちゃんと言って」

 レオは俺の両脇に手を添えてだらけていた体を起こす。起こす時にレオの手が、偶然か否か胸の突起部分をかすめ敏感になっている俺の身体はそんなことでも大袈裟に反応してしまう。

「ん゛んッツ!」

「あれ、感じちゃったの?やらしいね~サタローは」

 さっきまで無表情で全く喋らなかったのに急に饒舌になりここぞとばかりに弱った俺に言葉で追い打ちをかけてくる。数十分前の俺だったらここで反論しているのだが、そんな気力ももうなくなっていた。

「だって……乳首気持ちくて」

「認めるんだ乳首で感じるって、気持ちよくてイッちゃったんだね、初めてなのに……変態」

「ちがう、レオのせいだ……」

 気持ちよくてイってしまったことは認めるが、変態というのは聞き捨てならない。本来感じることのない場所をレオに執念深くいじられたことによって感じてしまっただけだ。感じすぎてしまう身体にも原因はあるがこれも俺のせいではない。

「えー、こんなに感じちゃう変態なのになー」

「だから……っあ、や、めっろ……んん゛」

 何も言わずにまたカリカリと乳首をイジられる。
 しつこい! まだ俺が喋ってるでしょーが! と心の中では辛うじて悪態をつけるのだが、実際俺の口からは恥ずかしい声だけが止めどなく漏れ出ていた。

「ほらまた勃ってきた、苦しいでしょ」

 そう言ったレオは先程、俺の精液でベトベトになったパンツを剥ぎ取った。ものの見事に全裸(靴下は履いてる)にされてしまったが、窮屈きゅうくつな場所から解放された俺の性器は元気よく勃っている。そしてまたイきそうである。乳首で2回もイかされるなんて洒落にならない、本当に変態になってしまう。
 なんとかしてやめさせなければと頭では思っているのだが、快感が無くなったらというもどかしさも何処かにあり止めることを拒む自分もいる。

「んっ、や……アッ──! ちょっと、そ、こはっ」

 あろうことかレオは片方の手を俺のお尻の方に持っていき、今すぐにでも性器を入れて欲しいとばかりにヒクついている部分に指を挿入してきた。

「うわ、トロトロじゃん! ヤバすぎマジで女みたい……そんな気持ちよかったサタロー?」

「……ぅ、ふっ、みみ、もとで、しゃべ、るなぁ……っく」
 
 胸と後ろを同時に攻められて、何も考えられなくなっている俺に耳元で意地悪な言葉を囁く。吐息が耳にかかりくすぐったい。
 今までに感じたことのない上と下から同時に攻められ、あまりの快感で涙が溢れてくる。

「や、めろ……ほん、とに、イグっ!」

「いいよイッて」

「やっ、だめ……そこ、だ、めぇ」

 俺の反応から感じる場所がわかったレオは中に入れた指を俺の弱い場所を徹底的に攻め立てる。

「ここがいいんだー、ほらイけよ」

「あ、ぅ……ッ、んあッ! そこ、きもち、いッ、あ、あ……ああ゛あ゛」

 レオの言葉に呆気なくイってしまった。
 本日二回目となる絶頂を迎えた俺は心身共にヘロヘロになっていた。もうこのまま寝てしまいたいと思うが、実はまだレオに魔力を貰っていないのだ。

「ほらバテてないでこっからが本番だよー」

 元気そうに話しかけてくる言葉なんて全く耳に入ってこず、ぼーっと天井を見ていた。そんな俺を持ち上げるといつのまにかズボンを脱いで裸になったレオがベットに仰向けになり、俺をその上に乗せる。

「えっ?何これ」

「騎乗位だよ。サタローが動くの、これなら疲れたギルに無理させなくてすむだろ……あとさサタローたっぷり精液出してるけど知ってるか、サタローが精液出すと貰った魔力も出ちゃってるんだぜ」

「!?……それ、本当なのか!」

 それは初耳だ。パスカルのやつまた俺に話していないことがあったとは、帰ったらマジで話し合わないといけないな。でも、男なんだから精液を出さないなんて普通に無理だろ。

「うん、だからこれつけといてあげる……無理やり押し付けられたけど、まさかこんなところで役に立つなんてね~」

 ニコニコと笑いながらどこから取り出したのか、リングのようなものを俺の性器のに付けた。

「何これ?」

「知らないんだ……魔力が出ないようにする魔法のリングてきなのだよ」

「へー」

 そんな万能なリングがあるのか魔導具なのかな? もし魔導具だとしたらまさか初めての魔導具をこんな場所に着けることになるとはいい思い出にはならないな。

 俺は自分につけられたリングをまじまじと見る。そんな俺をレオは苦笑いしながら見ている気がした。

「そんじゃサタロー自分で挿れて」

「え、俺が挿れるの……」

 レオの勃ち上がった性器を見ると俺のなんかよりも何もかも上をいっている。俺こいつに勝てるとこ何もないかもと、勝手にショックを受ける。そんなことよりもこれを自分から挿れるのは正直怖い。アルやギルのだって挿れてきたが、基本なされるがままだったし……

「本当に……俺がすんの」

「ギルのためだろ、ギルはサタローの為に疲れた身体で魔力をあげたのにサタローはこんなことで弱音を吐くのか~」

「うっ──分かったよ挿れればいいんだろう!こんくらい屁でもないわ」

 しょうもないレオの挑発に乗ってしまった俺は、レオの性器を持ち自分の後ろにあてがう。自分から溢れ出る粘液で滑って上手く入らない。

「ほらほら、ちゃんと持たないと入んないよ~、それとも焦らしプレイってやつ?」

「うっさい! 黙ってろ、っ……」

 なんとか先端が中に入ったのがわかる。後は腰を下げればいいのだが、全部入ったらどうなってしまうんだと思うと怖くて腰が下げられない。
 なんであんな挑発に乗ってしまったんだと、腰を上げたまま後悔する。










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