15 / 101
第一章 転移編
14 寿命五日
しおりを挟む
ニヤニヤ俺たちのことを見ているパスカルだったが、急に真顔で俺のことをじーっとガン見し始める。
あまりに見るもんだから俺は居心地が悪く食べるのを中断する。
「なんだよ……そんなジッと見て」
「いや、どのくらい寿命が延びたかなと思って」
そういえばパスカルにそのことを聞くつもりだった。俺は持っていたフォークをお皿の上に置き。
「で、どうなんだよ……どのくらい延びてる?」
パスカルの話では唾液で6時間、精液で3、4日という予想だった。キスは4、5回してそれも最初のテントの中の時よりも濃厚なのをしたわけで、精液も貰ったわけだから、一週間ぐらいは延びていて欲しいものだ。
「……5日かな」
「5日?! そんだけ?」
「ああ」
「なんでだよ! あんなにキスしてたっぷり精液注いでもらったのになんで5日なんだよ!」
「へー、いっぱいキスして、たっぷり精液注いでもらったんだー」
立ち上がり反論する俺にパスカルは棒読みでニヤけながらアルの方を向きながら返答した。
あ、やばい……アルが隣にいることを忘れてた。
俺は自分でだいぶ恥ずかしいことを言っていることに気づく。ゆっくりとアルの方を向くと、顔を手で覆い隠し照れているようだ、その証拠に耳が赤くなっている。
「ご、ごめんアル!」
「だ、大丈夫だよ……気にしないで」
「まぁ、アルもだいぶ溜まってたみたいだし、よかったじゃないか」
「う……」
追い討ちをかけるパスカルの言葉に更に耳を赤くしている。
俯いて恥ずかしがるアルに必死で俺は謝り続けた。パスカルは変わらず呑気に朝食を食べている。
とりあえず照れて落ち込んでいるアルはそっとしておくことにして、パスカルと話の続きをする。
「で、なんで5日しか延びてないんだよ。最低でも1週間は延びててもおかしくないぞ」
「話からしてもそのぐらい延びててもおかしくないな」
「じゃあなんで……」
「つまりな、サタローが貯めておける魔力量が最大で5日分しかないってことだ」
「え……つまりそれって」
「どんだけアルにぐちゃぐちゃに犯されて、たーっぷり精液注がれても5日しか持たないってこと」
何という衝撃の事実!
相変わらずいやらしい言葉を使ってくるパスカルは無視する。
つまり今日仮にもう一度あの行為をしたとしても、俺の寿命は4日が5日になるだけで10日になることはないということか。
俺はどんだけ精液注がれようが5日しか寿命を保てないらしい。最低4日に一度キスかセックスをして寿命を延ばさなければいけないわけだ。
何だそのギリギリの綱渡り人生は!
ギリギリで20回キスすれば5日分稼げることになるが、一日でキス20回とか唇がもげそうだ。
それも軽いキスではなく、濃厚すぎるキスでなければいけないわけで、酸欠になると予想できる。
「なるほど、とどのつまり精液を注いでもらえということか」
「ま、そういうことだな」
俺は今までの話をまとめ、自分に言い聞かせるようにそう口に出した。パスカルも俺の言葉に同意している。
そして椅子に座り頭を抱える。
まじかー、俺の心臓持つのかな。
アルがまたセックスしてくれるならいいけど……多分この隣で落ち込んでいる男は優しいから頼めばしてくれそうだ。だが、毎回アルに頼むのも申し訳ないし、その行為はアルの優しさにつけ込んでいるみたいで罪悪感がある。
俺はこれからの自分の生活への不安で、アルは昨日の恥ずかしさで二人で机に肘をつき頭を抱えていた。
「アルいるか……ってお前ら何してんだよ」
「あぁ、ギルか別になんでもないさ。何か私に用かい?」
そんな不穏な空気が漂うテントに入ってきたのはギルバードだった。俺たちの姿を見て驚いた反応をする。
アルは何事も無かったかのようにギルバードと会話を始める。
「……他の兵士たちが待ってるから、さっさとお前も来い」
「ああ、すまないね。じゃあサタローたくさん食べるんだよ」
「あ、うん」
そう俺に告げたアルは席を立ちギルバードと共にテントの外へ出ていった。ギルバードは俺の方を一切見ることはなかった。
パスカルと二人の空間になる。気を取り直してこの世界のことについて聞くチャンスである。
「なぁ、パスカルこの世界について俺に教えてくれないか」
ご飯を食べ終えて食後のデザートのフルーツを幸せそうに食べているパスカルに話しかける。
「ん? そういえば話していなかったな」
「それとなんでこんなところにテントを立てて寝泊まりしてるんだ?お前たちは何者なんだ?」
「まぁ、落ち着け。色々聞きたいことがあるようだが順番に話そう……お前の食事もまだまだ残っているしな」
アルが持ってきた山盛りの朝ごはんはまだ半分以上も残っていた。それに加えて食後のフルーツも山盛りにある。食べ終えられるか不安だが、せっかくアルが持ってきてくれたのだから食べないわけにはいかない。
パスカルとの話も長くなりそうだし、ゆっくり食べればいいかと俺はまたちびちびと食べ始めた。
あまりに見るもんだから俺は居心地が悪く食べるのを中断する。
「なんだよ……そんなジッと見て」
「いや、どのくらい寿命が延びたかなと思って」
そういえばパスカルにそのことを聞くつもりだった。俺は持っていたフォークをお皿の上に置き。
「で、どうなんだよ……どのくらい延びてる?」
パスカルの話では唾液で6時間、精液で3、4日という予想だった。キスは4、5回してそれも最初のテントの中の時よりも濃厚なのをしたわけで、精液も貰ったわけだから、一週間ぐらいは延びていて欲しいものだ。
「……5日かな」
「5日?! そんだけ?」
「ああ」
「なんでだよ! あんなにキスしてたっぷり精液注いでもらったのになんで5日なんだよ!」
「へー、いっぱいキスして、たっぷり精液注いでもらったんだー」
立ち上がり反論する俺にパスカルは棒読みでニヤけながらアルの方を向きながら返答した。
あ、やばい……アルが隣にいることを忘れてた。
俺は自分でだいぶ恥ずかしいことを言っていることに気づく。ゆっくりとアルの方を向くと、顔を手で覆い隠し照れているようだ、その証拠に耳が赤くなっている。
「ご、ごめんアル!」
「だ、大丈夫だよ……気にしないで」
「まぁ、アルもだいぶ溜まってたみたいだし、よかったじゃないか」
「う……」
追い討ちをかけるパスカルの言葉に更に耳を赤くしている。
俯いて恥ずかしがるアルに必死で俺は謝り続けた。パスカルは変わらず呑気に朝食を食べている。
とりあえず照れて落ち込んでいるアルはそっとしておくことにして、パスカルと話の続きをする。
「で、なんで5日しか延びてないんだよ。最低でも1週間は延びててもおかしくないぞ」
「話からしてもそのぐらい延びててもおかしくないな」
「じゃあなんで……」
「つまりな、サタローが貯めておける魔力量が最大で5日分しかないってことだ」
「え……つまりそれって」
「どんだけアルにぐちゃぐちゃに犯されて、たーっぷり精液注がれても5日しか持たないってこと」
何という衝撃の事実!
相変わらずいやらしい言葉を使ってくるパスカルは無視する。
つまり今日仮にもう一度あの行為をしたとしても、俺の寿命は4日が5日になるだけで10日になることはないということか。
俺はどんだけ精液注がれようが5日しか寿命を保てないらしい。最低4日に一度キスかセックスをして寿命を延ばさなければいけないわけだ。
何だそのギリギリの綱渡り人生は!
ギリギリで20回キスすれば5日分稼げることになるが、一日でキス20回とか唇がもげそうだ。
それも軽いキスではなく、濃厚すぎるキスでなければいけないわけで、酸欠になると予想できる。
「なるほど、とどのつまり精液を注いでもらえということか」
「ま、そういうことだな」
俺は今までの話をまとめ、自分に言い聞かせるようにそう口に出した。パスカルも俺の言葉に同意している。
そして椅子に座り頭を抱える。
まじかー、俺の心臓持つのかな。
アルがまたセックスしてくれるならいいけど……多分この隣で落ち込んでいる男は優しいから頼めばしてくれそうだ。だが、毎回アルに頼むのも申し訳ないし、その行為はアルの優しさにつけ込んでいるみたいで罪悪感がある。
俺はこれからの自分の生活への不安で、アルは昨日の恥ずかしさで二人で机に肘をつき頭を抱えていた。
「アルいるか……ってお前ら何してんだよ」
「あぁ、ギルか別になんでもないさ。何か私に用かい?」
そんな不穏な空気が漂うテントに入ってきたのはギルバードだった。俺たちの姿を見て驚いた反応をする。
アルは何事も無かったかのようにギルバードと会話を始める。
「……他の兵士たちが待ってるから、さっさとお前も来い」
「ああ、すまないね。じゃあサタローたくさん食べるんだよ」
「あ、うん」
そう俺に告げたアルは席を立ちギルバードと共にテントの外へ出ていった。ギルバードは俺の方を一切見ることはなかった。
パスカルと二人の空間になる。気を取り直してこの世界のことについて聞くチャンスである。
「なぁ、パスカルこの世界について俺に教えてくれないか」
ご飯を食べ終えて食後のデザートのフルーツを幸せそうに食べているパスカルに話しかける。
「ん? そういえば話していなかったな」
「それとなんでこんなところにテントを立てて寝泊まりしてるんだ?お前たちは何者なんだ?」
「まぁ、落ち着け。色々聞きたいことがあるようだが順番に話そう……お前の食事もまだまだ残っているしな」
アルが持ってきた山盛りの朝ごはんはまだ半分以上も残っていた。それに加えて食後のフルーツも山盛りにある。食べ終えられるか不安だが、せっかくアルが持ってきてくれたのだから食べないわけにはいかない。
パスカルとの話も長くなりそうだし、ゆっくり食べればいいかと俺はまたちびちびと食べ始めた。
67
お気に入りに追加
2,485
あなたにおすすめの小説
旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜
ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉
転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!?
のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました……
イケメン山盛りの逆ハーです
前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります
小説家になろう、カクヨムに転載しています
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
異世界転移して戻ってきたけど、疲れきったおじさんになっちゃった元勇者が子連れで再召喚されたら総愛されになってしまった件について
鳥海あおい
BL
勇者「クロエ」として異世界転移し、任を終えて普通に暮らしていた黒江光太郎はバツイチ、ブラック企業勤務、父子家庭。育児に家事疲れで、すっかり疲れ切ったおじさんになっていた。
だがそんなある日息子の律と再召喚される。
勇者として!ではなく、異世界でかつて魔王を倒したクロエはなんとアイドル的存在になっていたうえに、パーティーのメンバーから総愛されの逆ハーレム状態になってしまう。
兄たちが弟を可愛がりすぎです
クロユキ
BL
俺が風邪で寝ていた目が覚めたら異世界!?
メイド、王子って、俺も王子!?
おっと、俺の自己紹介忘れてた!俺の、名前は坂田春人高校二年、別世界にウィル王子の身体に入っていたんだ!兄王子に振り回されて、俺大丈夫か?!
涙脆く可愛い系に弱い春人の兄王子達に振り回され護衛騎士に迫って慌てていっもハラハラドキドキたまにはバカな事を言ったりとしている主人公春人の話を楽しんでくれたら嬉しいです。
1日の話しが長い物語です。
誤字脱字には気をつけてはいますが、余り気にしないよ~と言う方がいましたら嬉しいです。
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる