【完結】正義のオメガとクズアルファ

西胡瓜

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28 助け**

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「おいおい、久住に助け求めんのかよ」

「誰かぁ! くずみぃ……助けて!」

  床に伏せて扉に手を伸ばしている俺の腰を掴み、今すぐにでも己の性器を入れようとしている毒島に諦めかけたその時だった。

 閉まっていた扉からドォン!! という大きな音がなり扉が開いた。

「てめぇ、毒島何やってんだよ!!」

「く、ずみ……」

 現れたのは俺が助けを求めた男、久住だった。まさか本当に来てくれるとは思っておらず安心して涙が一気にこぼれ落ちた。

「なんだよ今更ヒーロー気取りか? オメガが怖いんだろお前? こいつがどうなろうが関係ねぇーだろ」

「いいから離れろ、こいつは俺のモノだ」

「っ!」

 久住から放たれる威圧に体が反応する。
 それは同じアルファの毒島にも伝わったらしく、尻餅をついて後ずさり俺から離れて行く。
 アルファの毒島でさえも怯えるほどのアルファなのだろう。まさにアルファの中のアルファだ。

「わかったらさっさと出て行け」

「っく! 覚えとけよ! 俺に逆らったら、どうなるかわかってんだろうな」

 そんなモブキャラが言うようなセリフを吐いて毒島は空き教室を出ていった。

 そして部屋には俺と久住だけになった。久住は開けっ放しの扉の方にいき、扉を閉めた。

 久住は制服のブレザーを脱ぎ俺に近づく、抱かれるのだろうかと思い胸を高鳴らせると久住はそのブレザーを俺の体に掛けた。

「えっ……?」

「お前、薬は?」

「教室のっ、鞄の、なか……」

「わかった取ってくるから待ってろ……」

 そう言った久住は立ち上がり教室を出て行こうとした。おそらく教室にある俺の鞄を取りに行くのだろう。
 俺は反射的に起き上がり、久住のズボンを掴む。

「待って、行かないでぇ……」

「薬ないんだろ……正直、俺もきつい」

「いいから、抱いて、ほしいっ、おまえの」

 この気持ちはどちらなのだろうか、オメガの本能なのか俺自身の意見なのか、きっとどちらも混ざり合ったものだと思う。
 
「無理だ、悪いが俺はオメガは抱けない」

 久住から告げられた言葉は、残酷な答えだった。ショックを受ける俺だが、そんなことで俺のヒートは治るはずもない。

「なら、触って……入れなくてっ、いいから」

 俺は久住の足にしがみつき泣きながら訴えた。今までの威勢なんて俺には存在していなかった。

「っ、わかった」

 それだけで嬉しくなった。



「あっ、ンんっ」

 俺は壁に寄りかかりながら、久住が指を抜き差しする快感に浸っていた。毒島と同じことをされているはずなのに全然違う、久住の行為はとても優しくてもどかしくて、でも何倍も気持ちが良い。

 でも、久住の顔はとても辛そうな顔で、下半身を見るとズボンが膨らんでいることがわかった。
 久住が俺ので反応してくれているというだけで嬉しくなる。でもなんで抱いてくれないのだろうと同時に思ってしまった。
 そんなこと考えているうちに次の絶頂が訪れる。

「んっ、きも、ち……イくっ!」

 2回目となる射精をしたと言うのに疼きが治らない。俺は絶頂の快楽に少しの間浸っていると、久住のズボンに手を伸ばした。

「おい! 何してっ!」

「いいから、触るだけだから、久住も気持ちよくなって……」

 俺は素早く久住のものを取り出すと、勢いよく飛び出して来たそれは前みた時よりも大きくて立派で、今すぐにでも入れて欲しいと思ってしまうほどだった。

 俺はそれを手で掴み上下に扱うと、久住が切なそうに声をあげる。

「ふっ……っ──」

「気持ちいい? 久住?」

「あぁ、っ」

 俺は口に久住のものを咥え込む。こんなこと絶対に気持ち悪くてできないと思ってたのに何故だか、久住にもっと気持ち良くなって欲しいと思い勝手に体が動いていた。
 やったこともないのに、本能的にどうすれば気持ち良くなるのかわかる気がした。

 空いた手を後ろに持っていき、未だに濡れてる場所に指を入れた。

「んんっ……」

「くそっ、イく!」

「ん゛ん゛っ!! あ゛っ」

 イくという言葉と共に久住が俺の頭を押さえ、そのまま俺の口内に精液を流し込んだ。
 
「すまない! 大丈夫か!?」

「っ……、はぁ」

「吐き出していいぞ」

「ううん、飲んじゃった」

 俺は口を開けて飲んだことを教えてやる。
 今まで見たことのない反応をする久住の顔にしてやったりと嬉しくなった。
 今の久住の射精と同時に俺もイっており、少しずつ体が楽になっていた。

「はぁ、本当にすまない」

 久住は俺の顔を見てなぜか謝り出した。
 3回イったことでだいぶ楽になってきて、薬の効果も切れてきた。本来くるはずのないヒートがきた為継続時間も短かったのだろう。

 理性も戻ってきて、久住に取ってきてもらったカバンの中に入っている抑制剤を飲んでしばらく経つと、俺は元の状態に戻っていた。

 その間、久住は空き教室の外でずっと待っていてくれていた。
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