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吉良
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ツイッターを始めてから、宮川は研究者仲間や文化人とアカウントをフォローし合って、知的な会話を楽しむことができるようになった。
ツイッターのホーム画面の「タイムライン」には、フォローしている相手や興味のありそうな話題に関する「ツイート」、つまり発信された短文テキストや画像などが並ぶ。興味があるツイートに対して、「いいね」ボタンを押せば気軽に賛意などを示せるし、「リプライ」というコメントを次々と繋げられる機能によって、会話や議論に発展することもある。「リツイート」をすると、自分をフォローしている「フォロワー」のタイムラインにもそのツイートが表示され、情報が拡散される。
宮川は最初、研究者仲間のツイートに「いいね」を押したり、リプライで会話したりするだけだったが、次第に自分からツイートもするようになった。自分のツイートに「リツイート」「いいね」等の反応があれば、やはり嬉しいものだった。現実の宮川の日常と言えば、やる気のない学生の指導や無意味な会議で、宮川が何を言っても好意的な反応はほとんどない。通勤時に街を歩いても、代り映えのしない景色が広がっているだけだ。その点、仕事や生活の合間にツイッターを見て、人と関わったり、最新の情報に触れたりすれば、リフレッシュになった。山間の大学という箱の中にいながら、広い世界と繋がっているようだった。
七月の後半になると大学の授業が終わり、テストやレポートの採点だけになった。よく晴れた夏の土曜日、宮川は甲府駅の改札前に立っていた。柱にもたれながら、スマホを出してツイッターを見る。画面をスクロールしていくと、原田が女性アカウントのツイートを引用して批判しているのが目に留まった。
先日の飲み会で、原田が批判していた女性かもしれない。アカウント名は「Kanade Hanagasa」だった。宮川は好奇心から、彼女についてブラウザで検索してみた。花笠奏――今、注目されている小説家で、芥川賞に近いとも言われているらしい。元々は日本の大学院に入学して美学研究をしていたが、中退してノルウェーに留学し、帰国して翻訳家・小説家になったようだ。年齢は宮川と同じ三十三歳だった。宮川はツイッターに戻り、原田が引用リツイートで批判している花笠のツイートを見る。
『ノルウェーの大学院では子育てをしている女性の研究者も多かったです。経済的には、博士課程にもポスドクにも十分な給与が出ます。社会的にも、「子育てはみんなでするもの」という意識があり、街中でベビーカーを押した女性がいたら手助けをするのが常識でした』
『そして男性が一人でベビーカーを押しているのもよく見る光景。女性の負担が軽減され、研究を諦めなくて済む環境が整っていました。日本では、意欲ある女性が研究か子育て、どちらかを諦めなければならないこともあるでしょう』
読みながら、宮川は顔をしかめずにはいられなかった。宮川はスマホをタタタタとタップして文字を打ち込み、送信ボタンを押す。
『負担があるのは男性も同じでは? 妻子に経済的負担を強いられ、研究を諦める男性も数多くいる。経済的負担に加えて子育ての負担も強要すれば、意欲ある男性の前途を閉ざすことになる』
『日本を批判するのなら、日本から出ていけばいい。日本に帰国したということは、ノルウェーだかどこかに居場所がなかったということ。ささいなことにも思い込みで不平不満を言うような性格では、どこに行っても居場所がないだろう』
続けざまにツイートすると、すぐに原田がリツイートをした。原田はどうしても花笠奏をやりこめたいらしい。
都心からの特急列車が到着したようだ。宮川はスマホをしまい、軽く身だしなみをチェックした。多少緊張していた。落ち着こうと思って深呼吸をした。
まもなく改札から吉良ひかるが出てきた。白のブラウスにピンクのフレアスカートで、小さなポシェットを肩にかけている。吉良はきょろきょろと周囲を見回し、宮川を見つけると、手を振って走り寄ってきた。
「宮川さん! お忙しい中、ありがとうございます。楽しみにしていました」
吉良は眩しくなるような笑顔で言った。
「こちらこそ、遠いところ来てくれて嬉しいよ。とりあえず、歩きながら話そうか」
宮川は吉良に歩調を合わせ、速くなりすぎないよう気をつけながら歩き始めた。ひとまず有名な神社に向かおうと思い、バスに乗った。吉良の隣の席に座ると、ジャスミンの花のような香りがした。
「さっきまたツイートしてましたよね。あの、花笠奏さんでしたっけ?」
吉良が首をかしげると、ピアスがゆらゆらと揺れた。
「ああ、原田が言ってた人。試しにツイートを見てみたら、たしかに変なこと言ってたからさ。つい突っ込みたくなっちゃったよ」
「どういう人なんだろ」
吉良はスマホで、花笠奏の画像を検索する。
「あまり顔出ししてないみたいですね」
吉良はスマホの画面を見せた。花笠奏に関する画像がずらっと並ぶが、口元から首元あたりまでの写真や、目元の隠れた横顔の写真などしかなく、顔はよく分からなかった。
「俺と同い年なんだよ。女で三十代……未婚みたいだし、いろいろと必死なのかねえ」
宮川は花笠奏の横顔の写真を見た。ロングヘアの陰に、筋張った首筋が見える。まだ二十代前半のみずみずしい吉良とは全然違った。
「どうなんでしょうね。結婚とか興味なさそうですけど。浮世離れしてる感じ」
「浮世離れしてるなら、攻撃的な発信をしないだろ? きっと何かにイライラしてるんだよ」
「あはは」
吉良は笑いながらスマホの画面をオフにした。まもなく神社前のバス停に到着し、二人はバスを降りた。赤い橋を渡って階段を上り、参道を歩いていく。
「商売繁昌、家内安全、必勝祈願にご利益があるらしいよ。女の子はあまり興味がないかな」
「そんなそんな、来てみたかったので嬉しいです」
「たしかに、今は女の子でも歴女とかいるもんね」
「まあ、そんなところですね」
拝殿でお賽銭を入れ、手を合わせる。吉良は目を閉じて熱心に祈っていた。宮川は微笑ましく思いながら吉良を見つめていた。
「何を祈ってたの?」
歩きながら宮川は吉良に尋ねた。
「えへへ、今はまだ秘密です」
吉良は機嫌がよさそうにニコニコしている。宮川はからかいたくなった。
「やっぱり、恋愛とか?」
「まあ、そんなところかもしれませんね」
「結婚願望とかあるの?」
「もちろん、いい人がいたら結婚したいですよー」
吉良は化粧を直しに行くと言って、お手洗いに向かった。
その後は境内を見て回る。吉良は好奇心旺盛な燕のように視線をあちこちに向け、たくさん写真を撮っていた。最後に吉良はお守りを欲しそうにしていたので、お守りの授与所で買ってやった。
バスで市内に戻ると、城址公園などを観光してから、有名なワイナリーに向かった。ひんやりとした薄暗い貯蔵庫を見学すると、まるで冒険しているように感じられた。夜もワイナリーの経営するレストランでフレンチのディナーだ。ワインと会話を楽しんでいると、メインの肉料理が運ばれてくる。
「わあ! おいしそう。ちょっと写真だけ撮っていいですか」
吉良は目を輝かせて、スマホでパシャリと写真を撮った。スマホを持つ手の指先には、キラキラしたネイルが塗られていた。
「そんな写真、撮ってどうするの?」
宮川はご馳走を前にして早く食べたい気持ちもあったので、吉良の行動を少し煩わしく思い、からかうように言った。
「あ、すみません……写真撮るの嫌でしたか?」
吉良は少ししゅんとして、急いでスマホを鞄に入れた。
「いいけど。いつも撮ってるから、ちょっと気にはなったかな。吉良さんも今時の子なんだね。とりあえず食べようか」
赤みがかって美味しそうな仔羊のローストに、粗びきの胡椒やハーブが散らされている。スパイシーで力強い味わいに、赤ワインがよく合った。
食事が終わって会計の段になると、吉良は勢いよく財布を出して店員にクレジットカードを渡した。
「今日のお礼に、夕食は出させてください」
「えっ、さすがにそれは」
「いいんです。今日ずっと出してもらってて、心苦しいので」
吉良は押し切った。これも今時のやり方なのかと思いながら、宮川は吉良の好きなようにさせた。レストランを出ると、すっかり暗くなっていた。
「このあとはどうする?」
暗闇の中で、行きかう車や街灯の光がスポットライトのように吉良を照らしていた。宮川は少しどきどきしながら言った。
「実は、レポートがあったのを思い出して。最終列車で帰らなきゃいけないんです。池田先生に怒られちゃう」
吉良は残念そうに言って、ぺこりと頭を下げた。宮川は少し落胆した。
「ああ、そうなんだ。レポート頑張ってね。改札まで送っていくよ」
「いえいえ、ここで大丈夫です! 今日はありがとうございました。またご一緒したいです」
吉良は手を振りながら、駅のほうへと走っていった。まるで軒先にいた燕が飛び去ってしまったようだ。宮川は少し寂しくなった。
ツイッターのホーム画面の「タイムライン」には、フォローしている相手や興味のありそうな話題に関する「ツイート」、つまり発信された短文テキストや画像などが並ぶ。興味があるツイートに対して、「いいね」ボタンを押せば気軽に賛意などを示せるし、「リプライ」というコメントを次々と繋げられる機能によって、会話や議論に発展することもある。「リツイート」をすると、自分をフォローしている「フォロワー」のタイムラインにもそのツイートが表示され、情報が拡散される。
宮川は最初、研究者仲間のツイートに「いいね」を押したり、リプライで会話したりするだけだったが、次第に自分からツイートもするようになった。自分のツイートに「リツイート」「いいね」等の反応があれば、やはり嬉しいものだった。現実の宮川の日常と言えば、やる気のない学生の指導や無意味な会議で、宮川が何を言っても好意的な反応はほとんどない。通勤時に街を歩いても、代り映えのしない景色が広がっているだけだ。その点、仕事や生活の合間にツイッターを見て、人と関わったり、最新の情報に触れたりすれば、リフレッシュになった。山間の大学という箱の中にいながら、広い世界と繋がっているようだった。
七月の後半になると大学の授業が終わり、テストやレポートの採点だけになった。よく晴れた夏の土曜日、宮川は甲府駅の改札前に立っていた。柱にもたれながら、スマホを出してツイッターを見る。画面をスクロールしていくと、原田が女性アカウントのツイートを引用して批判しているのが目に留まった。
先日の飲み会で、原田が批判していた女性かもしれない。アカウント名は「Kanade Hanagasa」だった。宮川は好奇心から、彼女についてブラウザで検索してみた。花笠奏――今、注目されている小説家で、芥川賞に近いとも言われているらしい。元々は日本の大学院に入学して美学研究をしていたが、中退してノルウェーに留学し、帰国して翻訳家・小説家になったようだ。年齢は宮川と同じ三十三歳だった。宮川はツイッターに戻り、原田が引用リツイートで批判している花笠のツイートを見る。
『ノルウェーの大学院では子育てをしている女性の研究者も多かったです。経済的には、博士課程にもポスドクにも十分な給与が出ます。社会的にも、「子育てはみんなでするもの」という意識があり、街中でベビーカーを押した女性がいたら手助けをするのが常識でした』
『そして男性が一人でベビーカーを押しているのもよく見る光景。女性の負担が軽減され、研究を諦めなくて済む環境が整っていました。日本では、意欲ある女性が研究か子育て、どちらかを諦めなければならないこともあるでしょう』
読みながら、宮川は顔をしかめずにはいられなかった。宮川はスマホをタタタタとタップして文字を打ち込み、送信ボタンを押す。
『負担があるのは男性も同じでは? 妻子に経済的負担を強いられ、研究を諦める男性も数多くいる。経済的負担に加えて子育ての負担も強要すれば、意欲ある男性の前途を閉ざすことになる』
『日本を批判するのなら、日本から出ていけばいい。日本に帰国したということは、ノルウェーだかどこかに居場所がなかったということ。ささいなことにも思い込みで不平不満を言うような性格では、どこに行っても居場所がないだろう』
続けざまにツイートすると、すぐに原田がリツイートをした。原田はどうしても花笠奏をやりこめたいらしい。
都心からの特急列車が到着したようだ。宮川はスマホをしまい、軽く身だしなみをチェックした。多少緊張していた。落ち着こうと思って深呼吸をした。
まもなく改札から吉良ひかるが出てきた。白のブラウスにピンクのフレアスカートで、小さなポシェットを肩にかけている。吉良はきょろきょろと周囲を見回し、宮川を見つけると、手を振って走り寄ってきた。
「宮川さん! お忙しい中、ありがとうございます。楽しみにしていました」
吉良は眩しくなるような笑顔で言った。
「こちらこそ、遠いところ来てくれて嬉しいよ。とりあえず、歩きながら話そうか」
宮川は吉良に歩調を合わせ、速くなりすぎないよう気をつけながら歩き始めた。ひとまず有名な神社に向かおうと思い、バスに乗った。吉良の隣の席に座ると、ジャスミンの花のような香りがした。
「さっきまたツイートしてましたよね。あの、花笠奏さんでしたっけ?」
吉良が首をかしげると、ピアスがゆらゆらと揺れた。
「ああ、原田が言ってた人。試しにツイートを見てみたら、たしかに変なこと言ってたからさ。つい突っ込みたくなっちゃったよ」
「どういう人なんだろ」
吉良はスマホで、花笠奏の画像を検索する。
「あまり顔出ししてないみたいですね」
吉良はスマホの画面を見せた。花笠奏に関する画像がずらっと並ぶが、口元から首元あたりまでの写真や、目元の隠れた横顔の写真などしかなく、顔はよく分からなかった。
「俺と同い年なんだよ。女で三十代……未婚みたいだし、いろいろと必死なのかねえ」
宮川は花笠奏の横顔の写真を見た。ロングヘアの陰に、筋張った首筋が見える。まだ二十代前半のみずみずしい吉良とは全然違った。
「どうなんでしょうね。結婚とか興味なさそうですけど。浮世離れしてる感じ」
「浮世離れしてるなら、攻撃的な発信をしないだろ? きっと何かにイライラしてるんだよ」
「あはは」
吉良は笑いながらスマホの画面をオフにした。まもなく神社前のバス停に到着し、二人はバスを降りた。赤い橋を渡って階段を上り、参道を歩いていく。
「商売繁昌、家内安全、必勝祈願にご利益があるらしいよ。女の子はあまり興味がないかな」
「そんなそんな、来てみたかったので嬉しいです」
「たしかに、今は女の子でも歴女とかいるもんね」
「まあ、そんなところですね」
拝殿でお賽銭を入れ、手を合わせる。吉良は目を閉じて熱心に祈っていた。宮川は微笑ましく思いながら吉良を見つめていた。
「何を祈ってたの?」
歩きながら宮川は吉良に尋ねた。
「えへへ、今はまだ秘密です」
吉良は機嫌がよさそうにニコニコしている。宮川はからかいたくなった。
「やっぱり、恋愛とか?」
「まあ、そんなところかもしれませんね」
「結婚願望とかあるの?」
「もちろん、いい人がいたら結婚したいですよー」
吉良は化粧を直しに行くと言って、お手洗いに向かった。
その後は境内を見て回る。吉良は好奇心旺盛な燕のように視線をあちこちに向け、たくさん写真を撮っていた。最後に吉良はお守りを欲しそうにしていたので、お守りの授与所で買ってやった。
バスで市内に戻ると、城址公園などを観光してから、有名なワイナリーに向かった。ひんやりとした薄暗い貯蔵庫を見学すると、まるで冒険しているように感じられた。夜もワイナリーの経営するレストランでフレンチのディナーだ。ワインと会話を楽しんでいると、メインの肉料理が運ばれてくる。
「わあ! おいしそう。ちょっと写真だけ撮っていいですか」
吉良は目を輝かせて、スマホでパシャリと写真を撮った。スマホを持つ手の指先には、キラキラしたネイルが塗られていた。
「そんな写真、撮ってどうするの?」
宮川はご馳走を前にして早く食べたい気持ちもあったので、吉良の行動を少し煩わしく思い、からかうように言った。
「あ、すみません……写真撮るの嫌でしたか?」
吉良は少ししゅんとして、急いでスマホを鞄に入れた。
「いいけど。いつも撮ってるから、ちょっと気にはなったかな。吉良さんも今時の子なんだね。とりあえず食べようか」
赤みがかって美味しそうな仔羊のローストに、粗びきの胡椒やハーブが散らされている。スパイシーで力強い味わいに、赤ワインがよく合った。
食事が終わって会計の段になると、吉良は勢いよく財布を出して店員にクレジットカードを渡した。
「今日のお礼に、夕食は出させてください」
「えっ、さすがにそれは」
「いいんです。今日ずっと出してもらってて、心苦しいので」
吉良は押し切った。これも今時のやり方なのかと思いながら、宮川は吉良の好きなようにさせた。レストランを出ると、すっかり暗くなっていた。
「このあとはどうする?」
暗闇の中で、行きかう車や街灯の光がスポットライトのように吉良を照らしていた。宮川は少しどきどきしながら言った。
「実は、レポートがあったのを思い出して。最終列車で帰らなきゃいけないんです。池田先生に怒られちゃう」
吉良は残念そうに言って、ぺこりと頭を下げた。宮川は少し落胆した。
「ああ、そうなんだ。レポート頑張ってね。改札まで送っていくよ」
「いえいえ、ここで大丈夫です! 今日はありがとうございました。またご一緒したいです」
吉良は手を振りながら、駅のほうへと走っていった。まるで軒先にいた燕が飛び去ってしまったようだ。宮川は少し寂しくなった。
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