呪われ子と不良くん

天川 古雨

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呪われ子と一緒に

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「おはよう、ミヤコ」

現当主「初鐘 世一朗」(はつがね よいちろう)

当主になる者は

鬼としての力が強く

大恨塊にも3人で打ち勝つことが出来る者
とされており、この名前は本当ではないが
当主としての名前を与えられる

現在は数々の活動をしており

忙しくあまり家に姿は見せていない

「かわいこちゃんおはよう」

ミヤコの母、「初鐘 ミヨ」

天然でちょっと抜けているとこがあるが
絶世の美女とまで言われた人

一時期モデルとして活動しており
その性格と美貌でテレビにも出ていたとこ

世一郎からプロポーズを受けて結婚

今は初鐘家として色んな活動も行っている

ミヤコ以外の子供にもみんな
「かわいこちゃん」
とよんでいる

「お姉ちゃん!その人誰~!?」

ミヤコの妹

「初鐘 歌鳴子」(はつがね かなこ)

彼女にも角がちょこっと生えており
力もあるため少しずつ初鐘家のために
育てられている、6歳の子

代々、女性には「鬼」の素質が見られず
「人」として平和に暮らしていたが

歌鳴子だけ鬼の素質があった

たまに恨塊が歌鳴子の前に現れて襲うため
叔父の夢子が近くにいる。

唱善は正座をした

「えっと...昨日からお世話になってます...
御刀田唱善です...よろしくお願いします...」

深々と頭を下げると

「まぁ!!!!朝代丘神社のかわいこちゃん!?まぁまぁまぁ!!!こんな子をどこで拾ってきたの!かわいこちゃん!!!!」

ミヨは立ち上がり唱善の隣に座り

なでなでし始めた

「昨日の帰り、大恨塊が初めて目の前に現れまして、その場に彼も一緒に巻き込まれたんです...」

ミヤコがそう説明すると
世一郎は

「...ミヤコ、だから言っただろう…
1人でわざと出歩くなと、運が悪ければお前は死んでいたんだぞ?俺の顔に泥塗る気か」

そういった

「いえ、とう...お父様...私は鬼ではありますが神に守られていると感じています」

ニッコリと彼は世一郎に言う

「ふん...神といえど鬼神だろうな、
お前は確かに強運だと思うことがある
しかしそれはただの偶然だ...
お前がいつもその強運を持っている訳では無い、そもそも唱善君、君は家にいつ帰るのだね?迎えは?」

世一郎はため息をついたあと唱善にそうたずねた

「親父...御刀田 善吉は迎えにこねーよ...
俺みたいなやつ縁を切る!とか言ってたしな
俺より優秀な弟が居るし帰るつもりもサラサラねぇ...」

唱善はミヨが撫でてるなか深刻そうな顔をしたままだった

「あらまぁ...かわいこちゃん、じゃあここに住んじゃう~?ミヤコもいいんでしょ?ここ広いし、1人増えても問題なんてないわよ~?」

ミヨのなでなでが加速している

「はぁ...ミヨ、やめてやれ」

と世一郎がいうとミヨはしょんぼりと
ごめんねぇ~と言いながら
撫で終わりちょっと離れた

「神社や寺のもの達は鬼の住む所などと断るヤツらばかりであったが、意地はってんのか?ほんとに鬼の住む場所に住むのか?」

「あぁ、俺は住む」

そう、唱善がいうと
世一郎は少し考え込み口を開く

「...ミヤコ、そいつの世話はお前がするんだな、金も、服も、飯も、ミヤコ、お前の働いた金から出すんだ...いずれはお前も上に立つもの、雇い主ならばそこらは自分でしろ、部屋だけは貸す」

と、

「えっ!?ミヤコ、そ、そんな」

唱善が、自分がほかのとこで働くという前に
ミヤコは笑顔で深々とお辞儀を世一郎にした

「お父様、ありがとうございます」

彼の笑顔は凄くいい笑顔というよりは

含みのある笑顔だった

----------------

朝ご飯が終わり

2人は部屋に戻る

「おい!ミヤコ!お前、金なんてどうするんだよ!!!!」

唱善はミヤコの肩を掴んだ

「...ふふっ、まぁ個人で営業してるのがあってね、父さんはあまり知らないけど私が仕事...まぁバイトをしてるってのが分かってんだ」

にやりとミヤコは笑う

「えっ?あ、あぶねーやつじゃねーよな?
ミヤコ綺麗だし...お、俺聞いたことあるぜ!な、なんか」

唱善は口をもごもごする

「大丈夫だよ、唱善くん、私はそこは興味無いんでね…まぁ、やってるのは...これ」

ガラッとミヤコはミヤコの部屋を開けると

先程までの和な雰囲気と違った

綺麗な洋室の部屋とパソコンと椅子

そして可愛いクッションが置かれてるベッド

クローゼットなど他にはテレビ
ゲーム機、机になどと置かれていた

「え?なにこれ、ちょっと変な感じが...」

空間の乱れ...そんな感じの...と唱善は言うと

「まぁ鬼の力を工夫してほかのとこに借りてる部屋をここに持ってきてるんだよ」

とミヤコはいった

「...こ、こんなこともできるのかよ...」

キョロキョロと唱善は見渡す

「てかここって...結構いいマンションの...」

「お!気づいたかい?私ここからの眺めが好きでね」

「ほ、ほんとにお前がやってるバイトって...」

「見てみる?」

「(ゴクッ)あ、あぁ」

ミヤコはパソコンを立ち上げ

ひとつの画面を見せた

そこには

【鬼っ子!】

と書かれている原稿があった

「まぁこういう事だよ…本も出したりしてるし結構人気でさ、電子機器にも対応していたり...」

カチカチと可愛い四コマ漫画を見せてくれる

「あ、こういうの興味無い感じかな?
私は興味があってね」

ふふっとミヤコは笑ってる横で

「ふうううぅ...」

唱善は緊張が解けて盛大な息継ぎをした

「アハハ、君、不良なのに、可愛いね」

ミヤコはそう笑うと唱善は

「か、可愛くなんかねーよ、お前が犯罪を犯してたら...」

そういった

「たとえ犯しててもその手口は他人には見せないよ、というか君の見た目、いかにも暴力沙汰とか万引きとか色々して犯してそうなのに、ふふっ」

ニコニコとミヤコはそういうと

「.........」

唱善はミヤコから目を逸らし
ミヤコはこういった

「この話題には触れないとこう…」

----------------------

「それでさ唱善君、君には私の元で働いてもらう、もちろん私から給料は出すさ、食事は給料分の中から料金を出してここで作ってもらう」

とミヤコがいうと唱善は頷き

「あぁ、ここに居候させて貰えるなら」

といった

ミヤコはニコッと笑うと

「で、明日から学校に一緒に登校することにしよう」

そういうと唱善はギョッとした顔をした

「なっ!?」

「嫌?」

「.........」

唱善は黙る

「そう言うと思ったから唱善君にして欲しいのはわたしの警護だ」

「警護...」

「普段は弱い恨塊を私は倒したいので
1人行動だが唱善君は私から離れたとこ...
うーん、君が直ぐに私のとこにこれる
距離は…試してみるか」

部屋から出て外に行く

「えーっとここぐらいでいいかな?
じゃ、およそ5kmにしてみよう」

「5km?OK」

自転車貸してあげるからとミヤコがいう
唱善は自転車にのり
家から5km程の距離を移動した

連絡が来る
目的地についたとのこと

「んじゃ、感知能力はあるんだっけ?」

ミヤコがそういうと

「あ~意識すれば」

唱善はそういう

「それじゃ…」

おぞましい気配がする

唱善は自転車に乗り速度を上げた

「はっやいね…」

1分…自転車も無事

唱善は息切れしてるが

「さっきの、おぞましい…気配!なんだよ!!!」

唱善はそう叫ぶ

「鬼の気配だよ!」

ミヤコはニコニコとそういう

「あんなの感じた事ねぇよ…!焦って
自転車いつもよりも飛ばしちまった…」

唱善は息を整える

「まぁこれなら徒歩でも大丈夫そうだね~この気配はちょっと疲れちゃうけど、君が戦って私がサポートするだけだから大丈夫かな?」

ミヤコがそういうと

「いや、お前、それ使うな」

唱善はすぐにそう言った

「どうして?」

ミヤコは首を傾ける

「ほかの俺みたいなやつが感じると
厄介なことになっちまう」

そういうと
ふぅ、と自転車を唱善はとめた

「なるほどね…じゃあどうしようか…」

「前に...教えてもらった音札というものがある、ちょっと力入れてみてくれ、ちょっとでいいからな?」

そういうと唱善はカバンの中から

【音之札】と書かれた木の板を
ミヤコに渡した

「わかった...」

ミヤコは札に力をちょっとだけ入れる

「うっるせぇええええええ!!!!」

唱善は叫び出して頭と耳を抑えてた

「どうしたんだ?」

ミヤコがそういうと
唱善は転げ回りながら大声で

「いや、これさ敵の力の感知としてのものもあるんだけどよ~!!!!札を書いたやつにしか音聞こえないんだよ!力が強いやつは必ずでっけー音がなって...つまり、お前、力強すぎ!ちょっとだし周りも気づかない程度だったけどよ!!!!!」

防犯ブザー、またはそれ以上の
うるささだと唱善はいう

「なるほど...これぐらいなら?」

ミヤコはほんのちょびっと...
醤油一滴ぐらいな気持ちで力を入れる

「あ、ちょうどいいかも、これなら」

唱善はニッコリとそういった

「じゃあこれで」

ミヤコもニッコリとそういい音札を
ぎゅっと持つ

「間違っても力強く入れるなよ?わかったな?」

唱善はそういうと

「ふふっ...」

ミヤコはちょっと悪い顔をし

「ミヤコ~!!!?」

唱善は怒っていた

------------------

「唱善は...」

御刀田 善吉は怒っていた

「初鐘家から連絡がありました通り
あちらで暫くは住み込むとのことです」

善吉の弟子がそういう

「あのバカが...!鬼の家に住み込むなど...!」

善吉は強く床に拳を叩きつける

と、甥っ子の御刀田 道善(どうぜん)は

「まぁまぁおじさんいいんじゃないの?あいつにとってもいい修行になりそうだしさ、血気盛んな猛獣だし、縛り付けとくぐらいなら解き放っちゃって...鬼の一族がほんとにヤバいなら退治するいいチャンスなんじゃないの?」

ニコニコといった

「うるさいぞ...道善...」

善吉の怒りはおさまらない

「父さんは唱善ニイに厳しすぎるよ…」

弟の 総善(そうぜん)はそう言う

「あいつがお前より腑抜けてるからだ...!」

「まぁしばらく様子見しよう、善吉兄さん」

道善の父、そして善吉の弟はそういった

「...ふん...」

辺りは暗くなる

ぼんやりと部屋の中は明るくなった…

------------------

?????

「退魔氏があの一族についたそうではないか」

蜘蛛の女「女郎蜘蛛」が薄暗い御堂の中でそういう

「そうですね...」

そういうと
小さなおかっぱの着物少女「雪女」はそう言うと氷が入ったお茶をすする

「あんなに鬼を嫌っていたのに厄介な事になったな~!」

牛の角を持った男は、
「牛鬼」は酒瓶を掴みそれを飲む

「このままではあの鬼の一族を滅ぼせないではないのかの?」

狐の姿の女「妖狐」はそう言うと

「いや、あの退魔氏は子供だ、早めに潰せば…!」

輝く皿をのせた男「河童」はそういった

「確か現当主の息子は1人だけ...
ミヤコというものだけだから...」

ふよふよと風に靡く男「鎌鼬」はそういう

「あいつは恨塊を1人でどうやら倒してるやうではないですか」

女郎蜘蛛がそう言うと

「ばっきゃろー蜘蛛、そのミヤコが
退魔氏と組んだんだ…」

そういうと牛鬼は酒をがぶがぶとまた飲む

「ばっきゃろーとはなんだ!ばっきゃろーとは!」

女郎蜘蛛は糸をはきだそうとする

「これこれ...女郎蜘蛛や、
牛鬼はいつもそうであろう?」

一人の男はそういうと
女郎蜘蛛は

「怨神様...」

といった

【怨神 天亡(ソラナキ)】

彼の後ろは黒に染まり

涙を流し続けてるような

黒い物体が蠢いていた

「私たちは恨みの中の恨み
初鐘を恨む者たちの塊が【妖怪】として
生まれ、そして私が無念の果ての願いにより
【神】として生まれた、退魔氏がなんだ我々が恨む限り私たちは生まれ続けるだけだ、「河童」こちらに寄れ」

河童はそう言われるとすぐに「天亡」の
前へと出る

「ミヤコと退魔氏の力量を測ってこい…よいな?」

「はっ!天亡様!!!!」

河童はそういうと姿を消した

「ふふっ、どうなるか見ものだな…」

天亡は笑ってるかのような表情を見せた


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