50 / 60
「ポーン(兵士)」
「PAWN」3
しおりを挟む
金の神が女性の姿になったのは予想外であったが、水の神と金の神が近くにいるのは予想しておくべきであった。
「ルーク」で、ゲルは、水の神と金の神の力の一部を封印することとなる。
それはまだ先のことであったが、「ルーク」を加味して考えておくべきであった。
いや、加味していたとしてもおかしなことはある。
女性の姿になるという案はあったが、しっかりデザインなどしていない。さらに…
「まだ…戦闘に移るには早いはず…」
「そう、ここはまだ流れを見るのが最善。」
火の神と木の神も現れた。
もちろん「ルーク」でこの2体が登場することはない。
まあ、時間操作と回復がいる以上、最終的にこれら4体を同時に倒す必要はあると考えていたが、こちらの準備ができてなさすぎる。それどころか、このまま時間が過ぎれば、フリードリヒ2世にゲルが撃たれ、勝ち筋は無くなる。
「その変更は不可能なのですか?」
未だに金の神は、女性の姿でこちらに大砲を向けていた。
「この火の神もその実力に興味があるが、これは決定だ。」
「…そうですか…」
金の神は、面白くないと大砲を上に向け、何もない空を撃った。
***
時間を操れるためか、動きは停められていたが、思考は可能だった…
それ故に絶望も大きかった。
4体の神に囲まれた状況もそうだが、時間を停められたまま1時間が経とうとしていた。
「ナイト」などでは、たとえ神であろうと、時間停止は最大5分が限界だったが、おそらくは木の神が回復させていたのだろう。何の苦しむ様子もなく、時間停止したまま1時間が経過した。
「向こうももうすぐ終わるはず…あの支配欲・知識欲の強い王に神の存在を伝えておいてよかった。」
何者かが伝えた可能性は考えたが、まさか神自体が伝えていたとは…
「さあ、これで時間の流れを変えることもできなくなった。」
「あのお方が言われていた8人が揃うこともなくなった。」
水の神が時間停止を解こうとしたそのとき、カステル・デル・モンテの方から爆音が鳴り響いた。
リザード・ズーの頭部が転がり落ち、縛りあげられたフリードリヒ2世を見せ、海波洋一が兵をひかせていた。
それと同時に、時速100キロを超える速さでゲルが、私たちのところに現れた。
「何故?」
「簡単なことだ。感知できるのは、そこの水本君だけじゃない。プレートを使えばこの目は、遠くの物を見る事ができる。」
直接干渉しなくても些細な事で歴史が変わるという演出は映画の「ザ・フューチャー」や「バタフライ」で見たことあるが…
「塔の中と塔の外に、一人ずつ同一人物がいたとなれば、見間違いや偽物の可能性もあるが、時間移動できる者が身近にいるなら、何かあって過去を変えようとしていたと考えるのが常識…」
いや、そんな常識を私は知らない。
「後は、何が起きてもいいように、備えあればうれいなしというわけだ。」
そう言いながら、ゲルは、白衣の下に隠した鉄板焼を見せた。
まあ、さすがというか何というか、まさか過去に来ただけでゲルが察するとは思っていなかった。
「だがまあ…何が起きるかまではわからなかったため、少々備え過ぎてしまったが…」
ゲルは、管に入れたガスを神たちに撒き散らした。
「ルーク」で、ゲルは、水の神と金の神の力の一部を封印することとなる。
それはまだ先のことであったが、「ルーク」を加味して考えておくべきであった。
いや、加味していたとしてもおかしなことはある。
女性の姿になるという案はあったが、しっかりデザインなどしていない。さらに…
「まだ…戦闘に移るには早いはず…」
「そう、ここはまだ流れを見るのが最善。」
火の神と木の神も現れた。
もちろん「ルーク」でこの2体が登場することはない。
まあ、時間操作と回復がいる以上、最終的にこれら4体を同時に倒す必要はあると考えていたが、こちらの準備ができてなさすぎる。それどころか、このまま時間が過ぎれば、フリードリヒ2世にゲルが撃たれ、勝ち筋は無くなる。
「その変更は不可能なのですか?」
未だに金の神は、女性の姿でこちらに大砲を向けていた。
「この火の神もその実力に興味があるが、これは決定だ。」
「…そうですか…」
金の神は、面白くないと大砲を上に向け、何もない空を撃った。
***
時間を操れるためか、動きは停められていたが、思考は可能だった…
それ故に絶望も大きかった。
4体の神に囲まれた状況もそうだが、時間を停められたまま1時間が経とうとしていた。
「ナイト」などでは、たとえ神であろうと、時間停止は最大5分が限界だったが、おそらくは木の神が回復させていたのだろう。何の苦しむ様子もなく、時間停止したまま1時間が経過した。
「向こうももうすぐ終わるはず…あの支配欲・知識欲の強い王に神の存在を伝えておいてよかった。」
何者かが伝えた可能性は考えたが、まさか神自体が伝えていたとは…
「さあ、これで時間の流れを変えることもできなくなった。」
「あのお方が言われていた8人が揃うこともなくなった。」
水の神が時間停止を解こうとしたそのとき、カステル・デル・モンテの方から爆音が鳴り響いた。
リザード・ズーの頭部が転がり落ち、縛りあげられたフリードリヒ2世を見せ、海波洋一が兵をひかせていた。
それと同時に、時速100キロを超える速さでゲルが、私たちのところに現れた。
「何故?」
「簡単なことだ。感知できるのは、そこの水本君だけじゃない。プレートを使えばこの目は、遠くの物を見る事ができる。」
直接干渉しなくても些細な事で歴史が変わるという演出は映画の「ザ・フューチャー」や「バタフライ」で見たことあるが…
「塔の中と塔の外に、一人ずつ同一人物がいたとなれば、見間違いや偽物の可能性もあるが、時間移動できる者が身近にいるなら、何かあって過去を変えようとしていたと考えるのが常識…」
いや、そんな常識を私は知らない。
「後は、何が起きてもいいように、備えあればうれいなしというわけだ。」
そう言いながら、ゲルは、白衣の下に隠した鉄板焼を見せた。
まあ、さすがというか何というか、まさか過去に来ただけでゲルが察するとは思っていなかった。
「だがまあ…何が起きるかまではわからなかったため、少々備え過ぎてしまったが…」
ゲルは、管に入れたガスを神たちに撒き散らした。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

最弱スキルも9999個集まれば最強だよね(完結)
排他的経済水域
ファンタジー
12歳の誕生日
冒険者になる事が憧れのケインは、教会にて
スキル適性値とオリジナルスキルが告げられる
強いスキルを望むケインであったが、
スキル適性値はG
オリジナルスキルも『スキル重複』というよくわからない物
友人からも家族からも馬鹿にされ、
尚最強の冒険者になる事をあきらめないケイン
そんなある日、
『スキル重複』の本来の効果を知る事となる。
その効果とは、
同じスキルを2つ以上持つ事ができ、
同系統の効果のスキルは効果が重複するという
恐ろしい物であった。
このスキルをもって、ケインの下剋上は今始まる。
HOTランキング 1位!(2023年2月21日)
ファンタジー24hポイントランキング 3位!(2023年2月21日)

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?
山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。
2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。
異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。
唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる