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「神西暦シリーズ VANE」
「VANE」Ⅹ
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一ヶ所に集まった私たちにどこからか声が聞こえた。
「どこに行こうというのですか?…この金の神から逃げられると思っているのですか?」
金の神…来るとしても、火の神か木の神が来ると踏んでいたから逃げられると踏んでいたが…よりによって金の神…
「GAME」「SAME」「VANE」の「神西暦シリーズ」ではなく、「ナイト」「キング」「ルーク」の「チェスシリーズ」の神だというのに…だが、水本耕二の時間移動を止めるとなると最適の相手なのだろう。
荒廃した街の中で鉄筋が溶け出し、金網のように私たちを囲んだ。半球の金網…いや、金の神のこと、見えてないだけで、サンダードームのように地中まで金網がしかれていたのだろう。
金の神は、あらゆる金属を操る能力を持つ…
金の神は、落ちていた銀の弾丸を操り、水本の身体を貫いた。
「ナイト」加筆分でもそうやって水本耕二の心臓を貫き、不意打ちにより水本を殺している。今回は、それに気付いた渡房太郎により、急所を避け、肩と腹部を貫くだけで終わったが、それでも時間移動できるほどの集中力が保てない状態になった。
金網の折で外にも出られない中、大砲を背負った巨大な白い虎が姿を現した。金の神だ…時間移動できない以上、あの大砲から出てくる巨大な金属の弾に押し潰されるのを待つしかなかった。
だが、そのとき、真美の墓から金の神に向かって、無数の包帯が伸びた。
真美の最後の力だったのだろう。
金の神を止めてくれたのはいいが、時間移動の方法が無いことには代わりがなかった。
「VANE」で渡房太郎がホワイトベーンによる超加速をしていたことや、時系列的に風田哲也との共闘という1つの戦いが終わった後で、同時に終わるはずの赤井隆との共闘をやっていたりしたミスがあったので、「ポーン」で超加速により時間移動していたという設定を加えようと思っていたが、その能力は1人用…ここにいる全員を時間移動できる方法ではなかった。
そんな中、私に負傷した水本が語りかけた。
「なあ、また詰んだとか思ってないだろうな…お前、自分で気付いてるかわからないが、時間移動できるだろ?」
私が時間移動?…いや、確かに思い返してみると、思い当たる部分はある。時間移動できない者…もしくは、水の神の力の加護がない者は時間移動の際、強い酔いに襲われるはずが、私にはそれがなかった。火の神との戦いで、一時的に火の神が止まったのも、過去の海波洋一が助けたなんて確証はなかったため、それも私がやったことなのかもしれない。さらに、時間移動で行ける未来は、能力を手に入れた時点までと設定していたにも関わらず、水本は神西暦772年こと西暦1999年や神西暦799年に跳べた事…水本が能力を手に入れた日時は、正確には設定していないが1989年以前…どれも私が時間を操った…少なくとも、そのサポートをしたと考えれば納得がいった。
私は、それを確認するために…私は地面に手を着いた。
サンダードームで囲まれたまま、私たちは過去に移動した。咄嗟だったためか、下手に意識したためか、そこは私たちが目指す時点ではなかった。
「あ~あ、逃げられちゃった。金の神ちゃん、ダメぢゃない。これじゃ、金の神ぢゃなくて銀の神ね。まあ、いいっか…楽しみはとっておかなくっちゃね。」
「どこに行こうというのですか?…この金の神から逃げられると思っているのですか?」
金の神…来るとしても、火の神か木の神が来ると踏んでいたから逃げられると踏んでいたが…よりによって金の神…
「GAME」「SAME」「VANE」の「神西暦シリーズ」ではなく、「ナイト」「キング」「ルーク」の「チェスシリーズ」の神だというのに…だが、水本耕二の時間移動を止めるとなると最適の相手なのだろう。
荒廃した街の中で鉄筋が溶け出し、金網のように私たちを囲んだ。半球の金網…いや、金の神のこと、見えてないだけで、サンダードームのように地中まで金網がしかれていたのだろう。
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金網の折で外にも出られない中、大砲を背負った巨大な白い虎が姿を現した。金の神だ…時間移動できない以上、あの大砲から出てくる巨大な金属の弾に押し潰されるのを待つしかなかった。
だが、そのとき、真美の墓から金の神に向かって、無数の包帯が伸びた。
真美の最後の力だったのだろう。
金の神を止めてくれたのはいいが、時間移動の方法が無いことには代わりがなかった。
「VANE」で渡房太郎がホワイトベーンによる超加速をしていたことや、時系列的に風田哲也との共闘という1つの戦いが終わった後で、同時に終わるはずの赤井隆との共闘をやっていたりしたミスがあったので、「ポーン」で超加速により時間移動していたという設定を加えようと思っていたが、その能力は1人用…ここにいる全員を時間移動できる方法ではなかった。
そんな中、私に負傷した水本が語りかけた。
「なあ、また詰んだとか思ってないだろうな…お前、自分で気付いてるかわからないが、時間移動できるだろ?」
私が時間移動?…いや、確かに思い返してみると、思い当たる部分はある。時間移動できない者…もしくは、水の神の力の加護がない者は時間移動の際、強い酔いに襲われるはずが、私にはそれがなかった。火の神との戦いで、一時的に火の神が止まったのも、過去の海波洋一が助けたなんて確証はなかったため、それも私がやったことなのかもしれない。さらに、時間移動で行ける未来は、能力を手に入れた時点までと設定していたにも関わらず、水本は神西暦772年こと西暦1999年や神西暦799年に跳べた事…水本が能力を手に入れた日時は、正確には設定していないが1989年以前…どれも私が時間を操った…少なくとも、そのサポートをしたと考えれば納得がいった。
私は、それを確認するために…私は地面に手を着いた。
サンダードームで囲まれたまま、私たちは過去に移動した。咄嗟だったためか、下手に意識したためか、そこは私たちが目指す時点ではなかった。
「あ~あ、逃げられちゃった。金の神ちゃん、ダメぢゃない。これじゃ、金の神ぢゃなくて銀の神ね。まあ、いいっか…楽しみはとっておかなくっちゃね。」
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