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「神西暦シリーズ VANE」
「VANE」Ⅴ
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マミーの腕から伸びた包帯が風田の胴体を締め上げていた。
「ウッ…何故、こんな事をするだ、真美ちゃん!」
しかし、その声は、2体の狼の遠吠えにかき消され、私にまで届くことはなかった。
狼女のオーロラが、赤井隆に掴みかかる。
「我を倒したくば、その狼の力を見せてみろ!」
赤井隆は先ほど神西暦772年で見せた鬼と狼の力を両方使用した姿へと変わるが…
「その程度では我は倒せん!」
力では、鬼の力と狼の力の両方を使って五分といった状況であった。
まあ、実際、「VANE」では赤井隆と渡房太郎の協力の元、倒す事ができている。
「それが全力か?それとも力が五分で安心しているのか?…自分にはまだその剣があると…だがなあ、武器があるのはそちらだけではない…」
オーロラには、木の神から授かった雷を使って、プラズマを作り出す能力がある。オーロラが腕から出したプラズマが、赤井隆の脚の近くに雷を生じさせた。
「グア!」
体勢を崩し、膝をつく赤井隆…
まあ、「VANE」内ではプラズマと表現しているが、実際は、球電を発生させるきっかけを作っているに過ぎない。
記憶喪失中の赤井隆ならともかく、「SAME」最終決戦時の赤井隆ならば…
赤井隆は、脚を負傷しながらも素早く負傷し、一歩だけ後ろに下がると、大剣のボタンを押し、剣先を発射した…
オーロラはそれを避けるが、大剣はチェーンで繋がり、赤井隆がそれを振るう事で、鞭のようにしなりオーロラの脚に絡み付いた。
球電から大剣へ電気が流れていき、オーロラと赤井隆へと伝わっていった。
「何をしている?我は雷の力を持つのだぞ?先に倒れるのは、どう考えても…」
「無駄口叩くな…」
赤井隆が、電気で痺れながら、大剣の鍔をオーロラの方へと向けた。
「VANE」で赤井隆が失ったものは、記憶と体力だけではない…「SAME」時に使用していた大剣もその一つだった…
「VANE」内でも同様の大剣を再現してみるも、物資不足から一部の機能は再現できなかった。
その1つが…
赤井隆は、大剣の鍔から複数の弾丸を飛ばした。
脚に大剣を巻き付けたのは、その攻撃から逃がさないためであった。
「シルバーブレッド…俺が任務に失敗したときのための銀の弾丸だ…貴重なものだが、あんたにくれてやる。」
実際に、「SAME」で魔物退治に2度使用したが、その度に組織からお叱りが来ていた貴重な弾である。
まあ、狼女であるオーロラを倒すにはちょうどいいと判断したのだろう…
オーロラは、銀の弾丸に撃たれ死んでいった。
風田の声は、私のところまでは届かなかったが、マミーのところまでは届いていた。
「哲也くんが悪いんだよ…突然いなくなっちゃうから…あの後…哲也くんと連絡がとれなくなって1ヶ月後…アイツは現れたの…」
「アイツ?」
「アイツは…私たちを恐怖の元に支配していったの…」
「ウッ…何故、こんな事をするだ、真美ちゃん!」
しかし、その声は、2体の狼の遠吠えにかき消され、私にまで届くことはなかった。
狼女のオーロラが、赤井隆に掴みかかる。
「我を倒したくば、その狼の力を見せてみろ!」
赤井隆は先ほど神西暦772年で見せた鬼と狼の力を両方使用した姿へと変わるが…
「その程度では我は倒せん!」
力では、鬼の力と狼の力の両方を使って五分といった状況であった。
まあ、実際、「VANE」では赤井隆と渡房太郎の協力の元、倒す事ができている。
「それが全力か?それとも力が五分で安心しているのか?…自分にはまだその剣があると…だがなあ、武器があるのはそちらだけではない…」
オーロラには、木の神から授かった雷を使って、プラズマを作り出す能力がある。オーロラが腕から出したプラズマが、赤井隆の脚の近くに雷を生じさせた。
「グア!」
体勢を崩し、膝をつく赤井隆…
まあ、「VANE」内ではプラズマと表現しているが、実際は、球電を発生させるきっかけを作っているに過ぎない。
記憶喪失中の赤井隆ならともかく、「SAME」最終決戦時の赤井隆ならば…
赤井隆は、脚を負傷しながらも素早く負傷し、一歩だけ後ろに下がると、大剣のボタンを押し、剣先を発射した…
オーロラはそれを避けるが、大剣はチェーンで繋がり、赤井隆がそれを振るう事で、鞭のようにしなりオーロラの脚に絡み付いた。
球電から大剣へ電気が流れていき、オーロラと赤井隆へと伝わっていった。
「何をしている?我は雷の力を持つのだぞ?先に倒れるのは、どう考えても…」
「無駄口叩くな…」
赤井隆が、電気で痺れながら、大剣の鍔をオーロラの方へと向けた。
「VANE」で赤井隆が失ったものは、記憶と体力だけではない…「SAME」時に使用していた大剣もその一つだった…
「VANE」内でも同様の大剣を再現してみるも、物資不足から一部の機能は再現できなかった。
その1つが…
赤井隆は、大剣の鍔から複数の弾丸を飛ばした。
脚に大剣を巻き付けたのは、その攻撃から逃がさないためであった。
「シルバーブレッド…俺が任務に失敗したときのための銀の弾丸だ…貴重なものだが、あんたにくれてやる。」
実際に、「SAME」で魔物退治に2度使用したが、その度に組織からお叱りが来ていた貴重な弾である。
まあ、狼女であるオーロラを倒すにはちょうどいいと判断したのだろう…
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風田の声は、私のところまでは届かなかったが、マミーのところまでは届いていた。
「哲也くんが悪いんだよ…突然いなくなっちゃうから…あの後…哲也くんと連絡がとれなくなって1ヶ月後…アイツは現れたの…」
「アイツ?」
「アイツは…私たちを恐怖の元に支配していったの…」
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