この異世界は、かつて私が創造した世界

時雨竜

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「悪川シリーズ」

「空白」四之巻

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「残り1分もないか…そんな状態で全体を攻撃できないため、全滅はムリか…ならば、タイムアップとなり手を引く前に、貴様たちだけでも始末しておこう。」
ソラと私と水本耕二みずもとこうじに向かって火球を放った。
「水本、石室にあった鏡はあるか?」
「ああ。これか?」
石室にあった円鏡…これは、天叢雲剣と同じく三種の神器の1つである八咫鏡ヤタノカガミ…それは鏡としても使えるが…
「ソラ、これを使え!」
描いていたときは違和感なかったし、ソラという名は、空白の時代を描くためであったが、声に出してみると、「そら、これを使え!」と呼び掛けているように聞こえてしまう。初連載作品とはいえ、もう少しひねりを加えた名前にしてもよかったかもしれない。
「…」
などと思いつつも、ソラに八咫鏡が渡った。
八咫鏡の能力は、特殊攻撃を相手に跳ね返す絶対的な盾…
火の神が放った火球が、そのまま火の神へと帰って行った。
「…「天に唾をかける」とか言ってな…なら、今のお前は向天吐唾…人に害をなそうとして結局自分に帰ってしまっている…そして、タイムアップだ…」
火の神は、悔しそうな顔を見せながらも、負傷した翼でふらつきながら、どこか南の方へ飛び去っていった。
一先ずはけりがついた。
詰んだと思ったときは、肝が冷えたが、実際は火の神への攻撃手段を考えると、この方法しかなかった。
「いやしかし、あんな遠くから水の壁を張れるとは思ってもみなかった。」
「水の壁?そんなものは張っていないが?こっちは、復活やら巨大つららやらでそんな事をやってる暇はなかったからな…」
「…」
ソラもコクコクと頷く。そこまで無口だったか?「空白」でも、もう少しは…いや…うん…確かに「空白」中盤から、他のキャラがよく話すためセリフ割り振ってなかったかもしれない。
「だとしたら、一体誰が?」
まあ、「一体誰が?」などと言いつつ、予想は立てられる。
前も言ったが、水を操れるとすれば、水本耕二と海波洋一みなみよういち
私たちと同行した海波は、過去にいるが、「キング」内で真田信繁さなだのぶしげとともに水の神と戦ったりした事もある。真田と言えば、今いる信濃にも関わりが深い…本来の歴史と違う上、「鬼火」内では出していないためどこに所属しているかは不明ながら、九州や四国に比べれば信濃にいたとしてもおかしくはない。
「キング」とは世界観が違うが、そういった若い頃の海波が、神と戦う私たちに興味本位で力を貸してくれた可能性はあった。
まあだからと言って連れていくわけにもいかないのだが…
「キング」で詳しく描いたが、水の神の力を持つ者は、過去が書き換えられたとき、元の歴史と書き換えられた歴史の記憶を持つことになる。ただ、過去で存在が消えるような事があれば消えることになる…
つまり、若い頃の海波洋一が同行して何かあれば、過去に置いてきた海波洋一も消えることになる。
ただまあ、時間を操る能力を使って、一度現代まで…「GAME」「SAME」の時代まで連れて行ってほしかったものではあるが…
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