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「悪川シリーズ」
「業火」
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赤井義経から話を聞いた私は耳を疑った。
服部半蔵の目的は、鬼の力と、それによる徳川家の天下統一…
しかし、話を聞く限りだと、徳川家の為には動いているようだが、この時代に…それどころか「鬼火」の世界観にいないはずの水本耕二を優先的に狙った理由がわからない。
それに、巨大な炎の鳥…「空白」「鬼火」の「悪川シリーズ」にそんなものはいない。私のキャラクターの中でそんなものがいるとすれば、「神西暦シリーズ」の「VANE」で登場した火の神のみだ…
火の神は、デザインは「VANE」で登場したが、「GAME」「SAME」でも名前は登場していた。
五行で、火に当たる朱雀を私なりにアレンジしてデザインした上で、火星に関連する神アレスや人類に火を与えたプロメテウスなどの要素も込められている。例えば、西暦1228年…神西暦元年に、火の神が世界中の言語を統一したのも、かつて人類に与えた火を言葉と解釈して、それを再び統一したためとしている。
そんなキャラクターが、「鬼火」の終盤で登場していいはずがない。
いや…「業火」ならば或いは…三坂との「鬼火」の打ち合わせで話していた「鬼火」の続編…そこには日本が神との戦いに入る様子が描かれるはずだった。仮に開始されていれば、「鬼火」と交代する形で連鎖していたことになるか…
実際の「鬼火」は、2003年に私が体調を崩すとともに「SAME」や「キング」と同時に終了したが、それよりも早く連載を中断していたことになるため、連載していたとすれば1999年あたりからか…
なるほど…「業火」か…構想のみだったが、「神西暦シリーズ」と「悪川シリーズ」を繋げるなら、通る道になる…
「業火」、打ち合わせ段階で一応ラストまでの構想はノートに描き上げた…まあ、あんな予告をするあたり三坂は話半分も聞いてなかったようではあるが…
1999年当時、空前の世紀末ブーム…ノストラダムスの大予言や世界滅亡など巷で流行っていた…私もその流れに乗り、「業火」では魔物を操っていたのを火の神とし、それと戦う人間との対決を描くつもりだった。
主人公は、継続をするかどうか悩み、打ち合わせ段階では決めかねていたが、掲載誌が同じで時代も同じなら継続した方が「鬼火」との繋がりを現しやすかったため、おそらく赤井義経のままだっただろう。
***
私がこの世界について考えている間にも会話は進んでいった。
負傷したことで人間として姿に戻った赤井義朝が最期の言葉をかけている。
「義経…お主は拙者の息子だ…」
「!…やはり、父上だったのですね…」
長い戦い、長い旅の中で自分と義朝の関係に気付いてはいたが、お互いあえて口に出さずにいた。
「お主に拙者の鬼の力を受け継いでもらいたい……お主には父らしいことを何一つできずに申し訳ない。そんな拙者の最期の願いだ……だから…聞き入れぬでいい。」
前者は、魔物の力に手を染めた服部半蔵を倒すため、鬼の力を守る一族としての言葉だったのだろう。そして、後者は、これ以上息子に戦いに行ってほしくないという父親としての言葉だった…
「父上ー!」
義経は、義朝から力を受け継ぎ鬼となった。
魔物のエネルギーにより折れていた骨も傷付いた体も元に戻り、二本の大剣を持つ鬼に変わった。
このまま行かせては「鬼火」の流れを変えられない。
「待て!服部半蔵を先に行くべき場所がある。地図はあるか?」
私の言葉を聞くなり、風が地図を開いた。
服部半蔵の目的は、鬼の力と、それによる徳川家の天下統一…
しかし、話を聞く限りだと、徳川家の為には動いているようだが、この時代に…それどころか「鬼火」の世界観にいないはずの水本耕二を優先的に狙った理由がわからない。
それに、巨大な炎の鳥…「空白」「鬼火」の「悪川シリーズ」にそんなものはいない。私のキャラクターの中でそんなものがいるとすれば、「神西暦シリーズ」の「VANE」で登場した火の神のみだ…
火の神は、デザインは「VANE」で登場したが、「GAME」「SAME」でも名前は登場していた。
五行で、火に当たる朱雀を私なりにアレンジしてデザインした上で、火星に関連する神アレスや人類に火を与えたプロメテウスなどの要素も込められている。例えば、西暦1228年…神西暦元年に、火の神が世界中の言語を統一したのも、かつて人類に与えた火を言葉と解釈して、それを再び統一したためとしている。
そんなキャラクターが、「鬼火」の終盤で登場していいはずがない。
いや…「業火」ならば或いは…三坂との「鬼火」の打ち合わせで話していた「鬼火」の続編…そこには日本が神との戦いに入る様子が描かれるはずだった。仮に開始されていれば、「鬼火」と交代する形で連鎖していたことになるか…
実際の「鬼火」は、2003年に私が体調を崩すとともに「SAME」や「キング」と同時に終了したが、それよりも早く連載を中断していたことになるため、連載していたとすれば1999年あたりからか…
なるほど…「業火」か…構想のみだったが、「神西暦シリーズ」と「悪川シリーズ」を繋げるなら、通る道になる…
「業火」、打ち合わせ段階で一応ラストまでの構想はノートに描き上げた…まあ、あんな予告をするあたり三坂は話半分も聞いてなかったようではあるが…
1999年当時、空前の世紀末ブーム…ノストラダムスの大予言や世界滅亡など巷で流行っていた…私もその流れに乗り、「業火」では魔物を操っていたのを火の神とし、それと戦う人間との対決を描くつもりだった。
主人公は、継続をするかどうか悩み、打ち合わせ段階では決めかねていたが、掲載誌が同じで時代も同じなら継続した方が「鬼火」との繋がりを現しやすかったため、おそらく赤井義経のままだっただろう。
***
私がこの世界について考えている間にも会話は進んでいった。
負傷したことで人間として姿に戻った赤井義朝が最期の言葉をかけている。
「義経…お主は拙者の息子だ…」
「!…やはり、父上だったのですね…」
長い戦い、長い旅の中で自分と義朝の関係に気付いてはいたが、お互いあえて口に出さずにいた。
「お主に拙者の鬼の力を受け継いでもらいたい……お主には父らしいことを何一つできずに申し訳ない。そんな拙者の最期の願いだ……だから…聞き入れぬでいい。」
前者は、魔物の力に手を染めた服部半蔵を倒すため、鬼の力を守る一族としての言葉だったのだろう。そして、後者は、これ以上息子に戦いに行ってほしくないという父親としての言葉だった…
「父上ー!」
義経は、義朝から力を受け継ぎ鬼となった。
魔物のエネルギーにより折れていた骨も傷付いた体も元に戻り、二本の大剣を持つ鬼に変わった。
このまま行かせては「鬼火」の流れを変えられない。
「待て!服部半蔵を先に行くべき場所がある。地図はあるか?」
私の言葉を聞くなり、風が地図を開いた。
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