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「悪川シリーズ」
「鬼火」弐之巻
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魔身血社を率いていたのは、魔族ではなく神でも天使でもなく、人であった。そもそも、「空白」のように人間の集落が少ない時点ならともかく、他の国にも人間が多くいる中で日本に集まったのは…魔族の存在を知ったある人物によって魔族たちが誘き寄せられたからであった。
その人物は、三代目服部半蔵。
徳川家康に天下を取らせるため、魔族を呼び寄せ、日本各地を混乱させ国力を落としていた。
そのため、魔身血社の魔族が出現したのは、「慶長5年の管理統治」と呼ばれる大逆転の戦で信長軍の同盟国のみ。
魔身血社の魔族13体は、妖怪関係の伝承があるものから選ばれた。
・鼬
・猪
・鱓
・鴉
・獺
・狐
・海月
・躄蟹
・猿
・狸
・鯰
・猫
・梟
本来なら、それら13体を倒した後、三代目服部半蔵を倒すことで、織田信長が征夷大将軍となり現実世界と違うということを表すはずだった。
だが、作品終了に迫ってきたところで、最終決戦前に三坂という担当に変わり…その三坂が突然、私に打ち合わせも無しに、浦上成宗が信長や秀吉とともに各武将と戦う天下分け目の大戦をし、その裏で赤井義経も、三代目服部半蔵や新たな魔族を戦うことを予告したのだ…
いや、理由はいくつか考えられる。あの当時、雑誌の看板となっていたのは「鬼火」と卯和島竜也の「BABEL 宇宙エレベーターとして天に向かって伸びる螺旋の状のソレ」だったが、卯和島竜也の逮捕により連載打ち切りとなり「鬼火」のみとなっていた状態だった…
だからといってあの方法は…
あおり文や柱なら、まだ良かった…私が最終決戦に入る手前で三作の連載を掛け持ちで体調を崩し休載をしたその号で、16ページに渡ってそれまでのあらすじとともに予告を載せたのだ…
私は編集部や小室さんに抗議したが、小室さんには繋がらず、編集部からは「何分、新人なもので…今後、このような事がないように努めます。」という平謝りのみ…
私は怒りを覚えた…予告を無視して作品を終わらせてしまおうとも考えたが、予告の中には、新しく登場する魔族のデザインのラフまで載っていた。
確かにそれは私の描いたものであったが、それは同時進行で連載していた「SAME」および、構想中のその続編(後の「VANE」)で用意していたものだ…おそらく、それぞれの編集には家の鍵を預けていたので、体調を崩した私が家にいない間に自分たちの作品のものと思い、持っていったのだろう。
予告の内容が完全な嘘かと言われれば、そうでもない。三坂との最初で最後の打ち合わせで、看板作品が抜けて困ると言うなら、「三代目服部半蔵を倒してから、天下分け目の戦いを描いてもいい。」とは話した。ただ、「三代目服部半蔵倒してから」、主人公も敵も変えて「鬼火」の後の話として「天下分け目の戦いを描いてもいい。」と言っただけだ…尾ひれが付くにもほどがある。
そもそも、三坂がその2つ前の号で原稿を紛失したりしなければ、ここまで過密なスケジュールにはならなかったというのに…
思い出していくと、あのときの怒りが甦ってくる。
その人物は、三代目服部半蔵。
徳川家康に天下を取らせるため、魔族を呼び寄せ、日本各地を混乱させ国力を落としていた。
そのため、魔身血社の魔族が出現したのは、「慶長5年の管理統治」と呼ばれる大逆転の戦で信長軍の同盟国のみ。
魔身血社の魔族13体は、妖怪関係の伝承があるものから選ばれた。
・鼬
・猪
・鱓
・鴉
・獺
・狐
・海月
・躄蟹
・猿
・狸
・鯰
・猫
・梟
本来なら、それら13体を倒した後、三代目服部半蔵を倒すことで、織田信長が征夷大将軍となり現実世界と違うということを表すはずだった。
だが、作品終了に迫ってきたところで、最終決戦前に三坂という担当に変わり…その三坂が突然、私に打ち合わせも無しに、浦上成宗が信長や秀吉とともに各武将と戦う天下分け目の大戦をし、その裏で赤井義経も、三代目服部半蔵や新たな魔族を戦うことを予告したのだ…
いや、理由はいくつか考えられる。あの当時、雑誌の看板となっていたのは「鬼火」と卯和島竜也の「BABEL 宇宙エレベーターとして天に向かって伸びる螺旋の状のソレ」だったが、卯和島竜也の逮捕により連載打ち切りとなり「鬼火」のみとなっていた状態だった…
だからといってあの方法は…
あおり文や柱なら、まだ良かった…私が最終決戦に入る手前で三作の連載を掛け持ちで体調を崩し休載をしたその号で、16ページに渡ってそれまでのあらすじとともに予告を載せたのだ…
私は編集部や小室さんに抗議したが、小室さんには繋がらず、編集部からは「何分、新人なもので…今後、このような事がないように努めます。」という平謝りのみ…
私は怒りを覚えた…予告を無視して作品を終わらせてしまおうとも考えたが、予告の中には、新しく登場する魔族のデザインのラフまで載っていた。
確かにそれは私の描いたものであったが、それは同時進行で連載していた「SAME」および、構想中のその続編(後の「VANE」)で用意していたものだ…おそらく、それぞれの編集には家の鍵を預けていたので、体調を崩した私が家にいない間に自分たちの作品のものと思い、持っていったのだろう。
予告の内容が完全な嘘かと言われれば、そうでもない。三坂との最初で最後の打ち合わせで、看板作品が抜けて困ると言うなら、「三代目服部半蔵を倒してから、天下分け目の戦いを描いてもいい。」とは話した。ただ、「三代目服部半蔵倒してから」、主人公も敵も変えて「鬼火」の後の話として「天下分け目の戦いを描いてもいい。」と言っただけだ…尾ひれが付くにもほどがある。
そもそも、三坂がその2つ前の号で原稿を紛失したりしなければ、ここまで過密なスケジュールにはならなかったというのに…
思い出していくと、あのときの怒りが甦ってくる。
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