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「チェスシリーズ」
「キング」2
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真田信繁、西暦1567年(神西暦になおすと340年)から西暦1615年(神西暦388年)まで生きた日本の武将。軍略に長け、安土桃山時代から江戸時代初期の中でも代表的な英雄として伝えられている。「キング」内でも妖刀村正を手に、海波洋一とともに、水の神と戦った。
そんな信繁と海波洋一のファーストコンタクト…水の神に逃げられた海波は、木陰に身を隠していた信繁に気付き、その方向に銃を向ける。最終的に、妖刀村正の力を見せるため、上部の岩を斬り、堕ちてきた岩で攻撃を防ぐことにしたが、ボツ案では上杉景勝より不思議な力を持つ海波の事を伝え聞いていた真田信繁が、交渉するというものもあった。
しかし、海波は簡単な条件で攻撃を辞めるキャラクターではなく、信繁も海波というキャラクターを知らなすぎたため、自分の中でボツにした。
「おい!早くしろ!カウントダウンだ…10…」
これは「キング」でもやった1で撃つやつだ。連載時繰り返し観ていた映画からの受け売りのネタだ…などと解説している場合ではない。これは急いだ方がいい。
「家族の敵を取りたいようだが、水の神を倒せれば満足か?」
私は真田信繁よりは海波洋一という男を知っている。
「貴様…何を知っている?顔を見せろ!」
私はゆっくりと顔を出した。
「私の名は松平雷平…」
私は名乗りながら、海波の銃が下に下ろされていることを確認した。
「私は、お前の家族を殺した神たちについて知っている。」
「神たち?」
「ああ。水の神しか心当たりがないだろうが、実際はもう1体の神が加担していた。」
心当たりが無いのもムリはない。「キング」での伏線は、第1話の4コマのみ…読者の中には水の神の能力だけでは不可能という事に気付いた者もいたが、海波が気付くという事は考えにくい。
海波洋一の家族が逃げる時に、ドアノブや鍋などの金属が液体のようになって、それを水の神が操る場面があるが、水の神は水や時間などの流体を操ることはできても金属などの物体を液体に変えることはできない。
それを火の神の力と予想する者もいたが、実際は金の神によるもの。
そのために、続く「ルーク」や、「ナイト」の加筆分では、金の神を登場させた。
***
海波洋一と水本耕二とともに、岩の几を囲むように座った。自分の漫画のキャラクターと、こうして顔を合わせることになろうとは、漫画家になった当時は…いや、つい昨日まで想像もしなかった。
「それじゃあ何か?お前が言うには水の神だけじゃなく、金の神が俺の家族を奪ったと?」
海波洋一は、岩の几に足をかけ、日向夏をかぶりつく。こういった悪態が、このキャラの人気の理由だが、実際にされると少し腹が立つ。
「ああ。それだけじゃあない。君は水の神を倒すまで時間を繰り返すも、結局、そこの水本耕二くんが水の神を倒すための犠牲となり、その水本耕二くんも水の神を倒した後で金の神によって倒される。」
まだ始まってもない戦いの末路のネタバレに、海波洋一も水本耕二も言葉を失っていた。
「だが、方法自体は悪くなかった。私の考え通りなら犠牲無しで神に勝てる…かもしれない…」
「かもしれないだと、随分あやふやな言葉だな。」
そう言いながら、岩の几をドンと蹴った…かなりの重さがあるはずの岩が少し揺れたようだった。
水本耕二の方も、無言ではあるが、ナイフを持ちながら不満そうな顔でこちらを見ている。
「ああ。だが、二人の犠牲を出して半分も成し遂げられなかったよりはいいはずだ…もし、このまま、戦いをしなければ、海波洋一君は家族の仇を討てず、水本耕二君は神の傀儡になる人生が待っている。」
二人の顔が暗く沈んでいった…海波はもう少し刺激すれば、背中の銃を抜こうかという勢いだった。
「…方法だけでも聞いておこうか…」
「800年前…水の神の能力の一部を封印した錬金術師がいた…まずはそこに行った方がいい。」
そんな信繁と海波洋一のファーストコンタクト…水の神に逃げられた海波は、木陰に身を隠していた信繁に気付き、その方向に銃を向ける。最終的に、妖刀村正の力を見せるため、上部の岩を斬り、堕ちてきた岩で攻撃を防ぐことにしたが、ボツ案では上杉景勝より不思議な力を持つ海波の事を伝え聞いていた真田信繁が、交渉するというものもあった。
しかし、海波は簡単な条件で攻撃を辞めるキャラクターではなく、信繁も海波というキャラクターを知らなすぎたため、自分の中でボツにした。
「おい!早くしろ!カウントダウンだ…10…」
これは「キング」でもやった1で撃つやつだ。連載時繰り返し観ていた映画からの受け売りのネタだ…などと解説している場合ではない。これは急いだ方がいい。
「家族の敵を取りたいようだが、水の神を倒せれば満足か?」
私は真田信繁よりは海波洋一という男を知っている。
「貴様…何を知っている?顔を見せろ!」
私はゆっくりと顔を出した。
「私の名は松平雷平…」
私は名乗りながら、海波の銃が下に下ろされていることを確認した。
「私は、お前の家族を殺した神たちについて知っている。」
「神たち?」
「ああ。水の神しか心当たりがないだろうが、実際はもう1体の神が加担していた。」
心当たりが無いのもムリはない。「キング」での伏線は、第1話の4コマのみ…読者の中には水の神の能力だけでは不可能という事に気付いた者もいたが、海波が気付くという事は考えにくい。
海波洋一の家族が逃げる時に、ドアノブや鍋などの金属が液体のようになって、それを水の神が操る場面があるが、水の神は水や時間などの流体を操ることはできても金属などの物体を液体に変えることはできない。
それを火の神の力と予想する者もいたが、実際は金の神によるもの。
そのために、続く「ルーク」や、「ナイト」の加筆分では、金の神を登場させた。
***
海波洋一と水本耕二とともに、岩の几を囲むように座った。自分の漫画のキャラクターと、こうして顔を合わせることになろうとは、漫画家になった当時は…いや、つい昨日まで想像もしなかった。
「それじゃあ何か?お前が言うには水の神だけじゃなく、金の神が俺の家族を奪ったと?」
海波洋一は、岩の几に足をかけ、日向夏をかぶりつく。こういった悪態が、このキャラの人気の理由だが、実際にされると少し腹が立つ。
「ああ。それだけじゃあない。君は水の神を倒すまで時間を繰り返すも、結局、そこの水本耕二くんが水の神を倒すための犠牲となり、その水本耕二くんも水の神を倒した後で金の神によって倒される。」
まだ始まってもない戦いの末路のネタバレに、海波洋一も水本耕二も言葉を失っていた。
「だが、方法自体は悪くなかった。私の考え通りなら犠牲無しで神に勝てる…かもしれない…」
「かもしれないだと、随分あやふやな言葉だな。」
そう言いながら、岩の几をドンと蹴った…かなりの重さがあるはずの岩が少し揺れたようだった。
水本耕二の方も、無言ではあるが、ナイフを持ちながら不満そうな顔でこちらを見ている。
「ああ。だが、二人の犠牲を出して半分も成し遂げられなかったよりはいいはずだ…もし、このまま、戦いをしなければ、海波洋一君は家族の仇を討てず、水本耕二君は神の傀儡になる人生が待っている。」
二人の顔が暗く沈んでいった…海波はもう少し刺激すれば、背中の銃を抜こうかという勢いだった。
「…方法だけでも聞いておこうか…」
「800年前…水の神の能力の一部を封印した錬金術師がいた…まずはそこに行った方がいい。」
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