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四章 一人ぼっちの君たちへ
第二十九話 歩み寄り
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軍師の私兵軍のもう一つの軍隊「魔騎兵」。その兵数は「極騎兵」の四分の一にも満たないが、この兵が作られたことにより、軍師のヴィルヘルを露骨に邪険にするようになった役人たちは居なくなった。
何故、知能的にも文明的にも圧倒的に勝っていたはずの人間が、かつて魔王軍に国土の七、八割を奪われてしまったのか。それは、魔力を使えたのか否かが大きく関わっていると言われている。
その圧倒的なエネルギー。家庭で使われる電気エネルギーや熱エネルギー諸々に代替出来るその力を自身で生成できるということは、戦力的にもあまりに魅力的であった。使い方次第では、まるで手品のように口から火を吹いたり、念力が使えたり、電流を放電したりできたのだ。
魔王や、知能の高いヴァンパイアに並ぶ高等魔族たちがその魔力を効果的に使用する方法を編み出してしまった為、人間は後退せざるを得なくなってしまった。
話を戻す。
軍師私有軍「魔騎兵」。魔結晶によって魔力を使うことができ、その練度は知能の差で魔族よりも圧倒的に高い。そのような兵で作られた精鋭部隊だ。
「さて、現在の魔族の長、魔王軍の元官軍指揮官、カストディオ卿。俺たちは別に戦いに来たわけじゃない、ちょっとお話でもしませんか?」
「知らん顔じゃの、若き者よ。儂の様な爺さんをナンパするとは、もしや変態か?」
「あははっ、良いねぇ、この兵力差にも全く物怖じしないなんてね。そういや自己紹介がまだだったな、初めまして、俺はルイーヌ・アルベリック。この軍の責任者さ」
総勢百にも満たないカストディオ率いる魔族の兵たち。王国の一般の騎士団も合わせ、ルイーヌの率いる魔騎兵の総数はおよそ二千。先日のシルビアとの戦闘で精神的に疲弊している魔族たちを見るからに、戦ったところで結果はすでに分かっているようなものだった。
純白の長いターバンをゆらゆらと揺らしながら、ルイーヌは馬に乗ったまま一人で魔族に近づいていく。同じくカストディオもまた一人でルイーヌのもとへと歩み寄っていく。
隠れ家にしている小さな町を背後に、魔族たちは自らの町を守る為、戦いに適さない女子供を守る為、砂漠の上で強大な兵と対峙している。
「頭が高くないか、若き者。ルイーヌよ」
「すいませんね、馬に乗ってないと落ち着かないんですよ。まぁ、あなたが今展開しているこの結界を解いてくれたら、降りてもいいんだけどね。それより、あなたが俺に指図できるような立場じゃないことくらい、分かってますよね?」
「なるほど。お前が望むのは、対話ではなく脅迫か」
「まぁ、そう思ってくれても構いませんよ。あくまで俺が望むのは対話ですけどね」
爽やかな微笑の裏に映る黒い影、カストディオのほりの深い目が益々訝しげに陰る。
しかし、互いが互いの考えを読めておらず、訝しげな目をしているのはルイーヌもまた同じであった。
「ふん、生意気に人間風情が結界を探知できるようになっていたとはな。それで、儂がここ近辺の警護に当たらせていた数名の同志たちの連絡が途切れているのだが、そのことも頭に入れた上で、儂に何の用じゃ?」
「いやー、今日は本当に熱いね。まるで蒸されているようだ、あ、ちょっと水を飲んで良いかな?」
「…………」
「あはは、そんな恐い顔しないでよ」
道化師同士の騙し合い。どちらかの仮面が剥がれた方の負けだ。
カストディオのビリビリとした刺すような圧を裏切るかのように、ルイーヌは悠々と水筒を煽った。しかし、カストディオの無機質な仮面は全く動かない、ルイーヌは困ったように微笑む。
「戦いに来たわけじゃないっていうのは、本当だよ。俺は互いに有益な提案をしに来たんだ」
「知っておる、儂の使う『結界』と魔族特有の魔力を奪いに来たのであろう。さしずめ、今からお前の言う提案とは、殺さないからその二つをよこせと言うわけだろう」
「奪いに来ただなんて、そんな物騒なことは言わないから安心してよ。確かに、俺達はあなたの使う『結界』の技術と、魔族の持つ魔力が喉から手が出るくらい欲しいよ。でも奪おうだなんてことは思っていない、もう戦争は終わったんだ、互いの欠点を補っていくことの方が互いの種族の未来にとってとても明るいものだと思うんだよ。助け合いの精神さ。そこで一つ提案だ、魔族側が一定量の魔力と、その結界の技術を人間側に提供してくれたら、俺達はこの知能や文明を生かした、安心して魔族のみんなが笑顔で暮らせる区画を提供しよう。農耕や、教育に関した知識も提供することを約束しよう」
「教育、か………」
前魔王も常々言っていたし、カストディオ自身も痛いほど身に染みていた。今の魔族に最も必要なのは『教育』だ。
元々頭のつくりが優れている上級魔族と、文字の読み書きすら全然ままならない下級魔族。生まればかりはどうしようもないが、下級魔族の知能を少しでも引き上げることが出来れば、上級魔族の知能をさらに上げることが出来れば、もっと有能な魔族が出てきて未来に繋いでいくことが出来る。
「魔族の教育がままならない大きな理由は、教える側の人材が圧倒的に不足しているという点だ。唯一教える側に立つことの出来る少数の上級魔族は、魔族の中枢で態勢を整えることで手一杯だった。そもそも、下級魔族の数と上級魔族の数があまりにも離れすぎている。そこでだ、俺たちがその教育に介入することで、その不足は補える。あなたの言う通り俺は若いです、だからあまり人間と魔族の軋轢なんてものは分からない。だからこそ、こんな提案が出来て、埋まることの無かった魔族と人間の溝を埋めることが出来る。今まで俺たちがあなたたちに行ったことも、あなたたちが俺たちに行ったことも水に流して、ね?これからは助け合っていこうじゃないですか」
次第に熱がこもって、力強く語るルイーヌの目には涙が浮かんでいた。
カストディオに差し出されるルイーヌの右手。
「その話、お前等の軍師のヴィルヘルが言っていたらまた違った結果になっていたじゃろうにな」
カストディオはルイーヌの手に唾を吐きかけた。
「なっ!?」
「教育と呼べば聞こえはいいかもしれぬが、あれは言い方を替えれば『洗脳』と変わりない。お前が馬から降りぬのが、このような脅迫まがいの軍隊を背後に置いていることが良い証拠じゃ。誠意の感じられぬ敵の絵空事にどうして乗ることが出来ようか。そもそも人間と魔族が歩み寄ること自体が不可能なのじゃ、人間の方は知らぬが魔族の者たちはお前等と慣れあうことを良しとしておらん。それは何故か、教育が行き届いておらぬからじゃ。人間は自分たちの友を、家族を、子を、恋人を、魔王様を殺した奴等だとしか認識しておらんのじゃ。もっとよくものを考えて口を開け、若造が。儂らと交渉をしたくば、好条件では無く最大限の誠意を見せる事じゃな」
「この………クソ爺ぃが………」
手の甲についたカストディオの唾をごしごしと服で拭き、ルイーヌの目尻は怒りを抑えきらずピクピクと動いている。
しかしその目線を意に介さず、数分前にルイーヌがやっていたように、カストディオも「喉が渇くのぉ」と言いながら腰にぶら下げていたとっくりをグイっと呷った。
「………良いのかよ、あんたにはこの目の前の兵数が見えていないのか!?頭の良いあんたなら分かってるだろ、この条件を飲んでも飲まなくても、あんたたちを待つ結果は一緒だろうが!」
とっくりから口を離し、額に浮かぶ汗を拭う。そしてニヤリとカストディオが笑った。ルイーヌの目に初めて映る、怪しげな老人の無機質な微笑み。思わず背筋に冷たい汗がつたう。
そんな中、カストディオの脳内に思い浮かぶのは、不律と共に考えたとある策の事であった。
『カストディオさん。戦ったら絶対に負けると分かっているのなら、戦わなければ良いんすよ。強い相手とは戦わない、これが負けないコツです』
『不律様、口ではそう簡単に言いますがのぉ………』
『まぁ、まぁ、よく聞いて下さいよ。俺も人間なんすから、人間の弱いところなんて手に取るように分かります。こんな言葉を知ってますか?長所をひっくり返せば、それはたちまち短所に変わるって。つまり、人間の長所はその豊富な知能や高度な文明です。それを裏返せば、人間は自分の分からないことが、理解し得ない事象がどうしようもなく怖いってことです』
『ふむ、なるほど。しかし魔力の存在がこの世界に知られてしまっているこの世界で、何か不可解に感じることなどありましょうか?』
『うーん、例えば、急に足元が無くなるとかスゲー怖いっすよね!』
『満面の笑みで、簡単に恐ろしいこと言いますのぉ………』
『えっと、あとは───』
『───急に独りぼっちになるっていうのは恐いらしいですよ。俺はずっとぼっちだったんでよく分かりませんけど』
何故、知能的にも文明的にも圧倒的に勝っていたはずの人間が、かつて魔王軍に国土の七、八割を奪われてしまったのか。それは、魔力を使えたのか否かが大きく関わっていると言われている。
その圧倒的なエネルギー。家庭で使われる電気エネルギーや熱エネルギー諸々に代替出来るその力を自身で生成できるということは、戦力的にもあまりに魅力的であった。使い方次第では、まるで手品のように口から火を吹いたり、念力が使えたり、電流を放電したりできたのだ。
魔王や、知能の高いヴァンパイアに並ぶ高等魔族たちがその魔力を効果的に使用する方法を編み出してしまった為、人間は後退せざるを得なくなってしまった。
話を戻す。
軍師私有軍「魔騎兵」。魔結晶によって魔力を使うことができ、その練度は知能の差で魔族よりも圧倒的に高い。そのような兵で作られた精鋭部隊だ。
「さて、現在の魔族の長、魔王軍の元官軍指揮官、カストディオ卿。俺たちは別に戦いに来たわけじゃない、ちょっとお話でもしませんか?」
「知らん顔じゃの、若き者よ。儂の様な爺さんをナンパするとは、もしや変態か?」
「あははっ、良いねぇ、この兵力差にも全く物怖じしないなんてね。そういや自己紹介がまだだったな、初めまして、俺はルイーヌ・アルベリック。この軍の責任者さ」
総勢百にも満たないカストディオ率いる魔族の兵たち。王国の一般の騎士団も合わせ、ルイーヌの率いる魔騎兵の総数はおよそ二千。先日のシルビアとの戦闘で精神的に疲弊している魔族たちを見るからに、戦ったところで結果はすでに分かっているようなものだった。
純白の長いターバンをゆらゆらと揺らしながら、ルイーヌは馬に乗ったまま一人で魔族に近づいていく。同じくカストディオもまた一人でルイーヌのもとへと歩み寄っていく。
隠れ家にしている小さな町を背後に、魔族たちは自らの町を守る為、戦いに適さない女子供を守る為、砂漠の上で強大な兵と対峙している。
「頭が高くないか、若き者。ルイーヌよ」
「すいませんね、馬に乗ってないと落ち着かないんですよ。まぁ、あなたが今展開しているこの結界を解いてくれたら、降りてもいいんだけどね。それより、あなたが俺に指図できるような立場じゃないことくらい、分かってますよね?」
「なるほど。お前が望むのは、対話ではなく脅迫か」
「まぁ、そう思ってくれても構いませんよ。あくまで俺が望むのは対話ですけどね」
爽やかな微笑の裏に映る黒い影、カストディオのほりの深い目が益々訝しげに陰る。
しかし、互いが互いの考えを読めておらず、訝しげな目をしているのはルイーヌもまた同じであった。
「ふん、生意気に人間風情が結界を探知できるようになっていたとはな。それで、儂がここ近辺の警護に当たらせていた数名の同志たちの連絡が途切れているのだが、そのことも頭に入れた上で、儂に何の用じゃ?」
「いやー、今日は本当に熱いね。まるで蒸されているようだ、あ、ちょっと水を飲んで良いかな?」
「…………」
「あはは、そんな恐い顔しないでよ」
道化師同士の騙し合い。どちらかの仮面が剥がれた方の負けだ。
カストディオのビリビリとした刺すような圧を裏切るかのように、ルイーヌは悠々と水筒を煽った。しかし、カストディオの無機質な仮面は全く動かない、ルイーヌは困ったように微笑む。
「戦いに来たわけじゃないっていうのは、本当だよ。俺は互いに有益な提案をしに来たんだ」
「知っておる、儂の使う『結界』と魔族特有の魔力を奪いに来たのであろう。さしずめ、今からお前の言う提案とは、殺さないからその二つをよこせと言うわけだろう」
「奪いに来ただなんて、そんな物騒なことは言わないから安心してよ。確かに、俺達はあなたの使う『結界』の技術と、魔族の持つ魔力が喉から手が出るくらい欲しいよ。でも奪おうだなんてことは思っていない、もう戦争は終わったんだ、互いの欠点を補っていくことの方が互いの種族の未来にとってとても明るいものだと思うんだよ。助け合いの精神さ。そこで一つ提案だ、魔族側が一定量の魔力と、その結界の技術を人間側に提供してくれたら、俺達はこの知能や文明を生かした、安心して魔族のみんなが笑顔で暮らせる区画を提供しよう。農耕や、教育に関した知識も提供することを約束しよう」
「教育、か………」
前魔王も常々言っていたし、カストディオ自身も痛いほど身に染みていた。今の魔族に最も必要なのは『教育』だ。
元々頭のつくりが優れている上級魔族と、文字の読み書きすら全然ままならない下級魔族。生まればかりはどうしようもないが、下級魔族の知能を少しでも引き上げることが出来れば、上級魔族の知能をさらに上げることが出来れば、もっと有能な魔族が出てきて未来に繋いでいくことが出来る。
「魔族の教育がままならない大きな理由は、教える側の人材が圧倒的に不足しているという点だ。唯一教える側に立つことの出来る少数の上級魔族は、魔族の中枢で態勢を整えることで手一杯だった。そもそも、下級魔族の数と上級魔族の数があまりにも離れすぎている。そこでだ、俺たちがその教育に介入することで、その不足は補える。あなたの言う通り俺は若いです、だからあまり人間と魔族の軋轢なんてものは分からない。だからこそ、こんな提案が出来て、埋まることの無かった魔族と人間の溝を埋めることが出来る。今まで俺たちがあなたたちに行ったことも、あなたたちが俺たちに行ったことも水に流して、ね?これからは助け合っていこうじゃないですか」
次第に熱がこもって、力強く語るルイーヌの目には涙が浮かんでいた。
カストディオに差し出されるルイーヌの右手。
「その話、お前等の軍師のヴィルヘルが言っていたらまた違った結果になっていたじゃろうにな」
カストディオはルイーヌの手に唾を吐きかけた。
「なっ!?」
「教育と呼べば聞こえはいいかもしれぬが、あれは言い方を替えれば『洗脳』と変わりない。お前が馬から降りぬのが、このような脅迫まがいの軍隊を背後に置いていることが良い証拠じゃ。誠意の感じられぬ敵の絵空事にどうして乗ることが出来ようか。そもそも人間と魔族が歩み寄ること自体が不可能なのじゃ、人間の方は知らぬが魔族の者たちはお前等と慣れあうことを良しとしておらん。それは何故か、教育が行き届いておらぬからじゃ。人間は自分たちの友を、家族を、子を、恋人を、魔王様を殺した奴等だとしか認識しておらんのじゃ。もっとよくものを考えて口を開け、若造が。儂らと交渉をしたくば、好条件では無く最大限の誠意を見せる事じゃな」
「この………クソ爺ぃが………」
手の甲についたカストディオの唾をごしごしと服で拭き、ルイーヌの目尻は怒りを抑えきらずピクピクと動いている。
しかしその目線を意に介さず、数分前にルイーヌがやっていたように、カストディオも「喉が渇くのぉ」と言いながら腰にぶら下げていたとっくりをグイっと呷った。
「………良いのかよ、あんたにはこの目の前の兵数が見えていないのか!?頭の良いあんたなら分かってるだろ、この条件を飲んでも飲まなくても、あんたたちを待つ結果は一緒だろうが!」
とっくりから口を離し、額に浮かぶ汗を拭う。そしてニヤリとカストディオが笑った。ルイーヌの目に初めて映る、怪しげな老人の無機質な微笑み。思わず背筋に冷たい汗がつたう。
そんな中、カストディオの脳内に思い浮かぶのは、不律と共に考えたとある策の事であった。
『カストディオさん。戦ったら絶対に負けると分かっているのなら、戦わなければ良いんすよ。強い相手とは戦わない、これが負けないコツです』
『不律様、口ではそう簡単に言いますがのぉ………』
『まぁ、まぁ、よく聞いて下さいよ。俺も人間なんすから、人間の弱いところなんて手に取るように分かります。こんな言葉を知ってますか?長所をひっくり返せば、それはたちまち短所に変わるって。つまり、人間の長所はその豊富な知能や高度な文明です。それを裏返せば、人間は自分の分からないことが、理解し得ない事象がどうしようもなく怖いってことです』
『ふむ、なるほど。しかし魔力の存在がこの世界に知られてしまっているこの世界で、何か不可解に感じることなどありましょうか?』
『うーん、例えば、急に足元が無くなるとかスゲー怖いっすよね!』
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