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三章 人って自分の事ばかり考えるよな。あ、俺もか。
第二十四話 心打たれて
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というわけで今俺とカストディオさんは浴室の手前の扉で聞き耳を立てています。カストディオさんは近年稀に見る、(俺にとって)話の分かる人のようです。いや、口では何だかんだ言っても、やっぱり「勇者」と「魔族」っていう敵対する者同士だし、何があるか分からないしね!あくまでこれは防災活動なので勘違いしないでほしい。
ん?失神していて気分が悪かったんじゃないかって?
この状況で立ち上がれない人間はきっと男ではないだろ?そういうことさ。いや、だからって別にやましい気持ちがあるわけでは無くてうんぬんかんぬん。
「ふふっ、不律様だけですぞ、こんな行為を許すのは」
「採用基準がよく分からないですけど、ありがたく享受させていただきますね」
二人はピタリと、耳を扉に押し当てた。
『あ、あの、体に巻く用の布地なんかはありませんか?』
『どうしテ?………あ、わかった。ふふん、このワタクシの完璧なスタイルに怖気づいたんだネ!』
『え、あ、はぁ………あ、ありました』
何でだろう、扉の向こうの会話を聞けば聞くぶん、ベアトリーチェのキャラクターというかイメージがアホっぽくなっていくな。シルビアもシルビアで挑発にまるで乗らないし。なんだろう、胸のドキドキが段々とハラハラに変わってきた気がする。うん、なんだか親の気分。
『なっ、そ、そんな態度をとっていて良いと思っているノ?』
『なにがでしょうか、っと。うん、後ろまで巻けました。早くお風呂に入らないと風邪ひきますよ?』
『ぐぬぬ、良い!?男性というのは得てしてスタイルの良い女性を好むというもの!そう、不律さんもその例外ではない。これが何を意味するかわかル?』
びっくりする偏見ですな。俺は別に偏った性的思考は持ち合わせていないけど、俺が元いた世界にはむしろシルビアの様なスタイルを、いやそれより二回りくらい幼い女の子を愛でる紳士さんもたくさん居たんだよ?まぁ、でも、やっぱりどの女性をも一番際立たせて魅せてくれるのはロングスカートだけどね!
っていうか、何で俺の名前が出てきたのだろうか?カストディオさんは何故か眉間を寄せて頭を抱えているし。
『意味するも何も、不律さんは人間ですし、貴方は魔族ではないですか?人間が動物に特別な感情を抱かない様に、魔族と人の間には何も意味をなさないはずですよ?』
『何だか今、サラッと凄く馬鹿にされた気がしたけど、まぁ、その甘い考えに免じて許してあげル。勇者、あなたは不律さんが魔王の姿に変われることを知らないとでもいうノ?そんなわけないよね、ここから導き出せる答えは簡単………』
『え、まさか………』
『そう!不律さんは魔族とも関係を成せるというこト!ふふん、あなたみたいな貧相な乳にワタクシが負けるわけなイ、不律さんの目をワタクシが釘付けにしてあげるんだかラ!女性をより妖艶に見せるというこのお風呂を上がりが勝負だヨ』
『あうぅ………そ、そんな』
ここからは珍しく勇者さんが押されている場面が続き、二人がガラガラと風呂場に入っていった。
二人は浴場に入ってからも何かを言い合ってはいるようだが如何せん声がくぐもって聞こえづらい。俺は扉から耳を離した。
「カストディオさん、あんた自分の娘に何を吹き込んでいるんですか?」
「おっと、そろそろヴェベールの手伝いにでも行くとするかの!では不律様、もとの寝室でゆっくりお休みくだされっ」
あっという間にこの場から去っていく元気すぎるご老人。………逃げたな。
………………
「さぁっ、不律殿!起きて下されっ!」
「んにゅ………」
なんだなんだ。何でさっき、俺は幼女みたいな反応をして起きた?思い出しただけでも気持ち悪いな、おい。
脱衣所でカストディオが「お休みくだされっ」とかいうから寝ていたのに、うとうとし始めたら起きろとかやめてくれよ。
「一体、どうしたっていうんすか?」
「それを聞くのは野暮でございますぞ。流れのままに、気の向くままに見ていて下されば結構ですので」
「余計に意味わからん」
ぼやけた視界を擦る。何だか少し身の危険を感じるくらいに鬼の三人組がニヤニヤしてこっちを見てるぞ。横開きのドア付近にヴェベールとオートゥイユ、そして俺のすぐそばにマナドゥといった配置だ。なにこれ怖い、食べられちゃうかもしれない。
ガラガラと扉が開く。そこにはもはや見慣れたと言っても良いカストディオさんが、鬼の三人組と同じような表情で出てきた。あぁ、本当に食べられちゃうかもしれない。
「な、なんなの、皆さん?」
「どうしたのですか不律様、そんな顔をされて」
「まんま返したいわ、その言葉」
結構不安定な姿勢で寝ていたせいだろうか、首が凝っている気がする。俺は片手を首の後ろに回して、とりあえず揉み解す。
何が始まるのだろうか?
───んぬ?
「不律さん!」
木製の床をドタドタと走る音が段々と近づいてきて、ババーンという効果音が流れそうな勢いでベアトリーチェが登場する。
「お、おぉ………」
俺は咄嗟の言葉を失った。
寝起きの俺の霧懸かった頭の中に、暖かな春一番が吹きすさぶ。もしもこの光景が夢だったというのならば、俺は神をド突き回したろうと、本気でそう思った。
俺の網膜に映るベアトリーチェは、裸ティーシャツの要領で、短いガウンを風呂上がりの艶やかな肢体に一枚羽織っている。本人は凄く気張っているのだろうが、その微かに紅潮した頬が、胸のうちでは緊張しているのだろうかと連想させた。
小麦色の肌にうっすら滲む汗が光を照らし返し、ガウンがはだけない様に腰に軽く結んである真白のタオルがベアトリーチェの素晴らしいスタイルをくっきりと描き出している。艶やかな黒髪は後頭部にお団子状にまとめ上げられていた。そして、上質な陶器のような露出された太ももに、嫌でも目が行ってしまう俺はいけない子。でも仕方がないよね、こればかりは。
くそっ、しっかりしろ俺!
こんな単純な色仕掛けに易々と屈してしまうなんて、そんなの、そんなのただの素人童貞だぞ!?高三でDTとか、皆に笑われてしまう。
「不律さん、ど、どうカナ?」
「上出来なんじゃないでしょうか!」
思わずグッジョブという太鼓判を押してしまった。
声には上げないが、ニマニマとどこか嬉しそうなベアトリーチェ。
あぁ、なんかもう別にこの顔見れただけで十分だ。
「ふふっ、これでワタクシが勝ったも同然ネ!ほら、勇者シルビアも出てきテ!」
「う、あうぅ………」
部屋の外、扉のすぐ向こう側で恐らく待機していたのであろうシルビアを引っ張って来ているのか、先ほどニマニマしながら部屋を出ていったベアトリーチェの、押し問答している声が聞こえる。
鬼たちとカストディオさんは、どこかハラハラしているようだ。確かに、過去の軋轢の事を考えると、こういうひょんなことから喧嘩が始まったりされたら取り返しつかなくなりそうだしな。
俺に何をさせたいのか、カストディオさんが何を企んでいるのか、てんで見当がつかなく少し腹立たしいけど、恐らくベアトリーチェとシルビアはただ巻き込まれているだけの様な気がする。
はぁ、大人ってヤだな。
とりあえずこれは俺がどうにかしないといけないらしい。重い腰を上げて、俺は部屋の外へ足を運んだ。
あの俺が、空気を読めるようになるなんて。異世界パネェな。
───ズキュウウウン!!!!
部屋を出た瞬間、ベアトリーチェたちの方に目を向けた瞬間、胸を貫く強い衝撃が俺に叩き込まれた。
世界がスローモーションに見え、俺の視界が傾いていく。あぁ、俺は今倒れているんだ。強い衝撃にうたれて、後ろ向きに倒れているんだ。
「不律さん!大丈夫ですかっ?」
「あ、あぁ、あなたは天使か?」
「へ?………私はシルビアですけど、どうしたんですか?もしかして、まだ具合が優れないのですか?」
この感情を何と表現すればいいのだろうか?
そう、俺の探し求めた理想が具現化して目の前に現れたんだ。そりゃ、胸撃ち倒れることもあるでしょうよ。
俺の頭を軽く抱き上げてくれるシルビア。
少しくたびれた無地のシャツの上に、温かそうな橙色の長袖カーディガンを羽織り、そして極めつけはそのくるぶしまで伸びた薄茶色のロングスカート。しっとりと濡れた銀髪から、石鹸の匂いが香る。
「あぁ、これでホットミルクを片手に本を読んでいたらもう完璧なんだが」
「???」
ん?失神していて気分が悪かったんじゃないかって?
この状況で立ち上がれない人間はきっと男ではないだろ?そういうことさ。いや、だからって別にやましい気持ちがあるわけでは無くてうんぬんかんぬん。
「ふふっ、不律様だけですぞ、こんな行為を許すのは」
「採用基準がよく分からないですけど、ありがたく享受させていただきますね」
二人はピタリと、耳を扉に押し当てた。
『あ、あの、体に巻く用の布地なんかはありませんか?』
『どうしテ?………あ、わかった。ふふん、このワタクシの完璧なスタイルに怖気づいたんだネ!』
『え、あ、はぁ………あ、ありました』
何でだろう、扉の向こうの会話を聞けば聞くぶん、ベアトリーチェのキャラクターというかイメージがアホっぽくなっていくな。シルビアもシルビアで挑発にまるで乗らないし。なんだろう、胸のドキドキが段々とハラハラに変わってきた気がする。うん、なんだか親の気分。
『なっ、そ、そんな態度をとっていて良いと思っているノ?』
『なにがでしょうか、っと。うん、後ろまで巻けました。早くお風呂に入らないと風邪ひきますよ?』
『ぐぬぬ、良い!?男性というのは得てしてスタイルの良い女性を好むというもの!そう、不律さんもその例外ではない。これが何を意味するかわかル?』
びっくりする偏見ですな。俺は別に偏った性的思考は持ち合わせていないけど、俺が元いた世界にはむしろシルビアの様なスタイルを、いやそれより二回りくらい幼い女の子を愛でる紳士さんもたくさん居たんだよ?まぁ、でも、やっぱりどの女性をも一番際立たせて魅せてくれるのはロングスカートだけどね!
っていうか、何で俺の名前が出てきたのだろうか?カストディオさんは何故か眉間を寄せて頭を抱えているし。
『意味するも何も、不律さんは人間ですし、貴方は魔族ではないですか?人間が動物に特別な感情を抱かない様に、魔族と人の間には何も意味をなさないはずですよ?』
『何だか今、サラッと凄く馬鹿にされた気がしたけど、まぁ、その甘い考えに免じて許してあげル。勇者、あなたは不律さんが魔王の姿に変われることを知らないとでもいうノ?そんなわけないよね、ここから導き出せる答えは簡単………』
『え、まさか………』
『そう!不律さんは魔族とも関係を成せるというこト!ふふん、あなたみたいな貧相な乳にワタクシが負けるわけなイ、不律さんの目をワタクシが釘付けにしてあげるんだかラ!女性をより妖艶に見せるというこのお風呂を上がりが勝負だヨ』
『あうぅ………そ、そんな』
ここからは珍しく勇者さんが押されている場面が続き、二人がガラガラと風呂場に入っていった。
二人は浴場に入ってからも何かを言い合ってはいるようだが如何せん声がくぐもって聞こえづらい。俺は扉から耳を離した。
「カストディオさん、あんた自分の娘に何を吹き込んでいるんですか?」
「おっと、そろそろヴェベールの手伝いにでも行くとするかの!では不律様、もとの寝室でゆっくりお休みくだされっ」
あっという間にこの場から去っていく元気すぎるご老人。………逃げたな。
………………
「さぁっ、不律殿!起きて下されっ!」
「んにゅ………」
なんだなんだ。何でさっき、俺は幼女みたいな反応をして起きた?思い出しただけでも気持ち悪いな、おい。
脱衣所でカストディオが「お休みくだされっ」とかいうから寝ていたのに、うとうとし始めたら起きろとかやめてくれよ。
「一体、どうしたっていうんすか?」
「それを聞くのは野暮でございますぞ。流れのままに、気の向くままに見ていて下されば結構ですので」
「余計に意味わからん」
ぼやけた視界を擦る。何だか少し身の危険を感じるくらいに鬼の三人組がニヤニヤしてこっちを見てるぞ。横開きのドア付近にヴェベールとオートゥイユ、そして俺のすぐそばにマナドゥといった配置だ。なにこれ怖い、食べられちゃうかもしれない。
ガラガラと扉が開く。そこにはもはや見慣れたと言っても良いカストディオさんが、鬼の三人組と同じような表情で出てきた。あぁ、本当に食べられちゃうかもしれない。
「な、なんなの、皆さん?」
「どうしたのですか不律様、そんな顔をされて」
「まんま返したいわ、その言葉」
結構不安定な姿勢で寝ていたせいだろうか、首が凝っている気がする。俺は片手を首の後ろに回して、とりあえず揉み解す。
何が始まるのだろうか?
───んぬ?
「不律さん!」
木製の床をドタドタと走る音が段々と近づいてきて、ババーンという効果音が流れそうな勢いでベアトリーチェが登場する。
「お、おぉ………」
俺は咄嗟の言葉を失った。
寝起きの俺の霧懸かった頭の中に、暖かな春一番が吹きすさぶ。もしもこの光景が夢だったというのならば、俺は神をド突き回したろうと、本気でそう思った。
俺の網膜に映るベアトリーチェは、裸ティーシャツの要領で、短いガウンを風呂上がりの艶やかな肢体に一枚羽織っている。本人は凄く気張っているのだろうが、その微かに紅潮した頬が、胸のうちでは緊張しているのだろうかと連想させた。
小麦色の肌にうっすら滲む汗が光を照らし返し、ガウンがはだけない様に腰に軽く結んである真白のタオルがベアトリーチェの素晴らしいスタイルをくっきりと描き出している。艶やかな黒髪は後頭部にお団子状にまとめ上げられていた。そして、上質な陶器のような露出された太ももに、嫌でも目が行ってしまう俺はいけない子。でも仕方がないよね、こればかりは。
くそっ、しっかりしろ俺!
こんな単純な色仕掛けに易々と屈してしまうなんて、そんなの、そんなのただの素人童貞だぞ!?高三でDTとか、皆に笑われてしまう。
「不律さん、ど、どうカナ?」
「上出来なんじゃないでしょうか!」
思わずグッジョブという太鼓判を押してしまった。
声には上げないが、ニマニマとどこか嬉しそうなベアトリーチェ。
あぁ、なんかもう別にこの顔見れただけで十分だ。
「ふふっ、これでワタクシが勝ったも同然ネ!ほら、勇者シルビアも出てきテ!」
「う、あうぅ………」
部屋の外、扉のすぐ向こう側で恐らく待機していたのであろうシルビアを引っ張って来ているのか、先ほどニマニマしながら部屋を出ていったベアトリーチェの、押し問答している声が聞こえる。
鬼たちとカストディオさんは、どこかハラハラしているようだ。確かに、過去の軋轢の事を考えると、こういうひょんなことから喧嘩が始まったりされたら取り返しつかなくなりそうだしな。
俺に何をさせたいのか、カストディオさんが何を企んでいるのか、てんで見当がつかなく少し腹立たしいけど、恐らくベアトリーチェとシルビアはただ巻き込まれているだけの様な気がする。
はぁ、大人ってヤだな。
とりあえずこれは俺がどうにかしないといけないらしい。重い腰を上げて、俺は部屋の外へ足を運んだ。
あの俺が、空気を読めるようになるなんて。異世界パネェな。
───ズキュウウウン!!!!
部屋を出た瞬間、ベアトリーチェたちの方に目を向けた瞬間、胸を貫く強い衝撃が俺に叩き込まれた。
世界がスローモーションに見え、俺の視界が傾いていく。あぁ、俺は今倒れているんだ。強い衝撃にうたれて、後ろ向きに倒れているんだ。
「不律さん!大丈夫ですかっ?」
「あ、あぁ、あなたは天使か?」
「へ?………私はシルビアですけど、どうしたんですか?もしかして、まだ具合が優れないのですか?」
この感情を何と表現すればいいのだろうか?
そう、俺の探し求めた理想が具現化して目の前に現れたんだ。そりゃ、胸撃ち倒れることもあるでしょうよ。
俺の頭を軽く抱き上げてくれるシルビア。
少しくたびれた無地のシャツの上に、温かそうな橙色の長袖カーディガンを羽織り、そして極めつけはそのくるぶしまで伸びた薄茶色のロングスカート。しっとりと濡れた銀髪から、石鹸の匂いが香る。
「あぁ、これでホットミルクを片手に本を読んでいたらもう完璧なんだが」
「???」
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