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三章 人って自分の事ばかり考えるよな。あ、俺もか。
第二十話 策士
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やっべー、危なかったマジで危なかったよ。なんか魔王の姿借りてるからか余裕のイケメン登場しちゃったけど、ここで少しでも遅れてたらなんかもう全部おじゃんだったよ!
シルビアが大剣を振り下ろす前に俺の尻尾が勢いを止めたから良いものの、たぶんこれが振り下ろされた時に止めに入ってたら、ものの見事に袈裟懸け斬り喰らってたな、うん。
「ふ、不律さん………」
はい、こちら不律さんです。お願いですからそんな無垢な瞳で見つめないで。
シルビアが持っていた大剣が、光の粒となって消えた。
「なっ、なんでまたその姿に戻っているんですか!?昨日、『めがね』の力で元の姿に戻ったはずじゃないですか!」
「ちょっ、声がデカい!」
慌ててシルビアの口を手のひらで塞ぐ。正体がバレちゃいけないってのに、いきなりネタバレ拡散されるところだった。魔王に口を塞がれて、もごもごパタパタと動く勇者。
それにしても、随分と派手に荒れてるな。きっと戦地ってこんな感じなんだなってのが分かる、いかに俺が平和な環境で暮らしてきたか、身に染みて思い知らされる。まぁ、平和な世界もそれはそれで大変なんだけどな。実際、紛争地帯での死亡者より、平和な国で自ら命を絶っている人の方が多いらしいし。
ゆっくりと辺りを見渡す。俺の手元でこんなもごもごパタパタしてるような少女一人だけが無傷で、敵だと思われる百人くらいの魔族たちはみんな瀕死状態みたいだ。これが、『勇者』。うっすらと手の平に汗が滲む。
「あの、不律さん」
「ん?」
俺の手を下げて、プハッと息を漏らすシルビア。
大剣を引っ下げていた時の鋭い表情ではなく、どこかもの悲しげな表情に俺は少し首を傾げる。
「本当に、申し訳ないんですけど、あの、水筒が………」
「水筒?」
「不律さんが私に、水筒の調達をお願いしていたじゃないですか。だから、私、作ったんですけど、こんなことになってしまって、申し訳なくて………」
あー………。そういうことか。
辺り一面まさに焼け野原、シルビアがどんなものを作ったのかは今となっては知る由もないこと。きっと消し炭となっているんだろう。
「次は頼むな?」
「ぁう………」
俺はポンポンとシルビアの肩を叩き、高く、宙に浮く。
カストディオ卿と思わしき老人に泣きつくベアトリーチェやマナドゥ達の姿を見て、胸が痛むことは無いが、どこかその姿が自分と重なってしまう。今自分が何をするべきなのか分からなくて、不安そうに俺を見上げるシルビア。俺は小さく息を吐く。
「これが、カストディオの策か」
今現在の状況を判断するにはあまりに情報が乏しいが、この襲撃を起こした魔族たちが願うものは分かる。
一つは魔王軍の再興。そしてもう一つはきっと、勇者の抹殺。
ざっと百もある頭数で、シルビアに大した傷も与えることも出来ずに魔族たちは完全敗北。これほどの実力差がありながら、何故に戦いを挑んだのか。例え、新しく現れたという魔王を別働隊のベアトリーチェたちが仲間に引き入れることに成功したとしても、これではただの火に油。実際、その新魔王が人間の俺だったわけだし、本当に意味の無い戦いであることは間違いない。
しかし、今俺が考えた推理は、彼らが「魔王軍の再興」を第一の目的に挙げていた場合の話だ。
もし、この襲撃の本当の第一目的が「勇者の抹殺」だった場合。そうなってくると、少し話が変わってくる。
「本当に、もし、そうだった場合。急がないといけないな、いや、もう手遅れなのか………。マナドゥさん、ヴェベールさん、オートゥイユさん、少し良いですかね?」
クイっと人差し指を動かし、鬼三人組を宙に引き上げる。
ありありと伝わってくるシルビアに向けられた怒りや恨みの感情。望んでもいないのに、俺の体はそれを心地よく感じてしまう。うーん、こればっかりは当人同士でどうにかしてもらうしかないよな。魔族と人間の衝突に関しては、俺の知るところじゃないし。
「不律殿、お願いです!カストディオ様を、我らの仲間の命を、お救いいただけませぬか、お願いいたします!!」
「この数を………?」
いくら勝手の分かり始めた魔王の体とはいえ、はっきり言って疲労感が溜まってきているのは否めない。この状態で、元の姿に戻ってしまったら俺過労死するんじゃない?
とは言っても、今の俺がやらないといけないことは、今日を生きる為の食事を手に入れることと、疲れをとる為の浴場を確保すること。
大きく息を吸って、息を止め、グッと全身に力を入れる。あとは、この体の記憶のままに意識を預けるだけだ。
右手を高く上に挙げて、肺の中の空気を一気に吐き出す。
「ハァ……ッ……ふぅ、こんなもんか?」
「このご恩、どのように返せばよいか………」
「だから、風呂場を、ね?」
シャトルランを走り終えたときくらい疲れてるわ、やばい、死ぬかも。
完治とまではいかなくても、この場にいる全員の魔族の命に別状がないくらいには回復させられただろうと思う。さっきまで虫の息だったカストディオが非常にゆっくりではあるが、体を起き上がらせているのを見ている分にはな。
「そんなことより、アンタ達はどこに住んでいるんだ?魔族がこんなに大勢で共同生活をしていたらきっとすぐに人間側に見つかるだろう。人間達に感知されずに暮らしているはずだ、それは、どこだ?」
「確かに吸血鬼であるカストディオ様の結界のおかげで、人間どもには感知されない土地に暮らしてますが、どうしてですか?」
「知らないのか、だとしたらカストディオは大した策士だよ。いまからそこに俺が全員を連れて行ってやる、そうしないと、大勢の人間勢がここに押し寄せるぞ」
「え?」
「こんなに派手に暴れといて、この世界の人間側が探知できないわけないだろうが。俺の体が、この魔王の体がビンビンに教えてきやがる。いまここに軍隊が大挙してやって来ているぞ、早くしないと今度こそ皆殺しだ」
「なっ、しかし、その場所はここからはずいぶん遠き地にありますゆえ………」
クソが、歯切れが悪いな。
絶対に死にたくはない、早く休みたいし、飯も食べたいし、何より寝たい。
「なぁ、ワープする魔法なんてのは存在するのか?」
「無くはないですが、それは無茶です!高速移動ならまだしも、瞬間移動は全盛期のカストディオ様であっても、自分一人の身を移動させるのだけで魔力を使い果たしてしまうほどの物です」
「無くは、ないんだな。わかった」
人差し指を立て、それをスッと下におろす。何か俺に訴えかけてくる鬼達の声が聞こえるけど、知ったことか。
………いいから早く俺に休みをくれ!底辺県立の高校出身の俺は、論理的思考ってやつが大嫌いなんだよ!要するに全員助ければいいんだろ!!
人間には感知できないとか言ってたな、だったら、「魔王」の姿をした俺なら感知できるかもしれないということか。
目を閉じる。押し寄せて来る大軍の総数は、たぶん三千から五千といったところか………、急がないと。
自分の体を中心に、魚群を探知するソナーの様に魔力を一定間隔で飛ばす。障害物に当たって跳ね帰ってくる魔力の波動がくっきりと一帯の地形のイメージを完成させていく。この襲撃を予知していたかのように、手際よく中央地からこっちに向かってくる軍勢。大きな川などの水流に合わせて広がっている住宅地。
「…………飛ばすぞ」
少しだけ、ほんの少しだけ違和感を覚えた土地を見つけた。そこにはまっさらな砂漠しかないはずだが、もううかうかしてる暇はない。
もう一度、限界まで大きく息を吸った。
あくまで感覚的な話だ。ここから、その違和感を覚えた土地へ飛ぶことだけを頭でイメージする。あとは全て体の思うままに任せ、意識が持っていかれない様に全力で踏ん張る。
「ぬおあああああぁぁぁっ!!」
一瞬でも気を抜いたら、「自分」を全部持っていかれそうだ。
徐々に、足先から全員を消すイメージで、目を開いて全員が見える位置を保て。消した足先を、あの場所へ出現させるイメージを強く持て。
「………ぐぅううっ!?」
脳が痺れ、真っ白に染まっていく。クソが、ゆっくりやってたんじゃあ埒が明かない。
意識を保つために、もっと全力で声を張り上げる。次第に自分の声が耳に入ってこなくなってくる、喉はやけに熱いのに耳には何の音も入ってこなくなっていく。
「消えろおおぉぉおぉっ!」
目の前がチカチカとモザイク色に覆われた。それでも目を閉じることはしない。
なんで俺こんなに頑張ってるんだ?これマジで割に合わんぞ、おい。
シルビアが大剣を振り下ろす前に俺の尻尾が勢いを止めたから良いものの、たぶんこれが振り下ろされた時に止めに入ってたら、ものの見事に袈裟懸け斬り喰らってたな、うん。
「ふ、不律さん………」
はい、こちら不律さんです。お願いですからそんな無垢な瞳で見つめないで。
シルビアが持っていた大剣が、光の粒となって消えた。
「なっ、なんでまたその姿に戻っているんですか!?昨日、『めがね』の力で元の姿に戻ったはずじゃないですか!」
「ちょっ、声がデカい!」
慌ててシルビアの口を手のひらで塞ぐ。正体がバレちゃいけないってのに、いきなりネタバレ拡散されるところだった。魔王に口を塞がれて、もごもごパタパタと動く勇者。
それにしても、随分と派手に荒れてるな。きっと戦地ってこんな感じなんだなってのが分かる、いかに俺が平和な環境で暮らしてきたか、身に染みて思い知らされる。まぁ、平和な世界もそれはそれで大変なんだけどな。実際、紛争地帯での死亡者より、平和な国で自ら命を絶っている人の方が多いらしいし。
ゆっくりと辺りを見渡す。俺の手元でこんなもごもごパタパタしてるような少女一人だけが無傷で、敵だと思われる百人くらいの魔族たちはみんな瀕死状態みたいだ。これが、『勇者』。うっすらと手の平に汗が滲む。
「あの、不律さん」
「ん?」
俺の手を下げて、プハッと息を漏らすシルビア。
大剣を引っ下げていた時の鋭い表情ではなく、どこかもの悲しげな表情に俺は少し首を傾げる。
「本当に、申し訳ないんですけど、あの、水筒が………」
「水筒?」
「不律さんが私に、水筒の調達をお願いしていたじゃないですか。だから、私、作ったんですけど、こんなことになってしまって、申し訳なくて………」
あー………。そういうことか。
辺り一面まさに焼け野原、シルビアがどんなものを作ったのかは今となっては知る由もないこと。きっと消し炭となっているんだろう。
「次は頼むな?」
「ぁう………」
俺はポンポンとシルビアの肩を叩き、高く、宙に浮く。
カストディオ卿と思わしき老人に泣きつくベアトリーチェやマナドゥ達の姿を見て、胸が痛むことは無いが、どこかその姿が自分と重なってしまう。今自分が何をするべきなのか分からなくて、不安そうに俺を見上げるシルビア。俺は小さく息を吐く。
「これが、カストディオの策か」
今現在の状況を判断するにはあまりに情報が乏しいが、この襲撃を起こした魔族たちが願うものは分かる。
一つは魔王軍の再興。そしてもう一つはきっと、勇者の抹殺。
ざっと百もある頭数で、シルビアに大した傷も与えることも出来ずに魔族たちは完全敗北。これほどの実力差がありながら、何故に戦いを挑んだのか。例え、新しく現れたという魔王を別働隊のベアトリーチェたちが仲間に引き入れることに成功したとしても、これではただの火に油。実際、その新魔王が人間の俺だったわけだし、本当に意味の無い戦いであることは間違いない。
しかし、今俺が考えた推理は、彼らが「魔王軍の再興」を第一の目的に挙げていた場合の話だ。
もし、この襲撃の本当の第一目的が「勇者の抹殺」だった場合。そうなってくると、少し話が変わってくる。
「本当に、もし、そうだった場合。急がないといけないな、いや、もう手遅れなのか………。マナドゥさん、ヴェベールさん、オートゥイユさん、少し良いですかね?」
クイっと人差し指を動かし、鬼三人組を宙に引き上げる。
ありありと伝わってくるシルビアに向けられた怒りや恨みの感情。望んでもいないのに、俺の体はそれを心地よく感じてしまう。うーん、こればっかりは当人同士でどうにかしてもらうしかないよな。魔族と人間の衝突に関しては、俺の知るところじゃないし。
「不律殿、お願いです!カストディオ様を、我らの仲間の命を、お救いいただけませぬか、お願いいたします!!」
「この数を………?」
いくら勝手の分かり始めた魔王の体とはいえ、はっきり言って疲労感が溜まってきているのは否めない。この状態で、元の姿に戻ってしまったら俺過労死するんじゃない?
とは言っても、今の俺がやらないといけないことは、今日を生きる為の食事を手に入れることと、疲れをとる為の浴場を確保すること。
大きく息を吸って、息を止め、グッと全身に力を入れる。あとは、この体の記憶のままに意識を預けるだけだ。
右手を高く上に挙げて、肺の中の空気を一気に吐き出す。
「ハァ……ッ……ふぅ、こんなもんか?」
「このご恩、どのように返せばよいか………」
「だから、風呂場を、ね?」
シャトルランを走り終えたときくらい疲れてるわ、やばい、死ぬかも。
完治とまではいかなくても、この場にいる全員の魔族の命に別状がないくらいには回復させられただろうと思う。さっきまで虫の息だったカストディオが非常にゆっくりではあるが、体を起き上がらせているのを見ている分にはな。
「そんなことより、アンタ達はどこに住んでいるんだ?魔族がこんなに大勢で共同生活をしていたらきっとすぐに人間側に見つかるだろう。人間達に感知されずに暮らしているはずだ、それは、どこだ?」
「確かに吸血鬼であるカストディオ様の結界のおかげで、人間どもには感知されない土地に暮らしてますが、どうしてですか?」
「知らないのか、だとしたらカストディオは大した策士だよ。いまからそこに俺が全員を連れて行ってやる、そうしないと、大勢の人間勢がここに押し寄せるぞ」
「え?」
「こんなに派手に暴れといて、この世界の人間側が探知できないわけないだろうが。俺の体が、この魔王の体がビンビンに教えてきやがる。いまここに軍隊が大挙してやって来ているぞ、早くしないと今度こそ皆殺しだ」
「なっ、しかし、その場所はここからはずいぶん遠き地にありますゆえ………」
クソが、歯切れが悪いな。
絶対に死にたくはない、早く休みたいし、飯も食べたいし、何より寝たい。
「なぁ、ワープする魔法なんてのは存在するのか?」
「無くはないですが、それは無茶です!高速移動ならまだしも、瞬間移動は全盛期のカストディオ様であっても、自分一人の身を移動させるのだけで魔力を使い果たしてしまうほどの物です」
「無くは、ないんだな。わかった」
人差し指を立て、それをスッと下におろす。何か俺に訴えかけてくる鬼達の声が聞こえるけど、知ったことか。
………いいから早く俺に休みをくれ!底辺県立の高校出身の俺は、論理的思考ってやつが大嫌いなんだよ!要するに全員助ければいいんだろ!!
人間には感知できないとか言ってたな、だったら、「魔王」の姿をした俺なら感知できるかもしれないということか。
目を閉じる。押し寄せて来る大軍の総数は、たぶん三千から五千といったところか………、急がないと。
自分の体を中心に、魚群を探知するソナーの様に魔力を一定間隔で飛ばす。障害物に当たって跳ね帰ってくる魔力の波動がくっきりと一帯の地形のイメージを完成させていく。この襲撃を予知していたかのように、手際よく中央地からこっちに向かってくる軍勢。大きな川などの水流に合わせて広がっている住宅地。
「…………飛ばすぞ」
少しだけ、ほんの少しだけ違和感を覚えた土地を見つけた。そこにはまっさらな砂漠しかないはずだが、もううかうかしてる暇はない。
もう一度、限界まで大きく息を吸った。
あくまで感覚的な話だ。ここから、その違和感を覚えた土地へ飛ぶことだけを頭でイメージする。あとは全て体の思うままに任せ、意識が持っていかれない様に全力で踏ん張る。
「ぬおあああああぁぁぁっ!!」
一瞬でも気を抜いたら、「自分」を全部持っていかれそうだ。
徐々に、足先から全員を消すイメージで、目を開いて全員が見える位置を保て。消した足先を、あの場所へ出現させるイメージを強く持て。
「………ぐぅううっ!?」
脳が痺れ、真っ白に染まっていく。クソが、ゆっくりやってたんじゃあ埒が明かない。
意識を保つために、もっと全力で声を張り上げる。次第に自分の声が耳に入ってこなくなってくる、喉はやけに熱いのに耳には何の音も入ってこなくなっていく。
「消えろおおぉぉおぉっ!」
目の前がチカチカとモザイク色に覆われた。それでも目を閉じることはしない。
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