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相談
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「フォティア嬢が先日男児を出産したことは聞いているか?」
「ええ。まだ公にはなっていないのでしょうけど、私が無関係ではないからかお父様が教えてくれたわ」
「そうか」
そもそもが出産した日の夜中に事件が起こっており、その処理も含めてまだ公にはされていなかった。
イレーネが修道院へ入った事実と合わせて後日発表されるのだろう。
ここら辺はニキアスの思惑もあってルーカスには権限が無かった。
「フォティア嬢は義母上と共謀して公爵家に混乱を招いた罪を問われた」
「混乱?」
「そうだ。私とアリシアの婚約を破棄させようとし、そしてカリス家を軽んじた。言ってみれば伯爵令嬢が伯爵家当主を侮辱したようなものだからな」
伯爵令嬢の地位というのはあくまで親の地位に付随するもの。
同じ伯爵家であっても、当主と令嬢では明らかに立場が違った。
これが仮にニコラオスとフォティアが結婚していて、フォティアが公爵夫人になっていたのなら立場は逆転する。
「そして、義母上の実家である侯爵家がフォティア嬢の産んだ子を利用して公爵家の乗っ取りを画策した」
「乗っ取りですって!?」
もはや事態がアリシアの想像の範疇を越えたのか、先ほどからアリシアは驚きっ放しだ。
ルーカスはさらに事の成り行きを説明する。
「ニキアス皇太子殿下は義母上の実家の侯爵家に対して国家反逆の罪を問うお考えだ。そして今後の火種となることを憂慮し、産まれた子の公爵家の後継者としての権利を剥奪した」
国家反逆罪などという罪名は普通に暮らしているなら聞くこともない言葉だ。
アリシアの反応ももっともなものだった。
「そしてここからが本題だ。殿下は私にフォティア嬢とその子どもの処遇を一任された」
壮大なスケールの話が一気にアリシアに関係のある話になる。
「私はフォティア嬢に2つの選択肢を提示した。一つは子どもと共に公爵家の領地に暮らし、子どもの養育費は公爵家で賄いフォティア嬢には自活してもらう方法」
フォティアとその子どもがこれからも公爵家に関わってくることに対して、アリシアがどう思ったのかその表情からは伺えなかった。
「もう一つは子どものみ公爵家に残し、フォティア嬢だけが王都と公爵領以外の場所で暮らすこと。その場合子どもは公爵家で養育しフォティア嬢には住む場所の提供と職を紹介する」
「いずれにしろ子どもは兄上の子でもあるから養育費は公爵家で持つことになる」
そして、もしフォティアが子どもを残す選択をしたのなら、ルーカスとアリシアはその子を育てていかなければならないだろう。
「アリシアの今後にも関わることを私の一存で決めたのは悪かったと思っている」
アリシアがどう反応するのかがわからず、ルーカスはいささか情けない顔になった。
「すでに事後報告となっているのはわかっているが、アリシアに今後のことを相談したい」
「…それはいつ頃までに決まることなの?」
「フォティア嬢には産後1ヶ月の間に決めるように伝えている」
「そう…」
呟いて、しばらくアリシアは俯いたまま顔を上げなかった。
表情が見えないことにルーカスが不安を覚えるくらいに時間が経って、視線を上げたアリシアはルーカスの目をまっすぐに見る。
「少し時間が欲しいわ。あなたの考えを否定するつもりはないの。でも、気持ちの整理をする時間をちょうだい」
アリシアがどんな思いを抱こうとも、結果は二つに一つしか無い。
それでも、アリシアが時間が必要だと言うのであればルーカスに否はなかった。
「ええ。まだ公にはなっていないのでしょうけど、私が無関係ではないからかお父様が教えてくれたわ」
「そうか」
そもそもが出産した日の夜中に事件が起こっており、その処理も含めてまだ公にはされていなかった。
イレーネが修道院へ入った事実と合わせて後日発表されるのだろう。
ここら辺はニキアスの思惑もあってルーカスには権限が無かった。
「フォティア嬢は義母上と共謀して公爵家に混乱を招いた罪を問われた」
「混乱?」
「そうだ。私とアリシアの婚約を破棄させようとし、そしてカリス家を軽んじた。言ってみれば伯爵令嬢が伯爵家当主を侮辱したようなものだからな」
伯爵令嬢の地位というのはあくまで親の地位に付随するもの。
同じ伯爵家であっても、当主と令嬢では明らかに立場が違った。
これが仮にニコラオスとフォティアが結婚していて、フォティアが公爵夫人になっていたのなら立場は逆転する。
「そして、義母上の実家である侯爵家がフォティア嬢の産んだ子を利用して公爵家の乗っ取りを画策した」
「乗っ取りですって!?」
もはや事態がアリシアの想像の範疇を越えたのか、先ほどからアリシアは驚きっ放しだ。
ルーカスはさらに事の成り行きを説明する。
「ニキアス皇太子殿下は義母上の実家の侯爵家に対して国家反逆の罪を問うお考えだ。そして今後の火種となることを憂慮し、産まれた子の公爵家の後継者としての権利を剥奪した」
国家反逆罪などという罪名は普通に暮らしているなら聞くこともない言葉だ。
アリシアの反応ももっともなものだった。
「そしてここからが本題だ。殿下は私にフォティア嬢とその子どもの処遇を一任された」
壮大なスケールの話が一気にアリシアに関係のある話になる。
「私はフォティア嬢に2つの選択肢を提示した。一つは子どもと共に公爵家の領地に暮らし、子どもの養育費は公爵家で賄いフォティア嬢には自活してもらう方法」
フォティアとその子どもがこれからも公爵家に関わってくることに対して、アリシアがどう思ったのかその表情からは伺えなかった。
「もう一つは子どものみ公爵家に残し、フォティア嬢だけが王都と公爵領以外の場所で暮らすこと。その場合子どもは公爵家で養育しフォティア嬢には住む場所の提供と職を紹介する」
「いずれにしろ子どもは兄上の子でもあるから養育費は公爵家で持つことになる」
そして、もしフォティアが子どもを残す選択をしたのなら、ルーカスとアリシアはその子を育てていかなければならないだろう。
「アリシアの今後にも関わることを私の一存で決めたのは悪かったと思っている」
アリシアがどう反応するのかがわからず、ルーカスはいささか情けない顔になった。
「すでに事後報告となっているのはわかっているが、アリシアに今後のことを相談したい」
「…それはいつ頃までに決まることなの?」
「フォティア嬢には産後1ヶ月の間に決めるように伝えている」
「そう…」
呟いて、しばらくアリシアは俯いたまま顔を上げなかった。
表情が見えないことにルーカスが不安を覚えるくらいに時間が経って、視線を上げたアリシアはルーカスの目をまっすぐに見る。
「少し時間が欲しいわ。あなたの考えを否定するつもりはないの。でも、気持ちの整理をする時間をちょうだい」
アリシアがどんな思いを抱こうとも、結果は二つに一つしか無い。
それでも、アリシアが時間が必要だと言うのであればルーカスに否はなかった。
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