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告白

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ルーカス様

お元気でしょうか。
お仕事が忙しく体調など崩されていませんでしょうか。
あなたのことなので無理しているのではないかと心配しています。

今回、お伝えした日より早く領地に戻ることになりごめんなさい。

そして大事なことを手紙で伝えることをお許しください。

今私のお腹にはあなたとの子どもが宿っています。
あの日の子です。

あなたと共にいたいけれど、この子を守らなければならないので王都を離れます。

私はあなたと家族になりたい。
温かい笑顔であふれた家庭を築きたい。
あなたの帰る場所になれたら、これほど幸せなことはないと思っています。

いつでも心はあなたとともに。

アリシア

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アリシアのお気に入りの便箋に綴られた思い。
鼻をくすぐるのはいつもの香り。

無意識に便箋へと指を滑らせ、その文字を追う。

気づけばルーカスの瞳から一筋の涙がこぼれ落ちた。
なぜ涙が出たのかわからない。
それでも、アリシアの言葉は確実にルーカスの心の琴線に触れた。

ルーカスのことをまず気遣うのはアリシアの癖だ。
そしてアリシアのお腹に子どもがいる。
ルーカスとの子が。

「子どものことがわかったのは…いつ?」

手紙から片時も視線を外さずルーカスは問う。

「先日アリシアがディカイオ公爵邸を訪ねた日より少し前です」

ああ…とルーカスはこぼれそうな言葉を飲み込んだ。

思慮深いアリシアにしては珍しい、あの日の行動にそんな訳があったとは。
何か理由があるのではないかとなぜ思いいたらなかったのか。

自らの愚鈍さをルーカスは悔やんだ。

アリシアはどんな思いでルーカスに伝えに来たのだろう。
そしてどんな思いで帰ったのか。

ぐっと奥歯を噛みしめて、ルーカスは自分の中の激情をねじ伏せる。
気持ちに飲まれている場合ではないとわかっていたから。

そして気づいた。
アリシアの手紙に続きがあることを。

2枚目の便箋はひっそりとそこにあった。
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