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悪役令嬢は恋心を推察する
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男たちの集会が開かれて数日後、私が楽しみにしていたイベントが開催された。
それは何かというと……。
ウェルズ家では初の女子会である!!
今まで王太子妃教育があったりライアンの代わりに執務を代行していたりでそもそもエレナにはご令嬢の友人がほぼいなかった。
学園に入学してクレアとソフィと親しくなり、やっと友人と呼べる存在を得たけれどしかし家には問題の両親がいた。
あの両親のことである。
何を言い出すかわからなかったし、そんな暇があるのならライアンの機嫌をとるか執務をするかはたまたさらなる勉強をしろと言いかねなかったのだ。
そんな中でお茶会などできるはずもなく、結局のエレナは今日まで自分主催のお茶会を開催することはなかった。
でも考えてみればおかしいだろう。
王太子妃ともなれば国内の有力貴族の夫人や令嬢と交流を持って社交界で情報を得たりするのも仕事の内だと思うのだけど。
まぁ、エレナの場合はそうしたくてもそれ以外の仕事、つまりライアンの尻拭いで手一杯だったんだけどね。
そんなこんなで初開催の女子会。
私はホストとして万全の態勢で皆をお迎えしようと張り切ったよ!
「お招きありがとうございます、エレナ様」
クレアは今日も今日とてナイスバディだ。
少し気の強そうなお嬢さんの顔に浮かんだはにかんだ表情のなんと可愛いことか。
「来ていただけて嬉しいですわ」
もちろん私も満面の笑みで出迎える。
「エレナ様、今日の会楽しみにしていました」
ソフィもいつものほんわか笑顔だ。
学園に入学してこの二人と友人になれたことは本当に良かったと思う。
貴族のご令嬢の親交は家と家の利害関係無しに考えられない部分があるけれど、二人とはその点も問題なかった。
「ジェシカ様はもういらっしゃってるのかしら?」
クレアの言葉に私は思わずにやけてしまうのが止められない。
実は今日一番呼びたかったのはジェシカなのだ。
もちろん、クレアとソフィに会うのもとても楽しみにしていたよ!
「ジェシカにはお兄さまを呼びに行ってもらっていますわ」
「リアム様を?」
「ええ。せっかく皆さまをお招きしたんですもの。兄も挨拶のために顔を出すと言っておりましたので」
「そうなんですね」とのんびり答えるソフィに対して、クレアの瞳がキラリと光る。
「エレナ様、もしかして……」
「あら。クレア様もお気づきになりまして?」
どうやらクレアも私と同じ予想をしていたようだ。
実は……。
私は兄とジェシカはお互いを特別に想っているのではないかと推測している。
自分の親しい身近な人同士をくっつけたいというわけではない。
今回の事件でやり取りする中で二人の様子を見て感じたことだ。
そもそも公爵家の嫡男である兄に今まで婚約者がいなかったのがおかしいのだが、そこはそれあの両親だったからしかたない。
おそらく爵位を譲る時にでも自分たちにとって都合の良いご令嬢をあてがえばいいくらいに思っていたのだろう。
高位貴族は家と家の繋がりも考えて割と幼いうちに婚約するのが普通だ。
そのため兄に釣り合うような家格のご令嬢はすでに婚約している者ばかりだし、逆にいまだに婚約できていないご令嬢は何かしらの問題を抱えていると思われた。
ジェシカは子爵令嬢だから公爵家と縁を繋ぐには家格差がある。
とはいえそれを気にする両親は口出しできる立場にないことを考えれば、私が反対さえしなければ大丈夫だろう。
「ええ。気になっておりましたの。なんというかこう……お二人の醸し出す雰囲気がむずがゆいと申しますか、初々しいと申しますか……」
兄よ。
年下の令嬢に初々しいと言われてるぞ。
まぁ、恋愛経験的にはクレアの方がまさっていそうだけど。
「たしかにそうですわね」
私は苦笑しながら答える。
「あ!お二人がいらっしゃいますわ」
そしてソフィの言葉に私とクレアは話を切り上げたのだった。
それは何かというと……。
ウェルズ家では初の女子会である!!
今まで王太子妃教育があったりライアンの代わりに執務を代行していたりでそもそもエレナにはご令嬢の友人がほぼいなかった。
学園に入学してクレアとソフィと親しくなり、やっと友人と呼べる存在を得たけれどしかし家には問題の両親がいた。
あの両親のことである。
何を言い出すかわからなかったし、そんな暇があるのならライアンの機嫌をとるか執務をするかはたまたさらなる勉強をしろと言いかねなかったのだ。
そんな中でお茶会などできるはずもなく、結局のエレナは今日まで自分主催のお茶会を開催することはなかった。
でも考えてみればおかしいだろう。
王太子妃ともなれば国内の有力貴族の夫人や令嬢と交流を持って社交界で情報を得たりするのも仕事の内だと思うのだけど。
まぁ、エレナの場合はそうしたくてもそれ以外の仕事、つまりライアンの尻拭いで手一杯だったんだけどね。
そんなこんなで初開催の女子会。
私はホストとして万全の態勢で皆をお迎えしようと張り切ったよ!
「お招きありがとうございます、エレナ様」
クレアは今日も今日とてナイスバディだ。
少し気の強そうなお嬢さんの顔に浮かんだはにかんだ表情のなんと可愛いことか。
「来ていただけて嬉しいですわ」
もちろん私も満面の笑みで出迎える。
「エレナ様、今日の会楽しみにしていました」
ソフィもいつものほんわか笑顔だ。
学園に入学してこの二人と友人になれたことは本当に良かったと思う。
貴族のご令嬢の親交は家と家の利害関係無しに考えられない部分があるけれど、二人とはその点も問題なかった。
「ジェシカ様はもういらっしゃってるのかしら?」
クレアの言葉に私は思わずにやけてしまうのが止められない。
実は今日一番呼びたかったのはジェシカなのだ。
もちろん、クレアとソフィに会うのもとても楽しみにしていたよ!
「ジェシカにはお兄さまを呼びに行ってもらっていますわ」
「リアム様を?」
「ええ。せっかく皆さまをお招きしたんですもの。兄も挨拶のために顔を出すと言っておりましたので」
「そうなんですね」とのんびり答えるソフィに対して、クレアの瞳がキラリと光る。
「エレナ様、もしかして……」
「あら。クレア様もお気づきになりまして?」
どうやらクレアも私と同じ予想をしていたようだ。
実は……。
私は兄とジェシカはお互いを特別に想っているのではないかと推測している。
自分の親しい身近な人同士をくっつけたいというわけではない。
今回の事件でやり取りする中で二人の様子を見て感じたことだ。
そもそも公爵家の嫡男である兄に今まで婚約者がいなかったのがおかしいのだが、そこはそれあの両親だったからしかたない。
おそらく爵位を譲る時にでも自分たちにとって都合の良いご令嬢をあてがえばいいくらいに思っていたのだろう。
高位貴族は家と家の繋がりも考えて割と幼いうちに婚約するのが普通だ。
そのため兄に釣り合うような家格のご令嬢はすでに婚約している者ばかりだし、逆にいまだに婚約できていないご令嬢は何かしらの問題を抱えていると思われた。
ジェシカは子爵令嬢だから公爵家と縁を繋ぐには家格差がある。
とはいえそれを気にする両親は口出しできる立場にないことを考えれば、私が反対さえしなければ大丈夫だろう。
「ええ。気になっておりましたの。なんというかこう……お二人の醸し出す雰囲気がむずがゆいと申しますか、初々しいと申しますか……」
兄よ。
年下の令嬢に初々しいと言われてるぞ。
まぁ、恋愛経験的にはクレアの方がまさっていそうだけど。
「たしかにそうですわね」
私は苦笑しながら答える。
「あ!お二人がいらっしゃいますわ」
そしてソフィの言葉に私とクレアは話を切り上げたのだった。
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