100 / 204
悪役令嬢は護衛の考えを聞く
しおりを挟む
「まずは、秘密裏に陛下に拝謁するつもりだ」
「国王陛下に!?」
兄が驚きの声を上げる。
王と会うということは、王城に入るということ。
秘密裏でと言うからには正面から会いに行くわけではないだろうが、ダグラスにしてみれば敵地に行くようなものなのではないだろうか?
「そうだ」
「しかし、せっかく王城から逃れられたのに戻るのは得策ではないのでは?」
「陛下は俺の居場所を常に把握している」
おおっと。
新たな事実発覚。
「陛下の影が俺の居場所を特定し、定期的に報告しているのは俺も知っていた」
「知っていてそのままにしていたのですか?」
「そうだ。実害がなかったからな。やましいことをしているわけでもないのだから、下手に排除する方が面倒が起こる」
うーん。
剛毅というかなんというか。
私だったから監視されてるなんて嫌だけどなー。
「その影を使って陛下との面会を取り付ける」
「しかし国王陛下はダグラス殿の存在を公にはしていない。そんな中面会に行ったところで危ないと思うのですが?」
「陛下は…あれで一筋縄ではいかないお人だ。王妃とライアンを今のところ自由にさせているのにも何か考えがあるのだろう。陛下の意向を確認した上で次にどうするのかを決める。二人も言っていただろう、陛下がどう考えるかが重要だと」
たしかにそうだけど。
でも一筋縄でいかない人ならその考えは聞いても教えてくれないのでは?
それともダグラス相手では違うのだろうか。
実の息子に監視をつける親。
監視をつけられていることに気づいているのに放置している子。
…なんだかどちらも歪んでるわぁ。
いや、考えようによっては国王は出奔した息子が心配で影から見守る感じでいたとか?
なぜだろう…そんなほのぼの感がまったく無いのは。
「いずれにせよ、お嬢さまがライアン殿下との婚約の継続を望んでいないのはわかりました」
あ。
ダグラスが第一王子から護衛に戻ったわ。
口調から雰囲気から、変わるものよねぇ。
「ところでお嬢さま。王太子がライアン殿下から変わった場合、お嬢さまは第一王子と婚約することになりますが」
なんですと!?
「エレナ・ウェルズ公爵令嬢はグラント国の王太子と婚約する。これが王家とウェルズ家とで取り交わした契約です。つまり、ライアン殿下が王太子を降りれば次に王太子に立った者との婚約に変わる、ということですよ」
そんな話知らないけど!?
攻略本にそんな裏話書いてなかったと思うんだけど!
それとも私が見落としたのか。
んん?
ということは、もしライアンからダグラスに王太子が変わったら、ダグラスと婚約するってこと!?
聞いてないよー!!
「国王陛下に!?」
兄が驚きの声を上げる。
王と会うということは、王城に入るということ。
秘密裏でと言うからには正面から会いに行くわけではないだろうが、ダグラスにしてみれば敵地に行くようなものなのではないだろうか?
「そうだ」
「しかし、せっかく王城から逃れられたのに戻るのは得策ではないのでは?」
「陛下は俺の居場所を常に把握している」
おおっと。
新たな事実発覚。
「陛下の影が俺の居場所を特定し、定期的に報告しているのは俺も知っていた」
「知っていてそのままにしていたのですか?」
「そうだ。実害がなかったからな。やましいことをしているわけでもないのだから、下手に排除する方が面倒が起こる」
うーん。
剛毅というかなんというか。
私だったから監視されてるなんて嫌だけどなー。
「その影を使って陛下との面会を取り付ける」
「しかし国王陛下はダグラス殿の存在を公にはしていない。そんな中面会に行ったところで危ないと思うのですが?」
「陛下は…あれで一筋縄ではいかないお人だ。王妃とライアンを今のところ自由にさせているのにも何か考えがあるのだろう。陛下の意向を確認した上で次にどうするのかを決める。二人も言っていただろう、陛下がどう考えるかが重要だと」
たしかにそうだけど。
でも一筋縄でいかない人ならその考えは聞いても教えてくれないのでは?
それともダグラス相手では違うのだろうか。
実の息子に監視をつける親。
監視をつけられていることに気づいているのに放置している子。
…なんだかどちらも歪んでるわぁ。
いや、考えようによっては国王は出奔した息子が心配で影から見守る感じでいたとか?
なぜだろう…そんなほのぼの感がまったく無いのは。
「いずれにせよ、お嬢さまがライアン殿下との婚約の継続を望んでいないのはわかりました」
あ。
ダグラスが第一王子から護衛に戻ったわ。
口調から雰囲気から、変わるものよねぇ。
「ところでお嬢さま。王太子がライアン殿下から変わった場合、お嬢さまは第一王子と婚約することになりますが」
なんですと!?
「エレナ・ウェルズ公爵令嬢はグラント国の王太子と婚約する。これが王家とウェルズ家とで取り交わした契約です。つまり、ライアン殿下が王太子を降りれば次に王太子に立った者との婚約に変わる、ということですよ」
そんな話知らないけど!?
攻略本にそんな裏話書いてなかったと思うんだけど!
それとも私が見落としたのか。
んん?
ということは、もしライアンからダグラスに王太子が変わったら、ダグラスと婚約するってこと!?
聞いてないよー!!
868
お気に入りに追加
2,273
あなたにおすすめの小説

記憶を失くして転生しました…転生先は悪役令嬢?
ねこママ
恋愛
「いいかげんにしないかっ!」
バシッ!!
わたくしは咄嗟に、フリード様の腕に抱き付くメリンダ様を引き離さなければと手を伸ばしてしまい…頬を叩かれてバランスを崩し倒れこみ、壁に頭を強く打ち付け意識を失いました。
目が覚めると知らない部屋、豪華な寝台に…近付いてくるのはメイド? 何故髪が緑なの?
最後の記憶は私に向かって来る車のライト…交通事故?
ここは何処? 家族? 友人? 誰も思い出せない……
前世を思い出したセレンディアだが、事故の衝撃で記憶を失くしていた……
前世の自分を含む人物の記憶だけが消えているようです。
転生した先の記憶すら全く無く、頭に浮かぶものと違い過ぎる世界観に戸惑っていると……?
婚約破棄を望むなら〜私の愛した人はあなたじゃありません〜
みおな
恋愛
王家主催のパーティーにて、私の婚約者がやらかした。
「お前との婚約を破棄する!!」
私はこの馬鹿何言っているんだと思いながらも、婚約破棄を受け入れてやった。
だって、私は何ひとつ困らない。
困るのは目の前でふんぞり返っている元婚約者なのだから。
勘当された悪役令嬢は平民になって幸せに暮らしていたのになぜか人生をやり直しさせられる
千環
恋愛
第三王子の婚約者であった侯爵令嬢アドリアーナだが、第三王子が想いを寄せる男爵令嬢を害した罪で婚約破棄を言い渡されたことによりスタングロム侯爵家から勘当され、平民アニーとして生きることとなった。
なんとか日々を過ごす内に12年の歳月が流れ、ある時出会った10歳年上の平民アレクと結ばれて、可愛い娘チェルシーを授かり、とても幸せに暮らしていたのだが……道に飛び出して馬車に轢かれそうになった娘を助けようとしたアニーは気付けば6歳のアドリアーナに戻っていた。

〈完結〉【コミカライズ・取り下げ予定】思い上がりも程々に。地味令嬢アメリアの幸せな婚約
ごろごろみかん。
恋愛
「もう少し、背は高い方がいいね」
「もう少し、顔は華やかな方が好みだ」
「もう少し、肉感的な方が好きだな」
あなたがそう言うから、あなたの期待に応えれるように頑張りました。
でも、だめだったのです。
だって、あなたはお姉様が好きだから。
私は、お姉様にはなれません。
想い合うふたりの会話を聞いてしまった私は、父である公爵に婚約の解消をお願いしにいきました。
それが、どんな結末を呼ぶかも知らずに──。
悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません
れぐまき
恋愛
公爵令嬢セシリアは皇太子との婚約発表舞踏会で、とある男爵令嬢を見かけたことをきっかけに、自分が『宝石の絆』という乙女ゲームのライバルキャラであることを知る。
「…私、間違ってませんわね」
曲がったことが大嫌いなオーバースペック公爵令嬢が自分の信念を貫き通す話
…だったはずが最近はどこか天然の主人公と勘違い王子のすれ違い(勘違い)恋愛話になってきている…
5/13
ちょっとお話が長くなってきたので一旦全話非公開にして纏めたり加筆したりと大幅に修正していきます
5/22
修正完了しました。明日から通常更新に戻ります
9/21
完結しました
また気が向いたら番外編として二人のその後をアップしていきたいと思います

【 完結 】「婚約破棄」されましたので、恥ずかしいから帰っても良いですか?
しずもり
恋愛
ミレーヌはガルド国のシルフィード公爵令嬢で、この国の第一王子アルフリートの婚約者だ。いや、もう元婚約者なのかも知れない。
王立学園の卒業パーティーが始まる寸前で『婚約破棄』を宣言されてしまったからだ。アルフリートの隣にはピンクの髪の美少女を寄り添わせて、宣言されたその言葉にミレーヌが悲しむ事は無かった。それよりも彼女の心を占めていた感情はー。
恥ずかしい。恥ずかしい。恥ずかしい!!
ミレーヌは恥ずかしかった。今すぐにでも気を失いたかった。
この国で、学園で、知っていなければならない、知っている筈のアレを、第一王子たちはいつ気付くのか。
孤軍奮闘のミレーヌと愉快な王子とお馬鹿さんたちのちょっと変わった断罪劇です。
なんちゃって異世界のお話です。
時代考証など皆無の緩い設定で、殆どを現代風の口調、言葉で書いています。
HOT2位 &人気ランキング 3位になりました。(2/24)
数ある作品の中で興味を持って下さりありがとうございました。
*国の名前をオレーヌからガルドに変更しました。
私達、政略結婚ですから。
黎
恋愛
オルヒデーエは、来月ザイデルバスト王子との結婚を控えていた。しかし2年前に王宮に来て以来、王子とはろくに会わず話もしない。一方で1年前現れたレディ・トゥルペは、王子に指輪を贈られ、二人きりで会ってもいる。王子に自分達の関係性を問いただすも「政略結婚だが」と知らん顔、レディ・トゥルペも、オルヒデーエに向かって「政略結婚ですから」としたり顔。半年前からは、レディ・トゥルペに数々の嫌がらせをしたという噂まで流れていた。
それが罪状として読み上げられる中、オルヒデーエは王子との数少ない思い出を振り返り、その処断を待つ。

婚約破棄されたら魔法が解けました
かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」
それは学園の卒業パーティーでのこと。
……やっぱり、ダメだったんだ。
周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間でもあった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、第一王子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表する。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放。そして、国外へと運ばれている途中に魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。
「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」
あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。
「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」
死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー!
※毎週土曜日の18時+気ままに投稿中
※プロットなしで書いているので辻褄合わせの為に後から修正することがあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる