33 / 53
第33話 私兵の暴走
しおりを挟む
ホラント辺境伯と直接会うのは実は難しいことではない。
ジャックの傍らにいるピクシーの特技の一つは念話である。その能力を使ってこれまでの経緯も定期的に王宮に報告している。ピクシーはいわば王宮付きの連絡係という役職なのだ。
通信の直接の相手は同じ妖精族ではあるものの、妖精族から直接話を聞くのは摂政だったり、場合によっては王様の時もある。要するに妖精を介せば、国の要職にある人間と直接話すことが可能なのだ。
勿論、妖精族の数が極めて少ないからそうなっているのであって、本来であれば一介の戦士であるジャックの傍らに妖精がいるという事はありえない。
この妖精を介した連絡網は国中に張り巡らせてある。ホラント辺境伯の屋敷にも当然妖精はいるだろう。
「ことの経緯を王宮に報告して、直接ホラント辺境伯から話が聞けるように手配するね」
ピクシーはそう言うと瞑想でも始めたかのように大人しくなった。
それから小一時間ほど経ったところで、ピクシーは眠りから覚めたようにぱっと目を見開いた。
「はい、オッケー。アポ取れたよ」
ピクシーは渾身のドヤ顔を披露しつつ、親指をグイっと立ててみせた。
王宮にはホラント伯が魔物の襲撃に一枚かんでいるとでも報告したのだろうか?
ピクシーから連絡を受けた王宮、王宮から緊急の詰問を受けたホラント伯が順番に慌てていく姿が目に浮かぶようでジャックは苦笑した。
「よし、じゃあオスラに戻るか」
ジャックは気持ちを切り替え帰路につくことにした。
急げば今日中にはオスラに戻り、明日にはホラント伯と会うことが出来るだろう。
「……???」
急ぎとはいえ、行きとは違い速足程度で移動していたジャックは不思議な感覚にとらわれていた。そしてそれは言葉となって口から出てきた。
「なあ、そういえばなんで俺こんなことしてんだろ?」
よくよく考えてみればジャックは町で情報収集している時に魔物襲撃の報を聞いただけである。
襲撃を受けたメンドルフ村には行ったことが無いので知り合いもいない。なのに救援にかけつけ、あまつさえその原因を突き止めるために領主の屋敷に談判しに行こうというのである。
ジャックは自分の行動原理が分からなくなりつつあった。
「正義の味方だからじゃない?」
ピクシーは笑っている。
ピクシーはこれまで受けてきた様々な依頼同様、ジャックがこうして本来の任務以外のことに手を出すことが嬉しいらしい。
そうこうする内に二人はオスラに到着したが、既に日が沈んだ後であった。
翌日の午前十時、ジャック達三人はホラント辺境伯の屋敷の中……応接室にいた。
貴族が平民を応接室に通すのは相当異例の事である。ホラント伯は王宮からの詰問が寝耳に水だったのだろう。自分の身の潔白を示すためにその使者に最大限の配慮をしたものと思われる。
この時点でジャックはホラント伯自身が魔物襲撃に関与していないことをほぼ確信した。
「昨日メンドルフ村が魔物に襲撃を受けたことについて、私に聞きたいことがあるそうじゃが?」
探り探りといった感じで口火を切ったのはホラント伯だった。
「その前に一つ確認したいことがございます。伯爵はこの度、急遽税率を上げられたそうですがそれは確かでしょうか?」
ジャックはそう言って話題の方向を少々ずらした。
ジャックの想像通りであれば、この確認が最重要と思われたからである。
「いや、そのような指示はしておらんが?」
魔物襲撃の非を鳴らされるのではないかとビクビクしていた伯爵は、何の話をされているのか分からずポカンとしている。
この時点でジャックが頭に描いたシナリオはほぼ完成したといって良い。
「しかし、昨日魔物の襲撃を受けたメンドルフ村の住民は、襲撃の少し前に伯爵の使いと称するものに税を上げる旨、通知を受けたと申しております。しかもその増税を巡って口論になったとも聞き及んでおります」
ジャックは客観性を保つことを心がけているが、どうしても村人の側に立った物言いになってしまっていることを自覚していた。
「誰がそのようなことを……!? 私の名を語る者がいるというのか?」
魔物襲撃の話から大きく反れているが、それはそれで大事だとばかりに伯爵は怒気をあらわにする。
ジャックは続けた。
「私がメンドルフ村に到着する寸前、村の外で伯爵の配下と思しき五名とすれ違いました。そして増税を通知した者達も五名であったことは村人に確認済みです。全員の名前は分かりませんが、内一人がトマス殿であったのは間違いありません。」
「うぬぬ……誰かトマスをここに連れてこいっ!」
ホラント伯は顔を真っ赤にして侍従に言い放った。
しばらくしてトマスは何食わぬ顔をして部屋に入ってきたが、部屋にジャックがいることを知って顔色が変わった。
「トマス! お主らは私の名を語って税を徴収しようとしたというのは本当か?」
ホラント伯は今にも壁にかかっている宝剣に手をかけそうな勢いで詰問した。
「……」
トマスは青ざめたまま何も言わない。
この時点でホラント辺境伯の配下に不心得者が少なくとも五名いることはほぼ確定だろう。恐らく彼らは税と偽って私腹を肥やそうとしていたに違いない。
「ホラント伯、彼らが私腹を肥やしていたことは大問題でしょうが、今は他に優先すべきことがあります」
このままだと埒が明かないと思ったジャックはトマスに助け舟を出す形で話題を切り替える。
「村人が直訴に出ると主張した為、それをうやむやにするために魔物をけしかけたな?」
ジャックもどうやったらそんなことが出来るのか? という部分は全く分からない。こう言ったのは、カマかけである。
「っ!?」
ホラント伯はただただ驚いていた。魔物を意のままにコントロールすることが出来るなどといった報告は受けていないし、勿論そんなことは出来るはずが無いと思っている。
「……」
トマスは依然黙秘を貫いている。
そこへ口を挟んだのはこれまで傍観していたジオであった。
「魔物は仲間が攻撃を受けると、集団で反撃してくる。その性質を知って悪用したのじゃろう」
ジオの口調は怒りで震えていた。
「四十年前もそうじゃった。本当なら必要の無い戦いじゃった……一部の馬鹿共のお陰で……」
ジオは無念さを滲ませながらも、吐き捨てるように言った。
ジャックもピクシーもこの一連のジオの発言には、その内容、ジオの活舌、その両方に驚いた。しかし、話の腰を折る訳にもいかないので黙っていた。
そしてこの辺りまで聞いて初めてホラント伯はその発言の主が勇者ジオであることに気が付いたようだ。それと同時にジャック達への態度もかなり丁重なものへと変わっていった。
その後、トマスへの詰問は尋問へと変わっていったが、最後までトマスは何も話さなかった。恐らく重い処分が下ることになるだろう。他の四人も追々見つかるはずである。
とはいえ、関係者を処分した所でこちらから魔物を攻撃したという事実は消えない。これをきっかけにして四十年前と同じことが起こるかもしれないのだ。
ホラント辺境伯は今後対応に追われることになろう。
「では私達は本来の任務へ戻ります」
ジャックはそう言うと伯爵の屋敷を後にした。
ホラント伯爵が今後の魔物対策に奔走されるように、ジャック達の剣探しも急ぐ必要が出てきたのだ。
ジャックの傍らにいるピクシーの特技の一つは念話である。その能力を使ってこれまでの経緯も定期的に王宮に報告している。ピクシーはいわば王宮付きの連絡係という役職なのだ。
通信の直接の相手は同じ妖精族ではあるものの、妖精族から直接話を聞くのは摂政だったり、場合によっては王様の時もある。要するに妖精を介せば、国の要職にある人間と直接話すことが可能なのだ。
勿論、妖精族の数が極めて少ないからそうなっているのであって、本来であれば一介の戦士であるジャックの傍らに妖精がいるという事はありえない。
この妖精を介した連絡網は国中に張り巡らせてある。ホラント辺境伯の屋敷にも当然妖精はいるだろう。
「ことの経緯を王宮に報告して、直接ホラント辺境伯から話が聞けるように手配するね」
ピクシーはそう言うと瞑想でも始めたかのように大人しくなった。
それから小一時間ほど経ったところで、ピクシーは眠りから覚めたようにぱっと目を見開いた。
「はい、オッケー。アポ取れたよ」
ピクシーは渾身のドヤ顔を披露しつつ、親指をグイっと立ててみせた。
王宮にはホラント伯が魔物の襲撃に一枚かんでいるとでも報告したのだろうか?
ピクシーから連絡を受けた王宮、王宮から緊急の詰問を受けたホラント伯が順番に慌てていく姿が目に浮かぶようでジャックは苦笑した。
「よし、じゃあオスラに戻るか」
ジャックは気持ちを切り替え帰路につくことにした。
急げば今日中にはオスラに戻り、明日にはホラント伯と会うことが出来るだろう。
「……???」
急ぎとはいえ、行きとは違い速足程度で移動していたジャックは不思議な感覚にとらわれていた。そしてそれは言葉となって口から出てきた。
「なあ、そういえばなんで俺こんなことしてんだろ?」
よくよく考えてみればジャックは町で情報収集している時に魔物襲撃の報を聞いただけである。
襲撃を受けたメンドルフ村には行ったことが無いので知り合いもいない。なのに救援にかけつけ、あまつさえその原因を突き止めるために領主の屋敷に談判しに行こうというのである。
ジャックは自分の行動原理が分からなくなりつつあった。
「正義の味方だからじゃない?」
ピクシーは笑っている。
ピクシーはこれまで受けてきた様々な依頼同様、ジャックがこうして本来の任務以外のことに手を出すことが嬉しいらしい。
そうこうする内に二人はオスラに到着したが、既に日が沈んだ後であった。
翌日の午前十時、ジャック達三人はホラント辺境伯の屋敷の中……応接室にいた。
貴族が平民を応接室に通すのは相当異例の事である。ホラント伯は王宮からの詰問が寝耳に水だったのだろう。自分の身の潔白を示すためにその使者に最大限の配慮をしたものと思われる。
この時点でジャックはホラント伯自身が魔物襲撃に関与していないことをほぼ確信した。
「昨日メンドルフ村が魔物に襲撃を受けたことについて、私に聞きたいことがあるそうじゃが?」
探り探りといった感じで口火を切ったのはホラント伯だった。
「その前に一つ確認したいことがございます。伯爵はこの度、急遽税率を上げられたそうですがそれは確かでしょうか?」
ジャックはそう言って話題の方向を少々ずらした。
ジャックの想像通りであれば、この確認が最重要と思われたからである。
「いや、そのような指示はしておらんが?」
魔物襲撃の非を鳴らされるのではないかとビクビクしていた伯爵は、何の話をされているのか分からずポカンとしている。
この時点でジャックが頭に描いたシナリオはほぼ完成したといって良い。
「しかし、昨日魔物の襲撃を受けたメンドルフ村の住民は、襲撃の少し前に伯爵の使いと称するものに税を上げる旨、通知を受けたと申しております。しかもその増税を巡って口論になったとも聞き及んでおります」
ジャックは客観性を保つことを心がけているが、どうしても村人の側に立った物言いになってしまっていることを自覚していた。
「誰がそのようなことを……!? 私の名を語る者がいるというのか?」
魔物襲撃の話から大きく反れているが、それはそれで大事だとばかりに伯爵は怒気をあらわにする。
ジャックは続けた。
「私がメンドルフ村に到着する寸前、村の外で伯爵の配下と思しき五名とすれ違いました。そして増税を通知した者達も五名であったことは村人に確認済みです。全員の名前は分かりませんが、内一人がトマス殿であったのは間違いありません。」
「うぬぬ……誰かトマスをここに連れてこいっ!」
ホラント伯は顔を真っ赤にして侍従に言い放った。
しばらくしてトマスは何食わぬ顔をして部屋に入ってきたが、部屋にジャックがいることを知って顔色が変わった。
「トマス! お主らは私の名を語って税を徴収しようとしたというのは本当か?」
ホラント伯は今にも壁にかかっている宝剣に手をかけそうな勢いで詰問した。
「……」
トマスは青ざめたまま何も言わない。
この時点でホラント辺境伯の配下に不心得者が少なくとも五名いることはほぼ確定だろう。恐らく彼らは税と偽って私腹を肥やそうとしていたに違いない。
「ホラント伯、彼らが私腹を肥やしていたことは大問題でしょうが、今は他に優先すべきことがあります」
このままだと埒が明かないと思ったジャックはトマスに助け舟を出す形で話題を切り替える。
「村人が直訴に出ると主張した為、それをうやむやにするために魔物をけしかけたな?」
ジャックもどうやったらそんなことが出来るのか? という部分は全く分からない。こう言ったのは、カマかけである。
「っ!?」
ホラント伯はただただ驚いていた。魔物を意のままにコントロールすることが出来るなどといった報告は受けていないし、勿論そんなことは出来るはずが無いと思っている。
「……」
トマスは依然黙秘を貫いている。
そこへ口を挟んだのはこれまで傍観していたジオであった。
「魔物は仲間が攻撃を受けると、集団で反撃してくる。その性質を知って悪用したのじゃろう」
ジオの口調は怒りで震えていた。
「四十年前もそうじゃった。本当なら必要の無い戦いじゃった……一部の馬鹿共のお陰で……」
ジオは無念さを滲ませながらも、吐き捨てるように言った。
ジャックもピクシーもこの一連のジオの発言には、その内容、ジオの活舌、その両方に驚いた。しかし、話の腰を折る訳にもいかないので黙っていた。
そしてこの辺りまで聞いて初めてホラント伯はその発言の主が勇者ジオであることに気が付いたようだ。それと同時にジャック達への態度もかなり丁重なものへと変わっていった。
その後、トマスへの詰問は尋問へと変わっていったが、最後までトマスは何も話さなかった。恐らく重い処分が下ることになるだろう。他の四人も追々見つかるはずである。
とはいえ、関係者を処分した所でこちらから魔物を攻撃したという事実は消えない。これをきっかけにして四十年前と同じことが起こるかもしれないのだ。
ホラント辺境伯は今後対応に追われることになろう。
「では私達は本来の任務へ戻ります」
ジャックはそう言うと伯爵の屋敷を後にした。
ホラント伯爵が今後の魔物対策に奔走されるように、ジャック達の剣探しも急ぐ必要が出てきたのだ。
0
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ズボラ通販生活
ice
ファンタジー
西野桃(にしのもも)35歳の独身、オタクが神様のミスで異世界へ!貪欲に通販スキル、時間停止アイテムボックス容量無限、結界魔法…さらには、お金まで貰う。商人無双や!とか言いつつ、楽に、ゆるーく、商売をしていく。淋しい独身者、旦那という名の奴隷まで?!ズボラなオバサンが異世界に転移して好き勝手生活する!
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
【完結】異世界で小料理屋さんを自由気ままに営業する〜おっかなびっくり魔物ジビエ料理の数々〜
櫛田こころ
ファンタジー
料理人の人生を絶たれた。
和食料理人である女性の秋吉宏香(あきよしひろか)は、ひき逃げ事故に遭ったのだ。
命には関わらなかったが、生き甲斐となっていた料理人にとって大事な利き腕の神経が切れてしまい、不随までの重傷を負う。
さすがに勤め先を続けるわけにもいかず、辞めて公園で途方に暮れていると……女神に請われ、異世界転移をすることに。
腕の障害をリセットされたため、新たな料理人としての人生をスタートさせようとした時に、尾が二又に別れた猫が……ジビエに似た魔物を狩っていたところに遭遇。
料理人としての再スタートの機会を得た女性と、猟りの腕前はプロ級の猫又ぽい魔物との飯テロスローライフが始まる!!
おっかなびっくり料理の小料理屋さんの料理を召し上がれ?
異世界人に転生された双剣士は、人格が消えずに残ったので、自分に転生した廃ゲーマーの知識を借りてモンスターに支配された世界の英雄になる
深海生
ファンタジー
いつものようにダンジョン攻略に挑むブレイブは、どこにでもいる普通の剣士だった。
彼は到達した階層に本来いるはずのないモンスターと運悪く遭遇し、戦いに敗れて意識を失ってしまう。
そんなブレイブの体へ、ある人物が転生した。
その人物とは元の世界で自ら命を経とうとしていた廃ゲーマー、如月静流(きさらぎしずる)だった。
静流は目を覚ますと、自身がはまっていたRPGと似た世界へ転生したことに気づき、廃ゲーマーとしてのプレーヤースキルでモンスターを倒して危機を脱する。
しかし、静流にはそもそも転生願望はなく自殺願望しかなかったが、女神に無理やり転生させられた為、その状況に不満を持つ。
しばらくして体の主であるブレイブの意識が目覚めると、静流の視界が暗くなり、体の主導権がブレイブに移ってしまう。
ブレイブは地面に倒れているモンスターを見て、自分に宿った神が敵を倒してくれたのだと勘違いする。
神のおかげで自身のレベルも上がり、強くなったと考えたブレイブは、ダンジョン攻略を進めようとするがあえなく失敗してしまう。
その様子をしばらく見ていた静流だったが、ついに我慢できなくなるとブレイブに声をかけ、彼のやり方の問題を指摘する。
ブレイブはその指摘を受け止め、それから静流のアドバイスに従うことにする。
二人がお互いの夢を確認すると、ブレイブは「英雄になる」ことで、静流は「ブレイブの体から抜け出して死ぬこと」だった。
その夢を叶えるには、ダンジョンの上層で留まっているわけにはいかない。
二人は協力し合いダンジョン攻略を目指すことにしたのだった。
異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!
石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。
クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に!
だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。
だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。
※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。
エラーから始まる異世界生活
KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。
本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。
高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。
冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。
その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。
某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。
実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。
勇者として活躍するのかしないのか?
能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。
多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。
初めての作品にお付き合い下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる