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家族の章

親としての自分

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子供が親にやられたことをいつまでも根に持ってることを馬鹿にする奴は、自分が誰かからやられた<嫌なこと>を本当にスパッと許せるってのかよ? 違うよなあ? ネットで誰かに絡まれたら、それをいつまでも根に持ったりするよなあ?

自分はそうやって誰かにされたことを根に持つクセに、子供が親からされたことを根に持つなってなあ、ずいぶんと甘ったれた考えじゃねえか。

それを<甘ったれた考え>だと認識できるかどうかは、

『子供をこの世に送り出したのは親の勝手以外の何ものでもない』

ってえ事実を受け止められるかどうかかもしれねえな。俺はそう思えるようになったから、

<親としての自分>

ってのを客観的に見られるようになった。『生んでやった』とか思わねえし、『育ててやってる』とも思わねえ。『子供をこの世に送り出す』選択した自分自身の責任から逃げようとは思わねえんだよ。

そういう自分の責任から目を背けて見ないふりするような親が、自分が勝手にそう決断したんだってえ事実から目を背けてる親が、

『生んでやった』

『育ててやってる』

とか言ってて、本当に納得できんのかよ? 納得できんのなら、そりゃ、

<そう言ってても納得できるだけのことをしてくれた親>

だからだろ? 違うのかよ? 違うってのなら、そりゃ、

『自分が親に対して『生んでくれ』とお願いした事実はない』

ってことから目を背けてるからじゃねえのか? それとも、オカルトで、

『自分はこの親を選んで生まれてきた』

とか洗脳されてんのか? あ?

まあ、洗脳されててそれで幸せだってんならそりゃ本人の勝手だから好きにすりゃいいだろうが、そんなオカルトを他者に押し付けんじゃねえよ。お前の<幸せ>は他者の幸せとは限らねえんだよ。当たり前じゃねえか。全人類が同じ<幸せ>を感じられるってんなら、戦争なんか起こるわけねえだろ。

宗教同士の戦争なんざそれこそ、

<自分が思う幸せの押し付け合い>

じゃねえのかよ? 『こうすりゃ幸せになれる』『こうすりゃ天国に行ける』『こうすりゃ極楽に行ける』ってのの押し付け合いじゃねえのかよ? 俺あそんなもんは真っ平ごめんだね。俺の思う<幸せ>をリーネ達に押し付けるつもりはねえよ。

『リーネ達が幸せを感じられる状況を作りたい』

ってだけなんだよ。

『俺が思う幸せの形にリーネ達を押し込めたい』

わけじゃねえ。親としてそう考えてるだけだ。

『俺が思う幸せの形に相手を押し込めたい』とか考えてたから、いや、それどころか、

『俺にとっての幸せの形に周りの人間を押し込めたい』

って考えてたから、前世じゃあんな最後を迎えることになったとしか思わねえな。

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