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家族の章
親がマネージャー役をしたりってことも
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確かに前世でも、子供に何か飛び抜けた才能があったのが分かった時に親がしゃしゃり出てきて口出しして厄介なことになるなんてのは、よく聞いた話だ。親がマネージャー役をしたりってことも少なくなかったみてえだが、<マネージメント>ってのは、素人が思ってるほど簡単じゃねえんだよ。『あちらを立てればこちらが立たず』なんてことは日常茶飯事で、延々とその調整の繰り返しみたいなもんだ。
あっちに頭を下げこっちに頭を下げ、どんなに胃をすり減らしても報われないなんてことも珍しくもない。なのに、子供の才能の上に胡坐をかいてふんぞり返って殿様商売してればいいなんてのは、ほんの一瞬だけだろ。
その子供に<商品価値>がある間だけ。
ポルノまがいの仕事に自分の娘を売り渡してた親もいたらしいけどな。
さすがの俺でもそこまではしなかったぞ。しようとは思わなかったぞ。
……たぶん……
ああでも、その発想がなかっただけで、ゆかりのことが利用できるならそんな方向に利用してたかもしれないか……
前世の俺はそれができちまうタイプの人間だったからな。リサだって、一緒に暮らし始めてからも仕事続けさせてたじゃねえか。そしてリサが稼いだ金で遊んでたじゃねえか。
要するにそういうことだろう?
つくづくロクデナシだな。我ながら。
だが、少なくとも今の俺はそんなことするつもりはない。あくまで、子供達が自分の力で生きていけるようになる道筋を付けたいだけだ。親の責任として。
で、イワンに<絵本作家>の才能があるなら伸ばしてやりたいじゃねえか。それで食っていけるなら、安心だろ。
足が不自由なんて関係ないしな。
一方、リーネとトーイは、特別目立った才能みたいなものは見えないが、こつこつ毎日同じ作業を延々と続けられるというだけでも、それは十分に<才能>だと俺は思う。世の中にゃ、
<地味な仕事を根気強く続けられる人間>
が必要なんだよ。
農業だってそうだろ? なんか派手で目立つ華やかな作業を毎日するわけじゃないじゃねえか。地味でよく知らねえ奴からはロクに評価もされねえ仕事を一日中続けるってのが普通だろ?
でも、そういう仕事をしてくれる奴がいるから、金を払うだけでメシが食える。そういう仕組みは、
<地味な仕事を延々とやってくれる奴>
がいてこそのもんじゃねえか。美人やイケメンが画面の向こうで媚売ってるだけでメシが食えるわけじゃねえんだよ。
<それでメシが食える社会>
を作ってくれてる奴がいてこそなんだ。俺は、リーネ達にもそれを分かってもらいたい。
あっちに頭を下げこっちに頭を下げ、どんなに胃をすり減らしても報われないなんてことも珍しくもない。なのに、子供の才能の上に胡坐をかいてふんぞり返って殿様商売してればいいなんてのは、ほんの一瞬だけだろ。
その子供に<商品価値>がある間だけ。
ポルノまがいの仕事に自分の娘を売り渡してた親もいたらしいけどな。
さすがの俺でもそこまではしなかったぞ。しようとは思わなかったぞ。
……たぶん……
ああでも、その発想がなかっただけで、ゆかりのことが利用できるならそんな方向に利用してたかもしれないか……
前世の俺はそれができちまうタイプの人間だったからな。リサだって、一緒に暮らし始めてからも仕事続けさせてたじゃねえか。そしてリサが稼いだ金で遊んでたじゃねえか。
要するにそういうことだろう?
つくづくロクデナシだな。我ながら。
だが、少なくとも今の俺はそんなことするつもりはない。あくまで、子供達が自分の力で生きていけるようになる道筋を付けたいだけだ。親の責任として。
で、イワンに<絵本作家>の才能があるなら伸ばしてやりたいじゃねえか。それで食っていけるなら、安心だろ。
足が不自由なんて関係ないしな。
一方、リーネとトーイは、特別目立った才能みたいなものは見えないが、こつこつ毎日同じ作業を延々と続けられるというだけでも、それは十分に<才能>だと俺は思う。世の中にゃ、
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が必要なんだよ。
農業だってそうだろ? なんか派手で目立つ華やかな作業を毎日するわけじゃないじゃねえか。地味でよく知らねえ奴からはロクに評価もされねえ仕事を一日中続けるってのが普通だろ?
でも、そういう仕事をしてくれる奴がいるから、金を払うだけでメシが食える。そういう仕組みは、
<地味な仕事を延々とやってくれる奴>
がいてこそのもんじゃねえか。美人やイケメンが画面の向こうで媚売ってるだけでメシが食えるわけじゃねえんだよ。
<それでメシが食える社会>
を作ってくれてる奴がいてこそなんだ。俺は、リーネ達にもそれを分かってもらいたい。
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