267 / 398
日常の章
父親だけの世帯で娘がいると
しおりを挟む
さらに淡々と日々を過ごし、いよいよ春めいてきた。もうすぐ、リーネと出逢ってから一年だ。なんか、俺んとこで暮らし始めて栄養状態が良くなったのか、明らかに成長してる。はっきりと十歳くらいに見えるようになってる。まあそれでも、リーネの実際の年齢よりは幼く見えるが。
ただ、一年で実際に一年分程度の成長を見せたってことは、実の親や叔父夫婦のところにいた時には、たぶん、満足に食わせてもらえてなかったんだろうなってのが察せられてしまう。
いや、単に年齢的に一気に体が成長する時期に差し掛かったってのもあるのか? でもなあ、生理はまだみたいだしなあ……
父親だけの世帯で娘がいると、娘の生理についていろいろ困るらしいという話も前世じゃ聞いたが、今の俺からすると、
『そんな気にする話か?』
って思うんだ。基本的にたいていの女ならあることだろう? たまにないのもいるかもだが、それについては今は敢えて脇に置かせてもらうが、俺だってなんだかんだとその手の話にゃ触れてきてるしな。あって当たり前のもんについてオタオタするのも変じゃねえかな。
とは思う。
で、念のために言っとくが、
『女には生理があるのが当たり前だ』
とか言いたいわけじゃねえぞ。勘違いすんなよ? あくまで、
『リーネが初潮を迎えたら親としてどう対処するか?』
って話をしたいだけなんだよ。<ジェンダー論>とかの話をしてるわけじゃねえ。余計な口出しすんな!
とか言っても、ここにゃネットとかもねえから、そんなのは聞こえても来ねえけどよ。
なんにせよ、リーネが初潮を迎えても淡々と必要な対処をするだけだし、こなかったらこなかったで構わねえ。結婚して子供を生むだけが人生じゃねえんだ。この世界じゃそういう考え方はまだまだ受け入れられねえだろうが、他人の戯言なんざ気にする必要もねえ。リーネはリーネだ。それでいいじゃねえか。
と思ってたら、
「あ……!」
食事の用意をしてたリーネが声を上げたから思わず視線を向けると、彼女の脚を赤いものが伝うのに俺も気付いた。彼女が下を向いてたからだ。
「<月のもの>か?」
俺が事務的に尋ねると、彼女は、
「そうかも……」
と戸惑ったように応える。
「やり方は知ってるか?」
俺の問いに、リーネは、
「はい……叔母さんがやってるのを見てましたから……」
ここじゃ、母親なり姉妹なりが実際に処置してるのを見ることでやり方を学ぶそうだ。で、基本的には、
『綿を詰めて栓をする』
ってのが普通らしい。そのための綿は、もうすでに用意してある。本人が知ってるなら、俺が見てる必要もないだろ。
綿を持って風呂場に行った彼女を見送っただけだった。
ただ、一年で実際に一年分程度の成長を見せたってことは、実の親や叔父夫婦のところにいた時には、たぶん、満足に食わせてもらえてなかったんだろうなってのが察せられてしまう。
いや、単に年齢的に一気に体が成長する時期に差し掛かったってのもあるのか? でもなあ、生理はまだみたいだしなあ……
父親だけの世帯で娘がいると、娘の生理についていろいろ困るらしいという話も前世じゃ聞いたが、今の俺からすると、
『そんな気にする話か?』
って思うんだ。基本的にたいていの女ならあることだろう? たまにないのもいるかもだが、それについては今は敢えて脇に置かせてもらうが、俺だってなんだかんだとその手の話にゃ触れてきてるしな。あって当たり前のもんについてオタオタするのも変じゃねえかな。
とは思う。
で、念のために言っとくが、
『女には生理があるのが当たり前だ』
とか言いたいわけじゃねえぞ。勘違いすんなよ? あくまで、
『リーネが初潮を迎えたら親としてどう対処するか?』
って話をしたいだけなんだよ。<ジェンダー論>とかの話をしてるわけじゃねえ。余計な口出しすんな!
とか言っても、ここにゃネットとかもねえから、そんなのは聞こえても来ねえけどよ。
なんにせよ、リーネが初潮を迎えても淡々と必要な対処をするだけだし、こなかったらこなかったで構わねえ。結婚して子供を生むだけが人生じゃねえんだ。この世界じゃそういう考え方はまだまだ受け入れられねえだろうが、他人の戯言なんざ気にする必要もねえ。リーネはリーネだ。それでいいじゃねえか。
と思ってたら、
「あ……!」
食事の用意をしてたリーネが声を上げたから思わず視線を向けると、彼女の脚を赤いものが伝うのに俺も気付いた。彼女が下を向いてたからだ。
「<月のもの>か?」
俺が事務的に尋ねると、彼女は、
「そうかも……」
と戸惑ったように応える。
「やり方は知ってるか?」
俺の問いに、リーネは、
「はい……叔母さんがやってるのを見てましたから……」
ここじゃ、母親なり姉妹なりが実際に処置してるのを見ることでやり方を学ぶそうだ。で、基本的には、
『綿を詰めて栓をする』
ってのが普通らしい。そのための綿は、もうすでに用意してある。本人が知ってるなら、俺が見てる必要もないだろ。
綿を持って風呂場に行った彼女を見送っただけだった。
0
お気に入りに追加
31
あなたにおすすめの小説
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?
碧桜 汐香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。
まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。
様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。
第二王子?いりませんわ。
第一王子?もっといりませんわ。
第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は?
彼女の存在意義とは?
別サイト様にも掲載しております
転生幼女具現化スキルでハードな異世界生活
高梨
ファンタジー
ストレス社会、労働社会、希薄な社会、それに揉まれ石化した心で唯一の親友を守って私は死んだ……のだけれども、死後に閻魔に下されたのは願ってもない異世界転生の判決だった。
黒髪ロングのアメジストの眼をもつ美少女転生して、
接客業後遺症の無表情と接客業の武器営業スマイルと、勝手に進んで行く周りにゲンナリしながら彼女は異世界でくらします。考えてるのに最終的にめんどくさくなって突拍子もないことをしでかして周りに振り回されると同じくらい周りを振り回します。
中性パッツン氷帝と黒の『ナンでも?』できる少女の恋愛ファンタジー。平穏は遙か彼方の代物……この物語をどうぞ見届けてくださいませ。
無表情中性おかっぱ王子?、純粋培養王女、オカマ、下働き大好き系国王、考え過ぎて首を落としたまま過ごす医者、女装メイド男の娘。
猫耳獣人なんでもござれ……。
ほの暗い恋愛ありファンタジーの始まります。
R15タグのように15に収まる範囲の描写がありますご注意ください。
そして『ほの暗いです』
(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅
あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり?
異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました!
完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。
伯爵家の次男に転生しましたが、10歳で当主になってしまいました
竹桜
ファンタジー
自動運転の試験車両に轢かれて、死んでしまった主人公は異世界のランガン伯爵家の次男に転生した。
転生後の生活は順調そのものだった。
だが、プライドだけ高い兄が愚かな行為をしてしまった。
その結果、主人公の両親は当主の座を追われ、主人公が10歳で当主になってしまった。
これは10歳で当主になってしまった者の物語だ。
異世界転生したらよくわからない騎士の家に生まれたので、とりあえず死なないように気をつけていたら無双してしまった件。
星の国のマジシャン
ファンタジー
引きこもりニート、40歳の俺が、皇帝に騎士として支える分家の貴族に転生。
そして魔法剣術学校の剣術科に通うことなるが、そこには波瀾万丈な物語が生まれる程の過酷な「必須科目」の数々が。
本家VS分家の「決闘」や、卒業と命を懸け必死で戦い抜く「魔物サバイバル」、さらには40年の弱男人生で味わったことのない甘酸っぱい青春群像劇やモテ期も…。
この世界を動かす、最大の敵にご注目ください!
性欲排泄欲処理系メイド 〜三大欲求、全部満たします〜
mm
ファンタジー
私はメイドのさおり。今日からある男性のメイドをすることになったんだけど…業務内容は「全般のお世話」。トイレもお風呂も、性欲も!?
※スカトロ表現多数あり
※作者が描きたいことを書いてるだけなので同じような内容が続くことがあります
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる