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日常の章

冬用風呂作り

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さすがに建物すべてをレンガで作るにはどれだけレンガを運ばないといけないか分かったものではないので、暖炉と煙突と浴槽だけをレンガで作り、後は木の板で囲って部屋にすることにした。

ちなみにこの部屋は、最初に作った風呂がある場所とは母屋を挟んで反対側に建てた。そのためにリーネとトーイには草刈りをしてもらった。これも二人がいたからできたことだ。まあ、二人がいたからこそこうしようと思ったんだけどな。

まずは暖炉と煙突の部分を先に作ってその上で予定通り木の板で壁と屋根を設えて部屋にし、暖炉に火を入れて温まりつつ今度は風呂を作り上げていく。壁の隙間はモルタルで埋めれば簡単だった。

ところで肝心の暖炉についてだが、<暖炉>と言われてたいていの人間がイメージするような形とは正直言って違ってる。レンガを組み合わせて作るんだから実際にはかなり小さいものだ。最終的にはそれを三つ並べて作り、その上にレンガの浴槽を作る。なので、小さいとはいえ暖炉の分だけ浴槽の位置が高くなる。だから浴槽に上がるための<階段>もレンガで作ることになる。

とは言え、外では雪がちらつく日でも、暖炉のおかげで快適に作業ができた。ただし、この作業は、あくまで俺が一緒の時にだけ行う、やっぱり万が一の事故の際には俺が責任を負うためだ。

リーネはもちろん、トーイも勝手なことはしない。俺の指示に反発する必要がないからだ。普段からきちんと言い分に耳を傾けてることがこうして効いてくる。何も叱られるのが分かってて勝手なことをしなくても、俺が帰ってくれば作業はできるわけで。

それに、こうして三人集まってわいわい話をしながらやるのがいいんだよ。すごく楽しい。食事もここで、ピクニックみたいにしてすればいい。団欒そのものになってるんだ。

ところでまたわざわざ新しく風呂を作ることについて、先に作った風呂のところに暖炉を作って部屋にすりゃいいじゃねえかを思うかもしれないが、あっちは地面に穴を掘って作ったもんだから、冷え切った地面に熱を奪われて湯がすぐに冷めてくるんだよ。沸かした湯を置いといてそれを足す形でしばらくは頑張ったが、本格的に寒くなってくるとそれこそ<焼け石に水>だったしな。

でも今度の風呂は、浴槽の下で火を焚いてるわけだから。しかも構造自体は<五右衛門風呂>形式になるが、レンガだからそんなに急激に熱くなるわけじゃない。となれば、木の板とかを沈めて入らなきゃいけないほどは熱くならないと思う。もし想像通りにはいかなくてもその時には五右衛門風呂形式で木の板でも沈めて入ればいいだろ。

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