192 / 398
暮らしの章
英雄的行動
しおりを挟む
『暴漢に立ち向かう』
って感じの<英雄的行動>ってやつは、なるほど称賛を浴びて持て囃されたりもするだろう。けどよ、よく考えてみな。それを称賛し持ち上げる奴のほとんどは、
『自分じゃ何もしない』
奴らなんだぜ? 自分じゃ何もしないで誰かが助けてくれるのを期待してるだけの奴らなんだぜ? そんな奴らに称賛されて持ち上げられて<いい気分>になってる奴って、<利口>だと思うか?
社会の中の<圧倒的多数の弱者>にいいように利用されて、でもちょっと持ち上げられて調子に乗ったりしたら今度はボロカスに言われたりするんだぜ? ネットの匿名の向こうからな。
承認欲求を満たされたいから英雄的行動を取るなんてのは、それこそバカのすることだとは思わないか?
俺は思うね、<逆張り>とかなんとか言われたって関係ねえ。自分じゃ何もせず誰かに助けてもらうことを期待してるだけの奴なんざ、命かけてまで助ける必要があるかよ。
ただ、そういうことを抜きにして『守りたい』って思える相手もいたりするよな。今の俺にとってはリーネとトーイだ。リーネとトーイのためなら、損得関係なしで助けたいと思ってしまうかもしれない。自分が死ぬかもしれない状況になったら見捨てて逃げるかもしれなくても、少なくとも<自分が死ぬかもしれない状況>じゃないなら助けたいと思う。
だからこそ、
『血の繋がってない子供なんて愛せるわけがない』
とか言う奴は、<正義>なんてゴミみてえな戯言は口にせず、<英雄的行動>なんざ鼻で笑わないとおかしいよな。自分と血が繋がってない相手とか守りたいとも思えねえんだろ? だったら、命張って赤の他人を助けようとする行為とか、称賛したらおかしいじゃねえか。
『血の繋がってない子供なんて愛せるわけがない』ならよ。
俺は、血は繋がってないがリーネとトーイは守りたい。だから『血の繋がってない子供なんて愛せるわけがない』とは、今は思わない。かと言って、<正義>なんて妄想を掲げたいとも思わねえ。俺は非力だ。俺の手は小さくて短くて、ブルーノまでは届かなかった。その事実を見ずに、
『今度こそ助けたい!』
なんて思わない。そんなことに囚われたら、リーネとトーイを守れないかもしれねえ。
ただ、もしかしたら、俺の手の届くところに来てくれるなら、俺の力の及ぶ範囲でなら、あと一人か二人くらいならとは、思わなくもない。
でもまあ、積極的にとは思わないけどよ。それでも、俺の家の前で行き倒れてるのがいたりしたら、助けちまいそうな気はするな。
あくまで、その程度だ。ブルーノのような事例については、今後はもう干渉しない。口も出さない。気にもかけない。
またリーネに心配かけるのは嫌だからな。
って感じの<英雄的行動>ってやつは、なるほど称賛を浴びて持て囃されたりもするだろう。けどよ、よく考えてみな。それを称賛し持ち上げる奴のほとんどは、
『自分じゃ何もしない』
奴らなんだぜ? 自分じゃ何もしないで誰かが助けてくれるのを期待してるだけの奴らなんだぜ? そんな奴らに称賛されて持ち上げられて<いい気分>になってる奴って、<利口>だと思うか?
社会の中の<圧倒的多数の弱者>にいいように利用されて、でもちょっと持ち上げられて調子に乗ったりしたら今度はボロカスに言われたりするんだぜ? ネットの匿名の向こうからな。
承認欲求を満たされたいから英雄的行動を取るなんてのは、それこそバカのすることだとは思わないか?
俺は思うね、<逆張り>とかなんとか言われたって関係ねえ。自分じゃ何もせず誰かに助けてもらうことを期待してるだけの奴なんざ、命かけてまで助ける必要があるかよ。
ただ、そういうことを抜きにして『守りたい』って思える相手もいたりするよな。今の俺にとってはリーネとトーイだ。リーネとトーイのためなら、損得関係なしで助けたいと思ってしまうかもしれない。自分が死ぬかもしれない状況になったら見捨てて逃げるかもしれなくても、少なくとも<自分が死ぬかもしれない状況>じゃないなら助けたいと思う。
だからこそ、
『血の繋がってない子供なんて愛せるわけがない』
とか言う奴は、<正義>なんてゴミみてえな戯言は口にせず、<英雄的行動>なんざ鼻で笑わないとおかしいよな。自分と血が繋がってない相手とか守りたいとも思えねえんだろ? だったら、命張って赤の他人を助けようとする行為とか、称賛したらおかしいじゃねえか。
『血の繋がってない子供なんて愛せるわけがない』ならよ。
俺は、血は繋がってないがリーネとトーイは守りたい。だから『血の繋がってない子供なんて愛せるわけがない』とは、今は思わない。かと言って、<正義>なんて妄想を掲げたいとも思わねえ。俺は非力だ。俺の手は小さくて短くて、ブルーノまでは届かなかった。その事実を見ずに、
『今度こそ助けたい!』
なんて思わない。そんなことに囚われたら、リーネとトーイを守れないかもしれねえ。
ただ、もしかしたら、俺の手の届くところに来てくれるなら、俺の力の及ぶ範囲でなら、あと一人か二人くらいならとは、思わなくもない。
でもまあ、積極的にとは思わないけどよ。それでも、俺の家の前で行き倒れてるのがいたりしたら、助けちまいそうな気はするな。
あくまで、その程度だ。ブルーノのような事例については、今後はもう干渉しない。口も出さない。気にもかけない。
またリーネに心配かけるのは嫌だからな。
0
お気に入りに追加
31
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
異世界転生 我が主のために ~不幸から始まる絶対忠義~ 冒険・戦い・感動を織りなすファンタジー
紫電のチュウニー
ファンタジー
第四部第一章 新大陸開始中。 開始中(初投稿作品)
転生前も、転生後も 俺は不幸だった。
生まれる前は弱視。
生まれ変わり後は盲目。
そんな人生をメルザは救ってくれた。
あいつのためならば 俺はどんなことでもしよう。
あいつの傍にずっといて、この生涯を捧げたい。
苦楽を共にする多くの仲間たち。自分たちだけの領域。
オリジナルの世界観で描く 感動ストーリーをお届けします。
【完結】異世界アイドル事務所〜アナタの才能、発掘します!〜
成瀬リヅ
ファンタジー
「願わくば、来世で彼女をトップアイドルに……」
そう思いながら死んだアイドルプロデューサーの俺・小野神太は、気付けば担当アイドルと共に多種族の住む異世界へ転生していた!
どうやら転生を担当した者によれば、異世界で”トップアイドルになれるだけの価値”を示すことができれば生き返らせてくれるらしい。
加えて”アイドル能力鑑定チート”なるものも手に入れていた俺は、出会う女性がアイドルに向いているかどうかもスグに分かる!なら異世界で優秀なアイドルでも集めて、大手異世界アイドル事務所でも作って成り上がるか!
————————
・第1章(7万字弱程度)まで更新します。それ以降は未定です。
・3/24〜HOT男性向けランキング30位以内ランクイン、ありがとうございます!
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます(Ver.02)
京衛武百十
ファンタジー
俺の名は錬是(れんぜ)。開拓や開発に適した惑星を探す惑星ハンターだ。
だが、宇宙船の故障である未開の惑星に不時着。宇宙船の頭脳体でもあるメイトギアのエレクシアYM10と共にサバイバル生活をすることになった。
と言っても、メイトギアのエレクシアYM10がいれば身の回りの世話は完璧にしてくれるし食料だってエレクシアが確保してくれるしで、存外、快適な生活をしてる。
しかもこの惑星、どうやらかつて人間がいたらしく、その成れの果てなのか何なのか、やけに人間っぽいクリーチャーが多数生息してたんだ。
地球人以外の知的生命体、しかも人類らしいものがいた惑星となれば歴史に残る大発見なんだが、いかんせん帰る当てもない俺は、そこのクリーチャー達と仲良くなることで残りの人生を楽しむことにしたのだった。
筆者より。
なろうで連載中の「未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます」に若干の手直しを加えたVer.02として連載します。
なお、連載も長くなりましたが、第五章の「幸せ」までで錬是を主人公とした物語自体はいったん完結しています。それ以降は<錬是視点の別の物語>と捉えていただいても間違いではないでしょう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる