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レイラ
免疫機能
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レイラの戦い方は、誰かに見せて評価を得るためのものではなかった。エンターテイメント作品のようにカタルシスを得るために行っているのではないため、本当に淡々と、事務作業のように抑揚なく行われる。
一方、<魔王>の側は、想定されていたいかなる<敵>とも異なるそれに為す術なく蹂躙されている状態だった。いわば、非常に毒性の高い異物に急速に蝕まれている状態だろうか。
実際、魔王にとってのレイラは、動物の体内を食い荒らすタイプの寄生虫のようなものだろう。しかも、それまで存在したどの寄生虫よりも強力で強靭で悪質な。
蛸のような烏賊のような姿をした、異物を捕食するタイプの免疫機能の他にも、柔らかいゴムボールのような姿をした、おそらく寄生虫の細胞に融合したのちに破裂して寄生虫そのものを死に至らしめるタイプの免疫機能なども襲ってきた。
が、これも、そもそも生物ではないレイラにはまったく効果がない。
さらには、カルシウム成分が集まり、レイラの体の表面に付着。それが徐々に広がっていった。どうやら、カルシウムの<殻>を作って異物を封じ込めてしまおうとする防御反応のようだ。
まさに、生物の体が見せる免疫機能の集大成のような反応だった。
けれど、未知かつ桁違いに強力なレイラ相手にはまったく通用しない。ゆえにレイラは、順調に骨格を破壊していく。
この時、外では、<魔王>が苦し気に、
「ギギギギギギギギギギギギギギギギ……!」
と<声>を上げていた。非常事態を知らせる<警報>の一つなのだろうが、それを聞きつけて対処してくれる<味方>はここにはいない。魔王もまた、孤立無援なのだ。
だが同時に、
『バッテリー残量、二十六パーセント』
レイラの方も、猛烈な勢いで電力を消費していく。魔王の組織内を強引に移動するために常に最大出力で稼働している上に超振動ワイヤの連続使用により、通常の運用では有り得ない状態にあるのだ。
これにより機体温度も上昇。
『警告、機体温度が許容値を上回っています。直ちに運用を停止し、冷却を行ってください』
という警告が出るが、これについては実は、魔王の<体液>に包まれていることで冷却効率が高まっており、設計上の安全マージンの範囲内でギリギリ収まっている状態だった。これ以上温度が上がると、強制シャットダウンが起こる可能性もある。そうすると、人間が外部より操作しないと再起動はしない。となれば、カルシウムの殻が彼女を覆い、体内に侵入した異物として、時間をかけて体外に排出されるだけだろう。
一方、<魔王>の側は、想定されていたいかなる<敵>とも異なるそれに為す術なく蹂躙されている状態だった。いわば、非常に毒性の高い異物に急速に蝕まれている状態だろうか。
実際、魔王にとってのレイラは、動物の体内を食い荒らすタイプの寄生虫のようなものだろう。しかも、それまで存在したどの寄生虫よりも強力で強靭で悪質な。
蛸のような烏賊のような姿をした、異物を捕食するタイプの免疫機能の他にも、柔らかいゴムボールのような姿をした、おそらく寄生虫の細胞に融合したのちに破裂して寄生虫そのものを死に至らしめるタイプの免疫機能なども襲ってきた。
が、これも、そもそも生物ではないレイラにはまったく効果がない。
さらには、カルシウム成分が集まり、レイラの体の表面に付着。それが徐々に広がっていった。どうやら、カルシウムの<殻>を作って異物を封じ込めてしまおうとする防御反応のようだ。
まさに、生物の体が見せる免疫機能の集大成のような反応だった。
けれど、未知かつ桁違いに強力なレイラ相手にはまったく通用しない。ゆえにレイラは、順調に骨格を破壊していく。
この時、外では、<魔王>が苦し気に、
「ギギギギギギギギギギギギギギギギ……!」
と<声>を上げていた。非常事態を知らせる<警報>の一つなのだろうが、それを聞きつけて対処してくれる<味方>はここにはいない。魔王もまた、孤立無援なのだ。
だが同時に、
『バッテリー残量、二十六パーセント』
レイラの方も、猛烈な勢いで電力を消費していく。魔王の組織内を強引に移動するために常に最大出力で稼働している上に超振動ワイヤの連続使用により、通常の運用では有り得ない状態にあるのだ。
これにより機体温度も上昇。
『警告、機体温度が許容値を上回っています。直ちに運用を停止し、冷却を行ってください』
という警告が出るが、これについては実は、魔王の<体液>に包まれていることで冷却効率が高まっており、設計上の安全マージンの範囲内でギリギリ収まっている状態だった。これ以上温度が上がると、強制シャットダウンが起こる可能性もある。そうすると、人間が外部より操作しないと再起動はしない。となれば、カルシウムの殻が彼女を覆い、体内に侵入した異物として、時間をかけて体外に排出されるだけだろう。
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